一月十二日(木)晴れ。
今日は、東京で打ち合わせがあるので、午前中から出かけた。保土ヶ谷から新宿までは、湘南新宿ラインで、約四十分。今朝は今年一番の寒さらしいが、車窓から入ってくる陽射しが気持ち良く、本を読んでいてもつい瞼が重くなる。
現在読んでいる本は、小島直記の「人間・出会いの研究」(新潮文庫)である。私は、小島氏のファンで、氏の「伝記文学全集」を完読してしまうのが惜しいので、ちびりちびりと読んでいる。今読んでいる文庫は、再読のものだが、酒で頭が腐っているせいか、傍線を引いた部分の記憶が薄れていたので、移動用の本としてまた読み始めた。
小島氏は、七十一歳の時に直腸がんの手術をし、その二年後に、別の癌が出来て再び入院、手術を受ける。そういった体調不良の中で、氏は、「鈴木大拙全集」全三十二巻を買い求めた。
その時のことを、小島氏はこう書いている。「全三十二巻を読了するまでいのちがあるかどうかはわからないが、放射線治療の後遺症で低下した脳力、気力の回復を助けてくれればと思う」と。私は、この小島氏の本のように、「はらわたの腐り止め」としている本が何冊かある。また、他の小島氏の本では、「出世を急がぬ男たち」「逆境を愛する男たち」「回り道を選んだ男達」(いずれも新潮文庫)の三冊から様々な本を知り、とても勉強になった。本を読むということは、人を読むということと同義語だといつも思う。
打ち合わせが終了したのちに、木村三浩氏と会いお茶。近々インドへ行くそうだが、すっかり世界を股にかける運動家となった。途中で、大行社の小針政人氏から連絡が入り、「久しぶりに一献」の誘い。それではと、横浜駅で待ち合わせ。行く先は、藤棚の愛福楼。しかし、時間が早かったせいもあって、開店前。仕方ないので近くの喫茶店で暇をつぶしてから再挑戦。
愛福楼では、「蒸し鶏」「豚の耳」「水餃子」「茹でワンタン」「湯葉の春巻き」が定番料理となった。甕出しの紹興酒を二本空けた。そのうちにカメ&アコちゃんや最近知り合いになった方が合流。楽しい一献会となった。カメちゃんが、近くのなじみの店を予約してあるとのことで、そこに転戦。十時前に自宅に戻り、そのまま寝てしまった。最近は、飲むとすぐに眠くなる。