(つづき)
今年の春のダイヤ改正の話題も出始め、春の足音が聞こえてきましたが、こちらは、「あしおと」ではなく「あしあと」。
過去の西鉄バス福岡地区の春の改正の足跡を振り返っています。
今回は2009年春です。
1.「天神→博多駅」「天神→県庁方面」などの行先番号統一
この1年前に行われた「天神・博多駅→中央ふ頭・博多ふ頭」の行先番号統一に続き、以下の番号統一が行われた。
天神→県庁方面(吉塚営業所、九大病院、九大前、月見町) 「1番」
天神→明治通り→博多駅 「3番」
天神→昭和通り→博多駅 「2番」
天神→住吉通り→博多駅 「5番」
(博多駅→)天神→西公園ランプ→タワー方面 「305番」
市内各地からいろんな番号でやってきても、都心部に入る少し手前で上記の番号に変えることにより、都心部でバスを待つ人が、番号で行先を識別しやすくなった。
当時の記事では、
“西鉄はもともとバスの番号のことを「系統番号」ではなく「行先番号」と呼んでいるし、「わかりやすさ」という観点からは方向性は間違っていないと思う”
“今回の「行先番号の統一」は、行先表示のLED化がもたらした、西鉄バスの歴史上でもかなり大きな出来事だと思う。
たとえ利用者に不評だったとしても、また元に戻すようなことになるとさらなる大混乱を招きかねない。
ある意味「戻れない一歩」を踏み出したと言えそうだ”
という評価をしていた。
当時は、月見町行きも「1番」であり(その後「20番」を経て現在は「71番」)、また、「1番」の「博多駅→明治通り→姪浜駅」という、統一の理念にはやや合わない路線も運行されていた。
国体道路経由の「8番」への統一はこの時ではなく、ここからさらに2年後のこと。
また、現在は「W」の登場で、「305番」を天神で目にする機会がなくなっているし、「2番」も博多駅に行かなくなったので、現存する昭和通り経由博多駅行きの「3-1番」「3-2番」は、統一番号「2番」を使わなくなっている。
2.「410番」「420番」新設
少し前に「黒歴史」として取り上げた「410番」と「420番」。
このわずか9ヶ月後に「410番」は廃止となり、「420番」も大幅減便となっている。
ただ、「420番」は、現在も平日の通勤時間帯に3往復残っており、「黒歴史」と言ってしまうのは失礼だったかもしれない。
3.「45-1番」新設
「井尻駅~福岡徳州会病院~福岡女学院~昇町~南福岡駅~雑餉隈営業所」というルートで、現在も健在。
春日市のコミュニティバスだけが乗り入れていた福岡徳洲会病院に、西鉄バスが福岡市から乗り入れるという構図。
西鉄バスには、コミュニティバスではまかなえない部分で、まだまだ出番があると信じております。
4.「2-9番」ルート短縮と延長
四箇田団地に行かず「賀茂駅」までの運行に変更となり、一方で、上りは一部の便が藤崎から「国立医療センター」(現在の「九州医療センター」)まで延長に。
四箇田団地行きが走っていた「次郎丸六丁目」「歯科大総合病院前」は、土曜日早朝一本だけの免許維持路線が走るようになって、その後廃止となったが、昨年、別のルートで「歯科大病院」の構内にやってくる路線が新設されている。
5.「18番」廃止、「114番」金山団地経由新設
「片江営業所~福大病院~茶山~六本松~薬院駅~博多駅~呉服町~県庁~吉塚営業所」を結んでいた「18番」が廃止。
地下鉄七隈線のルートと一番重複していた路線であり、ある意味仕方なかったのかも。
博多駅から先、吉塚営業所までの間は、地下鉄に対抗して七隈線開業時に延長されたものでした。
「18番」廃止により、「114番」に金山団地経由の便が新設された。
6.「61番」片江営業所行き、福大病院行き廃止
