三月七日(月)雨。
雨の中、今日が歯医者の予約日だと思って出かけると、受付のお嬢さんが、怪訝な顔をして「蜷川さん。予約は水曜日ですよ」。シェー!。いきなりイヤミのポーズが浮かびました。仕方がないので、マックで百円のコーヒーを飲みながら、先日アマゾンで取り寄せた『痛快無比!ニッポン超人図鑑』(前坂俊之著・新人物文庫)を読みふけった。
私の大好きな藤棚商店街の「やまと」のお母さんが元気に店に出ている頃、飲み物を勧めると、必ず日本酒の「超アツ燗」を飲んだ。お母さんの「超アツ」は常連さんでは知らないものがいなかったが、明治後期から昭和の初期に活躍した『女系図』の泉鏡花の酒は、「泉燗」といって仲間の間では有名だったと、前述の本にあった。
それによると、一度赤痢にかかった体験から、極度の潔癖症となった鏡花は、外出時にアルコールランプを絶えず持ち歩き、出されたお菓子は火であぶって恐る恐る食べた。水も沸騰させてから飲み、豆腐が好物だったが、湯豆腐だけを食べたそうだ。日本酒が好きで、熱燗にするのだが、それを通り越して沸騰させてグラグラ煮立ったものを好んだ。この超、超熱燗を、鏡花の周りのものは「泉燗」と命名した。
とても普通の人では熱くて持てない徳利を、指先でつまむように持ち、あわてて、右の耳でつまんで冷やしながら「熱い酒なら、いくら熱くても平気」とご機嫌に飲んでいた。
「やまと」のお母さんも、最近はお店には出ていないが、マスターの話によれば、元気で晩酌を楽しんでいるとのこと。やはり好きな日本酒を「超熱」で飲んでいるのだろうか。
雨の中、今日が歯医者の予約日だと思って出かけると、受付のお嬢さんが、怪訝な顔をして「蜷川さん。予約は水曜日ですよ」。シェー!。いきなりイヤミのポーズが浮かびました。仕方がないので、マックで百円のコーヒーを飲みながら、先日アマゾンで取り寄せた『痛快無比!ニッポン超人図鑑』(前坂俊之著・新人物文庫)を読みふけった。
私の大好きな藤棚商店街の「やまと」のお母さんが元気に店に出ている頃、飲み物を勧めると、必ず日本酒の「超アツ燗」を飲んだ。お母さんの「超アツ」は常連さんでは知らないものがいなかったが、明治後期から昭和の初期に活躍した『女系図』の泉鏡花の酒は、「泉燗」といって仲間の間では有名だったと、前述の本にあった。
それによると、一度赤痢にかかった体験から、極度の潔癖症となった鏡花は、外出時にアルコールランプを絶えず持ち歩き、出されたお菓子は火であぶって恐る恐る食べた。水も沸騰させてから飲み、豆腐が好物だったが、湯豆腐だけを食べたそうだ。日本酒が好きで、熱燗にするのだが、それを通り越して沸騰させてグラグラ煮立ったものを好んだ。この超、超熱燗を、鏡花の周りのものは「泉燗」と命名した。
とても普通の人では熱くて持てない徳利を、指先でつまむように持ち、あわてて、右の耳でつまんで冷やしながら「熱い酒なら、いくら熱くても平気」とご機嫌に飲んでいた。
「やまと」のお母さんも、最近はお店には出ていないが、マスターの話によれば、元気で晩酌を楽しんでいるとのこと。やはり好きな日本酒を「超熱」で飲んでいるのだろうか。