たいていの人間は「あんなものに騙されるのは不注意な人だけ」「自分は絶対に引っかからない」といった謎の自信を持っているが、これこそがヒトの「認知の脆弱性」である。どれだけ知識が豊富で賢い人間であっても、認知の隙を突いたトリックには騙される可能性があるだろう。
読書猿
出典:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77295
⇨ と 読書猿は主張している
たいていのヒトが持つ「謎の自信」というのは 先天的な正常性バイアスが原因であり これは東日本大震災の津波避難が遅れた大きな要因の一つとも言われている
では 読書猿が主張するような方法論によってデマや嘘が見抜けるかと言えば
残念ながらできない
実際に読書猿が主張する「知識のエコシステム」だの「認知的ワクチン」も全部デマなのだが 読書猿に心酔して好きになっている愛読者達は 「よもや読書猿が嘘をつくわけがない」と思い込んでいるために 読書猿が主張する嘘やデマだけは何の検証もせずに簡単に鵜呑みにするのである
ヒトという種の生物は 主観的に好きになった相手の言うことは「信じたい」というバイアスが働き 好きになった相手の言っている内容について客観的に論理検証することをしなくなる習性がある
マイケル:サンデルの人気も 養老孟司の人気も その内容に論理的齟齬があっても誰も気にもとめなくなることで 大衆の人気だけが暴走を始めてしまい その多数決だけで信憑性の保証かなにかと勘違いするようになるのである
サンデルの講義はオウム真理教教祖麻原彰晃の説法と共通する部分があり 悩ましい命題を提供して聴講者を気分的に悩ましい気分にさせることで あたかも物事を深く考えたかのような錯覚に陥れ その錯覚によって聴講者は「自分はとても頭を使ったから 頭が良くなった」と錯覚し 「頭を良くしてくれた教祖様」を好きになり心酔し盲目的に何でも唯々諾々と鵜呑みにするようになるのである
学校で教えていることが「認知的ワクチン」として機能しないからこそ 東大医学部の学生が地下鉄に毒ガスを撒き散らしたのであって 「知識のエコシステム」などという概念も論理的には成立しないのである
同じヒトでありながら 自発的に内容の真偽を検証するかどうかの違いが どうして生じるのか
教え込まれた内容に間違いがあっても大多数のヒトが気付かないのはなぜなのか
それは 自分の主観的な気分感情が 自分の意識の本質だと勘違いしているからである
自分が気分良くなりさえすれば それが正しいと判断してしまい 気分が悪くなる話には耳を貸さなくなる
ヒトとは そういう先天的な思考バイアス上の欠陥を持っているのである
こうした先天的バイアスに惑わされないようにするためには 自己の主観的感情や好き嫌いや価値観や常識を疑う必要がある
「本当かなぁ?」という 素朴な疑問を棄てないことである ヒトは素朴に感じた疑問を「とるに足らないもの」だと思い 多数や権威による評価さえあれば それだけで「疑う余地はない」ことだと思ってしまうものなのである
だから簡単に嘘やデマを信じ込んでしまうのである
自己の主観的感覚を疑うというのは 決して気分が良いことだとは限らない むしろ気分が悪くなる場合の方が多いものである
だから自分の感情(主観)は一旦棚上げにしておいて 客観的に論理検証すれば 真偽を見分けることも可能となるのである
振り込め詐欺師の手口は 被害者の主観的感情を利用することで 「恐怖」や「焦り」といった主観的情動を煽ることで冷静な判断力を剥ぎ取り 嘘がバレないうちに金をまきあげるのである
「これさえやっときゃ 全ては解決」という 短絡的で安易な解決策を提示することによって ヒトは簡単に嘘でもデマでも信じ込むようになるのである
実証不能の「認知的ワクチン」だとか言っておけば 「騙されないためには学校で教えている内容さえ学べば良いんだな」という短絡的解釈によって信じ込み 「認知的ワクチン」自体が嘘であることには誰も気付かなくなるのである
「知識のエコシステム」に則って 知識の「量」さえ獲得しておけば 地位身分が高くなって他人よりも裕福で幸福な人生を歩めるものだと勝手に解釈し その利己的利益欲しさに何の疑いも持たなくなるのである
知識というもの 学問というものは 本来社会持続可能性や安全性のために使うべきものであって 金儲けや世間的成功や人気取りなどの利己的利益のためのものではない
ところが衆愚というのは 地位身分が上がりさえすれば自分の利益になりそうな話にばかり意識を奪われ 学問というものの「本当の目的」を忘れてデマや嘘でも何の疑いも持たずに鵜呑みにしてバカになる
そりゃ必然的に毒ガステロで「人類の救済だ」というトンチンカンな話を鵜呑みにするようにもなるわな
だってバカなんだもの
東京大学教授の柳川範之(経済学)は読書猿のことを「著者の知識が圧倒的」と評価しているが 知識の「量」をいくら自慢しても 言っている内容に論理整合性が欠落していたり 嘘やデマが混入していたのでは話にならない
京大学長が「ヒトには先天的に人間性ガー」的な非科学的デマを流布することもあり 決して学術権威だからといって言っている内容が全て正しい保証があるわけではない
株式会社ライプニッツ代表 山口 周 が主観的に「面白い」と思ったからといって 読書猿の言っている内容が論理客観的に正しいことの論拠にもならない
物事の真偽というものは 主観的に「面白い」かどうかとは無関係なのである
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