スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

桜花賞&不備の所在

2010-04-12 18:56:06 | 中央競馬
 お天気が心配されましたが何とか雨に祟られずにすんだ昨日の第70回桜花賞
 混戦模様で何が勝つのかも難しかったですが,どの馬が逃げるのかも予想が困難でした。結果的には好発のオウケンサクラが押し出されるような形での逃げ。レディアルバローザが2番手につけ,その後ろにアプリコットフィズ,アパパネ,エイシンリターンズ。前半の800mは47秒5でこれは超スローペース。
 直線ではオウケンサクラが後ろを突き放しにかかって逃げ込み態勢。しかし残り100mのあたりで追ってきたアパパネがこれを捕えて優勝。オウケンサクラが2着に粘り,アパパネの外を伸びたエイシンリターンズが3着。
 優勝したアパパネは昨年のJRA賞最優秀2歳牝馬。年末の阪神ジュベナイルフィリーズを勝っていて大レース2勝目。2歳女王らしく安定した危なげのないレースで,結果的には完勝でした。距離が延びるのは僕はプラスとは思えませんが,完成度の高さはほかを上回っていますので,オークスに出走するなら取捨が難しそうです。父はキングカメハメハ。馬名はハワイに生息する鳥とのこと。
 騎乗した蛯名正義騎手,管理している国枝栄調教師とも,阪神ジュベナイルフィリーズ以来の大レース制覇で,桜花賞初優勝です。
 超スローペースなのに桜花賞レコードが出るような馬場状態。後方からレースを進める馬には成す術がありませんでした。

 第三部定理一一証明されたから,尿意のうちには人間の身体に対して排尿という運動を肯定する思惟の様態が含まれていると主張するなら,そこには不備があると僕は考えます。ではその不備の所在がどこにあるのかといえば,スピノザの哲学における意志という思惟の様態についての考え方,すなわち,意志とは個々の意志作用の総体のことであるという部分にあると思うのです。
 たとえば,排尿という運動が自分の身体の完全性を維持しまた向上させる運動であるということは,僕たちは正しく理解することができます。いい換えればそうした観念が僕たちの精神のうちにあることができます。これには異論はないと思います。そしてこの観念は,自分の身体に対して排尿という運動を肯定するような思惟の様態,すなわちこの意志作用なしにはあることができないでしょう。
 しかしこの観念と意志との関係は,一般的な排尿という運動とそれを自分の身体に対して肯定する意志作用との関係なのであって,個々の意志作用,そしてそれが肯定するべき個々の尿意という観念との間の関係とは異なります。つまりこれだけでは,個々の尿意のうちにこうした肯定があるということは証明できていないのです。
 さらにいうなら,上述の意志が肯定している観念は,むしろある十全な観念であると考えられます。というのは,この説明では,人間の身体にとって排尿という運動がその完全性を維持し促進する運動であるということが,表象としてではなく,第二部定理四〇備考二の第二種の認識によって,理性的に導き出されていると考えられるからです。ところがここでは尿意を知覚という表象像,つまり十全な観念ではなく混乱した観念と考えているわけですから,この場合にも尿意のうちにこうした肯定が含まれているということを説明できていないということになります。
コメント
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