庭の隅に蜘蛛が巣をかけている。
蜘蛛の巣は歩いていて顔にかかったときなど不快なもので、蜘蛛を殺したりはしないものの、巣はj取り払ってしまう。
ところが今回は、あまり通行の邪魔にならない場所であったのと、子供の頃よく捕まえたジョロウグモだったからだ。
久し振りに見かけて、ちょっと懐かしくなった。
このジョロウグモの巣は粘り気が強く、子供の頃は小竹の先端だけを割って少し開いた部分に蜘蛛の巣をクルクルと巻き付けて、高い木で鳴いている蝉をペタッとくっつけて捕まえていたのだ。
通常夕方などに巣を張り替えて粘着力を維持して獲物を捕獲するのだが、庭への登場以来まだ一度も巣の張り替え作業も、虫を捕らえているところも見たことがない。
ただ、最初の頃より随分大きくなっているので、虫など捕食しているのだろうとは思うのだが・・・・。
先日の薪能は「土蜘蛛」で、人の世に障りをなさんと悪役で登場したのだが、こちらの女郎蜘蛛はもっぱら太陽の下で空中に営業所を構える善玉であると思っている。
たしか鹿児島あたりでは、この女郎蜘蛛を飼育して蜘蛛同士を戦わせる遊びを大人が本気になってやってると聞いたことがある。
子供の頃、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を読んで以来、何となく仇や疎かには出来なくて、家の中で遭遇した場合等は、そっと屋外に引き取ってもらうよう気を使うようになっているから、考えて見れば本の影響力はすごい。
庭の蜘蛛も結構な大きさに成長したし、小結か関脇くらいはいけそうな気がするのだが・・・・・。
この手のクモには3種類のそっくりさんが居るのです。ジョロウグモはこれより細長く色もくすんでいます。
コガネグモは今では数が減っているらしいのでちょっとだけラッキーでしたね。
ご丁寧に有り難う御座いました!!