A.
ホームセンターの屋上駐車場で、空きスペースを探した。
なるべく店舗入口に近い所がいい。
ここのホームセンターは、大きいショッピングカートに
犬を乗せて入ることができるのがいい。
比較的、入口に近い所に空きスペースが有った。
通路の左側の空きスペースに、バックで車を入れようとした時のことだ。
激しいクラクションの音がすぐ近くでした。
後部座席の犬が驚いて慌てている。
同乗者も声をあげた。
ブレーキを踏んだ。
座席の横のウインドウから見ると、
右側のスペースから車が出て来ようとしている。
こちらがいるのに出ようとして、デカい音でクラクションを鳴らしたのだ。
どういうつもりだろう。
こちらが駐車するのが待てないのだろうか。
文句を言ってやりたいが、買い物に行きたいし、同乗者もいるし、
なんとか気を落ち着けて、駐車しようとバックする。
バックしながら見ると、
運転席にいるのはキャップを被って眼鏡をかけた小柄の男のようだ。
驚いたような顔をしているが、どういう神経をしているのだろう。
ぶつかる前にブレーキを踏めて良かった。
こんなヤツと事故を起こしたら面倒なことになったに違いない。
B.
ホームセンターで買い物を終えて、私は屋上駐車場に出た。
荷物を車に積み、運転席に入った。
右前方が出口方向だ。
出て行く車がいる。
歩行者もいるのだろう、一時停止している。
右隣の車にも運転者が乗り込んでいる。
私がイグニッションキーを回すのとほぼ同時に
隣の車からもエンジン音が聞こえ始めた。
どちらが先に出るだろう。
ちょうどその時、目の前の通路を左から車が来た。
スムーズに走って私の前を通り過ぎた。
右隣の車は出ない様子なので、私は車を発進させた。
と思うと、前の通路のその車が停止した。
こちらもすぐに止まった。
もしかしてと思うや否や、その車のバックのライトが点灯した。
バックのライトが点灯してすぐにバックし始めた。
私がとめていたスペースの向かいの左のスペースが空いている、
そこに入れようとしているのだ。
急いでバックすれば避けられるが、
ギアをバックに正確に入れられるか分からない。
知らせたほうが早いと判断して、
慌てて軽くクラクションを鳴らしたが、
その車はすぐには止まらなかった。
聞こえないかと考え、次第に音量を上げて
何度か鳴らした。
バックしながらハンドルを切り、車体の向きを変えていくので、
その車の側面は次第に私の車の先端に近付いていたが、
すんでの所で停止した。
後部座席に女性と小型犬が乗っていて、
ちょっと驚いた様子なのが見えた。
私はすぐにギアをバックに入れ、駐車していたスペースに戻った。
その車は再度動き始め、私から見て左前方のスペースへと入って行く。
運転者は怒りと疑問の混ざったような憤った顔をこちらに向けていた。
口は半開き、眉根を寄せて、目はまっすぐこちらを見ている。
自分の目的としている、その車から見て左後方を見ていて、
右側は一切見ずにバックし始めたのではないかと思う。
接触しなくて良かった、と相手の顔を見て思った。
自分が右後方確認をしないでバックしたことはまず認めないだろうから。
※※※
実は、B.が私の視点である。
「私は」と書いている。
A.は、相手の視点を想像して書いたものだ。
主語を使っていない。
相手の運転者も、右後方確認を全くしなかったかと言うと、分からない。
バックし始める直前の瞬間に右後ろも見たかもしれない。
しかしその瞬間は、私はまだ駐車スペースに収まっていたのかもしれない。
そうして安全だと判断してバックし始め、動き始めたら
主に左後方に注意した、ということかもしれない。
それなら確かに、運転としてさほど悪いわけではない。
私は相手の車が帰ろうとして出口へ向かっていると思った。
スムーズに走っていたし、特にハザードを出したりもしていなかったからだ。
ここに思い込みが有った。
駐車場の中で、これから駐車する場合にハザードランプを点ける、
というのは単なるローカルルールだろう。
「駐車する車はハザードランプを点灯してください。」と貼り紙している所も有る。
駐車場から出たい車なのか、駐車スペースに入りたい車なのか、
通路を走っているだけだと判別はつきにくい。
ハザードを点けるのは良いと思う。
けれど、駐車場は路上ではないので、それは交通ルールではない。
あくまで、客同士のトラブルを防止するために駐車場側が客に期待しているだけのこと、
ってなところだろう。
本当に接触しなくて良かったと思う。
路上ではないから、道路交通法の場ではないので、警察は関与しないかもしれない。
警察の実況検分が無い上で、相手と交渉など、
保険屋を挟んでも困難そうだ。ゾッとする。
路上の運転はもちろんだけれど、
路上でない場所はなおさら事故を起こしたくない、とあらためて思った。
ホームセンターの屋上駐車場で、空きスペースを探した。
なるべく店舗入口に近い所がいい。
ここのホームセンターは、大きいショッピングカートに
犬を乗せて入ることができるのがいい。
比較的、入口に近い所に空きスペースが有った。
通路の左側の空きスペースに、バックで車を入れようとした時のことだ。
激しいクラクションの音がすぐ近くでした。
後部座席の犬が驚いて慌てている。
同乗者も声をあげた。
ブレーキを踏んだ。
座席の横のウインドウから見ると、
右側のスペースから車が出て来ようとしている。
こちらがいるのに出ようとして、デカい音でクラクションを鳴らしたのだ。
どういうつもりだろう。
こちらが駐車するのが待てないのだろうか。
文句を言ってやりたいが、買い物に行きたいし、同乗者もいるし、
なんとか気を落ち着けて、駐車しようとバックする。
バックしながら見ると、
運転席にいるのはキャップを被って眼鏡をかけた小柄の男のようだ。
驚いたような顔をしているが、どういう神経をしているのだろう。
ぶつかる前にブレーキを踏めて良かった。
こんなヤツと事故を起こしたら面倒なことになったに違いない。
B.
