スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

佐世保記念&スピノザの解答

2006-12-16 22:21:31 | 競輪
 13日の佐世保記念決勝(動画)の回顧をします。ここは阿部選手がSを取り,吉川選手を迎え入れて東日本が前受け。九州3人は別れて,佐々木選手はこの後ろを回りました。中団に市田選手に浜口選手と山口選手の近畿中部,後方から三ツ石選手に加倉選手と立石選手の西国で周回。残り2周のホームから三ツ石選手が上昇しましたが,吉川選手が引かず,打鐘から突っ張り先行となりました。三ツ石選手は下げてしまったため市田選手が中団を確保。残り1周のホームから立て直した三ツ石選手が今度はかましに出ましたが,前までは届かず。結局,中団で脚を確保する形になった市田選手が3コーナー付近から捲り発進。そのまま前段を飲み込んで優勝,市田選手マークの浜口選手が2着に流れ込み,吉川選手の先行を利した阿部選手が3着でした。自力型3人の力量を考えればここでは市田選手が抜けていた上,展開も絶好,また,浜口選手もしっかりとしたマーカーですので,きわめて順当な結果といえると思います。優勝した福井の市田佳寿浩選手は7月のサマーナイトフェスティバル以来のグレード制覇。記念競輪は1月の和歌山記念以来です。
 明日はもみじ賞(広島記念2日目優秀)です。並びだけの予想です。確実なのは平原-手島-大薗の関東と,石丸-吉永の中国。あとはAパターンが山田-山口の中部と村上-藤野の西日本で4分戦。Bパターンは村上-山田-山口の近畿中部で,藤野が中国につける3分戦です。

 新たな反論に対するスピノザの解答は,結局のところライプニッツの疑問に対するそれと同じことになるだろうと僕は思っています。繰り返しになるので詳細は避けますが,実体Aの本性が属性Xと属性Yから構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zから構成される場合には,実体Aの本性を構成する属性Yと,実体Bの本性を構成する属性Yは,知性が区別し得るような仕方で存在するのでなければ実際にそのように存在するということはできず,しかしこれらふたつの属性Yは,同一の属性であるがゆえに実在的に区別することはできず,さりとてそれが属性であるということによって様態的に区別することもできません。したがって知性はこれらふたつの属性Yを区別する術をもたず,よってこれらは実際にも区別することが不可能な同一の属性であるということになるのです。そしてこれはもちろん,属性Yがふたつの場合だけでなく,ふたつ以上ならいくつあると仮定してみたところで同じことですから,同一の属性を有する複数の実体は存在しないという定理五の結論に変更の余地はありませんし,この新たな反論が前提しているような,同一の本性を有する(実在的に区別できない)複数の属性が存在するということはあり得ないということになるのです。何か堂々巡りをしているような印象もありますが,必ずしもそうとはいいきれない部分があるように思います。
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全日本2歳優駿&複数の属性

2006-12-15 23:02:57 | 地方競馬
 最初にお知らせ。お気付きの方もいらっしゃったかもしれませんが,最近やたらとエロサイトからのトラックバックがありました。このブログはさして読者数が多いわけでもなく,不思議な気もします。その都度削除していたのですが,あまりに頻繁なので,今後このブログへのトラックバックは事前審査という形式にします。ご迷惑をお掛けする場合があるかもしれませんがご了承ください。
 13日に川崎で行われた全日本2歳優駿GⅠを回顧します。1番人気に推されたのは兵庫ジュニアグランプリを勝ったトロピカルライトで,この馬が逃げました。ここは北海道のトランプという逃げ馬がいて,これと競り合うのではないかとみていたのですが,こちらは左回りに戸惑ったかまったくいけませんでした。前半の800メートルは49秒6。ハイペースではありますが,稍重であったことを加味すれば,この馬としてはまずまずのペースであったといえるでしょう。そのまま逃げ込みを図ったのですが,3,4番手でずっとこれをマークしていた船橋のフリオーソが直線ではこれを捕え,最後は2馬身の差をつけて快勝しています。平和賞ではキンノライチョウ(11着)に負けていましたが,そのときにも書いたように,こちらの方が強い競馬をしていたといえ,ここに入っても力量上位であったようです。ブライアンズタイム産駒で成長力もあり,距離延長もむしろ歓迎でしょうから,無事にいけば来年の活躍が約束されていると思います。逃げ粘って2着のトロピカルライトは,左回りでもスムーズに走れた点が収穫。スピードを生かすタイプで,距離はあまり伸びない方がよさそうです。北海道2歳優駿を勝ったトップサバトンは4着。兵庫でもそうでしたが,トロピカルライトとはスピード面で差があるようです。3着には北海道で2着だったアンパサンドで,うまく内をついてきたのがよかったようです。JRAの条件戦を勝ってきた2頭は人気になりすぎ(ビクトリーテツニーが5着,クィーンオブキネマが6着),南関東勢で最上位の人気に支持された,ハイセイコー記念まで5連勝のロイヤルボス(7着)は,酒井忍騎手の談話によると疲れがあったようです。
 明日から広島記念です。

