スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

小鹿の雑感②&唯一の規準

2017-07-05 19:04:40 | NOAH
 小鹿の雑感①の続きです。
 全日本プロレスの旗揚げシリーズは1972年の10月。このとき全日本プロレスには自前の道場がなく,恵比寿にあったキックボクシングのジムで練習していたそうです。この当時にジムで練習を主導していたのは桜田一男,後のケンドー・ナガサキであったと小鹿は語っています。この頃の全日本プロレスには若手の三羽烏といわれた選手たちがいました。大仁田厚渕正信ハル・薗田です。ただ,桜田の指導は厳しすぎたために大仁田と薗田は練習に来なくなり,最後まで残った渕も来なくなったそうです。
 1976年に全日本プロレスに自前の道場ができました。ただしこれはジャンボ・鶴田の所有だったそうです。ザ・グレート・カブキによれば,鶴田が建設会社の社長の紹介で土地付きの家を購入,家を建てても土地が残ったので,馬場の依頼で裏庭に道場を作ったそうです。カブキによれば家の方を合宿所にしたそうですから,おそらく鶴田はそこには住まなかったのではないでしょうか。合宿所も道場も所有名義は鶴田だったので,会社から鶴田に対して家賃が支払われていたそうです。
 カブキは当時はサムソン・クツワダと組むことが多かったそうです。クツワダは日本プロレス時代の馬場の付き人。なので馬場はクツワダを持ち上げようとしていたと言っています。しかし小鹿は,この頃の全日本プロレスはエースが馬場で2番手が鶴田,3番手や4番手は存在しなかったと語っています。天龍源一郎は,入団したときにはクツワダは馬場派のエースみたいな存在だったと言っていますので,馬場がクツワダを可愛がっていたということは事実だと思います。実際にクツワダは小鹿やカブキと異なり,大熊元司と同じように全日本プロレスの旗揚げメンバーでした。ただ,小鹿の言っていることもおそらく真実で,馬場は持ち上げようとしたけれども,クツワダにはそれに答えるだけの力量がなかったということではないでしょうか。

 その基礎が自然学であるといえるか否かは別として,共通概念notiones communesの獲得によって僕たちが真理veritasを知り,同時に真理獲得の方法も知るとき,それが哲学あるいは形而上学的論理性に関する真理獲得の方法にも有益になるのは,いい換えれば,哲学ないしは形而上学に属する事柄についても真理と虚偽falsitasを峻別するのに有益であるのは,自然学においても哲学においても,その論理性の規準となるべきものは同一であるからです。もちろんその規準とは,神Deusの本性の必然性のことです。さらにいえば,この法則は「唯一」の法則であるのですから,学問というのをどんなに細かな種類に類別したとしても,類別されたすべての学問に適用されるのでなければなりません。
                                    
 したがって,倫理の基礎となるのが哲学であるか自然学であるか,あるいはそれらとは別の何らかの学問であるかということについては,明確な答えを出すことはできないのだと僕は考えます。神の本性の必然性に適するものは必然的に存在し,それに適さないものは存在することが不可能なので,もし何らかの倫理を打ち立てようとする場合には,神の本性の必然性に適うようなものでなければなりません。このような意味において,神の本性の必然性こそが倫理の規準とされなければならないということはできると僕は思います。ただしそれは,倫理の規準だけに限定された意味ではあり得ません。何であれ何らかの規準を構築しようと欲するのであれば,その規準自体が神の本性の必然性という規準に適っていなければならないからです。そして,スピノザが倫理的な規準を構築しようとしていたのか否かということをまた別にすれば,『エチカ』自体はそれに適うような手法を採用しているといえると思います。なぜなら,『エチカ』の第一部は「神についてDe Deo」であり,それは神が,何であれ『エチカ』で探求される事柄の第一の規準であるとスピノザが考えていたからだと僕は思うからです。
 よって僕は河井の見解には全面的には賛同しかねますが,だからといってそれに対して積極的に反論をしようとは思いません。ただそのことを,スピノザの哲学の独自性であると河井はみているとだけ理解しておきます。

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