犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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青山で郡上踊り

2017年06月24日 | 踊る阿呆
本場郡上では、7月中旬から9月上旬にかけて、ほぼ毎夜どこかの町で踊りがある。
そうなったら大忙しの、保存会の面々がやって来て、青山は秩父宮ラグビー場の駐車場で皆踊る。

会場の真ん中には、やかたと呼ぶ櫓が組まれる。
その上に、音頭取り(唄い手)や三味線、笛、太鼓のお囃子が乗る。
特設ステージで生バンド演奏、というわけだ。

郡上踊りは全部で十曲ある。
一曲を十分近くやる。
踊り子の様子を見ながら、次の曲目の札を出す。

本場郡上の8月半ばは、徹夜踊りと言って、四夜連続で朝まで踊る。
青山では二日間だけ、5時から8時を踊る。

その昔、郡上の殿様は腐っていて、贅沢して遊んでいた。
そうなると、農民への租税の負担は増える。
トップがそんなだと家臣も腐って、私腹を肥やす。
苦しい民は、もう幕府に直訴するしかない、となる。
あれこれあって直訴はなんとか成功する。
腐れ殿様と家臣は流されるが、直訴した民も刑に処される。
次いで赴任してきたのが青山氏である。
家来から下々の者までわけへだてなく、三百文の金を賜る。
今で言ったら定額給付金だ。
その善政に驚き喜んで、踊りの一曲に「三百」というのがある。
お役目ある武士の一部は禁じられたものの、
士農工商の身分のへだてなく楽しめるようにと、踊りも奨励され、
盛んになり今に至る。
その青山氏の江戸屋敷が有るのが、今の青山の土地で、
だからこそ、東京では青山で郡上踊りが行われる。
明治時代に、禁止されるが、50年あまり後には保存会が作られる。

かいつまんでみてもちょっと面白い話だが、
そのときそのときのエピソードを探せば、
官民の関わりや暮らしのありかたなどが見えてきそうだ。

秩父宮ラグビー場の駐車場で、今夜も踊りがある。

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