 新たな反論が成立するためには,次の事柄を認めなければなりません。実体Aの本性が属性XとYによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成される場合,実体Aと実体Bは定義三により,それぞれがそれ自身によって認識されるわけですから,これだけでみればこのふたつの実体は実在的に区別され得るといえるように思われます。しかし,実体Aの本性と実体Bの本性を,それぞれ別の属性(XとZ)と共に構成するといわれる属性Yについては,実体Aの本性を構成しようが実体Bの本性を構成しようが同じ属性Yなのですから,ことばの意味からして,これを実在的に区別することはできません。したがってこの場合には,実在的に区別することが不可能なふたつの属性Yが存在するということになるのです。そして,これはひとつの例であり,ふたつ以上という場合も仮定できるでしょうから,一般的に,実在的に区別できない複数(ふたつ以上)の属性が存在し得るといわなければなりません。実際,スピノザに対して,ひとつの属性はある特定の実体の本性だけを構成すると前提していると反論するのであれば,逆にこのことを認めなければならなくなるのは当然であると思います。
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竜王戦&新たな反論

2006-12-14 21:35:06 | 将棋
 万全とはいきませんが復調してきたので,今日からまた始めます。このブログのスタイルの説明です。
 昨日から指されていた竜王戦第六局。先手の渡辺竜王の▲7六歩に佐藤棋聖が△3二金というやや挑発的な手で開始。渡辺竜王は受けて立ち,5筋位取りの中飛車にしました。その後,持久戦となり,相穴熊になったのですが,どうもこの構想の段階ですでに先手に問題があったようです。31手目の▲4七銀直から穴熊に囲い合うことになったのですが,45手目に▲3六銀と出てから,先手はこの銀の処置に苦慮することになってしまいました。封じ手(51手目)の▲8六同歩は妥当なところ。対する△4三銀に▲8八飛は押さえ込みにいく予定だったと思うのですが(渡辺竜王はここではどう指せばいいか分からなかったようで,やはり差がついていると考えていいようです),以下,△7五歩から仕掛けられ,62手目に△6五桂と跳ねられては苦戦。さらに68手目の△3五歩から先手の銀の位置を変えたのもうまい手順で,80手目の△6一飛と転換したところでははっきり佐藤棋聖が優勢に。ここから角と銀をそれぞれ交換しましたが,飛車と桂の捌き具合の差で先手が勝勢といえるような局面となり,最後は一手違いにはなりましたが,渡辺竜王としてはこれが精一杯で,佐藤棋聖の快勝となりました。これで3勝3敗。佐藤棋聖は最近はほかの棋戦でも負けが多くなっていてどうかと思っていたのですが,元来,勝敗が偏る傾向にあり,あまり心配いらなかったようです。第七局は20日と21日。改めて振駒です。

 定理五の前提として,スピノザがひとつの実体が単一の属性によってその本性を構成されていると考えているということはなく,むしろ,ある実体の本性が複数の属性によって構成されるとしても,同一の属性を有する実体は存在しないということを証明し得るのは,これで明らかだと思えます。しかし,再びライプニッツの疑問に立ち返って考えてみれば,実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成される場合には,確かに実体Aと実体Bに関してだけ考えれば,このふたつは実在的に区別して考える(認識する)ことが可能で,そのゆえに,知性がそれらの実体を区別するのと同一の秩序で,それぞれの実体が実在するということが,ここまでみてきたようなことと同じ前提から導かれるように思われます。すなわち,今度は属性に対する実体の扱いではなく,実体に対する属性の扱いが問題になります。ひとつの実体が単一の属性によって本性を構成されるということをスピノザが前提していないとしても,ひとつの属性はある特定の実体の本性だけを構成するということを前提しているからこそ,スピノザは,共通の属性を有する実体は存在しないということができるのではないでしょうか。
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体調が…

2006-12-12 23:53:02 | Weblog
 体調が優れないので今日はお休みします。
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西海国立公園賞&第一部公理六からの派生

2006-12-11 23:06:44 | 競輪
 佐世保記念の2日目優秀として争われた西海国立公園賞(動画。めちゃくちゃ重いかも)。並びは昨日の予測通り。前受けが市田選手,3番手に武田選手,5番手に小嶋選手,後方の8番手から三ツ石選手で周回。残り2周から三ツ石選手が上昇し,バックでは抑えて先行態勢に入りました。小嶋選手の上昇がやや中途半端だったので,残り1周のホームから武田選手が発進。このとき小嶋選手があんこになって浮いてしまい,入れようとした番手の村本選手と市田選手が絡む形になりました。武田選手はバックでは完全に出きり,番手の阿部選手と共に後続を離したので,これで決まったと思ったのですが,立て直した小嶋選手が後続のもつれの関係で単騎の捲り。直線ではこれが届いて1着。三ツ石選手の番手からうまく切替えに成功した大塚選手が2着で,武田選手は3着。やや波乱の結果となりました。小嶋選手の強さが光ったレースであったと思います。

