白雲去来

蜷川正大の日々是口実

李白の詩は百七十首が酒の詩。

2021-03-31 17:57:47 | 日記

3月30日(火)晴れ。夜ちょっと雨。

読みすぎて、使いすぎてかなり傷んだ文庫がある。『李白詩選』(松浦友久編訳・岩波文庫)である。一冊は車の中に、もう一冊は持ち歩き用と同じものを二冊持っている。車の中のものは、人と待ち合わせの時に、早く着いてしまった時や、駅に家族を迎えに行った時のスタンバイの際に読んでいる。本の奥付を見ると、1997年1月の発行の初版の物だから、もう24年も読んでいる。にも関わらず、酒で腐った頭では、詩を覚えられない。それどころか覚えたものもどんどん忘れて行く。痴呆化している証拠である。

尾崎秀樹さんの『中国酒食春秋』(講談社)によると、李白の現存する詩は、一千五十首あるが、そのうち百七十首が酒に関する詩だという。文字通りの酒仙と言える。過度の飲酒のため62歳で死んだとされているが、李白の酒の詩で最も知られているのが、「月下独酌」四首の第一首の一の冒頭部分と「客中作」という七言絶句ではないだろうか。

 月下独酌

花間一壺酒  花間 一壺の酒
独酌無相親  独り酌みて相ひ親しむ無し
挙杯邀明月  杯を挙げて明月を邀へ
対影成三人  影に対して三人と成る

 客中作

蘭陵美酒鬱金香  蘭陵の美酒 鬱金香
玉碗盛來琥珀光  玉碗に盛り來る 琥珀の光
但使主人能醉客  但だ主人をして能く客を醉はしむれば
不知何處是他鄕  知らず 何れの處か是れ他鄕

そんなわけで、夜は、仲良しさんたちとの月に一度の食事会を野毛の「弥平」にて開催。二時間ほど飲んでからI社長とサリーズバーへ転戦。時短で9時前に解散。


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