(つづき)
過去記事に光を当てるシリーズの8回目。
今回は、今から約9年前、福岡地区の行先番号の再編について考察してみたもの。
実現したもの、実現していないもの、路線自体が変わってしまったもの…などいろいろあるのだが、後半の行先番号の統一に関する部分など、結構いい読みだったのでは?と自画自賛。
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先日取り上げた「安徳北小学校前」バス停を走る「4番」は、いわゆる「大橋ローカル」と呼ばれる路線である。
かつては、大橋地区と那珂川地区を結ぶ路線のほとんどは「62番」として運行されていたが、いろんな経由地ができてあまりに複雑化しすぎて、「何もかも62番」という状態となってしまったため、再編が行われ「4番」「7番」「8番」「9番」などに分割されたものである(複雑化した様子は、Riverside houseさんのサイト「西鉄バス研究」の「路線図アーカイブス」にまとめられている)。
同様に福岡市中心部~姪浜~野方地区を走る「1番」についても、「何もかも1番」という状態になっていたが、2005年11月に分割が行われた。
これ以外にも、現存する路線でも「分割したほうがいい」と思われる路線はまだまだあり、今回はその分割案を勝手に提案してみたい。
1.「2番」
分割案
室住団地、野方行き → 9番
次郎丸経由四箇田・金武行き → 2番
田隈新町経由四箇田行き → 2-2番
羽根戸経由四箇田行き → 2-3番
国立医療センター行き → 2-5番
現行の「2番」については、「室住団地方面行き」と「四箇田団地方面行き」が同じ番号というのが、やはり一番違和感があると思われるため、まずこれらを全く違う番号としてみた。
「9番」は現在、「のこ渡船場・マリノアシティ~西新~城南線~博多駅~九大前」というルートを運行している。
しかし、現行の「9番」は、既存の「10番」「15番」との線引きがあいまいな面があり、「西新~城南線~博多駅」を通る路線は「10番」と「15番」の2つに再編できると思われること(例えば藤崎方面は10番、タワー方面は15番など)、及び、一桁の番号は城南線経由よりも昭和通りや明治通り経由のほうが(相対的に)収まりがいいと考えられることから、現行の室住団地線を「9番」とした次第である。
原交差点を直進する路線については、現在、賀茂経由のみ「2-9番」と独立した番号が与えられているのに対して、他の系統がすべて「2番」というのはやはり不公平感というか違和感があるので、枝番で整理すべきと思われる。
ただしこの場合、現行の「15番」のうち「博多駅~ゆめタウン博多線」については、別の番号を付ける必要があると思われる(過去の経緯を踏まえれば「85番」が妥当なのかもしれないが、今さら感が強いので「29-1番」など?)。
こうなってくるとまたややこしくなり、結局「今のままでいいじゃん」ということにもなってしまいそうだが、そういった批判は承知のうえで、あくまで個人的な試案という観点からさらに続ける。
2.「23番」
分割案
新宮緑ヶ浜行き → 26番
三苫駅、高美台、大蔵行き → 20番
下原、香椎花園行き → 23番
以前に高須磨町のバス停を取り上げた際に触れたが、香椎浜方面(現在は「22番」)、みどりが丘方面(現在は「27番」)も、かつてはすべて「23番」であり、その頃と比較すれば現状はいくぶんわかりやすくなっている。
しかし、昔から「23番」には、「この番号は東地区のメイン路線なのだ」という「本線意識」みたいなものがあるようで、一時期走っていた「千鳥パークタウン行き」や、現在の「新宮緑ヶ浜行き」などにも「23番」を付けたり、一応名前に「香椎」とは付いているものの実際には香椎と全く関係ないところを通る路線にも「23番」をベースとした「23-2番」を付けるなど、再びややこしくなってきている。
実際、天神の郵便局前バス停では、同じ「23番」でも「新宮緑ヶ浜、三苫駅、高美台、大蔵行き」は18A乗り場、「下原、香椎花園行き」は18B乗り場と、乗り場が異なる状況が生じていて、これはまず改善する必要があると思われる。
なお、「20番」と「23番」は逆でもいいのかもしれないが、現行の派生路線「23B番」「23-1番」「23-2番」などの流れを踏まえて上記のようにしてみた。
3.「42番」
分割案
・女学院を経由しない平野ハイツ行き → 3-1番
・女学院を経由する平野ハイツ行き → 3-1J番
