蕎麦遺産

未来の世代に引き継ぐべき「蕎麦」に関するあらゆる情報を調査し、「蕎麦遺産」として登録しています。

生粉手打ち 芳とも庵(新宿区納戸町)の「そば刺し」「蕎麦屋の出し巻き」「三種盛り」「地獄そば」等

2011年05月15日 | 蕎麦屋(都内)
【平成23年5月某日 調査・登録】
 こちらの店は、以前「生粉打ち亭」という屋号でしたが、創業者の池田好美氏の他界により、平成22(2010)年、屋号が「生粉手打ち 芳とも庵」に変わりました。国産100%の蕎麦粉を使った生粉打ちにこだわった店という点に変更はありません。
 「生粉打ち(きこうち)」とは、小麦粉・山芋・布海苔などの「つなぎ」を一切使わずに、蕎麦粉と水だけで打つそばのことを言います。
 こちらの店では、福井・山形・茨城・栃木などから取り寄せた国内厳選蕎麦を用いて、店内に設けられたガラス張りのそば打ち処で、皮むき・製粉し、薫り高いそばを打っています。
 《こちらの店の前身「生粉打ち亭」の前回の調査・登録:三種盛り、山かけそば


 まずは「そば刺し」です。ご覧のとおり、そば生地を薄く延ばして刺身風に切って供されます。見た目よりも固めで歯ごたえがあります。蕎麦の風味が漂い、なかなか美味です。


 「そば刺し」を食しながらいただいたのは冷酒「雪の茅舎」です。秋田の齋彌酒造店製で芳醇なお酒です。


 次は蕎麦屋の定番「出し巻きたまご」です。出汁の味が染み込んだ逸品です。


 冷酒を楽しんだ後にいただいたのは「菊正宗」の熱燗です。


 さて、いよいよ本命のそばです。
 こちらは「三種盛り」です。江戸そば・田舎そば・津軽そばの盛り合わせです。
 こちらの店は、蕎麦だけでなく、そば汁にも大変なこだわりを持っています。醤油は島根の再仕込み醤油、味醂は伝承古式醸造法による昔仕込本味醂、砂糖は阿波和三盆糖およびグラニュウ糖が使われています。出汁は鰹節・昆布・どんこを使用して1時間じっくりと煮出して取られますが、鰹節は本枯節の厚削り・昆布は利尻昆布・どんこは国産が使われています。


 最初は「江戸そば」です。3種類のそばの中では最も白い色をしています。「剥きたて」「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」の「4たて」の王道を行く十割そばは実に美味です


 次に「田舎そば」です。3種類のそばの中では一番黒くて太いそばです。ゴワっとしてヌルっとした独特の食感があります。


 最後は「津軽そば」です。青森県津軽地方に伝わるそばですが、製法が複雑なため現在では消滅した幻のそばだそうです。古来からの伝統的な製法によって蘇らせたもので、独特の食感があります。


 「地獄そば」は辛味大根のおろしそばです。かなり辛みのある大根がそばの美味しさを一層引き立てています。



 仕上げは勿論「そば湯」です。「ごちそうさま」で店をあとにしました。


★生粉手打ち 芳とも庵
  所在:東京都新宿区納戸町10番地
  電話:03-3235-7177
  品代:そば刺し500円、雪の茅舎900円、そば屋の出し巻きたまご800円、菊正宗700円、三種盛り1,500円、地獄そば1,500円


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