[あらすじ] 毛筆を独習し始めてひと月あまり。
楷書、行書、草書、隷書を駆け抜けた。
今まで、漢字のルールだと思ってきたものの多くは、
実は楷書のルールに過ぎないのだ、ということを知った。
ひとつが、行書のところで触れた、書き順だ。
書き順は正しくしなければいけない。
美しく整った形に字を書くためにも、正しい書き順で書く必要がある。
と、刷り込まれていた。
もちろん、書き順どおりに書くことは必要だ。
しかし、私が教わってきたのは楷書を美しく書くための書き順だったのだ。
漢字を書くための書き順は、一種類だけではない。
なめらかに次の画へ移動して行こうという趣旨の行書の場合だと、
書き順を入れ替えることがある。
草書なんてそもそもの字の形からして違ったりする。
そう、字の形もいろいろである。
さらりと書くために、複数の画を繋げて書くこともあるし、
点なんか省略しちまうこともある。
横画と縦画が続くところがある。
口の字の右肩のところだ。
ここは縦横を続けて書き、一画と数える、と教わる。
これも、漢字のルールではなく、楷書のルールだ。
隷書では、右肩でも一旦筆を上げ、また筆を下ろして縦画をあらためて書く。
まず楷書というものが成立し、字典というものができてきて、それを画数から引くために、
ルールが明確に整えられてきたのだろうか。
今回、書き順をあらためて調べたら、
いくつか間違えておぼえていた字があった。
たしかに、書き順を間違えていると、できあがりの形が同じにならない。
必ず問題になるのが「必」の書き順だが、
ここでも書き順は実はひとつではないようだ。
とにかく左から順番に、というのと
中心の画から左右左右、というのと
心に×、というのがあるようだ。
書いてみると、できあがりの形はそれぞれだ。
古くに書かれた字をあれこれ見ても、どうやら書き順はそれぞれのようだ。
もう、どうでもいいじゃん。
という気になってくる。
形を整えるために、最初は「この書き順」というものを教わる必要はあるだろうが、
それだけじゃない、ということもその後学ぶ価値がありそうだ。
なんにせよ、左上から右下という大きな流れにわざわざ逆らう人も、いるまい。
そして、筆使いも楷書と決定的に違うものがあった。
つづく
楷書、行書、草書、隷書を駆け抜けた。
今まで、漢字のルールだと思ってきたものの多くは、
実は楷書のルールに過ぎないのだ、ということを知った。
ひとつが、行書のところで触れた、書き順だ。
書き順は正しくしなければいけない。
美しく整った形に字を書くためにも、正しい書き順で書く必要がある。
と、刷り込まれていた。
もちろん、書き順どおりに書くことは必要だ。
しかし、私が教わってきたのは楷書を美しく書くための書き順だったのだ。
漢字を書くための書き順は、一種類だけではない。
なめらかに次の画へ移動して行こうという趣旨の行書の場合だと、
書き順を入れ替えることがある。
草書なんてそもそもの字の形からして違ったりする。
そう、字の形もいろいろである。
さらりと書くために、複数の画を繋げて書くこともあるし、
点なんか省略しちまうこともある。
横画と縦画が続くところがある。
口の字の右肩のところだ。
ここは縦横を続けて書き、一画と数える、と教わる。
これも、漢字のルールではなく、楷書のルールだ。
隷書では、右肩でも一旦筆を上げ、また筆を下ろして縦画をあらためて書く。
まず楷書というものが成立し、字典というものができてきて、それを画数から引くために、
ルールが明確に整えられてきたのだろうか。
今回、書き順をあらためて調べたら、
いくつか間違えておぼえていた字があった。
たしかに、書き順を間違えていると、できあがりの形が同じにならない。
必ず問題になるのが「必」の書き順だが、
ここでも書き順は実はひとつではないようだ。
とにかく左から順番に、というのと
中心の画から左右左右、というのと
心に×、というのがあるようだ。
書いてみると、できあがりの形はそれぞれだ。
古くに書かれた字をあれこれ見ても、どうやら書き順はそれぞれのようだ。
もう、どうでもいいじゃん。
という気になってくる。
形を整えるために、最初は「この書き順」というものを教わる必要はあるだろうが、
それだけじゃない、ということもその後学ぶ価値がありそうだ。
なんにせよ、左上から右下という大きな流れにわざわざ逆らう人も、いるまい。
そして、筆使いも楷書と決定的に違うものがあった。
つづく
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます