生物進化において「環境に適応するために進化を選んだ」といった「説明」を良く耳にするのだが
これは遠藤秀紀の言う「典型的な間違い」に基づいた「説明」の一つである
「環境に適応するため」といった目的に沿って能動的に「進化した」のではなく 環境に適応できた個体種が生き残った結果が進化というものなのである
変異自体は常に起きているものであり 環境変化があろうがなかろうが変異は起きている
環境変化が起きた場合には環境に適応することが出来ている変異だけが生き残り それ以外が全て死ぬことで結果的に進化として現れる
だが 環境変化がほとんど起きない環境においては むしろ変化しない環境に適応している個体は生き残り 変異した個体が全て死滅することによって 結果的に何億年でも同じ形質を維持することもある
急激な環境変動によって変異による環境適応が追いつかない場合には絶滅する
遺伝的進化というものは そういう単なる自然現象の結果に過ぎず 意図目的といった能動的選択可能性が介在する余地はない
「進化をしよう」とか「環境に適応しよう」といった意図目的戦略に基づいて能動的に選択することなど構造原理的に不可能であり「環境に適応するために進化を選んだ」といった「説明」は科学的に大間違いなのである
大衆の大半や生物学者の大半は こうした「典型的な間違い」に対して何の疑問も持たないようだが それは論理科学的検証思考が働いていない頭の悪さによる錯覚が原因である
Ende;