・女学院を経由しない惣利南口、月の浦行き → 3-2番
・女学院を経由する惣利南口、月の浦行き → 3-2J番
・女学院を経由しない博多南駅行き → 3-3番
・女学院を経由する博多南駅行き → 3-3J番
この路線の経由地、行先の種類の多さについては、以前も書いた。
また、この路線は福岡市内線の番号と思われる40番台を付けているが、実際には福岡市中心部までは行かず、番号も春日・大野城地区路線特有の「丸数字」を付けていて実質的には春日ローカル(もしくは大橋ローカル)線である。
よって、これを機会に40番台の番号を改めてローカル線扱いとし、先日のダイヤ改正で空いた「3番」をベースに持ってきてみた。
そして、経由地と行先に応じて、枝番とアルファベットを付けたカタチである。
ただ、果たしてここまで細かく分ける必要があるのか?という思いがあるのも事実であり、昇町交差点を直進するものが「3-1番」、曲がるものが「3-2番」くらいでもよいのかもしれない。
また、上り(大橋駅行き)については、枝番やアルファベットを付けずに、単に「3番」としてもいいのかもしれない(森林都市方式)。
4.「61番」
分割案
・片江、福大病院、若久団地行き → 60番
・那珂川営業所行き → 61番
・九州ガンセンター行き → 53番
かつて紹介した「60番 桧原循環線」が廃止された際に、「60番」のオリジナル経路であった桧原営業所以西(片江、福大病院方面)についても「61番」とされてしまったため、「61番」でカバーするエリアがかなり広くなってしまい、わかりにくくなっているのが現状である。
元の番号を意識して、「60番」と「61番」に分けることにより、先日のダイヤ改正で新設された「6番」との関連で考えても、かなりスッキリするのではないだろうか。
九州ガンセンター行きについては、現在欠番となっている「53番」を使い、高宮通り経由で運行してみてはどうだろうか(都心部の終点は九大病院などにして)。
若久団地行きを何番にするかは悩ましいところだ。
現在のように朝だけでなく、終日運行がなされ、かつ、若久団地の奥まで乗り入れたりするのであれば、全く新しい経路、番号(「54番」など)を考えてみても面白いと思うのだが…。
5.「201番」
分割案
・次郎丸経由 → 201番
・田隈新町経由 → 209番
1で「2番」の分割を前提としていることから、それに対応した措置。
3桁の番号に枝番を付けると非常に見にくくなってしまうのではないかという懸念から(かつて「201A番」「204A番」などが存在した時期もあったが、決してわかりやすいとは言えなかった)、田隈経由は「201-2番」とせずに、「209番」とした。
現在「20X番」は「205番」が最大だが、「206番」「207番」あたりは野方方面の番号で使われる可能性があるため、「20X番」の中での最大値かつ、かつて類似のルートを走っていたことのある「209番」を充てた。
「201-2番」という表示で特に違和感がないのであれば、こちらでもよいと思われる。
LEDの行先表示が主流となり、博多駅を出る時点では、次郎丸経由なのか田隈経由なのかが表示を見ただけではわからないという事態も生じているため、分割して番号で区別してしまうのもひとつの方法だと思われる。
6.「205番」
分割案
・拾六町団地経由野方行き → 205番
・宮の前団地経由西陵高校行き→ 206番
この「205番」自体も、もともとは「204番」から分割されてできた番号であるが、姪浜駅と背後の住宅地を結ぶ路線の細分化(1番シリーズ)、及び都市高速経由都心行き路線の充実(500番台)という現状に対応させるためには、さらに分割する必要があると思われる。
ただし、これまで1~5で取り上げた各路線に比較して、この路線は運行本数が少ないため、現実的な必要性は高くないのかもしれない。
余談になるが、1番シリーズと500番台の間で、200番台の路線のポジションも微妙になってきている。
もし500番台に天神周辺で折り返すことができる場所が確保できれば、200番台(特に「204番」と「205番」)は今よりかなり減ることになると思われる。
以上、福岡地区の西鉄バス路線の番号分割案を思いつくまま書き連ねてみた。
これらは、既存番号の体系の秩序や、従来の路線網を可能な限り維持しながら、よりわかりやすいものに変えることを指向したものである。
よって、ルートの変更・廃止・新設には、できるだけ踏み込んでいない。