 公理六から次のことが出てくると僕は考えています。この公理は観念の観点からいわれていますが,逆に実在(形相的事物)の観点からもいうことが可能で,その場合,すべての形相的有(事物)はその真の観念と一致するということになります。これが成立していることは,そうでなければ公理六が成立するとはいえないということから明らかでしょう。したがって,すべての形相的有にはその客観的有(真の観念)があるということになり,知性は存在する(存在し得る)事物についてはそれをすべて矛盾なく(真に,あるいは十全に)認識することができるということになります。すると今度は逆に,知性が矛盾なく認識し得るものは,どんなものでも形相的に実在する(実在し得る)ということがここから出てきます。つまり公理六には,実在するものは矛盾なく概念できるということと,矛盾なく概念できるものは実在するというふたつの事柄が,別種の公理として含まれていると僕は考えているのです。スピノザは第二部定理七を証明するのに第一部公理四に訴え,認識論的ないわば迂回を経てこれを実在的に証明したのですが,もしも公理六からこれらふたつの事柄を抽出してこちらに訴えていれば,直接的に実在的証明をし得たのではないかと僕は思っています。
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朝日杯フューチュリティステークス&第一部公理六

2006-12-10 22:30:13 | 中央競馬
 都合により第58回朝日杯フューチュリティステークスの方を回顧します。
 好発からアドマイヤホクトが一旦は先頭に立ちましたが,1番人気に支持されたオースミダイドウが外から交わして逃げました。さらに外のマイネルフォーグに終始絡まれる形でしたが,前半800メートルが46秒8のミドルペースですので,まずまずのラップだったと思います。
 捕えに出たのは道中は3・4番手を進んでいたローレルゲレイロで,直線に入ると逃げるオースミダイドウを交わして完全に抜け出しました。ところがやや出負け気味の発馬から道中は集団からさらに離れてのしんがりを進んでいたドリームジャーニーが,3コーナー付近から仕掛けると外をぐんぐん上がっていき,直線も大外からやや内に切れ込みながらも先行する各馬を捕え,ついにはローレルゲレイロをも交わして優勝しました。
 鋭い切れ味が身上の馬で,前走では僕が期待したフライングアップルと差のない競馬をしていましたが,今日の末脚は驚異的でした。今後は展開に左右される面があるかと思いますが,大物に育っていきそうです。2着のローレルゲレイロは前走でオースミダイドウの2着になっていた馬で,今日は本田騎手特有の強気な騎乗で勝ったかと思わせました。なかなか強いレースをしたといえ,勝ち馬を褒めるほかなさそうです。オースミダイドウは3着。坂を上がってからはまた伸びていますが,この馬の場合は,あまり距離が伸びるのはよくなさそうに思えます。フライングアップルは中団からそつなく馬群を捌いたものの4着。東京スポーツ杯組とデイリー杯組が上位を独占し,これは今後の馬券に生かせそうです。マイネルシーガルは6着。いささか太かったかもしれません。

 明日は佐世保記念の2日目優秀です。並びは予測ですが,武田-阿部の関東と市田-澤田の近畿は間違いないでしょう。残りは小嶋に村本-鈴木,三ツ石に大塚と考え,これを前提に予想。武田選手◎と阿部選手○が中心で,あとは力で市田選手▲と小嶋選手△。

 ここでのテーマを検討する場合,認識されることが実在的にも同様であるということが非常に重要になってきますので,これをさらに『エチカ』に訴えて補足するために,第一部公理六を採り上げます。
 「真の観念はその対象[観念されたもの]と一致しなければならぬ」。
 意味は難しくありませんし,またこれが公理として成立するということについても何の問題もないと思います。
 観念と観念の対象の何が一致するのかといえば,それは第二部定理七でいわれている,原因と結果の連結と秩序であると考えられますが,ここでは属性を対象としていますので,連結の方はさほど重要ではありません。そしてこの公理から,もしも知性が実体Aの本性を構成する属性Yと,実体Bの本性を構成する属性Yが,区別できない同一のものであると認識するなら(属性Yの秩序をそのように認識するなら),実際にこのふたつの属性Yは同一の,区別することができない属性であるということが出てくると思います。あるいは一般的にいえば,知性がある秩序のもとにのみしかあるものの真の観念を有することができないとしたら,この観念の対象となっている事物は,それと同一の秩序でのみ実在する(実在し得る)ということになるだろうと思います。
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橋誠&実在的な結論

2006-12-09 22:47:15 | NOAH
 ブライアン・ダニエルソンが印象に残ったNOAHの横浜大会からさらにもうひとつ,橋誠選手の試合ぶりも印象に残りました。橋選手というのはあまりスマートさを感じさせない,ごつごつしたタイプの選手。こういった選手は気迫が身上となります。もちろん,単に気迫があるというだけではダメで,それが前面に,あるいは表面に出ていないとファンの支持を集めることができません。この日はそれがよく出ていて,何か目つきからして普段とは違う感じでした。そうなったのはおそらく,この日の試合が秋山選手,金丸選手と組んで,他団体の大谷選手,高岩選手,村上選手との試合であったためでしょう。たぶん橋選手の中に,NOAH以外の選手との対戦に燃えるようなものがあり,しかしそれが空回りせずによい方向に作用したものだと思います。まあ橋選手は,キャリアの面でも実績という面でも,大谷選手や高岩選手とはまだ開きがありますから,試合の方は高岩選手のラリアットで負けてしまいましたが,この日の奮闘ぶりは目を瞠るものがあったと思います。秋山選手が率いるスターネスの一員で,普段は文句をいわれることも多いのですが,この日の内容については秋山選手も満足したようです。他団体との対戦に限らず,こういった内容を安定して残せるようになれば,もう一段階ステップアップすることも可能だと感じました。
 香港の国際招待レースは明日の開催です。ウィジャボードが取り消しましたので,ヴァーズの勝機が最も高いと思われます。そして日本では朝日杯フューチュリティステークス。ここはフライングアップル◎を狙います。距離が短縮される点が魅力です。そして2戦2勝のマイネルシーガル○,3戦3勝のオースミダイドウ▲という順。あと,ドリームジャーニー△とゴールドアグリ△まで。明日,どちらかを記事にして,残った方は12日の予定です。
 競輪は明日から佐世保記念です。

