THIS IS ONLY THE BEGINNING… は映画の最後に流されるテロップで、
この物語は今始まったばかりだということで、今後続きがあることが示唆されます。がしかし…
予定されていたTVシリーズは諸般の事情で頓挫され、現在に至るまで続編の展開はありません。
今度富野さんの小説を映像化した「機動戦士ガンダム~閃光のハサウェイ」が上映されるそうですが、
私としてはそれよりもF91の続きを見たかったです。
LDジャケットの片面、こちらはシーブックたちが戦う相手、クロスボーン・バンガードの面々。
「コスモ・バビロニア構想」を理念に掲げ、貴族主義復活を狙う方々だけに、基本皆さんお上品。
しかし、人間のみをせん滅する兵器・バグをスペース・コロニー内へ投入するなど、かなり
エゲツナイ悪行もなさいます。
LDの解説集には、富野監督が企画のかなり早い段階で書かれたというストーリーボード集が
掲載、コロニー外壁に描かれた紋章、懐古趣味な貴族風衣装、モビルスーツ横にはバラの花
咲き乱れ…等々、中世ヨーロッパを彷彿させるような世界観が、すでにこの時点で構築されていた
ことがよくわかります。このクラシカルな雰囲気がたまらなくいいんですよねえ。最新鋭兵器との
対比がより鮮やかです。
安彦さんによるキャラクターの初稿。ドロシーは決定稿とかなり違っていて、ザビーネは
シャアに似すぎ?
大河原さんが描いたデザインスケッチ。かつてのガンダムのイメージを強く引きずった準備稿の
F91(写真左上)はボツとなったが、F90という名称が与えられ、模型やコミック展開に
使用されたとある。
そしてお決まりの?富野由悠季監督のインタビューが掲載されています。クリエーターの中では
メディアへの露出が比較的多い富野監督、時々テレビでもお見掛けしますよね。「このソフトを
買われた方、今すぐ、これを封印してしまうことをおすすめします」 相変わらずの富野節。
「そして数年後、この作品を思い出したように見て、それでもなお、面白いと言っていただけたのなら、
仕事をする者として、これに勝る喜びはありません」 何べんも見返して、よくできた作品だと。
「何度も言ってますが、ぼく自身ロボット物は好きでなく、ロボット物を作らせたら、ぼくより
遥かにうまい人は大勢いるでしょう」 そんなにたくさんいないようなので困ってるんですけど。
もしまだでしたら、新型コロナウィルスの渦中で、外出を自粛されている昨今、このF91をレンタルし、
ご覧になられたらいかがでしょうか。やや消化不良な面はあるけれども、この1本でひとまず物語は完結
しているからとっつきやすいと思います。一流スタッフが結集、熱意をもってつくりあげられた
ガンダム作品をお楽しみください。(レンタルビデオ店って営業してるんですよねえ??)
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