犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

性同一性障害

2014年08月23日 | LGB&T
昨日はトランスジェンダーという立場から
性同一性障害について書いた。

だから、妙な表現になった箇所もあるので、
今日はちょっと性同一性障害について、少し触れたい。
しかし、似てはいるものの、当事者ではないので、
詳しくはない。

自分の生まれてきた性別に違和感があり、
元が女性だったら男性に、男性だったら女性に変わりたい、
という人は、性同一性障害という診断を受けて
性別適合手術(性転換手術)をすることができる。

ただ、診断は簡単には付かないし、その後の
治療も段階があってなかなか当人にとってはもどかしい。

まず、精神科医の診察を受ける。
身体的な治療に進むためには、2人の精神科医から
性同一性障害である、という診断を得る必要がある。
ここが厳しい。

昨日も似て非なるものを列挙したが、
同性愛や、私のような辺境にいるままで良いトランスジェンダーと
鑑別しなければならないからだ。
やってしまってから、やっぱり違った、ということになっても
元には戻せないからね。

あと、性別の違和感が理由で身体にメスを入れるということは、
健康な臓器を切除することになるので、これも慎重になる必要がある。
ここをしっかりしないと、臓器売買の問題とも関連してくる。

この診断を得たら、ホルモン治療が始まる。
元の性の生殖器があるから、元の性の性ホルモンは
自ら分泌しているのだが、そこへ他の性の性ホルモンを投与する。
これだけでも、外見はずいぶん変化する。
FTM(female to male、女性から男性へ)の場合、ホルモン治療により
・声が低くなる
・髭が生える
・陰核が大きくなる
・性欲が強くなる
などといった変化が起きる。

この治療を受けながら、SRS(性別適合手術)をしてよいという
審査が通るのを待つ。
この期間がけっこう長いようだ。
数ヶ月から年単位を待って、手術ができる。

手術が済むと、今度は戸籍の性を変更することができる。
逆に言うと、いかに性別に違和感があったとしても、SRSを受けて
いなければ、戸籍の性を変更することはできない。
この点が、問題になっている。
現在の性別に違和感を持ってはいるが、手術を望むわけではない
という人も多く存在するのだ。
ホルモン治療だけする人、ホルモン治療もしない人などなど、
ここもまた、広い広い性別の辺境地帯がある。

誤解が多いのが、性同一性障害は性指向とは無関係だということだ。
元の性から別の性に変わって、新しい性から見た異性とカップルに
なるかというと、そればかりではないのだ。
元が女性で男性になってゲイとして男性と付き合う人、その逆で
元が男性で女性になってレズビアンになる人、それから
性転換する前も後も恋愛対象の性別を問わない人、
さまざまである。

現在の性と別の性になって、戸籍上の性を変更して、
今まで付き合っていた(同性だった)人と結婚する、
というのが必ずしも性同一性障害の全てではないのだ。
あくまで、性自認と性指向は、別の問題だと思ったほうがいい。

とかく、男か女か、といった二元的な単純な話では
済まないのだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 性同一性障害ではない | トップ | 性別に関する治療 »

コメントを投稿

LGB&T」カテゴリの最新記事