スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王位戦&腸ヘルニア

2010-09-02 19:12:38 | 将棋
 若き新王位の誕生なるかということで大きな注目を集めた第51期王位戦七番勝負第六局。
 先手は深浦康市王位。広瀬章人六段はいつものように四間飛車から穴熊。深浦王位も居飛車穴熊で相穴熊に。先手が2筋から仕掛けていき,角交換から桂得で馬を作り,後手は5筋にと金を作るという分かれになりました。
 封じ手の後,渡辺明竜王の表現だと濃密な中盤戦。先手は銀桂交換して銀得に。対する後手はと金をもう1枚作りました。手駒不足の感はあるものの,攻めの主導権は握れましたので,先手ペースではないかというのが僕の印象。
                         
 ここで後手は△6七銀と打って攻め合いにいきました。▲6四歩にも△7八銀成と取り,▲同金に△6七金。先手はそこで▲6三歩成と取り,△同金に▲7九金打(第2図)。
                         
 ここから後手が7八の金を取って6七に打ち,先手も7九に金を打って受ける繰り返しとなり,なんと第五局に続いての千日手に。本当に先手ペースであったかどうかは分かりませんが,駒損で攻められる将棋を千日手に持ち込んだのですから,後手がうまく立ち回ったということはいえるのではないかと思います。
 今日は午後3時半からの指し直しなので決着も今日中につきますが,指し直し局の方はまた明日ということにします。

 父の病歴として説明する最後のものは僕の印象にもかなり強烈に焼き付いているものです。
 これもまだ現役教師の時代のことでしたが,父は体調の不良を訴えて,早退して午後の早いうちに家に戻りますた。そして腹が痛いと言いだしたのです。だれでもそうでしょうが,腹痛を感じれば人はトイレに通うようになります。このときの父もそうでした。ところが,便が出ないようなのです。これは大便だけでなく,どうも小便も出ないようなのです。学校にいたときから腹痛はあったようなのですが,ずっと出ていなかったとのこと。これは状況としてはかなり異常ですから,病院に行けばよいと思ったのですが,父は行きません。結局はこの状態が半日ほど継続し,ようやく夜になってから母が病院に連れて行きました。僕が初めて救急車に乗ったときに連れて行かれた病院です。するとそこでは処置ができないということになり,当時の港湾病院に搬送されました。この港湾病院というのは現在のみなと赤十字病院の前身の病院のひとつです。
 緊急の開腹手術をするということになりましたので,僕も呼び出されました。午前の2時とか3時頃のことだったと思います。手術の直前になって,父は便が出そうだと言い出し,実際にベッドの上に用意された簡易トイレに出すことができたのですが,当然ながら開腹手術は行われました。執刀医の手術後の説明だと,腸の一部に炎症の跡はみられたものの,基本的には異常はなく,ヘルニアが発生していたと考えられるとのことでした。
 ヘルニアといえば腰とか脳が有名ではないかと思いますが,一般的に,人間の身体を構成するある部位が,本来はそこにあるべき筈の位置からずれてしまう場合,これはどこであってもヘルニアといいます。父の場合は腸ヘルニアで,すなわち,何らかの理由で腸の位置がずれてしまったのでしょう。それが原因で便が出せなくなったのですが,手術の直前になって,それが自然のうちに元の位置に収まったということなのだろうと思います。ヘルニアというのは発生しますと部位に関係なく強い痛みを感じるものだそうですから,このときの父が非常に痛がったというのも理解できる話。病院から病院への搬送にはストレッチャーを用いましたが,そのストレッチャーから転げ落ちてしまうほどだったそうです。
コメント
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