また、原則として、都心部から郊外部に向かうベクトルを分割することを主眼としたが、本来であれば、逆方向、すなわち郊外部から都心部に向かうベクトルについても、分割、再編を考える必要があると言える。
例えば、「61番」についてみると、都心部方面行きは「九大前行き」「那の津4丁目行き」「福浜行き」「呉服町方面行き」があり、天神から先は全く違う方向に進んでいくのに、「やってきた方面が同じ」という都心部から乗る人にとってはまったく関係のない理由で、同じ「61番」が付いている。
「23番」の「天神行き」と「西公園行き」のような、同じベクトル上に終点があるものであれば、そこまで違和感はないのかもしれないが、上記「61番」以外にも、「1番」「12番」「13番」「62番」「140番」「200番」「201番」「204番」などは、都心部で上りのバスを待っている人にとっては、かなりわかりにくい路線である。
対応策としては、LEDの利点を活かして、「80番」の例に倣い、例えば、渡辺通1丁目から北行きは、番号と行先を完全対応させる(西公園ランプ経由タワー方面行きは全て「305番」、那の津4丁目行きは全て「62番」など)ことが可能なのではないだろうか。
同様に、赤坂門(もしくは大名2丁目)より東についても、博多駅行きは全て「3番」、吉塚営業所行きは全て「13番」、九大前・月見町行きは全て「1番」など、途中で番号を変えて番号と行先を完全対応させることで、かなりわかりやすくなると思う。
以前知人から、「同じ1番なのに、どうして博多駅行きと九大方面行きがあるのか」と聞かれたことがあった。
「もともと1番というのは市内電車の代替路線で、その後7番と統合されて…」などと、路線の歴史や変遷をいくら説明したところで理解してもらえるはずもない訳で、やはり、ごくごく一般的に考えたら「同じ番号なのに行先が違う」というのはおかしなことである。
特に、観光客など普段あまり西鉄バスを利用しない人の比率が高い都心部を走るバスについては、よりいっそうのわかりやすさという観点が必要といえるのではないだろうか。
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(つづく)
過去記事に光を当てるシリーズの8回目。
今回は、今から約9年前、福岡地区の行先番号の再編について考察してみたもの。
実現したもの、実現していないもの、路線自体が変わってしまったもの…などいろいろあるのだが、後半の行先番号の統一に関する部分など、結構いい読みだったのでは?と自画自賛。
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先日取り上げた「安徳北小学校前」バス停を走る「4番」は、いわゆる「大橋ローカル」と呼ばれる路線である。
かつては、大橋地区と那珂川地区を結ぶ路線のほとんどは「62番」として運行されていたが、いろんな経由地ができてあまりに複雑化しすぎて、「何もかも62番」という状態となってしまったため、再編が行われ「4番」「7番」「8番」「9番」などに分割されたものである(複雑化した様子は、Riverside houseさんのサイト「西鉄バス研究」の「路線図アーカイブス」にまとめられている)。
同様に福岡市中心部~姪浜~野方地区を走る「1番」についても、「何もかも1番」という状態になっていたが、2005年11月に分割が行われた。
これ以外にも、現存する路線でも「分割したほうがいい」と思われる路線はまだまだあり、今回はその分割案を勝手に提案してみたい。
1.「2番」
分割案
室住団地、野方行き → 9番
次郎丸経由四箇田・金武行き → 2番
田隈新町経由四箇田行き → 2-2番
羽根戸経由四箇田行き → 2-3番
国立医療センター行き → 2-5番
現行の「2番」については、「室住団地方面行き」と「四箇田団地方面行き」が同じ番号というのが、やはり一番違和感があると思われるため、まずこれらを全く違う番号としてみた。
「9番」は現在、「のこ渡船場・マリノアシティ~西新~城南線~博多駅~九大前」というルートを運行している。
しかし、現行の「9番」は、既存の「10番」「15番」との線引きがあいまいな面があり、「西新~城南線~博多駅」を通る路線は「10番」と「15番」の2つに再編できると思われること(例えば藤崎方面は10番、タワー方面は15番など)、及び、一桁の番号は城南線経由よりも昭和通りや明治通り経由のほうが(相対的に)収まりがいいと考えられることから、現行の室住団地線を「9番」とした次第である。