 ライプニッツのスピノザに対する疑問の問題を,僕は認識論(観念論)的な方法で呈示しましたが,これは実在論的に考えた場合にも同様であると思っています。というのは,僕は知性が属性Yを認識するというとき,知性が属性Yの十全な観念を有するということを意味しているのですが,第二部定理七からして,十全な観念と,この観念の対象となっているもの秩序(と連結)の同一性は保証されていると思うからです。したがって,もしも知性が,実体Aの本性を構成するといわれているYと,別の実体Bの本性を構成しているといわれる属性Yについて,それらを区別して認識することが不可能であるがゆえにそれらは同一のものであるとみなし,したがって実体Aと実体Bは同一の実体であるとしか結論できないとすれば,属性Yはこのように客観的に(観念として)考えられた場合だけでなく,形相的に(実在的に)考えられた場合にも同一のものであるということになり,したがって実体Aと実体Bとは同一の実体であるということになるからです。なお,十全な観念というのは,無限な知性のうちにあろうと有限な知性のうちにあろうと同一のものですから,この場合には,この知性が無限異性であると考える必要もないかと思います。
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ブライアン・ダニエルソン&疑問の問題

2006-12-08 22:39:01 | NOAH
 GHCタッグの新王者が決定したNOAHの横浜大会,セミファイナルはKENTA選手とブライアン・ダニエルソン選手のシングルマッチでした。ダニエルソンはアメリカのROHのチャンピオンで,アメリカでもいい試合をしていましたが,なかなかいい選手です。身体はそうも大きくないのですが,基本的なファイトスタイルはグラウンド中心。格闘技のバックボーンがどこにあるのか知らないのですが,これがかなりしっかりしていて,フィニッシュホールドもグラウンドで相手の肩関節を極める技です。スパイス的にエルボースマッシュを用い,この点は僕がプロレスキャリアの初期にファンであったドリー・ファンク・ジュニアを彷彿とさせますが,身体が小さいこともあり,勝負どころでは空中技も多用します。かなり余裕をもって試合に臨んでいる感もあり,相手の技をうまく切り返し,これが持ち味のひとつとなっていますし,僕も高く評価する部分ではありますが,人によっては相手の技を受けなすぎると不満に感じるかもしれません。アメリカで対戦したときには勝っていたのですが,この日はKENTA選手のゴー2スリープの前に涙を飲んでしまいました。ただ,試合内容としてはメーンよりよく,この日のベストバウトであったと思います。

 ここまでくれば,スピノザに対するライプニッツの疑問のどこに問題があるか,分かってくるのではないかと思います。この疑問は,実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成されるということが,名目的にであれ可能であるということを前提としているのですが,このとき,属性Yだけに注目するならば,この属性Yは,属性Xとも属性Zとも無関係に知性によって認識されるのですし,またこの属性Yを認識することによって,知性は実体Aや実体Bというのを直ちに認識するというものでもありません。したがって,複数であると想定されている実体Aと実体Bの本性を共に(ほかの属性と共に)構成していると仮定されているふたつの属性Yは,知性によって区別できるものとしては認識され得ないのです。いい換えれば,もしもこの仮定から知性が何らかの事柄を結論できるとすれば,それは実体Aの本性を構成するといわれている属性Yと,実体Bの本性を構成しているといわれている属性Yというのは,実際には区別することができないようなひとつの属性であって,したがって,実体Aと実体Bは,ことばの上ではそのように区別されてはいるけれども(スピノザがことばの上での区別を本来的な区別と認めないことに注意してください),本当は区別することができない同一の実体であるということになるのではないかと思うのです。
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竜王戦&実体と属性

