犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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夏生まれ

2014年08月13日 | 日々
7月15日が誕生日だった。

その日は、老母のケアマネージャーさんの訪問日だった。
このケアマネさんは、たいへん純朴な方だ。
推定56歳、推定鹿児島県島嶼部出身。
幼い頃はランプを磨き、川の水を汲み、牛の世話をし、
学生時代はバスケットボールで全国レベルのチームに活躍し、
東京へ出てきた苦労人とお見受けする。

私の誕生日だと知ると、ケアマネさんは、
あら、何かお祝いしなきゃ、何も持っていない、
じゃあ、歌いましょう
と言って、手拍子しながらハッピーバースデーを歌ってくれた。

朗らかな、良いお声だった。
私はちょっと感激してしまった。

そして、ケアマネさんは自分の誕生日が嫌いだ、と語り始めた。
8月生まれだから夏休み中なので、友達にも祝ってもらったことがない。
それはいいのだけれど、ある年から自分でも祝えなくなった、と言う。

なんだろう、年齢を重ねたから誕生日が嬉しくなくなったという
意味だろうか、と思っていると、そうではなかった。

1985年8月12日、日航機墜落事故の日である。
あの事故以来、自分の誕生日が嫌いになってしまったと言うのだ。

ひとが悲しんでいる日に、楽しい気持ちにはなれないです。
と言う。

この人の場合、これが嘘じゃない。
こんな人に介護計画を立ててもらえるのだから、
安心だ。

ケアマネさんの訪問は月に一度だ。
7月15日の4週間後がちょうど8月12日。
今度は私が歌って祝ってさしあげる番だ。

と、思っていたのだが、他の要件ができて、日取りが変わってしまった。
残念だ。
新しい日取りは、8月15日。
またしてもなんだか祝いにくい気持ちの日なのである。

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