犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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おれんちの色

2019年11月24日 | 介護ウチのバヤイ
[あらまし] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々。

家事をしたい。
調理をしたい、何自分で洗濯したい、掃除したい。

本当は、本を読んだり書き物をしたりしたい、というのが一番に有る。
しかし、目蓋の筋力が衰え、目をしっかり開けていられない。
本を読むのが難しい。

ううむ。
目をしっかり開けられない人が、調理をするのは危ない。
筋力の衰えは目蓋に限ったことではない。
鍋も落とすし包丁も落とす。

こぼしたら掃除をするが、細かい物は見えていないので、わりときちゃなく終わる。
布巾を洗って、絞って、その辺に掛けるが、
汚れが落ちきっていないびちょびちょの布巾を室内に掛けるわけで、
びちゃびちゃは広がる。

おおう。
あたしゃもう疲れてしまったよ。



デイサービスのある朝。
もうそろそろお迎えの時間というのに、着替えている。
おやおや。
見ると、出発前に飲む薬がまだ飲んでない。
これを飲まないと、身体の動きが悪く、お迎えの車に移動するのも辛くなってしまう。

まず薬を飲んでね。
水は要る?
要らないんだ。薬飲む名人だな。

それから着替えを手伝う。
これからデイサービスで入浴できるから、お尻は簡単に拭くだけにしておく。

数分後、コロリと床に何かが落ちる。
およよ、薬はさっき飲んだはずじゃなかったのか。
水無しで飲めると言ったのは、いつまでも口に入れておいて溶かすという意味だったのか。



この薬は、オレンジ色にコーティングされている。
なおかつ、代謝産物の影響で、唾液はオレンジ色になっている。

パーキンソン病で無意識の運動が円滑でない。
唾液は常に口の中で出ていて、我々はそれを無意識に飲み込んでいる。
それができなくなるので、たいそうヨダレが垂れる。
そのヨダレが、オレンジ色である。
室内の床のあちこちに、オレンジ色の点が残っている。



食材が有れば調理をしてしまう。
だから、冷蔵庫に食材を入れないようにする。

母には、冷蔵は一番下の引き出しだけを使ってもらうことにしている。
「野菜室だけを使ってください」
と、メインのドアの取っ手の所に貼り紙をしている。

それでも、何か目的を思い付くと、開ける。
「卵が欲しかったの」とかなんとか。

卵料理も後片付けがたいへんなので、先日お断りしたはずでございますが。



自分用に小さい冷蔵庫がもう一つ、別の場所に有る。
そっちに自分のための物を入れる。
しかし、台所も気ままに使えないから、
自分のための料理はデイサービスで母が留守の間くらいだ。

なぜかこの冷蔵庫を母は開けない。
おそらく、最初から私のための物として置いたので、
近寄らない習性が付いているのだろう。

この冷蔵庫をもらったのは、15年ほど前だっただろうか。
母のお友達からもらったのだったと思う。

さて、それでも、貰い物の食材や、大き目の野菜などが有ると、
どうしてもメインの冷蔵庫に入れる。



夜、帰宅したら、良いにおいがする。

家に帰ったらご飯のにおいがするって、いいことだよね。
でも今の私にとっては、台所の惨状しか思い浮かばない。
とほほ。

親戚がくれた南瓜の、半分を友人Mにあげて、
4分の1を料理して、残りの4分の1が冷蔵庫に入れてあった。

卵の殻が三角コーナーに有る。
卵を取ろうとしてメイン室を開けて南瓜を発見して
調理した。といったところだろう。

調理台やコンロや、台の側面や床は、あちゃこちゃ橙色のタレが掛かっている。
あー。南瓜を炊いたんですね。
甘いもの、好きだもんね。

掃除する。



もうね、南瓜の橙色なのか、
ドーパミン剤のコーティングのオレンジ色なのか、
代謝産物に染まった唾液のオレンジ色なのか、
なんなのか分からないけど
とにかくそこいらじゅうオレンジ色。
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