スティーリー・ダンが1977年に発表し、グラミー賞最優秀録音賞を獲得した名盤
「エイジャ」の初SA-CD版。当時日本(世界)のトップモデルだった山口小夜子さんの
ジャケット写真でも有名です。一枚4500円!もするけど買ってしまいました。
その特徴は…
・シングルレイヤー
CD層を有するハイブリッド構造でなく、SA-CD(スーパーオーディオ)専用。
より音がいいとされるが、対応機器を持っていなければタダの円盤。
・SHM仕様
通常のCDなどと異なる樹脂を採用したボディでさらに音質向上。
・国内オリジナル・アナログ・テープを基にリマスター。
本国(米国)のマスターテープは一部が紛失してしまったらしい。
などとなっています。
試聴してみた印象は…
鳴り物入りの贅沢な仕様、このオネダンですから、クオリティが高いのは当たり前
かと思いますが、うたわれているような「柔らかでアナログライクな質感」はあまり
感じませんでした。このあたりは使っている機材との関係もあるし、自分の耳にもあまり
自信がないのであくまで個人的な印象ですが、やや硬質な音に思いました。ただし、
これは数回聞いただけの感想なので、今後聞き込むと印象が変わるかもしれません。
大昔レコードで聞いた時のイメージが私の頭にこびりついていて、この名盤に対する
要求が高すぎるのかも。たとえば、『エイジャ』での炸裂するようなスティーブ・ガッドの
ドラムの音は、もっと迫力があったような気がするんですよ。
あと、もうちょっと家計にやさしい価格設定だとさらにうれしいんですが、ともあれ、
こういった「高音質」を売りにしたディスクが発売されるのは好ましいことですねえ。
個人的には、最近は普通のCD自体の音質がずいぶん良くなっているので、あえて
SA-CDである必要性、存在理由はないんじゃないかと思っているんですが、こういった
企画物が発売されるとやはり気になるので、SA-CDも聞けるハードを選んでおいて
良かったかなと思いますね。
ちょっと前に発売されたキングクリムゾンの40周年記念盤はDVDオーディオとの
ハイブリッドディスク。でも、「いまさらDVDオーディオはないでしょ!」って思いません?
私はDVDオーディオ対応のプレーヤーは持っていないので、今買うとなると、
このフォーマットに対応したのって、高価な(30万円くらい?)ユニバーサルタイプの
プレーヤーしか売っていないんと違うかな? 聞いてみたいけどなあ…
これらの高密度ディスクを再生するには、現行のスピーカーはちょっと古めかしい
気もするし、最新のダイナミックレンジの広いものに買い換えたいけど踏ん切りが
つかない… などなど、このうだるような暑さが続く酷暑の昼下がりはオンモに出ず、
クーラーの利いた部屋で仮想オーディオ世界にあれこれ夢想するのがいいのでは?