犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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吟醸香

2017年02月20日 | たべもののみもの
日本酒という呼び方が嫌いなほど、日本酒が好きだ。

なぜ日本で日本の酒をわざわざ日本酒と呼ぶのか。
サケはサケでいいじゃないか。

酒がサケだった頃には、サケ以外の酒はあまり無かったのだろう。
そのうちに、ビールだのウヰスキーだのワインだのがのさば イヤイヤ
親しまれるようになった。
そして、「酒」という語が、酒類全般をも表す役をも担った。

日本酒以外の酒類が一般的に普及した今、「酒」は酒類一般の総称となり、
サケと呼んで済んでいたものは日本酒という呼び方をせねばならなくなった。

と、解釈している。

それでも私は、日本酒のことを「サケ」と呼びたい。



さて、酒にもいろいろございまして。
今日触れたいのは、材料である米の磨き具合についてだ。

米を残り50%以下まで磨いたものから作るのを大吟醸、
60%以下まで磨くのを吟醸酒、
70%以下のものを本醸造酒
というのがおおよその規定だ。
特別本醸造や純米酒については、もっとややこしいことになっているので省くが、
大雑把には、60%以下まで磨くと吟醸酒になる。

炊いて食べる米は品種がそもそも違うけれど、
白米は7~10%の精米歩合だ。
酒はかなり精米するもので、中でも吟醸酒はもったいないくらい削っていることがわかる。

私は米の味のする酒が好きだ。
精米歩合80%なんていう酒があると、おやおやどんなお味でございましょう
と、きっと手が伸びてしまう。

今は亡き漫画家の杉浦日向子さんは、
「飯を炊くのがめんどくせえ時は酒をのむ」と書いていた。
そんな心掛けで茶碗酒を食らいたいものだ。



真っ白に芯だけを残して磨いた米を使って作った吟醸酒は、
特有の香りがする。
これを吟醸香と呼ぶ。

くだものの香りがするのだ。
バナナと言ったり、メロンと言ったりする。

これが実は、苦手だった。
とろりと甘い香りを嗅ぐと、なんだか妙なにおいだと感じた。

吟醸酒は一般的に醸造酒よりも高価なので、
安上がりで良かった。

だが、いつの間にか、飲めるようになった。
香りを楽しめるようになった。
幅が広がった。
これは厄介だ。
ゼニがかかる。

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