このヤマハのスピーカースタンドは、元々大型のブックシェルフ型スピーカーを乗せることを想定して
設計されたものです。昔々私が学生だった頃はそうしたスピーカーが主流でしたが時代が移り、
今ではほぼ絶滅危惧種となり、現在ではキャビネット容量のある縦長のトールボーイ型が中心となり、
次が私がピュアオーディオ用として使っている小型のブックシェルフ型で、売り場を覗いてもほぼその
どちらかのスタイルのモデルばかりが目につきます。
ところが先日カタログ集めをした中に、上の写真のようなオンキョーの大型ブックシェルフ型が生き残っている
のに気がつきました。30センチクラスのウーハーを搭載した懐かしいスタイルのモデルです、復刻版なのかな?
JBLだと「4312」なんかをいまだに作り続けているみたいですがね。いずれにせよ少数派で、もはや
私の持っているヤマハのスタンドも、個人的には本来の使い方をすることはなさそうです。いまでもネジを
とってあるので、元の形にしようと思えば戻せるんですが。
このSP台をあきらめてほかのを探してみたら、安いもので5000円、つくりのよさそうなものでも1万円くらいで
それなりの小型SP用のスピーカースタンドを調達できることがわかりました。迷った末にそれを発注する
寸前までいったのですが結局思いとどまりました。前述のようにヤマハのSP台は今後も日の目を浴びる
可能性は少なくて、そうするともう破棄するしかなく、それももったいない気がしたんですよね。
それで安く上がって効果のありそうな工夫はできないだろうかと、ネットを探して買い求めたのがこの
川合木工所の「ぶな材ブロック・立方体&直方体」です。6個で1206円+送料560円=計1766円でした。
カラーは黒か濃いブラウン系がよかったんだけど、これしかなくて選びようがありません。これが
本来のぶな材の色なのかな? 重さも見た目よりは軽く、本当はもっと重量があるほうがオーディオ用途では
好まれるでしょう。でも切り出しの精度は高く、表面もすべすべで滑らか、がたつきの心配はほぼなさそうです。
これを用いて、5センチの高さアップ&三点支持を狙います。
ぶな材をヤマハのSP台に乗せた状態。なにか規格があるのか、それともたまたまなのか? ヤマハの板の厚みも
5センチで、ピタッと幅がそろいました。奥に配置した直方体は長辺10センチで、これで真ん中の凹みを飛び越え
ブリッジして、三点支持できるようにと考えました。
ぶな材を両面テープで固定することを考えていましたが意外にこのままでも滑らないし、今後のレイアウト変更も
このほうが気軽にできるでしょうから、テープは使わずただ置いただけです。
ぶな材の上にブチルゴムを乗せます。
さらにその上に3センチ角のスピーカー用ベースを配置します。私は4種類のベースを所有しているので、
その組み合わせによって音がずいぶん変化します。今回はあれこれとは試さずに、過去の経験から、
音の響きがとてつもなくよくなるクリスタルガラス製を前面に2個、それと相反して音をグッと引き締める効果のある
ジェンタロイという金属を使ったものを後方に置いてバランスをとってみました。
この時点ではガタツキがあっても、スピーカの自重が加わることでブチルゴムが柔軟に変形し、ピタッと張り付くように
固定してくれます。
これで完成。正直、かなり不安定でバランスのとれていないものになるだろうと覚悟していたんです。
でもその心配は杞憂だったようで、想像していた以上に安定したベースが築け、満点に近い出来栄えです。
前述のように、ぶな材の白っぽさがやや唐突な印象ながら、これは許容範囲だと納得しました。
透明なクリスタルガラスを前面に配置したことで、スピーカーが宙に浮いているような不思議な感覚もあり、
これも気に入りました。5センチのぶな材を追加したことでアップした高さ分、見た目の印象はずっとバランスよく
なりました。一般的には指向性の鋭いツイーターを耳の高さにするところから、本当は少なくともあと10センチは
高さを稼ぎたいところですが、これも前に述べたように、ピュアオーディオ用のスピーカーとの力関係、バランスを
考慮すると、これくらいの控えめな位置で一応今回は納得しておきましょう。
最小限の資金で、しかもこれまでの台座を無駄にせず残せた点で、今回のチューンアップは自分では大満足です。
さらに次回何かできそうなことを考えると、たとえば、本来はH型の台座のSP台はガムテープで簡易に固定してある
だけなので、これをブチルゴムテープでぐるぐる巻きにしてしっかりと密着させることで、さらに重み、安定感が増して、
音質アップを図れるのではないかと思っています(いつになることやら…)。
さて肝心の視聴してみた結果は、音のヌケがずいぶん改善された印象をまず得ました。音質はドライで切れがよく、
これはぶな材の響きのためなのか、それともクリスタルガラスの効果なのか? 3センチ角のSPベースを
他の素材に変えることで、音質がガラリと変わる可能性もあります。いずれにせよSP台の高さを上げたことで
明らかな改善が見られたので、好感触の第一印象でした。
トータルの音が以前の機器よりもずいぶん良くなっているのは、新投入したAVアンプの力量に加え、前方ハイch
スピーカーが追加された点も見逃せないでしょう。プレゼン用なので自己主張の激しい音を出しているわけではなく、
元々影の立役者的な位置づけではあったとしても、このスピーカーのおかげでグッと音の厚みが増しているのではと
思われます。これまでと別次元の音を、しばらく楽しめそうでうれしいです。
最後に蛇足気味に、3センチ角のスピーカー用ベースを紹介しておきます。素材はセラミック、ジェンタロイ、
クリスタルガラス、それにウォルメットの4種類で、オーディオテクニカ製です。どうやらまだ「消費税」なるものが
この世に存在していなかった時代のシロモノで、たぶん30年近く前のものでしょう。もう廃番になっているの
だとしたら、今更紹介しても意味がないのかも。
スピーカー自体をしょっちゅうとっかえひっかえできないですから、こういった小物を用意することで、
音に変化をつけたり、音調を整えたりできますし、もし類似品などが今でも手に入るのでしたら、
手元にそろえられたらいかがでしょうか?
こうしてまた永遠に、私の妥協を許さないあくなき音への追求は続くのであった。
…てな陳腐な言い回しは、ワシのプライドが許さんのである
「ちかえもん」なかなか面白かったですよね! 松尾スズキさんのうまいのか下手なのかよくわからない
微妙なテンションの演技も絶妙でした。終わってしまって寂しいなあ。
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