スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デイリー盃ロジータ記念&共同社会状態以前

2024-11-14 19:01:04 | 地方競馬
 北海道から1頭,高知から1頭が遠征してきた昨晩の第35回ロジータ記念
                            
 トウケイカッタローは発馬してすぐに控えました。逃げたのはミスカッレーラ。2番手にローリエフレイバーで3番手にリケアマロン。4番手にグラインドアウト。その後ろはニジイロハービー,エレノーラ,シトラルテミニの集団。ポルラノーチェ,フェルディナンド,ベイデンマリーナ,プリンセスアリー,フォルトリアンの順で続き,2馬身差でイマヲトキメク。最後尾にトウケイカッタロー。位置取りはほとんど変わらずに2周目の向正面に。ここで4番手がグラウンドアウトとシトラルテミニの併走になり,その後ろがニジイロハービー,エレノーラ,フェルディナンドの集団。さらにプリンセスアリーが追い上げてきました。スローペース。
 3コーナーでは逃げたミスカッレーラを押しながらローリエフレイバーが追走。外から捲り上げてきたのがポルラノーチェでここからはこの3頭の争いに。早めに手が動いていたローリエフレイバーですが,直線に向くと逃げるミスカッレーラと捲ってきたポルラノーチェの間から伸び,前に出て優勝。外のポルラノーチェがクビ差で2着。ミスカッレーラは2馬身半差で3着。
 優勝したローリエフレイバー東京2歳優駿牝馬以来の勝利で南関東重賞2勝目。今年は東京プリンセス賞で2着になった以外はあまり走れていなかったのですが,東京2歳優駿牝馬までのことをみれば能力があることははっきりしていました。ここは復活の勝利とみていいでしょう。気温が高くなる時期は苦手というタイプなのかもしれません。母の父はネオユニヴァース
 騎乗した川崎の野畑凌騎手は東京2歳優駿牝馬以来の南関東重賞2勝目。管理している大井の月岡健二調教師は南関東重賞10勝目。ロジータ記念は初勝利。

 スピノザが自然権jus naturaeを経由させて自然状態status naturalisを規定しているのは,スピノザもまた自然状態というのを現実的に存在した状態ではなく,理念上の概念notioであると解しているからではないかと僕は考えています。社会契約説を完成させるためには自然状態の概念が必須といえますが,そうした状態,いわば共同社会状態status civilisより以前の状態が人類史の中に存在したという見方に僕は否定的です。自然状態というのは共同社会状態以前の状態としか解せませんから,僕は人類史の中でそういう状態があったというように考えないのです。もちろんこれは共同社会societasというのをどの程度の大きさとして解するのかということと関係するのであって,ある一定数のまとまりを超過しなければ共同社会状態とはいえないというのであれば,そういう状態があったというほかはないかもしれません。しかし自然状態の意義というのは,ホッブズThomas Hobbesが指摘しているように,個々の人間が自分の利益utilitasだけを考慮に入れて各々の力potentiaを発揮するという状態なのであって,それを自然状態というのであれば,そのような状態はなかったと僕は考えます。スピノザの哲学に寄せて考えれば,第三部定理七でいわれているコナトゥスconatusは明らかに力でもあって,この力が自然権を規定することになるのですが,この定理Propositioはある人間が他の人間と協力することを拒むことを意味しません。むしろ他者と協力することが自己の利益suum utilisとなるならば,その人間は他者と協力するということがこの定理からは出てこなければならないのです。そしてその限りにおいては諸個人が自分の利益だけを考慮に入れているということはできないのであり,その状態は自然状態とはいえないことになります。いい換えれば個々の人間の現実的本性actualis essentiaが,自然状態は人類史の中で存在しなかったということの証明Demonstratioを含んでいると僕は考えるのです。そしておそらくスピノザも,それに近い考え方をしているのではないかと思うのです。
 もちろんスピノザははっきりとそういっているわけではありませんから,これは僕の仮説のようなものであり,実際にそうだったといえるわけではないでしょう。ただいずれにしてもスピノザが社会契約説を軽視するのは事実です。
コメント
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