スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王座戦&退院

2010-09-29 22:03:46 | 将棋
 次の横浜対局の実現のために是が非でも藤井猛九段に勝ってほしいと願っていた第58期王座戦五番勝負第三局。
 羽生善治王座の先手で藤井九段の4手目☖3三角戦法。そこから後手が中飛車にするという珍しい形。先手は左美濃に組み,後手が狭いところに角を打ってから乱戦に突入。
                         
 夕食休憩前の局面。4七のと金が5七に入ったところ。ここは☖5八ととして☗同金に☖4九飛成を狙うのも有力だったと思います。局面としては☗3三角成☖同金☗3一龍が狙いになりますが,☗5九香と打ちました。☖5六と☗同香☖6五銀までは必然と思える手順。そうしてから☗3三角成を決行し,☖同金☗3一龍☖4一歩に☗5三香成(第2図)。
                         
 打った香車がこの上なく働いた格好。以下は☖同金☗4二龍☖同歩に☗6二金と絡んでいった先手が駒を多く渡しはしましたが,慎重に攻めきって勝っています。
 3連勝で羽生王座が防衛。19連覇を達成するとともに王座戦の連勝記録を19まで伸ばしました。
                         

 退院当日となる7月10日の朝は,母が病院まで父を迎えに行きました。母の話ですと父は退院することについて少しごねたそうですが,最終的にはもはや治療は不可能であるということについて納得し,昼頃に家に戻りました。
 みなと赤十字病院の外科のО先生から父の治療が不可能になったことを知らされたのは7日。残り時間が少ないことを考えれば,少しでも早く退院させた方がよかったのですが,3日ばかり経過してしまったのには理由があります。元来のスケジュールからは,こんなに早い段階で治療不可の状態になるとは考えていませんでしたので,自宅の方で退院してくる父を受け入れるための準備というのが必要だったのです。
 まず最初の問題は,帰ってきた父をどこに寝かせるのかということ。さすがに2階の自分の部屋まで上がっていくだけの体力はないと思われましたし,仮にあったとしても,そんなことに力を使うのは無駄な浪費であることが明らか。このとき,母の母はまたショートステイに出ていましたので,玄関から入ってすぐのところにある普段は祖母が横になっている部屋を使うということは可能でした。ただ,この部屋はフローリングの部屋に絨毯というか正確にはホットカーペットですが,それを敷き,祖母はその上にさらに布団を敷いて横になっているというのが自宅滞在時の状況。要介護4の患者であればこれでよかったのですが,末期癌の患者にはこれでは不十分でした。というか,この時点では大丈夫でも,後には不十分になる可能性がありました。そこで病院と同じ機能を持つ医療用ベッドをレンタルすることにしまして,これをこの部屋に置きました。祖母は車椅子を借りて使っていますから,これは同じ会社に頼むことができました。
 さらに,退院するといっても,まったく治療はしないというわけにもいきません。癌は末期になるほど痛みを伴いますが,すでにこの時点で父は腰だけではなく,手や足の痛みも訴えていました。よってこれはケアしなければなりません。このために,訪問介護と訪問医療の手続きをする必要があったわけです。これらの3日間は,こうした準備にあてられ,何とか目途が立ちましたので,9日に僕が告知して10日に退院という運びになったのです。
コメント
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