[あらすじ] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々。
近くの大学病院に月1回通院。
神経内科の担当医師は三十代半ば。
長身、痩せ型、坊ちゃんカット、ほつれた襟、3段飛ばしで階段を駆け上がるなど、
そこはかとなく「うちの息子」っぽい。
大学病院と言えば3分診療。(ごめんあそばせ!)
しかし、うちの息子はずいぶん辛抱強く、患者老母の話を聞く。
間で意見を言ったりせず、なんなら質問して更に詳しく聞く。
わきで聞いている私は、母の話が長くなるので、ヒヤヒヤする。
内容は、体調の説明や訴えと言えなくはないのだが、
つらつらと思いのままに話すので、結局のところ何が言いたいのかよく分からない。
うちの息子も
「なるほど。そうですか。
わかるような、とりとめのない話のような。」と
率直な感想を言いつつ、打鍵音も高らかにカルテに入力する。
訴えと言えなくもない内容は、
今までも何度となく話してきた事柄であり、
医師に対して相談するような内容ではなく、
介護や看護で対応すべき部分であったりする。
たとえば、
「食事していても突然、味がしなくなる。」などという訴えは、
医師にしてみると、
「パーキンソン病に伴う鬱症状でしょうかね。」ということになる。
以前からこの問題は有って、2年前にはパキシルを処方され、
その副作用が大きく出て体調を崩し、たいへん懲りた。
が、懲りても忘れる。
だから、大学病院の診察で長話しないように、
「味が」などと言い始めたら、私が2年前のできごとを思い出させるようにしている。
やれやれ。
それでもうちの息子はしっかりと話を聞いて、
しまいにゃこんなことを言う。
「貴重なお話を聞かせていただきまして。」
まるでケアマネージャーさんのような態度である。
※
一方で、ひととおり聞いた後は、話を聞きながらPCで作業をしている。
処方箋の準備、次回の予約。
次回の日付をクリックしようとしているのが見えたので、声をかけた。
すみません、その日はショートステイ中なので
「では次の週、十月十日、体育の日にしましょう。」
ほう。
三十代半ばの人でも、十月十日が体育の日、という感覚なのか。
小学生の頃はまだ体育の日が十月十日だったか。
運動会は十月だったか。
調べてみると、ハッピーマンデー法で体育の日が十月第二月曜日に変わったのは
2000年のことだ。
なるほど、三十代半ばの人が義務教育の間は、体育の日は十月十日だった。
運動会が十月から五月に変わってきたのも、その後のことのように思う。
※
診察を終え、一階の受付で会計を済ませ、最後に
次回の予約確認票を受け取る。
うちの息子の予約間違いなどが今までに何回か有ったので、
受け取った時にしっかり確認する習慣がついている。
ほらきた。
血液検査の予約は入っているが、診察の予約が入っていない。
うちの息子ったら。
車椅子の母は一階に待たせて、神経内科の階へ戻り、
受付さんに事情を話して予約を取り直してもらった。円滑。
※
しかし油断ならないうちの息子。
いつまでもポカは無くならないうちの息子。
いつも
「忘れものは無いかなー」
と言いながら、PCの画面を指差して確認しているのに。
今回も指差し確認していたのに。
近くの大学病院に月1回通院。
神経内科の担当医師は三十代半ば。
長身、痩せ型、坊ちゃんカット、ほつれた襟、3段飛ばしで階段を駆け上がるなど、
そこはかとなく「うちの息子」っぽい。
大学病院と言えば3分診療。(ごめんあそばせ!)
しかし、うちの息子はずいぶん辛抱強く、患者老母の話を聞く。
間で意見を言ったりせず、なんなら質問して更に詳しく聞く。
わきで聞いている私は、母の話が長くなるので、ヒヤヒヤする。
内容は、体調の説明や訴えと言えなくはないのだが、
つらつらと思いのままに話すので、結局のところ何が言いたいのかよく分からない。
うちの息子も
「なるほど。そうですか。
わかるような、とりとめのない話のような。」と
率直な感想を言いつつ、打鍵音も高らかにカルテに入力する。
訴えと言えなくもない内容は、
今までも何度となく話してきた事柄であり、
医師に対して相談するような内容ではなく、
介護や看護で対応すべき部分であったりする。
たとえば、
「食事していても突然、味がしなくなる。」などという訴えは、
医師にしてみると、
「パーキンソン病に伴う鬱症状でしょうかね。」ということになる。
以前からこの問題は有って、2年前にはパキシルを処方され、
その副作用が大きく出て体調を崩し、たいへん懲りた。
が、懲りても忘れる。
だから、大学病院の診察で長話しないように、
「味が」などと言い始めたら、私が2年前のできごとを思い出させるようにしている。
やれやれ。
それでもうちの息子はしっかりと話を聞いて、
しまいにゃこんなことを言う。
「貴重なお話を聞かせていただきまして。」
まるでケアマネージャーさんのような態度である。
※
一方で、ひととおり聞いた後は、話を聞きながらPCで作業をしている。
処方箋の準備、次回の予約。
次回の日付をクリックしようとしているのが見えたので、声をかけた。
すみません、その日はショートステイ中なので
「では次の週、十月十日、体育の日にしましょう。」
ほう。
三十代半ばの人でも、十月十日が体育の日、という感覚なのか。
小学生の頃はまだ体育の日が十月十日だったか。
運動会は十月だったか。
調べてみると、ハッピーマンデー法で体育の日が十月第二月曜日に変わったのは
2000年のことだ。
なるほど、三十代半ばの人が義務教育の間は、体育の日は十月十日だった。
運動会が十月から五月に変わってきたのも、その後のことのように思う。
※
診察を終え、一階の受付で会計を済ませ、最後に
次回の予約確認票を受け取る。
うちの息子の予約間違いなどが今までに何回か有ったので、
受け取った時にしっかり確認する習慣がついている。
ほらきた。
血液検査の予約は入っているが、診察の予約が入っていない。
うちの息子ったら。
車椅子の母は一階に待たせて、神経内科の階へ戻り、
受付さんに事情を話して予約を取り直してもらった。円滑。
※
しかし油断ならないうちの息子。
いつまでもポカは無くならないうちの息子。
いつも
「忘れものは無いかなー」
と言いながら、PCの画面を指差して確認しているのに。
今回も指差し確認していたのに。
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