もう、何年前から漏れていたか、憶えていない。
それくらい前から、漏水が有るのは分かっていた。
水道の検針員さんがメーターを見て、漏水を発見すると
水道使用量のお知らせと一緒に、A葉書というものを配布してくれる。
漏水箇所の修繕が完了した時に使う葉書だ。
何年も前にこれが配布された。
私は15年ほど前までの14年間、水道検針員をやっていた。
だから、A葉書が配られてすぐに、自宅の水道メーターを確認した。
水道メーターを見ると、なるほど、
銀色のパイロットメーターが動いている。
ゆっっっくりと。
それはとてもゆっくりであった。
じっとしゃがんで見ていないと分からない程度であった。
これは、蛇口がきちっと締まっていない、といったようなことかもしれない。
「ポタッ・・・・・・・・・ポタッ・・・・・・・・・ポタッ・・・・・・・・・」
くらいの量だと思われる。
検針員の経験で、分かる。
たぶん、2ヶ月で1㎥も出ているか、どうか。
※
風呂場の水栓があやしい。
たまに、蛇口の真下がずっと湿っている。
それかな。
家のあちこちをきっちり締めてみると、
ますますパイロットメーターの回転は判然としなくなった。
この程度の漏れだと、料金にあまり影響は無いし、
家のどこかが湿ってしまってカビるとか、
家のどこかが濡れてしまって木材がダメになるとか、
家のどこかが水浸しになるとかいった
派手な問題が起きない。
漏水箇所も見付けられないことも多い。
まさに、そういうケースだ。
だから、私は放置した。
※
加えて、同居の老母が老いた。
蛇口をしっかり締められなくなった。
蛇口の締めが悪いのか、どこかで他に漏れているのか、
分かりにくくなった。
介護のことで精一杯で、漏水修理のために水道屋さんに入ってもらう気にもなれない。
そういうふうに何年も過ぎた。
※
漏水を放置するというのは、ジワジワと悪化するのを待つ、ということである。
水漏れが悪化して問題が大きくなったら発見しやすくなる。
なんだか、お医者さんの言う「これで様子を見ましょう。」というのに似ている気がする。
様子を見て、悪化したら手術とかいうことなのだ。
その手前で治して欲しいのに。
もとい。
そうして放置していたら、少し悪化した。
パイロットメーターを見ると、一目瞭然、回っている。
ゆっくりとだが、回っている。
しかし、あまり放置したので、
水道検針員さんが「漏水」の処置をしなくなった。
検針員もとっくに代替わりしている。
それどころか、検針を担当している事務所までも変わったのだ。
何年も経ったのだ。
漏れが悪化した結果、水道料金が高くなった。
あの後、老母は老人ホームに入った。
そして一人暮らしになったのに、水道使用量は以前より増えているのだ。
おかしい。
2ヶ月で10㎥以上は漏れていそうな感じだ。
※
水漏れが有ると、その周辺にシミが有るとか、
地面がずっと湿っているとかいうことで分かる。
ひどい場合は「チョロチョロ」とか「シャアアア!」という音で見つかったりもする。
注意して家の中や周囲を見るのだが、見付からない。
では、見えない所で漏れているのか。
それはとても厄介だ。
発見しにくいし、修繕しにくいということになる。
ああ面倒くさい。
※
今日の夕方、庭で草取りをしていた。
ずーっと草取りをして、建物近くまで来た。
しゃがんで草取りをしていると、
妙に地面が濡れている部分が有る。
ああ、まあ、昨夜、雨が降ったしな。
いや待て、昨夜の雨ではこんなに濡れない。
何時間もかけてせいぜいしっとりする程度だったし、
今日の一日でそれも大方乾いている。
まあ、ここは水道の立ち上げも有って、
その横に睡蓮鉢も置いていて、
貯めている水を水撒きに使ったりもするから、
周囲が濡れることも有る。
いや待て、今日は水撒きの作業などしていない。
周囲の地面は乾いているけれど、
明らかにここだけが湿っている。おかしい。
よく見ると、
土は本当にグジュグジュで、
そのグジュグジュの中のある一点で、水が地中から湧いている。
有った!!!
