スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典JBCレディスクラシック&順序

2024-11-04 18:16:54 | 地方競馬
 佐賀競馬場の1860mで争われた第14回JBCレディスクラシック
 大外からアンモシエラの逃げ。2番手にライオットガールとアイコンテーラー。4番手にアンティキティラで5番手にグランブリッジ。2馬身差でコスモポポラリタとテンカジョウとキャリックアリード。3馬身差でドライゼ。3馬身差でミヤノウッドリー。最後尾にリネンファッションという隊列で発馬後の向正面を通過。正面に入って一旦は馬群が凝縮したのですが,逃げたアンモシエラがまた差を広げにかかり,2周目の向正面に入ったところでリードが3馬身くらいに。アイコンテーラーが単独の2番手となり3番手にライオットガール。併走になったグランブリッジとテンカジョウの4頭が2番手集団という形に。スローペースでした。
 アンモシエラはさらに飛ばして3コーナーで4馬身くらいのリード。2番手集団は差を詰められず,直線に入ったところでセーフティリード。そのまま鮮やかに逃げ切ったアンモシエラの優勝。2番手集団から一番内を回ったグランブリッジが直線の入口で2番手に上がり,フィニッシュまでその位置を死守して4馬身差の2着。外を回ったテンカジョウがアタマ差の3着で,2頭の間のライオットガールが4分の3馬身差で4着。
 優勝したアンモシエラブルーバードカップ以来の勝利。重賞2勝目で大レース初制覇。前走は4着に負けていましたが,それが古馬との初対戦。ダート競馬は古馬との初対戦を克服するのは難しい面があり,2戦目となるここは上積みが見込めました。鮮やかな勝ち方になったのは楽にマイペースで逃げることができたという展開面の恩恵が大であったと思いますが,グランブリッジにこれだけの差をつけて勝ったのは評価できるところでしょう。ただマークがもっときつくなったら厳しくなるというケースも想定しておかなければなりません。母の父がゴールドアリュールで祖母の父がタニノギムレット。祖母の17歳上の半姉がトゥザヴィクトリー。Ammothyellaはギリシャ語で砂嵐。
 騎乗した横山武史騎手は昨年の皐月賞以来となる大レース7勝目。JBCレディスクラシックは初勝利。管理している松永幹夫調教師は2020年のエリザベス女王杯以来の大レース8勝目。JBCレディスクラシックは初勝利。

 この部分は自然権jus naturaeあるいは社会契約に関する考察です。
 スピノザの哲学あるいは政治論における自然権について考察するとき,ホッブズThomas Hobbesの自然権との比較は欠かすことができません。スピノザは『リヴァイアサンLeviathan』を読んでいましたし,スピノザが自然権という概念notioに着目したこと自体がホッブズの影響下にあったということさえできるからです。ただスピノザは,ホッブズがいう自然権という概念には満足することができませんでした。だから同じ自然権という概念をスピノザは自身の哲学および政治論に導入するのですが,スピノザがいう自然権とホッブズがいう自然権とはその内実が異なるのであって,スピノザにおける自然権は,いわばホッブズにおける自然権の修正とみることができるのです。
                            
 ホッブズとスピノザは同時代人なのですから,やはり同時代人にとってもこれは重要なことだったといえます。だからイエレスJarig Jellesはホッブズがいう自然権とスピノザがいう自然権はどのように違うのかということをスピノザに尋ね,スピノザはその質問に書簡五十で答えているのです。つまりこの時代というのは自然権という概念それ自体の黎明期というべき時代なのであって,そうした思想史あるいは政治学史的な観点からも,ホッブズとスピノザの自然権の相違を検討することは重要なのです。
 吉田がいっているのは,書簡五十でスピノザ自身が示しているように,ホッブズがいう自然権とスピノザがいう自然権との間には相違があるのだけれども,そのような内実の相違をいう前に,ふたりの間には自然権を概念として組み立てていくときの順序にそもそも相違があるということです。ここではまずそれをみておきましょう。
 ホッブスは社会契約を説明するために,自然状態status naturalisというのを規定します。これは実際に人類の歴史上で存在した状態と解してもいいですし,社会契約を説明するための概念上の状態,いわば理性の有entia rationisであると解しても構いません。僕はこのような状態が人類史上に現実的に存在したというのは無理があると思いますが,どちらに解してもここでの考察には影響しません。重要なのはその自然状態からホッブズが自然権を規定するということです。
コメント
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