[あらすじ] 第一次産業の農業革命、18世紀末からの産業革命で
人々は時間のゆとりを得た。
しかし21世紀のIT革命を経て、大衆は多くの時間を
情報の消費に割くようになった。
そして、次に来るのは移動革命だ。
と、識者は言う。
ってことは、なーんの目的も無い移動が、
移動そのものが目的の移動こそが、
贅沢の極みである。
どこかへ行く、のではなく
ただ行く、のが貴族なんである。
まっすぐ家に帰るのではなく、寄り道しよう。
見上げると高圧線が通っている。
これを辿って行けば、自宅のすぐ近くの変電所に至るのではないか、
と考えた。
・高圧線を辿る
・それで家に帰る
などという目的を持って移動する。
けっ、貧乏性が抜けねえや。
※
最初に見た鉄塔が、実はこの日一番のおもしろ鉄塔だった。
この後、何本もの鉄塔の根元を通ったが、
こんなのはここだけであった。
そんな珍しい鉄塔だと思っていなかったので、
写真を撮らなかった。
だから、ストリートビューから頂戴する。
鉄塔の話なのに、プライバシーに触れかねないので、
場所は書かないことにする。
こんな感じの場所だ。
住宅街の中の場合だと、フツウ、
高圧線の鉄塔はフェンスに囲まれて入れないようになっている。ほんで、
オウムかなんかの鳥が「危険!のぼるな!」とかなんとか言ってるイラストの看板が付いている。
しかしここは、ここに限っては、フェンスも何も無い。
高圧線の鉄塔の下を駐車スペースとして使っている、
と見える。いや、
ひとんちの裏庭から高圧線の鉄塔が生えている。
と言うべきなのか。
こんなに生活感の有る鉄塔の根元は、他に見たことが無い。
けど、思い出すものが有る。
※
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第四部は、
杜王町(もりおうちょう)という都市郊外のベッドタウンを舞台にしている。
『ジョジョ』の中でも、最も身近な舞台設定で、かえって異色だと言えるだろう。
「隣人もスタンド使いかもしれない」という緊張感がいい。
日常生活に重ね合わせると、日々の通勤通学お買い物お散歩なども
緊迫感が増すのでおススメです♪
その中でも妙ちきりんなのが、『鉄塔に住もう』だ。
(コミックス42,43巻)
鋼田一 豊大(かねだいちとよひろ)は、
高圧線の鉄塔に住んで、自給自足の生活を営んでいる。
鉄塔の上から釣りをしたり、鉄塔の上で菜園を作ったり。
へんなひとー。
実は、自分自身のスタンド(特殊能力)である’スーパーフライ’によって
スタンドと一体化している高圧線の鉄塔に囚われ、
出るに出られないのだ。
この、鉄塔での生活の図が、楽しいったらありゃしない。
眺めも良さそうだし、風通しも陽当たりも抜群じゃないか。
※
もとい。
現実的に考えると、多分、
ここに鉄塔を建てたい東京電力と、
どうしてもこの土地を手放したくない地主との
なんにゃらもんにゃらの結果が、この景色を生んだのではないだろうか
と憶測する。
もちろん、この家の人は
鉄塔に登ったり、ましてや鉄塔に住んだりしないとは思うのだけど、
なんだか、鉄塔に洗濯物を干したりするくらいの図は思い浮かんでにやけてしまう。
※
さて、自宅近くの変電所にこの高圧線は繋がっていくのだろうか。
実は、そういうご趣味の方が作った地図が、有る。
https://10map.net/
以前、「勝手にJAFどこ」(JAFの「危険予知問題」の写真がどこで撮影されたものかを解く)を
やっている時に、写り込んだ高圧線から場所を解明しようとして知ったのだ。
いやー、どんな事にもお好きな方というのはいるものだ。え?何か?
ひとまず私はこんな地図を見て確認すること無く、
バイク(50cc)で走り出す。
上ばっかり見上げて朝の公道を走る危険なお遊びである。
つづく
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