スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

皐月賞&第三部定理九証明

2010-04-18 19:06:41 | 中央競馬
 いよいよ三冠レースが幕開け。今日は皐月賞でした。
 有力な前哨戦のひとつであるスプリングステークスを逃げ切ったアリゼオが大外枠に入ったため,どういう展開になるか予測に難しいところがありましたが,ダートで好成績を収めてきたバーディバーディが先導役になりました。ゲシュタルト,ハンソデバンド,サンディエゴシチーが追走し前半の1000mは60秒1でミドルペース。
 1番人気に推されたヴィクトワールピサは13番枠から最初の正面で内に入れ,最初は後方であったものの向正面ではそのまま内を漸進。直線も僅かに開いた最内にきりこんでいくとあっさりと抜け出して快勝。2着は3頭による接戦となりましたが,後方3番手から大外を鋭く伸びたヒルノダムールが2着,2着馬の少し前から同様の競馬となったエイシンフラッシュが3着,馬群を割ってきたローズキングダムが4着。
 優勝したヴィクトワールピサは新馬をローズキングダムの2着に負けた後,重賞2戦を含めて4連勝。根幹レースを勝ち続けてきていて,大レースは初制覇。内を突いたので微妙なところもありますが,着差からすれば今日のメンバーとは勝負をつけたという印象。今年は皐月賞を回避している有力馬もいますので,ダービーでの相手はむしろそちらの組になるのかもしれません。父はネオユニヴァースで父子制覇,兄に2005年の安田記念を勝ったアサクサデンエン,2006年の小倉記念を勝ったスウィフトカレント。ヴィクトワールはフランス語でvictory。
 ずっと武豊騎手が乗ってきた馬ですが,落馬による大けがで今日は岩田康誠[やすなり]騎手の騎乗。昨年のジャパンダートダービー以来の大レース制覇で,皐月賞は昨年も制していて連覇で2勝目。管理する角居勝彦調教師は昨年のジャパンカップ以来の大レース制覇で皐月賞は初勝利。

 第三部定理九というのは,以下に上げる点に注意すれば,実は第三部定理六第三部定理七というのを個別の事象に当てはめただけであるといえますから,それだけで少なくとも前半の部分に関しては証明ができます。
 第三部定理三によれば,人間の精神のうちに十全な観念が生じるなら,その人間の精神は働きをなします。すなわち能動です。よってこの限りにおいては,その精神の現実的本性だけを考慮のうちに入れればよいわけですから,その精神が自己の存在ないしは有に固執する傾向をもつということが第三部定理七だけで明らかです。これは問題ないでしょう。
 一方,人間の精神のうちに混乱した観念が生じる場合はその精神は働きを受けます。つまり受動です。しかしこの場合も,この観念を神との関係で考えれば,同様の結論が得られます。すなわち,ある人間の精神のうちにXの混乱した観念があるということは,この人間の精神の本性を構成するとともに何かほかのもの観念を有する限りで神のうちにXの観念があるということであって,このように考えるならこの観念は混乱した観念ではなく十全な観念です。よって第三部定理七のみに依拠する同様の論理が成立することとなるのです。
 次に,これらの観念は,その観念の対象と同一個体ですが,同じ意味で,この観念の観念とも同一個体です。したがってこの観念の観念というのも同じ人間の精神のうちにあることになり,人間はそれを意識する,あるいは少なくとも意識することができるということになります。スピノザはこの定理の証明においてこのことを第二部定理二三に訴えていて,これが正当な手続きであるとは僕も思いますが,これは人間はあることを知っていればそれを知っていることを知ることができるという以上のものではないようにも僕には思えますから,そう考えるなら第二部定理四三に訴える方がより簡明ではないかという気もします。
コメント
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