[あらすじ] 近所の犬の友達Sさんが引っ越してしまった。
Sさんは庭仕事が好きだった。
草取りをしていると無心になれる。というところで意見が合った。
私も、ちょっと出かける前に気になる雑草を取って、
なんてしゃがむと、気が付けば30分くらいケロリと過ぎ去る。
Sさんの庭に犬を放して遊ばせている間、庭のベンチでおしゃべりしたり、
芝生の中の雑草を取ったりして過ごした。
Sさんが引っ越して行ってから、思い出にベンチをもらった。
他にもカエルの王様のジョウロや、ゴミ箱などをもらった。
※
その話を聞いたご近所幼なじみの友人Mの母M子が、
Sさんの庭の温室の中の道具や植木鉢などをもらった。
その中に、レーキが有るとMが言う。
レーキという物を、私はちょうどつい最近知ったばかりだ。
池の泥を浚う道具をホームセンターで物色している中で、
レーキも見たのだ。
レーキとは、熊手の指の短くて頑丈なものとでも言えば良いか。
浅く生えた雑草を一気に剥ぎ取るのに向いている。
友人Mに頼んで、そのレーキを貸してもらった。
借りてみたら、ずいぶん歯の部分の小さなレーキだった。
まあ、あまり幅が広いとその分、力も必要になるので、
小さくても良いかもしれない。
※
家の前は砂利道だ。
人が踏まない端の方には、雑草が生えたいだけ生える。
自宅の庭からはみ出たハナニラや菊と、道の雑草が入り混じって、
我が家の陣地をなんとなく広げている。
あんまりほったらかしてもいけない。
道の向い側には、3年ほど前に家が建って、新しい家族たちが住んでいる。
この人たちは、草取りをしない。
草取りの無我の境地を知らんのだろうな。ふ。
向いの雑草に文句は言えない。
こっちも相当ほったらかしている。
ところがある時、お向いさんが言う。
「除草剤を撒こうかと思って。」
えええ。いやだなあ。
そんなに広い面積でもない、ちょっとの雑草なんだから薬なんか撒くほどでもないのに。
ウチの犬は雑草を食う習性が有る。
薬は困るなあ。
でもウチも草取りをしていないから、お向いさんの方法に文句も言いにくいなあ。
※
じゃあ、私が取りやしょう。
強い味方:レーキ様が付いておる。
とは言え、
砂利道に生えた雑草は道具を使ってもなかなか手ごわい。
時間がかかる。
昨日の続きをやろうと思って見たら、
雑草を刈った部分がちょうどいいとばかりに猫が寝ていた。
(私がカメラを準備してモゾモゾしているうちに猫は少し移動した。)
※
作業をしていると、どこかから何かの唸る音がする。
ああ、数ヶ月前から、お隣さんのエアコンの室外機が唸るようになった、あれかな。
猫が跳び乗ったか飛び降りたかした弾みでズレて音が鳴るようになってしまったのだろうか。
いや、室外機の音よりももっと滑らかな音だな。
それともどこかちょっと離れたところで家の工事でもしていて、
電動のドリルドライバーを使っている音だろうか。
いや、それにしては間断無く鳴っているな。
なんだろう。
近いのか、遠いのか、それも判然としない。
どこから聞こえているのだろう。
※
頭上の、大島桜の花に集まる蜜蜂の羽音だった。
かすかな音の集まりだから、滑らかで間断無く、
近くとも遠くとも付かない音だったのだ。
気付いてみれば、枝の間を蜂が飛び交っている。
どうぞどうぞ、召し上がれ。
Sさんは庭仕事が好きだった。
草取りをしていると無心になれる。というところで意見が合った。
私も、ちょっと出かける前に気になる雑草を取って、
なんてしゃがむと、気が付けば30分くらいケロリと過ぎ去る。
Sさんの庭に犬を放して遊ばせている間、庭のベンチでおしゃべりしたり、
芝生の中の雑草を取ったりして過ごした。
Sさんが引っ越して行ってから、思い出にベンチをもらった。
他にもカエルの王様のジョウロや、ゴミ箱などをもらった。
※
その話を聞いたご近所幼なじみの友人Mの母M子が、
Sさんの庭の温室の中の道具や植木鉢などをもらった。
その中に、レーキが有るとMが言う。
レーキという物を、私はちょうどつい最近知ったばかりだ。
池の泥を浚う道具をホームセンターで物色している中で、
レーキも見たのだ。
レーキとは、熊手の指の短くて頑丈なものとでも言えば良いか。
浅く生えた雑草を一気に剥ぎ取るのに向いている。
友人Mに頼んで、そのレーキを貸してもらった。
借りてみたら、ずいぶん歯の部分の小さなレーキだった。
まあ、あまり幅が広いとその分、力も必要になるので、
小さくても良いかもしれない。
※
家の前は砂利道だ。
人が踏まない端の方には、雑草が生えたいだけ生える。
自宅の庭からはみ出たハナニラや菊と、道の雑草が入り混じって、
我が家の陣地をなんとなく広げている。
あんまりほったらかしてもいけない。
道の向い側には、3年ほど前に家が建って、新しい家族たちが住んでいる。
この人たちは、草取りをしない。
草取りの無我の境地を知らんのだろうな。ふ。
向いの雑草に文句は言えない。
こっちも相当ほったらかしている。
ところがある時、お向いさんが言う。
「除草剤を撒こうかと思って。」
えええ。いやだなあ。
そんなに広い面積でもない、ちょっとの雑草なんだから薬なんか撒くほどでもないのに。
ウチの犬は雑草を食う習性が有る。
薬は困るなあ。
でもウチも草取りをしていないから、お向いさんの方法に文句も言いにくいなあ。
※
じゃあ、私が取りやしょう。
強い味方:レーキ様が付いておる。
とは言え、
砂利道に生えた雑草は道具を使ってもなかなか手ごわい。
時間がかかる。
昨日の続きをやろうと思って見たら、
雑草を刈った部分がちょうどいいとばかりに猫が寝ていた。
(私がカメラを準備してモゾモゾしているうちに猫は少し移動した。)
※
作業をしていると、どこかから何かの唸る音がする。
ああ、数ヶ月前から、お隣さんのエアコンの室外機が唸るようになった、あれかな。
猫が跳び乗ったか飛び降りたかした弾みでズレて音が鳴るようになってしまったのだろうか。
いや、室外機の音よりももっと滑らかな音だな。
それともどこかちょっと離れたところで家の工事でもしていて、
電動のドリルドライバーを使っている音だろうか。
いや、それにしては間断無く鳴っているな。
なんだろう。
近いのか、遠いのか、それも判然としない。
どこから聞こえているのだろう。
※
頭上の、大島桜の花に集まる蜜蜂の羽音だった。
かすかな音の集まりだから、滑らかで間断無く、
近くとも遠くとも付かない音だったのだ。
気付いてみれば、枝の間を蜂が飛び交っている。
どうぞどうぞ、召し上がれ。
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