「60番 桧原循環線」を引き継いだ片江営業所行きと福大病院行きが廃止に。
この2年前に「6番」(大橋駅~野間四角~屋形原~片江~福大病院)が新設されており、廃止は既定路線だったのかも。
7.「32番」のうち「イオンモール福岡ルクル」行きが「30番」に
「イオンモール福岡ルクル」は、現在の「イオンモール福岡」。
「30番」はいいとして、そこからさらに郊外まで行く「32番」「33番」「34番」は、行先と番号の対応が2017年現在も依然わかりにくいです。
8.「73番」経路変更
浜田~松田間のルートが、それまでの「浜田~松田」から、「浜田~松島一丁目~原田一丁目(新設)~松田」に変更となり、「松島一丁目」の拠点性がにわかに高まった。
この1年後に、従来の「73番」の2系統(八田小学校経由の「本線」と、1日1本だけの八田団地経由)が「73-1番」に変更となり、流通センターを通らずにみどりが丘団地入口まで向かうものが「73番」として新設されたが、現在は全て流通センター経由に戻り、番号もみどりが丘も含め全て「73番」となっている。
9.香椎ローカル「2番」(古賀駅~青柳四角~西鉄香椎)廃止
冒頭の画像は「2番」が停車していた「太閤水」。
地元以外の西鉄バスで最初に興味を持った路線であった「22番 こもの線」の血統を受け継ぐ路線だったが、この時に廃止に。
10.その他
「68番」国立医療センター行き廃止、
「無番」桜ケ丘第四~志免役場線の廃止、
「370番」「390番」のルート一部変更(蔵本と都市高速千代ランプの間に新たに「呉服町」と「蓮池」にも停車)、
神学校前と友丘(かつての友泉第二)の間に「友丘三丁目」が新設、
「前川町」が「箱崎駅東口」に改称、
「羽根戸道」が「田村七丁目」に改称、
「210番」が土日祝日も運行開始、
「39番快速」吉塚営業所系統の廃止、
「急行303番急行」増便とマリノアシティ→天神・博多駅の「直行」新設、
西南中高前経由能古渡船場行きの「エコルライナー」新設、
「80番」博多駅~キャナル~天神~中央埠頭線が平日も運行(現在は再び平日運行なしに逆戻り)、
「22番」の免許維持路線(東郵便局経由のルート)廃止
…なども行われています。
あと、福岡地区からはやや外れますが、飯塚を通らない福岡~田川の「直行」が新設されたり、水巻町内を走る西鉄バス「63番」「64番」が廃止されたり、新たに開業するJRししぶ駅にバスが乗り入れるようになったり、宮地岳線部分廃止に伴う代替路線のひとつ「1-3番」(西福間三丁目~JR福間駅~光陽台六丁目)が廃止になったのも、2009年春のことでした。
11.(春ではないですが)免許維持路線の大量廃止
・日曜祝日昼間に一本だけの「無番 土井営業所→上脇田」
・土曜日一本だけの「無番 四箇田団地→福大病院」
・「41番」のうち、平日2往復だけの吉塚営業所系統
・土曜日一本だけの「無番 中央ふ頭→千鳥橋」
・日曜祝日早朝に一本だけの「63番 博多ふ頭→扇町」
…の各路線が、2009年6月に一斉に廃止となり、上記各路線のみが停車していた「野芥二丁目」「隣保館前」「吉塚新川」「深井」「工場団地入口」「谷蟹」のバス停は廃止、「田隈小学校前」「妙見」「築港口」「市民会館前」「沖学園前」の免許維持路線のみが停車していた乗り場が廃止となった。
なお、その後「野芥二丁目」は別の場所に復活、「沖学園前」は全て廃止、「市民会館前」はバス停復活はないものの「連節バス」のルートとしては復活しています。
1日1本だけの「38番」、「300番」の駅東ランプ経由、「73番」の八田団地経由、「無番 四箇田団地→四箇田団地入口→金武営業所」などは、2017年現在も健在です。
(つづく)