ホームセンターで買い物を終えて、私は屋上駐車場に出た。
荷物を車に積み、運転席に入った。
右前方が出口方向だ。
出て行く車がいる。
歩行者もいるのだろう、一時停止している。
右隣の車にも運転者が乗り込んでいる。
私がイグニッションキーを回すのとほぼ同時に
隣の車からもエンジン音が聞こえ始めた。
どちらが先に出るだろう。
ちょうどその時、目の前の通路を左から車が来た。
スムーズに走って私の前を通り過ぎた。
右隣の車は出ない様子なので、私は車を発進させた。
と思うと、前の通路のその車が停止した。
こちらもすぐに止まった。
もしかしてと思うや否や、その車のバックのライトが点灯した。
バックのライトが点灯してすぐにバックし始めた。
私がとめていたスペースの向かいの左のスペースが空いている、
そこに入れようとしているのだ。
急いでバックすれば避けられるが、
ギアをバックに正確に入れられるか分からない。
知らせたほうが早いと判断して、
慌てて軽くクラクションを鳴らしたが、
その車はすぐには止まらなかった。
聞こえないかと考え、次第に音量を上げて
何度か鳴らした。
バックしながらハンドルを切り、車体の向きを変えていくので、
その車の側面は次第に私の車の先端に近付いていたが、
すんでの所で停止した。
後部座席に女性と小型犬が乗っていて、
ちょっと驚いた様子なのが見えた。
私はすぐにギアをバックに入れ、駐車していたスペースに戻った。
その車は再度動き始め、私から見て左前方のスペースへと入って行く。
運転者は怒りと疑問の混ざったような憤った顔をこちらに向けていた。
口は半開き、眉根を寄せて、目はまっすぐこちらを見ている。
自分の目的としている、その車から見て左後方を見ていて、
右側は一切見ずにバックし始めたのではないかと思う。
接触しなくて良かった、と相手の顔を見て思った。
自分が右後方確認をしないでバックしたことはまず認めないだろうから。
※※※
実は、B.が私の視点である。
「私は」と書いている。
A.は、相手の視点を想像して書いたものだ。
主語を使っていない。
相手の運転者も、右後方確認を全くしなかったかと言うと、分からない。
バックし始める直前の瞬間に右後ろも見たかもしれない。
しかしその瞬間は、私はまだ駐車スペースに収まっていたのかもしれない。
そうして安全だと判断してバックし始め、動き始めたら
主に左後方に注意した、ということかもしれない。
それなら確かに、運転としてさほど悪いわけではない。
私は相手の車が帰ろうとして出口へ向かっていると思った。
スムーズに走っていたし、特にハザードを出したりもしていなかったからだ。
ここに思い込みが有った。
駐車場の中で、これから駐車する場合にハザードランプを点ける、
というのは単なるローカルルールだろう。
「駐車する車はハザードランプを点灯してください。」と貼り紙している所も有る。
駐車場から出たい車なのか、駐車スペースに入りたい車なのか、
通路を走っているだけだと判別はつきにくい。
ハザードを点けるのは良いと思う。
けれど、駐車場は路上ではないので、それは交通ルールではない。
あくまで、客同士のトラブルを防止するために駐車場側が客に期待しているだけのこと、
ってなところだろう。
本当に接触しなくて良かったと思う。
路上ではないから、道路交通法の場ではないので、警察は関与しないかもしれない。
警察の実況検分が無い上で、相手と交渉など、
保険屋を挟んでも困難そうだ。ゾッとする。
路上の運転はもちろんだけれど、
路上でない場所はなおさら事故を起こしたくない、とあらためて思った。
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