2006-12-07 22:38:27 | 将棋
 このブログのスタイルの説明です。
 竜王戦第五局。封じ手(47手目)は▲1五歩でした。これは予想通りでしょう。ここから先手の佐藤棋聖が攻勢に出て,後手の渡辺竜王が凌ぐという展開。佐藤棋聖は棋風が徹底した攻め将棋ということもあるのでしょうが,この竜王戦はこうした展開になることが多いようです。攻めは細かいながらも成立していて,形勢は佐藤棋聖の方がよかったようですが,渡辺竜王がはっきりとした決め手だけは与えないようにうまく指し続けました。ただ,個人的に印象に残ったのは,74手目の△4六歩(この手は遠山四段所司七段も感心されていました)86手目の△8六歩,90手目の△5七と,100手目の△8六金といった手で,単に受けるだけでなく,反撃を含みにした点。この指し回しが佐藤棋聖の焦りを誘ったか107手目の▲6六香が疑問手(指された時点では渡辺竜王はそうと思わなかったようですが)だったようで,110手目に△2四玉と逃げ出しては後手玉を寄せるのが困難になって逆転。ここで▲2六金とが銀とか打てればいいのですが,△2八飛の両取りで無効なので。しかしもうひとつ印象的だったのは,この将棋かここからまだまだ続いた点。佐藤棋聖は最後まで後手玉を追ったところには凄まじい闘志を感じました。負けそうであっても最後まで諦めてはいけませんね。最終的には2九まで逃げ越し(渡辺竜王はここで勝ちをはっきりと確信したようです),先手玉を即詰みに討ち取って渡辺竜王が連敗からの3連勝。一方的に攻められる展開が多く多少の不安はありますが,竜王防衛に王手を掛けました。第六局は13日と14日に指されますが,先手番ということもあり,渡辺竜王としてはこの流れのままここで防衛を決めたいところでしょう。

 実体Aが(名目的に)実在すると仮定し,その本性が属性Xと属性Yから構成されるとします。このとき,定理一〇により,属性Xはそれ単独で,つまり属性Yとは関係なしに認識され,逆に属性Yも属性Xとは関係なしに認識されるわけです。そしてそれら両属性の観念は,実体Aとも関係なく知性のうちに実在しなければなりません。これは,複数の属性が,区別される場合には実在的区別によって区別されなければならないということからの必然的な帰結でもありますが,このことから,知性は属性Xと属性Yをそれぞれ単独に認識したとしても,それら両者の属性が,別の実体の本性を構成するのか,同一の実体の本性を構成するのかということまでは認識しないということが理解できるのではないでしょうか。つまり僕の考えでは,定理一〇のうちには,ある実体が単一の属性によってその本性を構成されるとは限らないということが含まれていると思うのです。そしてだからこそスピノザも,この定理一〇の備考において,そうしたことの可能性について言及しているのだと思います。したがって,スピノザが定理五をいうときに,ひとつの実体が単一の属性によってその本性を構成されるということを前提しているということは,やはりないように思うのです。
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クイーン賞&実在的区別

2006-12-06 21:06:14 | 地方競馬
 第52回クイーン賞
 好発から愛知のレイナワルツが逃げ,これをレマーズガールが2番手でがっちりとマークする展開。3番手以降が大きく離されてのレースとなりました。前半の800メートルは48秒9で,これはハイペースには違いありませんが,やや速いという程度で,この展開は意外。
 結果,直線の入口でレマーズガールがレイナワルツに並び掛けると,レイナワルツの方は失速して後退したのですが,レマーズガールはよく伸び,後続に6馬身もの差をつける快勝となりました。57.5キロのトップハンデでこの快勝は立派。今日は主戦の武豊騎手が香港に遠征中で,白山大賞典に続き岩田康誠騎手の手綱だったのですが,積極的な騎乗が光りました。この馬,もしかすると岩田騎手の方が手が合うかもしれません。
 2着争いは道中は中団の相前後する位置にいた2頭による接戦となりましたが,今回から船橋に移籍したトーセンジョウオーが,グレイスティアラをハナ差で退けています。トーセンジョウオーはJRA時代には重賞勝ちのある実績馬。今日は体重が33キロも増えていましたが,これくらいは走って不思議ではありません。
 グレイスティアラはレマーズガールとの差を考えると物足りない結果。
 4着は好位にいたグリンセレブで,早めに前を捕えにいって末を失ってしまった感じです。
 グラッブユアハートは見せ場なく8着。こちらは自身の体調に問題があるのでしょう。

 竜王戦は第一局に続き角換り。この将棋は先手が腰掛銀にすれば,後手も腰掛銀にするか棒銀を選ぶかで,本局のように相腰掛銀を選択すれば先後同型で進むのが相場ですが,佐藤棋聖が早めに☗4五銀とぶつけ,あまり例のない将棋になりました。封じ手の局面の優劣は分かりませんが,先手としては攻めていくほかなさそうです。

 一般に,事物の本性essentiaを認識することは,その事物の真の観念idea veraを有するという意味であるのに対して,実体substantiaの本性を構成する属性attributumについては,その属性を認識するということが,その属性によって本性を構成されている実体の真の観念を有するということに直結しないのは,複数の属性というものが,第一部定理四でいわれる区別distinguereのうち,実在的に区別されるからです。もっともこれは逆に,第一部定理一〇でいわれるように,実体の本性を構成する属性というのが,それ自身で認識されるものであるから,複数の属性は互いに共通点をもたず,結果として実在的に区別されるということもできるかもしれません。
 ただ,いずれにしても,属性の認識cognitioと実体の認識が必ずしも一致する認識ではないということと,複数の属性が互いに実在的に区別されなければならないということが,何らかの関係をもっているということについては間違いないところだろうと思います。そして僕の考えでは,まさにそのふたつの事柄が関係しているという部分から,今度はひとつの実体が単一の属性によってその本性を構成されるとは限らないということが出てくるのです。
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全日本選抜&派生