今年の春のダイヤ改正の話題も出始め、春の足音が聞こえてきましたが、こちらは、「あしおと」ではなく「あしあと」。
過去の西鉄バス福岡地区の春の改正の足跡を振り返っています。
今回は2009年春です。
1.「天神→博多駅」「天神→県庁方面」などの行先番号統一
この1年前に行われた「天神・博多駅→中央ふ頭・博多ふ頭」の行先番号統一に続き、以下の番号統一が行われた。
天神→県庁方面(吉塚営業所、九大病院、九大前、月見町) 「1番」
天神→明治通り→博多駅 「3番」
天神→昭和通り→博多駅 「2番」
天神→住吉通り→博多駅 「5番」
(博多駅→)天神→西公園ランプ→タワー方面 「305番」
市内各地からいろんな番号でやってきても、都心部に入る少し手前で上記の番号に変えることにより、都心部でバスを待つ人が、番号で行先を識別しやすくなった。
当時の記事では、
“西鉄はもともとバスの番号のことを「系統番号」ではなく「行先番号」と呼んでいるし、「わかりやすさ」という観点からは方向性は間違っていないと思う”
“今回の「行先番号の統一」は、行先表示のLED化がもたらした、西鉄バスの歴史上でもかなり大きな出来事だと思う。
たとえ利用者に不評だったとしても、また元に戻すようなことになるとさらなる大混乱を招きかねない。
ある意味「戻れない一歩」を踏み出したと言えそうだ”
という評価をしていた。
当時は、月見町行きも「1番」であり(その後「20番」を経て現在は「71番」)、また、「1番」の「博多駅→明治通り→姪浜駅」という、統一の理念にはやや合わない路線も運行されていた。
国体道路経由の「8番」への統一はこの時ではなく、ここからさらに2年後のこと。
また、現在は「W」の登場で、「305番」を天神で目にする機会がなくなっているし、「2番」も博多駅に行かなくなったので、現存する昭和通り経由博多駅行きの「3-1番」「3-2番」は、統一番号「2番」を使わなくなっている。
2.「410番」「420番」新設
少し前に「黒歴史」として取り上げた「410番」と「420番」。
このわずか9ヶ月後に「410番」は廃止となり、「420番」も大幅減便となっている。
ただ、「420番」は、現在も平日の通勤時間帯に3往復残っており、「黒歴史」と言ってしまうのは失礼だったかもしれない。
3.「45-1番」新設
「井尻駅~福岡徳州会病院~福岡女学院~昇町~南福岡駅~雑餉隈営業所」というルートで、現在も健在。
春日市のコミュニティバスだけが乗り入れていた福岡徳洲会病院に、西鉄バスが福岡市から乗り入れるという構図。
西鉄バスには、コミュニティバスではまかなえない部分で、まだまだ出番があると信じております。
4.「2-9番」ルート短縮と延長
四箇田団地に行かず「賀茂駅」までの運行に変更となり、一方で、上りは一部の便が藤崎から「国立医療センター」(現在の「九州医療センター」)まで延長に。
四箇田団地行きが走っていた「次郎丸六丁目」「歯科大総合病院前」は、土曜日早朝一本だけの免許維持路線が走るようになって、その後廃止となったが、昨年、別のルートで「歯科大病院」の構内にやってくる路線が新設されている。
5.「18番」廃止、「114番」金山団地経由新設
「片江営業所~福大病院~茶山~六本松~薬院駅~博多駅~呉服町~県庁~吉塚営業所」を結んでいた「18番」が廃止。
地下鉄七隈線のルートと一番重複していた路線であり、ある意味仕方なかったのかも。
博多駅から先、吉塚営業所までの間は、地下鉄に対抗して七隈線開業時に延長されたものでした。
「18番」廃止により、「114番」に金山団地経由の便が新設された。
6.「61番」片江営業所行き、福大病院行き廃止
「60番 桧原循環線」を引き継いだ片江営業所行きと福大病院行きが廃止に。
