犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

親としてアライとしてできること

2017年05月16日 | LGB&T
中学生の時のことを思い出す。
私が中学生の時だから、もう35年は前なので、
今は多少とも状況が変わっているだろうとは思う。

学校に、カウンセラー室があり、たしか2人くらいのカウンセラーが交代で
常駐していたように記憶している。

35年前のこの頃、同性愛について情報は乏しかった。
あと数年待つとある情報源が世に出るのだが、この話はまたあらためてねちねち書こうと思う。
自分は同性愛者ではないか、なぜ陰茎のある夢なども見るのか、
友達にも話せないで抱えて、元来本好きの私は、本に頼った。
心理学書や精神医学書くらいにしか、同性愛という言葉は見当たらなかった。

しかしいづれにしろ、扱い方は病理としてであり、
治療の対象であった。
おかしいから治そうね、ということである。

治そうね、と言われるのはまだマシだったかもしれない。
多く見かけたのは、「思春期の女性の場合多くは一過性」という言説だった。
私は中学高校と女子校に通った。
なるほど周囲の様子を見渡すと、一過性に同性に惹かれている人も、
ちらほらいて、それは「おかしい」こととはされていなかった。

「○○先輩、好きっ♪」
というのと、自分はまるで違うことくらいは分かった。

さてそんな中、心理テストというのが行われた。
授業がツブレんならなんでも楽しい。
何ページにもおよぶ質問に、「はい・どちらともいえない・いいえ」で答えてゆく。

中に、意図が丸見えの設問がいくつか散見された。
「異性の話を友達とする」
「異性のことを考えるとドキドキする」
「異性の裸をたまに想像することがある」

異性、異性、異性!
どれも「いいえ」に答えつつ、アホくさくてたまらなくなる。
数日後に返ってきた結果票には当然アホなことに「恋愛への興味が低い」と書かれていた。
私に好きな女の子がいて、悩んでいることはここでは問題にはされていない。
こんなテストをやるカウンセラーに、自分の悩みは話せない。信頼できない。
相談相手はいない。
そう、思った。

今だったら、
このような内容のテストは、同性愛傾向やトランスジェンダーの生徒にとって
無意味であるばかりか傷付けることになるし、
また当事者を含め周囲の生徒にも、異性愛主義を刷り込むことになる、
教育上問題があると考えられるので、カウンセラーと検討して
来年は別の内容のものを実施してください
とかなんとか、学校に申し立てるところだ。
が、当時はふるえる中学生だったので、そんなことは思いもつかず。

異性愛者の生徒であったら、この質問でこの結果でも、
なんの疑問も起きないだろう。
この質問によって孤立感に追い込まれている人がいるということも、
まったく想像にもよらないのではないだろうか。
私の同級生の読者もいてくれるが、こんな質問を憶えているだろうか。

これこそが、異性愛主義の刷り込みである。
この世の中には男と女がいて惹かれあう。
世の中には男と女しかいなくてだから引っ付き合うんだよ。
という刷り込み。
それ以外の者に配慮したり言及したりせず、無視して排除している。

誰かを無視や排除している資料にもとづいて、生徒を指導している。
学校でこういう教育をしていれば、社会に差別があるのも当然だろう。

ですからこれを読んでいる、子どもを持つ親のみなさんにお願いしたい。
この例のようなことに気付いたら、保護者同士で話題にしたり、
先生に疑問を言ったり、してください。
子ども自身から動くのが難しいときには、どうかお力添えください。
どのクラスにも一人や二人は、こんなことで傷付いている子がいるはず。
刷り込みが行われたら、自分の子がいじめる側に回ることもありえる。
ひとごとではないんです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ご結婚ほへへほー | トップ | ジャガイモの日ではない I... »

コメントを投稿

LGB&T」カテゴリの最新記事