2006-12-05 20:13:10 | 競輪
 全日本選抜競輪決勝。前受けは荒井選手。合志選手の後ろに市田選手と渡部選手を挟んで中団に関東,後方から手島選手で周回。残り2周から中団の平原選手が上昇,バックで前を抑えると,荒井選手は神山選手の内で粘りに出ましたが,結局3番手まで下げました。このごちゃつきに乗じて残り1周のホームでは今度は外から手島選手の追い上げ。しかしここは神山選手が番手を守り,手島選手は後退かと思ったのですが,兵藤選手が迎え入れました。バックから立て直した荒井選手とさらに後ろに置かれた市田選手が捲りましたがこれは前に届くほどの勢いがありません。直線入口から絶好の番手回りとなった神山選手が踏み出します。さらに,隊列の短くなったバックでするすると上昇した合志選手が外から襲い掛かり,ゴール前では神山選手を捕えて優勝。神山選手が2着で逃げた平原選手が3着でした。絡まれはしたものの,神山選手には絶好の展開だった筈で,この2着は残念でしょう。平原選手にも同様のことがいえ,中団から抑えてすんなり先行なら,駆け方によってはもっと粘れたように思えます。期待した群馬勢は作戦が中途半端でした。優勝した熊本の合志正臣選手は,今日は展開に恵まれたとはいい難いですが,結果的に脚を温存できる形となり,シャープな末脚が生きました。GⅠはこれが初優勝,10月の共同通信社杯に続くビッグ制覇です。これでグランプリ出場の最後の椅子も確保しました。
 明日は船橋でクイーン賞。今年からハンデ戦になって傾向が変化するかもしれませんが,グレイスティアラ◎に期待。それからグラッブユアハート○,レマーズガール▲と、JRA勢を上位に考えます。地方勢ではグリンセレブ△を上位視し,アウスレーゼ△はその後。
 そして明日から竜王戦第五局。勝った方が竜王位に王手を掛ける重要な一番です。

 定理一〇からは次のことが派生してきます。知性がある属性を認識する場合,必要とされるのがその属性の概念だけであるならば,この概念はこの属性によって本性を構成されている実体の概念に依存することもありませんし,かといってそれを含むということもありません。したがってこれを一般的にいえば,知性は属性を認識することによって実体そのものを認識するというわけではないということになると思われます。しかし,属性というのは実体の本性を構成するものであり,かつ,これも一般的に考えれば,事物の本性を認識するというのはその事物を正しく認識する(その事物の真の観念を有する)という意味になる筈ですから,考えてみればこれは変な話のように思えます。しかし,実体の場合にこれが成立するとすれば,それは直ちに,ひとつの実体は単一の属性によってその本性を構成されるということを認めなければならないと僕は思うのです。事物と本性が一対一で対応するから,事物の本性を認識することが事物を正しく認識するということと等しくなるのであって,だからもしも,実体の本性が複数の属性によって構成されるということがあり得るなら,実体の認識と属性の認識はあくまでも別のものであると考えるべきだと思います。
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GHCタッグ&第一部定理一〇証明

2006-12-04 22:17:49 | NOAH
 小橋選手が本田選手と共に保持していたGHCタッグのベルトは,小橋選手の長期欠場により返上されて,NOAHの先シリーズから今シリーズにかけて,8チームが参加しての新王者決定トーナメントが行われました。2日の横浜文化体育館がその決勝。決勝に進出したのは森嶋猛&モハメッド・ヨネと高山善廣&佐野巧真で,試合の方は序盤と終盤,2度にわたって森嶋選手が捕まる苦しい展開だったのですが,最後はうまく佐野選手を孤立させ,バックドロップで森嶋選手がスリーカウントを奪い,森嶋・ヨネ組が新チャンピオンとなりました。今回は新たな試みで,急造タッグがほとんどの中,このチームは第11代(12代が小橋・本田組)の王者でしたので,まずは順当な結果といえるのではないかと思います。ただ,印象に残ったのは破れた高山・佐野組(こちらは旧UWFインター出身のチーム)の方で,佐野選手はキックが主体のプロレスをするのですが,こうした立ち技主体のレスラーにしては,どんな相手とどんな試合になっても自分の持っている一定レベルの力をコンスタントに発揮できるタイプの選手。高山選手もキックが主体ですが,基本的には大きな体格を生かすことによって相手を圧倒する(森嶋選手相手ですとなかなかそうもいきませんが)プロレスで,こういう高山選手には安定して力を発揮できる佐野選手のような選手がパートナーとして向いているような感じを受けました。ちなみにこのふたりは準決勝で田上・SUWA組を破ったのですが,この試合はびっくり。まあ,NOAHはマッチメークに関しては何でもありですが,まさか高山選手とSUWA選手が試合をするとは思いませんでした。なお,すでに退院した小橋選手はその後の経過も順調のようで,10日の日本武道館大会でリング上から挨拶する予定になっています。
 明日は全日本選抜の決勝。関東が5人も乗ってきました。できるラインは手島-兵藤-稲村の群馬,平原-神山の関東別線,荒井-合志の九州で,市田と渡部のふたりは単騎で自力。ここはグランプリに向けて仲間を増やしたい手島選手△が頑張ると予想,兵藤選手◎と稲村選手○から。あと,平原選手▲。

