犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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挫ける夏

2019年07月31日 | 踊る阿呆
境内には、櫓も提灯も屋台も何も無く、
花壇を囲んだベンチに、所在無げな人たちがぽつぽつと思い思いに座っていた。

何事だ。



盆踊りが東京のお盆の時期に始まった頃、今年はまだ梅雨空が重かった。
例年行く新宿太宗寺も行かず、貴重な佃島も行かず、
6月の青山の郡上踊りも雨で行かず、
今年は雨に負けている。

3月5月6月と続けざまに風邪を引いたので、大事を取った。
人と犬の介護疲れで、浮かぬ。

それでもなんとなく我慢できていたのは、
とげぬき地蔵の5日間が有るからだ。
ここに賭けていた。



踊りは6時からなのに、5時半には巣鴨に着いた。
勇み足か。

おや、商店街から太鼓の音が聞こえてくる。
まだ始まっていないはずなのに。妙だな。

しかし腹が減っている。
銀だこ居酒屋というのが有る。たこ焼き食って一杯飲んで行くか。

少量安価で、旨い。なんじゃこりゃ。いいぞ。
見ていると、一人飲みの客が多い。
しかも、女性が多い。ちょっとずついろいろつまめて良いのか。
いや本当に女性客が多い。ここはパンケーキ屋かタピオカか。



なあに最初は子ども向けの曲を何曲かやるから、
ゆっくり行きゃあいいや、と飲んでいると、
外を浴衣の群れが通る。

おお、いつもの踊りの会の面々である。
つぼみの会と言ったっけ。
しかし、会場へ向かうのとは反対の方向に向かっている。
なんでだろう。もう6時だというのに。
会場では別の会が踊ってくれているのだろうか。



すっかり腹ごしらえもできた。
あんまり酔っ払っちゃ踊れないし、マナーにもとる。
行こうか。

あれー?なんじゃこの行列は。
ああこれはタピオカができたんか。
おや?向いの広場にいつも有る「すがもんのおしり」が無いな。

しょっぱい餡の粟大福を頬ばりつつ、高岩寺へ向かう。
んが。

静かだ。

曲の合間なのかな。
巣鴨とげぬき地蔵通り商店街の閉店は早い。
おらほ深大寺も17時はどこの店も閉まってゴーストタウンのようになるから、
不思議には思わないのだけど、
それにしても、盆踊りだというのに、
人も少ないし。
暗いし。
静かだし。

???



境内には、櫓も提灯も屋台も何も無く、
花壇を囲んだベンチに、所在無げな人たちがぽつぽつと思い思いに座っていた。

何事だ。

空いているベンチにがっくりと腰を下ろし、スマホで検索してみる。
うーん、分からないな。
連れが見つけたのも、「豆まき中止」に関する記事だ。

おや、「商店街を盆踊りのパレード」という画像が見つかった。
おや、「盆踊り開催休止」の立て看板の画像が見つかった。

ということは、私は大福に気を取られて立て看板を見落としていたのか。
やれやれ。

とぼとぼと駅に向かい、途中で立て看板を見つけた。



節分の豆まき中止に関する記事を読むことにした。
デイリー新潮の記事である。
なんでも、もう何年も前から高岩寺の住職と、地蔵通り商店会の折り合いが悪いらしい。
それがこじれて、遂に今年はお寺と商店会とが一緒に催していた行事が
取りやめになっているようだ。



太鼓の音が聞こえた時に行ってみるべきだったとか、
踊りの会の人たちが歩いて行く時におかしいと気付くべきだったとか、
後悔してもしきれない。

踊りの会の人たちが歩いて行った方向に行ってみる。
どこかでみんなで踊っていたりしないか。
どこかから太鼓の音が聞こえやしないか。

うろうろしていると、小学校が有った。
灯りが点いている。体育館で踊っていたりしないか。
表札には仰高小学校、とある。
ああ、ここがギョウコウ小学校か。
ここの子たちも仰高みちの会という踊りの会で、盆踊りに毎年参加している。



踊りの会の子どもたちはどうしているのか。
巣鴨鼓友の人たちや、商店会の人たちや、司会の爺様や、
常連のご近所さんや、遠くの町から踊りに来る上手の方々や、
坂東扇太恵先生の顔が浮かぶ。

私もがっかりしているけれど、
地元の関係者や子どもたちは比べものにならないだろう。

他の場所で開催したら却ってこじれそうだし。
なんとか解決して、復活して欲しいものだ。
子どもたちのために、お地蔵さんがご住職の夢枕にでも、立ってくれないかなあ。(神頼み仏頼り
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