スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

宝塚記念&第二部定理七備考

2019-06-23 19:16:27 | 中央競馬
 第60回宝塚記念
 好発はスティッフェリオでしたが最内のキセキがハナへ。2番手は内のアルアインに,行きたがるように上がってきたリスグラシューが外から並ぶ形。4番手に控えたスティッフェリオとスワーヴリチャード。あとは1馬身の間隔でレイデオロ,クリンチャー,タツゴウゲキ,ノーブルマーズ,エタリオウ,ショウナンバッハと続きました。12頭は集団で4馬身離れた最後尾にマカヒキ。最初の1000mは60秒0のスローペース。
 道中でリスグラシューが単独の2番手に上がり,逃げるキセキを追う形で3コーナーに。アルアインとスワーヴリチャードが3番手で並びました。直線に入るところでもキセキの手応えには余裕があるように見えましたが,やや失速。2番手で追っていたリスグラシューが楽に差して優勝。3馬身差の2着にキセキ。前の4頭では最も手応えが悪く見えたスワーヴリチャードでしたが外からしぶとく伸びて2馬身差の3着。逆に手応えがよさそうだったアルアインは意外に伸びを欠き2馬身差で4着。
 優勝したリスグラシューエリザベス女王杯以来の大レース2勝目。牡馬相手の大レースは勝てていませんでしたが,海外でも2着があったくらいで相応の力はありました。序盤は明らかに掛かっていたと思うのですが,2番手でしっかりと折り合うことができたのが勝因でしょう。キセキが昨秋ほどのペースでは逃げず,スローになったため,前の位置を取った馬だけが勝負圏内でした。その点で,決め脚に優るこの馬には幸いしたといえます。とはいえこのペースにしては考えられないくらい上位に差がついての入線になりました。なので僕には分からないのですが,何かそうなる要因がほかにあったのかもしれません。父はハーツクライ。Lys Gracieuxはフランス語で優雅なユリ。
                                        
 騎乗したオーストラリアのダミアン・レーン騎手はヴィクトリアマイル以来の日本馬でのまた日本での大レース2勝目。管理している矢作芳人調教師オークス以来の大レース10勝目。宝塚記念は初勝利。

 スピノザは第二部定理七備考の冒頭で,すべての属性attributumは唯一の実体substantiaに属しているという意味のことをいいました。それに続く文章では,以下のようなことをいっています。
 「思惟する実体と延長する実体とは同一の実体であって,それが時にはこの属性のもとにまた時にはかの属性のもとに解されるのである」。
 このことは第一部公理五第一部定理一四から明らかで,ここではこれ以上のことは説明しません。さらに続けてスピノザは次のようにいいます。
 「同様に,延長の様態とその様態の観念とは同一物であって,ただそれが二つの仕方で表現されているまでである」。
 同様に,といわれているので,これは延長Extensioの実体と思惟Cogitatioの実体が同一であるのと同様に,という意味でなければなりません。このとき,延長する実体と思惟する実体は,いい換えれば延長の属性Extensionis attributumと思惟の属性Cogitationis attributumは区別することが可能な別の属性であり,その区別distinguereは実在的区別です。延長の様態modiとその観念ideaについてもそれと同様でなければならないのですから,たとえばある物体corpusとその物体の観念は区別が可能であり,延長の属性と思惟の属性が実在的に区別されるのと同様に,実在的に区別されることになります。これは僕が区別によって人間の身体humanum corpusは形相的にformaliterあるといったことを帰結させる論理です。このとき,備考Scholiumの文言が,延長の様態とその観念が同一物であるといっているのは,文字通りに同じもの,すなわち区別することができないものであるという意味には解することができなくなるので,これは平行論における同一個体であるといっているという意味に解することになります。
 しかし,この部分は文字通りに,延長の様態とその観念は同じものである,区別することができないような同じものであると解せなくありません。延長の属性と思惟の属性とは実在的に区別されなければならないとはいえ,延長する実体と思惟する実体は,文字通りに神Deusという同一の実体であるからです。この場合には,僕が推奨した解釈を,さらに一般的にいっていることになります。つまり,どんな事物にもその形相的側面と客観的側面があり,その相違は観点あるいは表現の相違に帰着するからです。

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