スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

TCK女王盃&系との関係

2012-01-18 19:33:44 | 地方競馬
 川崎,船橋に続いて今週からは大井競馬が開幕。今日は第15回TCK女王盃
 好発からまずはカラフルデイズが先頭に。逆に発馬が悪かったプレシャスジェムズは押してこれを外から交わしていっての逃げに。カラフルデイズが2番手に控え,3番手にはウェディングフジコ。その後ろのインにハルサンサン。最初の800mは51秒8でこれは超スローペース。
 ペースのわりには道中で動く馬はなく,前4頭の順位は変わらずに直線に。逃げ粘るプレシャスジェムズの外にカラフルデイズでその外にウェディングフジコ。そして直線だけ大外に持ち出したのがハルサンサンでこの4頭の競馬。一旦は抜け出したのがカラフルデイズでしたが,一番外のハルサンサンが少しずつ迫り,ほぼ並んだところがフィニッシュ。アタマ差だけ差し切っていたハルサンサンの優勝でカラフルデイズが2着。プレシャスジェムズがウェディングフジコをハナ差だけ凌いで3着。
 優勝したハルサンサンは昨年7月以来の5勝目で重賞初勝利。南関東重賞でも2着は2回あったものの未勝利でしたからそれだけでいえば金星。ただ,カラフルデイズとの比較ではそんなに大きな力量差はない筈で,斤量も1キロですが軽かったですから,勝ってもおかしくないだけの馬ではあったと思います。父はサウスヴィグラスで,もっと長い距離でも一定の結果は出していますが,本当はもっと短くてもよい馬と思え,超スローの決め手比べとなったのは向いたと思いますし,道中はロスなくインを回り,直線だけ外に出した鞍上の手綱捌きも見事だったと思います。明治から続く在来血統の馬で,ブルードメアサイアーのワカオライデンはこの馬の4代母の弟でもあります。
 騎乗した川崎の今野忠成騎手は南関東重賞だと昨年の9月に東京記念を勝っていて,第13回以来のTCK女王盃2勝目。管理している船橋の佐藤賢二調教師にとっては初勝利でした。

 まず最初に,今回の考察の主旨とはあまり関係がない事柄ではあるのですが,第二部定理九をテーマとして設定したならば,避けて通ることはできないいくつかの問題がありますので,まずそちらの方から先に僕の考え方を示しておくことにします。
 この第二部定理九には系Corollariumがひとつついています。『エチカ』における系というのは,基本的に定理Propositioからの必然的なnecessarius帰結事項という立場です。このことは,『エチカ』の中には多数の系があるのですが,そのうちのいくつかの系についてはスピノザが証明Demonstratioを付していないということから明らかだといえると思います。おそらくスピノザは,系は定理から必然的にnecessario帰結するのだから,定理さえ証明すれば,系に関してはそれ以上の証明は不要であると考えていたと思われるからです。
 しかし,これはすでに僕の立場として幾度となく明らかにしてきたことですが,僕はこの第二部定理九系に関しては,それが第二部定理九から必然的に帰結するということにはいくらかの疑義があります。まずそのことを改めて説明しておきましょう。
 もしも第二部定理九系が第二部定理九から必然的に帰結するのであるとすれば,ある観念の対象ideatumの中に起こることの観念ideaの原因causaは,その対象の観念であるということでなければならないと僕は考えます。これはたぶん第二部定理九と第二部定理九系とを読み比べたなら,必然的に出てくる事柄であり,反論の余地はないものと思われます。
 ところで,スピノザの哲学において原因というのは,いくつかの仕方で分節されるのですが,第三部定義一においては,それが十全な原因causa adaequataと部分的原因causa inadaequataとに分節されています。各々の訳語は岩波文庫版とこのブログとで異なっていますが,これはただそのラテン語をどう日本語に翻訳するかという相違ですので問題とはなりません。
 このときこの第三部定義一における原因の分節,すなわちそれが十全な原因であるのかそれとも部分的原因であるのかということをまったく考慮に入れなくてもよいのであるならば,僕は確かにおそらくスピノザがそう考えていたのであろう通り,第二部定理九系が第二部定理九から必然的に帰結するということを認めます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする