犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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貝説

2016年06月10日 | 日々

昨日は間違っちゃったよ。
http://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/9774fefce6701d67ac78a9a273803b7c
清少納言はあんな長編エロ小説を書くから秘物などがお土産品に、
などと書いたが、
源氏物語は紫式部だわね。
イガイではなく、ムール貝つまりムラサキイガイの方だった。

誰の物だって良さそうな物が、なぜ清少納言の物だと称されたのだろう。

桐箱の中には、折りたたまれた紙が入っていた。
製造発売元である有限会社「渦屋」による解説書だ。

あんまりヒドい内容なので、ここに全部を引く。
結局のところなぜ清少納言なのかはナゾのままだが、
私は枕草子の「枕」というところからの連想なんじゃないか、と
疑っている。



清少納言と「い貝」

掃溜に鶴が下りた!とはあたらない。
灰色の砂浜青い松ゆたりゆたりのたうっている納戸色の海、
その砂浜に近いところが真白い波頭を立てては微笑かける。
いかにして打ち寄せられたか一葉の小船の中には
あたかもこのあたりでは垣間見るさえ冥加に余りそうな
ろうたけた女の姿、どこの上臈(じょうろう:大奥の高位の女中)が
いかにして?とけげんの眉をしかめる間もなく集って来たのは
赤銅色の眼ばかり光る漁師達であった。
ぐるりと取り巻いてじろじろと眺めていたがいつの間にか
その瞳の底に怪しい光が輝き出した。
卑しい慾望にかられた一人の男は同じ慾望に燃え立っている男を
押しのけてづかづかと上臈の側によっていってその肩に手をかけ
「女房になってくれ」と迫ったが女は見向きもしない。
宝玉のようなぼたんの唇は固く結ばれて開こうともしない。
いかにしてこのむさくるしい獣のような男共の言葉に
従われようぞ、その涼しい瞳の底には冷たい光が澱むばかり。
男はこりずにまた執念深く幾度も幾度も繰り返し廻ったが
最後に怒りをこめた声で「いやです」とただ一語。
「これほど頼んでもきかねえのか、よしこうなりゃもう許せねえ。」
叶わぬ恋にかっと逆上した男は突然砂浜の上に引き倒し
右手にキラリと光ったはトギすました魚切庖丁っであった。
無惨な男は女の体からその局部を抉り取って
血の滴る生々しい肉塊をポンと海中へ投込んで「フフフ」と
狂的に笑った。女は遂に絶命した。
それは当時一代の才色とうたわれた清少納言のなれの果てだといわれている。
それから間もなくその海底から今まで一度も見たことのない貝が漁れた。
あの醜い形をした「い貝」である。
そしてこの惨劇を見ていた者達は目がただれ腐った。
それから里人は祟りを恐れまた薄命の佳人を憐れんで塚を立てて祀った。
当時の五輪塔が今なお残っている。
女の下の病の霊験があるとて祈願する者も多く
毎月十日の縁日にはぞろぞろと狭い道を参詣人が続いたものである。
狭い境内は若い男女で埋められる。
夏の夜など信仰と一緒に恋も芽ぐもう。



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