一月十六日(月)曇り。
松も取れて、鏡開きも済み、昨日は町内で「せいと焼き」の手伝いに子供たちは出かけ、すっかり正月気分が抜けたと思っていたのに、飲み屋へ初めて顔を出すと、「おめでとうございまのす」のあいさつ。いやはや、一月の長いこと。やっと半分が終わったが、一月に飽きたと言うのが本音である。
午前中から原稿書き。まだ締切には間があるが、構想の浮かんだ原稿なだけに、勢いで書いた。「実話ドキュメント」の第一一五回で、テーマは「食を読む」。お花見から中秋節にまつわるエピソードについて書いてみた。五時に脱稿。校正は明日。
夜は、恒例の「蜷川政経懇」を関内の某店にて開催。九名が出席。楽しい酒席となった。その後、後輩たちと一軒転戦してからサリーの店に顔を出すが、この頃には、すでに酩酊状態。それでも、エエッイと、仕上げは久しぶりに寿司屋の「写楽」へ。軽くつまんで店を出た。この不況に、接待をして頂く社友や友人を有難く思う。浪人の身では、友人や人脈こそが唯一最高の財産である。それを大切にして行きたいと思っている。
一月十五日の「産経抄」に、このたび日本航空の社長に就任した植木義晴氏の父親は、往年の東映の大スターであった故片岡千恵蔵さんであるということが書いてあった。私たちの世代には片岡千恵蔵の名は懐かしい。映画が庶民の娯楽の王様だった時代、どれほどの東映の時代劇を見ただろうか。映画界の人気の頂点にいた人の息子さんが、派手な芸能界などにあこがれずに、航空大学から日本航空に入り、社長にまでなった。ちなみに、パイロットから経営のトップとなるのは初めてのことだそうだ。
久しぶりに、自宅にある東映の時代劇でも見るとするか。