 定理一〇を証明することはそれほど難しいことではありません。定義四からして,属性は実体の本性を構成するわけですが,定義三によれば実体というのはそれ自身によって(ほかの概念に依拠せずに)認識されるものです。ところで,第二部定義二におけるスピノザの事物の本性という考え方からして,事物とその事物の本性というのは,一対一で対応し合わなければならないことが理解できます。ここでの場合は,事物が実体にあたり,事物(実体)の本性が属性にあたるわけですから,実体と属性というのは,具体的に考えられようと一般的に考えられようと,対応し合わなければならないということになります。よって,実体というのがそれ自身によって認識されるものである以上は,実体の本性を構成する属性もまたそれ自身によって認識されるものであるということになります。なお,第一部定理一〇の証明に第二部定義二を持ち出すのは,厳密に手続きを考えれば違反でしょうが,スピノザの哲学全体から理解する限り,定理一〇が問題なく証明し得るということはこれで間違いないと思います。さらにいえば,ここでは定義を使っていますが,定義は第一部であろうと第二部であろうと同様に妥当しなければならないものであると僕は考えます。
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阪神ジュベナイルフィリーズ&第一部定理一〇

2006-12-03 22:04:58 | 中央競馬
 阪神ジュベナイルフィリーズ。断然の人気に推されたアストンマーチャンは好発。この距離が初めてで,武豊騎手も折り合いの点には一抹の不安があったようですが,問題なくインに潜り込み3番手に控えました。逃げたのはルミナスハーバー。これはやや意外な感じでしたが,発走後の直線が長いわりには前半の800メートルが46秒3のミドルペースで,しかるべきペースであったと思います。直線に入ったところでルミナスハーバーが内を開けたので,アストンマーチャンは内に進路を取って抜け出しました。これで勝負あったという感じだったのですが,1頭,道中はやはり内でアストンマーチャンの後ろでマークするような態勢だったウオッカが,直線は前を行く各馬の外へと徐々に持ち出して追ってきました。そしてゴール寸前,これをわずかに捕えて優勝,2勝目(といってもキャリア3戦目ですが)でGⅠ制覇となりました。メルボルンカップでワンツーしたデルタブルース,ポップロックと同じ,栗東の角居勝彦厩舎の馬です。2着のアストンマーチャン以降は3馬身半(3着は逃げたルミナスハーバー)離れましたので,ここではこの2頭の能力が上位だったと考えてよいでしょう。個人的には先週に続いてありがたい決着。勝ち時計の1分33秒1は好時計というより怪時計で,これは能力の高さの証明ですが,これだけ速いタイムだと,むしろ今後の反動の方が心配になってしまいます。もう1頭期待していたクラウンプリンセスは,道中はアストンマーチャンの外につけ,直線でも外から一瞬は見せ場を作ってくれましたが,7着に沈んでしまいました。

 定義四に関係する問題はこれでひとまず片付いたと考え,次に,エチカの中で属性に関係する定理として重要と思える第一部定理一〇を取り上げます。「実体の各属性はそれ自身によって考えられなければならぬ」。この定理に関しても,スピノザがいいたい内容については難解な部分はないと思います。つまり属性は実体の本性を構成するのですが,そうした属性というのは,それがどんな属性であったとしても,それ自身によって,いい換えれば,何かほかの概念の助けを借りることなしに,概念する(認識する)ことができるものであるということです。したがって,知性が属性Xの概念を形成するためには,属性Xの概念があるだけで十分なのであって,何かほかのもの,たとえば属性Yとか属性Z,あるいは実体Aの概念を必要とはしないということになります。また,この点に関してはここでのテーマとは必ずしも関係しないかもしれませんが,認識と実在の同一性というエチカの観点から考えれば,実体の本性を構成する属性が,それ自身によって知性に認識されるものであるということは,同時に,属性はそれ自身によって存在するものであるということになると思われます。すなわち属性は,第一部定義一でいう自己原因であるという意味が,この定理には含まれていると考えてよいと思います。
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エルコンドルパサー&同一性

2006-12-02 22:11:16 | 名馬
 菊花賞を勝ったソングオブウインド母系を以前に紹介しましたが,今日はこの馬の父・エルコンドルパサー(スペイン語でコンドルは飛んでゆく)のご紹介。
 1995年にアメリカで産まれ,日本に輸入された馬です。2歳11月の新馬,3歳1月の下級条件をダートで連勝すると,2月に降雪の影響で芝からダートに変更となった共同通信杯(G外)で重賞初制覇。当時,外国産まれの馬はダービー等のクラシックに出走できなかったので,ニュージーランドトロフィーGⅡに出走し,初芝をものともせずに快勝,さらにNHKマイルカップGⅠまで5連勝しました。
 秋は古馬相手の毎日王冠GⅡから始動,ここで2着と初黒星を喫しました。天皇賞にも出走できなかったのでジャパンカップGⅠに進み,これを勝ちました。日本の3歳馬がこのレースを勝ったのはこれが初めてでした。
 4歳時はフランスに渡ってキャンペーン。初戦のイスパーン賞GⅠは2着に負けましたが続くサンクルー大賞GⅠで海外GⅠ初制覇。これはフランス版のキングジョージといった格のレースですからなかなかのもの。ヨーロッパの2000メートル級のGⅠを日本の馬が制したのはこれが初めて(現在までこれきり)でした。秋はフォア賞GⅡ(今年はShiroccoが勝った前哨戦)を逃げ切って凱旋門賞GⅠへ。ここも逃げたものの惜しくも2着に破れ,引退しました。
 その後,種牡馬になったのですが,残念ながら早逝。現3歳世代がラストクロップで,今までGⅠ勝ち馬が出ていなかったのですが,ソングオブウインドが第1号となりました。なお,ジャパンカップダートを勝ったアロンダイトもエルコンドルパサー産駒です。