ついに見付かった。
つづく
それくらい前から、漏水が有るのは分かっていた。
水道の検針員さんがメーターを見て、漏水を発見すると
水道使用量のお知らせと一緒に、A葉書というものを配布してくれる。
漏水箇所の修繕が完了した時に使う葉書だ。
何年も前にこれが配布された。
私は15年ほど前までの14年間、水道検針員をやっていた。
だから、A葉書が配られてすぐに、自宅の水道メーターを確認した。
水道メーターを見ると、なるほど、
銀色のパイロットメーターが動いている。
ゆっっっくりと。
それはとてもゆっくりであった。
じっとしゃがんで見ていないと分からない程度であった。
これは、蛇口がきちっと締まっていない、といったようなことかもしれない。
「ポタッ・・・・・・・・・ポタッ・・・・・・・・・ポタッ・・・・・・・・・」
くらいの量だと思われる。
検針員の経験で、分かる。
たぶん、2ヶ月で1㎥も出ているか、どうか。
※
風呂場の水栓があやしい。
たまに、蛇口の真下がずっと湿っている。
それかな。
家のあちこちをきっちり締めてみると、
ますますパイロットメーターの回転は判然としなくなった。
この程度の漏れだと、料金にあまり影響は無いし、
家のどこかが湿ってしまってカビるとか、
家のどこかが濡れてしまって木材がダメになるとか、
家のどこかが水浸しになるとかいった
派手な問題が起きない。
漏水箇所も見付けられないことも多い。
まさに、そういうケースだ。
だから、私は放置した。
※
加えて、同居の老母が老いた。
蛇口をしっかり締められなくなった。
蛇口の締めが悪いのか、どこかで他に漏れているのか、
分かりにくくなった。
介護のことで精一杯で、漏水修理のために水道屋さんに入ってもらう気にもなれない。
そういうふうに何年も過ぎた。
※
漏水を放置するというのは、ジワジワと悪化するのを待つ、ということである。
水漏れが悪化して問題が大きくなったら発見しやすくなる。
なんだか、お医者さんの言う「これで様子を見ましょう。」というのに似ている気がする。
様子を見て、悪化したら手術とかいうことなのだ。
その手前で治して欲しいのに。
もとい。
そうして放置していたら、少し悪化した。
パイロットメーターを見ると、一目瞭然、回っている。
ゆっくりとだが、回っている。
しかし、あまり放置したので、
水道検針員さんが「漏水」の処置をしなくなった。
検針員もとっくに代替わりしている。
それどころか、検針を担当している事務所までも変わったのだ。
何年も経ったのだ。
漏れが悪化した結果、水道料金が高くなった。
あの後、老母は老人ホームに入った。
そして一人暮らしになったのに、水道使用量は以前より増えているのだ。
おかしい。
2ヶ月で10㎥以上は漏れていそうな感じだ。
※
水漏れが有ると、その周辺にシミが有るとか、
地面がずっと湿っているとかいうことで分かる。
ひどい場合は「チョロチョロ」とか「シャアアア!」という音で見つかったりもする。
注意して家の中や周囲を見るのだが、見付からない。
では、見えない所で漏れているのか。
それはとても厄介だ。
発見しにくいし、修繕しにくいということになる。
ああ面倒くさい。
※
今日の夕方、庭で草取りをしていた。
ずーっと草取りをして、建物近くまで来た。
しゃがんで草取りをしていると、
妙に地面が濡れている部分が有る。
ああ、まあ、昨夜、雨が降ったしな。
いや待て、昨夜の雨ではこんなに濡れない。
何時間もかけてせいぜいしっとりする程度だったし、
今日の一日でそれも大方乾いている。
まあ、ここは水道の立ち上げも有って、
その横に睡蓮鉢も置いていて、
貯めている水を水撒きに使ったりもするから、
周囲が濡れることも有る。
いや待て、今日は水撒きの作業などしていない。
周囲の地面は乾いているけれど、
明らかにここだけが湿っている。おかしい。
よく見ると、
土は本当にグジュグジュで、
そのグジュグジュの中のある一点で、水が地中から湧いている。
有った!!!
ついに見付かった。
つづく
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