犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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治す

2017年12月18日 | からだ
治療と、治癒は別物である。

これは案外あまり気付かれていないように思う。

漢字が非常に紛らわしいけれど、
「治療ちりょう」と「治癒ちゆ」を見間違えずに読んでいただきたい。

医者がやっているのは治療である。
病人が目指しているのは治癒である。

病気は誰のものでもない、個人のもの、本人のものである。
当人のそれまでの生き方の上に成り立っている。
だから、病気を治すには、生き方をちょいと変える必要がある。

ちょいと変えるポイントが良ければ、あっさりと病気は去る。
ちょいと変えるタイミングが遅いと、病気が心身を乗っ取ることになる。

医者は、目の前の患者を少しでも楽にしようと、治療をする。
患者を苦しめている症状を軽減しようと、治療に取り組む。
ただし、症状を取り除くことは、必ずしも治癒を目指すものではない。
しかし、患者も楽になるので、治ったかのような感覚を持つ。
医者が病気を治してくれる、という誤解が生じる。

病気を治せるのは、病気を作った人だ。
つまりは病人本人だ。
病気は医者のものではない。
病気は医者が治すものではない。

「病人」が、医者との関係性つまり「治療」の中で「患者」になってしまうと、
「治癒」から遠のいてしまう。
本来は、病気ではなくなりたいはずなのだから、治癒が目的であるはずだ。
しかし、医者が先導すると、治療が先行する。
医者の治療に頼っていると、治癒が進まない、ということが起きがちだ。

医者の中にも、治癒を目指した指導をする人がいる。
ただ、患者が病人本人という意識を持てなかったり、
病気の状態にどっぷり浸かって慣れてしまっていたり、
つまりタイミングが遅いと、せっかくの指導は効を奏さない。
そして、「適切な治療行為をしなかった」と批判されたりする。
もったいない。

医者の治療によって病人が患者の意識になってしまい治癒に至らないのは残念だ。
病人にとって、病気は第一の仕事だと思う。
自分の仕事に対するように、病気に対して、意識を持って取り組みたい。

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