スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

トゥインクルレディー賞&告知の問題

2010-09-15 20:34:58 | 地方競馬
 実力伯仲の上にハンデ戦ということで,馬券的にはかなり難解なレースと思われたトゥインクルレディー賞
 先手を奪ったのはチヨノドラゴン。キョウエイトリガー,タッチブライト,エロージュの4頭はほぼ固まってレースは進みました。前半の800mは49秒0。ハイペースといえども猛烈ではありませんが,集団での先行でしたので先行勢には苦しかったと思います。
 この4頭の直後にいたヒロアンジェロは4コーナーでは自然と前に。外からこれをマークするようにテイエムヨカドーが上がり,内からエロージュが盛り返して3頭の叩き合い。真中のヒロアンジェロが最後まで抜かせずに優勝。エロージュが2着。テイエムヨカドーは一杯となり,変わって大外を追い込んだフサイチミライが3着。
 優勝したヒロアンジェロは昨夏までにJRAで2勝をあげて北海道に転入。5戦4勝で昨年暮れには南関東へ。南関東での2戦は4着,3着でしたが,昨年の道営記念で2着になっているくらいですから,ここでも通用する裏付けはありました。8ヶ月ぶりとなった前走を叩いて調子も上向いていたのだと思います。父はグラスワンダー
 鞍上は大井の坂井英光騎手。5月の川崎マイラーズ以来となる南関東重賞制覇。管理しているのは大井の鷹見浩調教師。トゥインクルレディー賞は共に初制覇となりました。

 ここでひとつ僕たちに大きな問題が生じました。すなわち外科のО先生が僕たちに告げたこの事実を,に対しても告知するかどうかという問題です。
 まず,父は自分が大腸癌であるということについては自分自身で疑っていました。したがって大腸癌,具体的に横行結腸癌であるということについてはそれを秘匿するという選択はあり得ませんでした。というかこれは現実的に無理な選択と思えたのです。
 また,最初に行った病院で預金の状況や生命保険についてメモ書きしたところをみますと,自分が死ぬということについても,ある程度の可能性を感じていたのだろうと思われます。僕も2008年の暮れには自分のというものをリアルなものとして感じましたが,おそらくそれと同じような感覚が,この頃の父にはあったのではないかと思うのです。
 しかし一方で,父は自分が大腸癌であって,それ以上の転移がないならば,それは治るものだと思っていたふしがあります。あるいは完治はしないまでも,まだまだ生きられると思っていたようなのです。
 実をいうと同居している母の母は大腸癌なのです。これを告げられたのはもう何年も前のこと。祖母の場合もやはりその癌自体は切除することができないほどの大きさでした。一方,大正生まれという年齢的なことを考えれば,抗癌剤治療というのも断念せざるを得ませんでした。つまり癌は放置状態なのです。それでも転移もせずに,またその癌自体もそれ以上は進行せず,現在まで生きています。もちろん癌の進捗というのは,個人差がありますし,一般的に老齢になればなるほどゆっくりになるようですから,父の場合と同様の比較はできませんが,それでも身近にこのような実例があるのですから,父が大腸癌だけであればまだまだ生き続けられると思ったとしても,それは不思議なことではありませんでした。
 そしてもうひとつ,抗癌剤治療は通院で行う,すなわち1度は間違いなく退院してくるという事実がありました。退院できる以上は,その前提として,病の完治があった方がよいのではないかというのが僕たちの判断でした。したがって,大腸癌であるということは父に告げるけれども,転移のことや余命のことは秘匿しておくという選択になったのです。
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