この2年前に「6番」(大橋駅~野間四角~屋形原~片江~福大病院)が新設されており、廃止は既定路線だったのかも。
7.「32番」のうち「イオンモール福岡ルクル」行きが「30番」に
「イオンモール福岡ルクル」は、現在の「イオンモール福岡」。
「30番」はいいとして、そこからさらに郊外まで行く「32番」「33番」「34番」は、行先と番号の対応が2017年現在も依然わかりにくいです。
8.「73番」経路変更
浜田~松田間のルートが、それまでの「浜田~松田」から、「浜田~松島一丁目~原田一丁目(新設)~松田」に変更となり、「松島一丁目」の拠点性がにわかに高まった。
この1年後に、従来の「73番」の2系統(八田小学校経由の「本線」と、1日1本だけの八田団地経由)が「73-1番」に変更となり、流通センターを通らずにみどりが丘団地入口まで向かうものが「73番」として新設されたが、現在は全て流通センター経由に戻り、番号もみどりが丘も含め全て「73番」となっている。
9.香椎ローカル「2番」(古賀駅~青柳四角~西鉄香椎)廃止
冒頭の画像は「2番」が停車していた「太閤水」。
地元以外の西鉄バスで最初に興味を持った路線であった「22番 こもの線」の血統を受け継ぐ路線だったが、この時に廃止に。
10.その他
「68番」国立医療センター行き廃止、
「無番」桜ケ丘第四~志免役場線の廃止、
「370番」「390番」のルート一部変更(蔵本と都市高速千代ランプの間に新たに「呉服町」と「蓮池」にも停車)、
神学校前と友丘(かつての友泉第二)の間に「友丘三丁目」が新設、
「前川町」が「箱崎駅東口」に改称、
「羽根戸道」が「田村七丁目」に改称、
「210番」が土日祝日も運行開始、
「39番快速」吉塚営業所系統の廃止、
「急行303番急行」増便とマリノアシティ→天神・博多駅の「直行」新設、
西南中高前経由能古渡船場行きの「エコルライナー」新設、
「80番」博多駅~キャナル~天神~中央埠頭線が平日も運行(現在は再び平日運行なしに逆戻り)、
「22番」の免許維持路線(東郵便局経由のルート)廃止
…なども行われています。
あと、福岡地区からはやや外れますが、飯塚を通らない福岡~田川の「直行」が新設されたり、水巻町内を走る西鉄バス「63番」「64番」が廃止されたり、新たに開業するJRししぶ駅にバスが乗り入れるようになったり、宮地岳線部分廃止に伴う代替路線のひとつ「1-3番」(西福間三丁目~JR福間駅~光陽台六丁目)が廃止になったのも、2009年春のことでした。
11.(春ではないですが)免許維持路線の大量廃止
・日曜祝日昼間に一本だけの「無番 土井営業所→上脇田」
・土曜日一本だけの「無番 四箇田団地→福大病院」
・「41番」のうち、平日2往復だけの吉塚営業所系統
・土曜日一本だけの「無番 中央ふ頭→千鳥橋」
・日曜祝日早朝に一本だけの「63番 博多ふ頭→扇町」
…の各路線が、2009年6月に一斉に廃止となり、上記各路線のみが停車していた「野芥二丁目」「隣保館前」「吉塚新川」「深井」「工場団地入口」「谷蟹」のバス停は廃止、「田隈小学校前」「妙見」「築港口」「市民会館前」「沖学園前」の免許維持路線のみが停車していた乗り場が廃止となった。
なお、その後「野芥二丁目」は別の場所に復活、「沖学園前」は全て廃止、「市民会館前」はバス停復活はないものの「連節バス」のルートとしては復活しています。
1日1本だけの「38番」、「300番」の駅東ランプ経由、「73番」の八田団地経由、「無番 四箇田団地→四箇田団地入口→金武営業所」などは、2017年現在も健在です。
(つづく)
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