原交差点を直進する路線については、現在、賀茂経由のみ「2-9番」と独立した番号が与えられているのに対して、他の系統がすべて「2番」というのはやはり不公平感というか違和感があるので、枝番で整理すべきと思われる。
ただしこの場合、現行の「15番」のうち「博多駅~ゆめタウン博多線」については、別の番号を付ける必要があると思われる(過去の経緯を踏まえれば「85番」が妥当なのかもしれないが、今さら感が強いので「29-1番」など?)。
こうなってくるとまたややこしくなり、結局「今のままでいいじゃん」ということにもなってしまいそうだが、そういった批判は承知のうえで、あくまで個人的な試案という観点からさらに続ける。
2.「23番」
分割案
新宮緑ヶ浜行き → 26番
三苫駅、高美台、大蔵行き → 20番
下原、香椎花園行き → 23番
以前に高須磨町のバス停を取り上げた際に触れたが、香椎浜方面(現在は「22番」)、みどりが丘方面(現在は「27番」)も、かつてはすべて「23番」であり、その頃と比較すれば現状はいくぶんわかりやすくなっている。
しかし、昔から「23番」には、「この番号は東地区のメイン路線なのだ」という「本線意識」みたいなものがあるようで、一時期走っていた「千鳥パークタウン行き」や、現在の「新宮緑ヶ浜行き」などにも「23番」を付けたり、一応名前に「香椎」とは付いているものの実際には香椎と全く関係ないところを通る路線にも「23番」をベースとした「23-2番」を付けるなど、再びややこしくなってきている。
実際、天神の郵便局前バス停では、同じ「23番」でも「新宮緑ヶ浜、三苫駅、高美台、大蔵行き」は18A乗り場、「下原、香椎花園行き」は18B乗り場と、乗り場が異なる状況が生じていて、これはまず改善する必要があると思われる。
なお、「20番」と「23番」は逆でもいいのかもしれないが、現行の派生路線「23B番」「23-1番」「23-2番」などの流れを踏まえて上記のようにしてみた。
3.「42番」
分割案
・女学院を経由しない平野ハイツ行き → 3-1番
・女学院を経由する平野ハイツ行き → 3-1J番
・女学院を経由しない惣利南口、月の浦行き → 3-2番
・女学院を経由する惣利南口、月の浦行き → 3-2J番
・女学院を経由しない博多南駅行き → 3-3番
・女学院を経由する博多南駅行き → 3-3J番
この路線の経由地、行先の種類の多さについては、以前も書いた。
また、この路線は福岡市内線の番号と思われる40番台を付けているが、実際には福岡市中心部までは行かず、番号も春日・大野城地区路線特有の「丸数字」を付けていて実質的には春日ローカル(もしくは大橋ローカル)線である。
よって、これを機会に40番台の番号を改めてローカル線扱いとし、先日のダイヤ改正で空いた「3番」をベースに持ってきてみた。
そして、経由地と行先に応じて、枝番とアルファベットを付けたカタチである。
ただ、果たしてここまで細かく分ける必要があるのか?という思いがあるのも事実であり、昇町交差点を直進するものが「3-1番」、曲がるものが「3-2番」くらいでもよいのかもしれない。
また、上り(大橋駅行き)については、枝番やアルファベットを付けずに、単に「3番」としてもいいのかもしれない(森林都市方式)。
4.「61番」
分割案
・片江、福大病院、若久団地行き → 60番
・那珂川営業所行き → 61番
・九州ガンセンター行き → 53番
かつて紹介した「60番 桧原循環線」が廃止された際に、「60番」のオリジナル経路であった桧原営業所以西(片江、福大病院方面)についても「61番」とされてしまったため、「61番」でカバーするエリアがかなり広くなってしまい、わかりにくくなっているのが現状である。
元の番号を意識して、「60番」と「61番」に分けることにより、先日のダイヤ改正で新設された「6番」との関連で考えても、かなりスッキリするのではないだろうか。
九州ガンセンター行きについては、現在欠番となっている「53番」を使い、高宮通り経由で運行してみてはどうだろうか(都心部の終点は九大病院などにして)。
若久団地行きを何番にするかは悩ましいところだ。
現在のように朝だけでなく、終日運行がなされ、かつ、若久団地の奥まで乗り入れたりするのであれば、全く新しい経路、番号(「54番」など)を考えてみても面白いと思うのだが…。
