このたび、15年間連れ添った愛車・エクストレイルから乗り換えることになりました。
長期間旅行、車中泊、アウトドア用途に特化した2代目エクストレイルの秀でた魅力を改めて
ご紹介し、別れのあいさつに代えさせていただきます。
① まず最大の特徴は、後部席の座面が取り外せることです。写真は片側のみ外した状態
ですが、両側とも取り外せます。
そして、背もたれを前倒すと、フルフラットな荷室がつくれます。昨今のSUVでは、座面が
取り外せるような機構をもつ車種は見当たらず、背もたれが倒れるだけ。したがって完全に
フラットになる車はあまりなくて、ほぼすべての車種が傾斜がついたセミフラットな状態です。
このことは、車中泊時や大きな荷物を積み込む際に差が出てくるのです。
これだけで180cm近い長さを得られ、さらに後部座席足元に荷物を置いて荷室と
高さをそろえると、全長2メートル以上の広大なスペースが生まれるので、身長180
cmを超えるような大柄な私でも、足を伸ばせ、ストレスを感じず車中泊できたのです。
残念ながら座面を外せる機能は、私が購入直後のマイナーチェンジで廃止されました。
後部座席にシートヒーターが標準装備されるようになったからだと記憶します。
なので、座面を外せるのは、二代目エクストレイル初期のモデルのみとなります。
② 次の特徴は、ハンドルが
跳ね上がることです。これがどれだけ有効な装備なのか、アウトドアや車中泊で車を
使っている方々は、すぐにピンときたことでしょう。つまり、ハンドルの突起に邪魔
されることなく、助手席側に近い感覚で、足元がフリーになるということです。
旅行中、頻繁に靴を脱ぎ履きするし、登山靴に履き替えたり、ズボンを着脱したり、
レインウェアを装着したりと、ハンドルの出っ張りに煩わされずに、これらの行為が
運転席で行えるのです。私は、ロングドライブ時には、目的地に着くと、まずハンドル
を跳ね上げるくせがついていたほど重要な機能でした。
この機能も、同じタイミングで省略されました。原因は不明で、おそらく、コスト削減
のためでないかと想像されます。私のわかる範囲では、後にも先にもこんな便利機能
ついてる車、なかったと思います。もしかしたら廃止されたのは、安全性に若干不安が
あったせいかもしれませんが、車中泊旅行にはなくてはならない装備で、惜しいです。
私は運転席で靴(サンダル)を脱いで、コンソール(アームレスト)を飛び越えて後席
(荷室=ベットルーム)に移動していました。つまり雨天時でも車外に出ることなく、
車内でほぼすべてのことが行えたのです。今後それができなくなり、頭を抱えます。
③ エクストレイルの荷室は二段構造になっていて、右側には引き出しが標準装備
されていました。常日頃から、非常事態用の雨具、手袋、十文字スパナなどはここへ
仕舞っていました。旅行中は、ペットボトル飲料の予備などをここへ入れておくと、
さっと取り出せてすぐに使えるのでとても重宝してました。
左側はフリースペース、1メートル程度の長尺物を突っ込めます。常に、雪かき用の
スコップを、旅行中は登山用のストック、撮影用の三脚などをここへ配置していました。
当然次の車にはこんな装備はないので、スコップは完全に行き場を失ったし、かさばって
場所のとる三脚(2台)をどうして積み込もうか、頭を悩ませます。
④ 上記までと比べるとやや地味な存在ですが、ダッシュボード上に設けられたティッシュ
ボックスもとても便利に使えました。花粉症の私などは、春先のドライブ時に、すぐに手の
届く定位置にティッシュがいつもあるのを心強く感じました。ここはすっきりと収まりが
よくて、今後置き場所が定まらないボックスティッシュはあちこちさまよい、おそらく
たいていの場合助手席上に置かれるのでしょうけど、そこはそこで鞄を置いたりほかの
用途もあるので、邪魔者扱いされあちこち移動することになりそうです。
次の車では、①~③がなくなることはある程度覚悟できていましたが、④をはじめとする
収納箇所が大幅に減ってしまうことが、あとあとボディブローのように効いてきそうです。
これは今時の車全般に共通して言えることでしょうけど、安全装置、運転支援装置などが
てんこ盛りに積み込まれていることで、以前の車では当たり前のように備え付けられていた
多くの収納スペースを配置する余地がほとんどなくなったのでしょう。今度の車は、
グローブボックスさえ容量がおそろしく少なくて、辞書並みに分厚い取説を入れると、
ほかにほとんどものが入らなくなりました。おかげで、これまで常に入れっぱなしだった
折り畳み傘やフロントガラス拭き用ぞうきんなどが行き場を失いました。ないものねだり
をしてもどうしようもないことはわかっていても、しばらくやるせなさは残りそうです。
おそらくSUV車の中では2代目エクストレイル以上に、遊び心満載、車中泊、長期間旅行に
適した車は、今もってないと断言していいと思います。それゆえ、今日までなかなか手放せず
にいたわけですが、それでもいつまでも引っ張ることもできないし、ある程度妥協して車を
選ぶしかありませんでした。思い出は思い出として、いつまでも過去に囚われ過ぎずに、
次の車でまた新しい車中泊旅のスタイルを見つけるしかなさそうですね。
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