 明日は阪神ジュベナイルフィリーズです。このレースは,人気で好走すれば翌年のクラシックに直結し,人気薄で勝つと一発屋で終るという傾向。無難にいくならアストンマーチャン▲ですが,クラシック級とは思っていないので少し狙いを下げてみます。クラウンプリンセス◎を抜擢。前走は?ですが,その前は牡馬の強いところ相手にいい競馬をしています。それから素質高そうなウオッカ○。あとはイクスキューズ△とハロースピード△。

 第二部定理七が一般に思惟の属性Cogitationis attributumとそれ以外の属性との間の原因causaと結果effectusの秩序ordoと連結connexioの同一性を意味し、かつこれが実在的な意味をもつなら,神Deusの無限知性intellectus infinitus,infinitus intellectusのうちにある属性Xの観念ideaがあるとき,形相的にformaliter考えられる場合のこの属性Xの秩序と連結は,その無限知性のうちにある属性Xの観念と秩序と連結が同一であるということになります。したがって属性Xは,神の無限知性のうちに客観的にobjectiveあるのと同様の仕方で,いい換えれば,神がその属性Xの観念を有する(認識するcognoscere)のとまったく同一の秩序と連結で,形相的にあるということになるでしょう。これが僕が,認識論(観念論)的に書かれている第二部定理七を,実在的に考えて構わないと考える理由になります。つまり(神の無限)知性が,実体substantiaの本性natura,essentiaを構成すると認識するような何かは,確かに形相的にもその実体の本性を構成するだろうと考えるわけです。
 なお,第一部定義三やこここでテーマとしている第一部定理五は名目的であると考えているのに対し,僕は第一部定義四については必ずしも名目的な定義Definitioであるとは考えませんが,実体というのが実在的に考えられようと名目的に考えられようと,第一部定義四の内容は同様に妥当すると思いますので,この点は何ら問題にならないであろうと思います。
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香港&第二部定理七

2006-12-01 23:37:03 | 海外競馬
 年末恒例の香港の国際招待レース。今年は10日に行われます。日本からも7頭が参戦しますので紹介します。すべて芝のレース。
 メーンの香港カップは2000メートル。天皇賞3着のアドマイヤムーンとエリザベス女王杯3着(4位入線)のディアデラノビアが出走の予定。ここはフランスから凱旋門賞2着のPrideが出走する予定で,強敵になります。
 1600の香港マイルにはマイルチャンピオンシップ2着のダンスインザムード。ただしここは安田記念でも1・3着した地元のブリッシュラックとジョイフルウィナーが大きく立ち塞がりそうです。
 日本の馬が最も得意といえる2400メートルの香港ヴァーズには菊花賞を勝ったソングオブウインド(母系)と3着のアドマイヤメイン。ここにはジャパンカップを3着したイギリスのウィジャボードが立ちはだかります。
 そして今年から1200メートル(昨年までは1000メートル)になった香港スプリント。スプリンターズステークス2着のメイショウボーラーと,サマースプリントシリーズの覇者,シーイズトウショウですが,スプリンターズステークスを勝ったオーストラリアのテイクオーバーターゲットが相手では分が悪そうです。ということで,どのレースも強力外国勢に対して苦戦は免れそうもないのですが,日本の各馬の健闘を期待します。

 年末のグランプリに向けて最後の大一番、GⅠの全日本選抜競輪が明日から5日までの開催です。

 認識論的ないしは観念論的に書かれている第一部定義四を,実在論的に読み替えても問題はないということについてさらに補足します。
 もしもこれを『エチカ』に訴えるなら,それは第二部定理七が最も適当であると僕は考えています。この定理も表題としてはまだ紹介していませんので,ここで採り上げることにします。
 「観念の秩序および連結は物の秩序および連結と同一である」。
 いわれている内容についてはそうも難しいところはないと思います。また,この定理は,これだけでみれば思惟の属性と延長の属性の連結と秩序の同一性についてのみ表明されていますが,その後の備考を参照すると分かるように,思惟の属性つまり客観的な属性と,形相的な属性との間で一般的に妥当すると考えて構わないだろうと僕は考えます。さらにこの定理の証明は,単に第一部公理四に訴えるだけなので,あたかも認識論的な事柄のように思えます(これだけでいえばそう判断する方が妥当だと思います)が,後続する第二部定理七系の意味から併せて考え,ここでいわれている内容については実在的であると考えることにします。
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