5.「201番」
分割案
・次郎丸経由 → 201番
・田隈新町経由 → 209番
1で「2番」の分割を前提としていることから、それに対応した措置。
3桁の番号に枝番を付けると非常に見にくくなってしまうのではないかという懸念から(かつて「201A番」「204A番」などが存在した時期もあったが、決してわかりやすいとは言えなかった)、田隈経由は「201-2番」とせずに、「209番」とした。
現在「20X番」は「205番」が最大だが、「206番」「207番」あたりは野方方面の番号で使われる可能性があるため、「20X番」の中での最大値かつ、かつて類似のルートを走っていたことのある「209番」を充てた。
「201-2番」という表示で特に違和感がないのであれば、こちらでもよいと思われる。
LEDの行先表示が主流となり、博多駅を出る時点では、次郎丸経由なのか田隈経由なのかが表示を見ただけではわからないという事態も生じているため、分割して番号で区別してしまうのもひとつの方法だと思われる。
6.「205番」
分割案
・拾六町団地経由野方行き → 205番
・宮の前団地経由西陵高校行き→ 206番
この「205番」自体も、もともとは「204番」から分割されてできた番号であるが、姪浜駅と背後の住宅地を結ぶ路線の細分化(1番シリーズ)、及び都市高速経由都心行き路線の充実(500番台)という現状に対応させるためには、さらに分割する必要があると思われる。
ただし、これまで1~5で取り上げた各路線に比較して、この路線は運行本数が少ないため、現実的な必要性は高くないのかもしれない。
余談になるが、1番シリーズと500番台の間で、200番台の路線のポジションも微妙になってきている。
もし500番台に天神周辺で折り返すことができる場所が確保できれば、200番台(特に「204番」と「205番」)は今よりかなり減ることになると思われる。
以上、福岡地区の西鉄バス路線の番号分割案を思いつくまま書き連ねてみた。
これらは、既存番号の体系の秩序や、従来の路線網を可能な限り維持しながら、よりわかりやすいものに変えることを指向したものである。
よって、ルートの変更・廃止・新設には、できるだけ踏み込んでいない。
また、原則として、都心部から郊外部に向かうベクトルを分割することを主眼としたが、本来であれば、逆方向、すなわち郊外部から都心部に向かうベクトルについても、分割、再編を考える必要があると言える。
例えば、「61番」についてみると、都心部方面行きは「九大前行き」「那の津4丁目行き」「福浜行き」「呉服町方面行き」があり、天神から先は全く違う方向に進んでいくのに、「やってきた方面が同じ」という都心部から乗る人にとってはまったく関係のない理由で、同じ「61番」が付いている。
「23番」の「天神行き」と「西公園行き」のような、同じベクトル上に終点があるものであれば、そこまで違和感はないのかもしれないが、上記「61番」以外にも、「1番」「12番」「13番」「62番」「140番」「200番」「201番」「204番」などは、都心部で上りのバスを待っている人にとっては、かなりわかりにくい路線である。
対応策としては、LEDの利点を活かして、「80番」の例に倣い、例えば、渡辺通1丁目から北行きは、番号と行先を完全対応させる(西公園ランプ経由タワー方面行きは全て「305番」、那の津4丁目行きは全て「62番」など)ことが可能なのではないだろうか。
同様に、赤坂門(もしくは大名2丁目)より東についても、博多駅行きは全て「3番」、吉塚営業所行きは全て「13番」、九大前・月見町行きは全て「1番」など、途中で番号を変えて番号と行先を完全対応させることで、かなりわかりやすくなると思う。
以前知人から、「同じ1番なのに、どうして博多駅行きと九大方面行きがあるのか」と聞かれたことがあった。
「もともと1番というのは市内電車の代替路線で、その後7番と統合されて…」などと、路線の歴史や変遷をいくら説明したところで理解してもらえるはずもない訳で、やはり、ごくごく一般的に考えたら「同じ番号なのに行先が違う」というのはおかしなことである。
特に、観光客など普段あまり西鉄バスを利用しない人の比率が高い都心部を走るバスについては、よりいっそうのわかりやすさという観点が必要といえるのではないだろうか。
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(つづく)