旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

20240422 北海道晩春編⑦ 残雪の東ヌプカウシヌプリ登山・後編 鹿追町

2024-04-22 04:22:02 | 旅鴉の唄


ようやく山頂到着。無積雪期よりやや時間がかかり、ここまで1時間10分を要した。


    

山頂からガレ場方面。笹はほぼ雪に埋もれており、ここで夜露除けの雨具を
着けなくてもよく、休息なしでそのまま現場へ向かった。


    

山肌まで迫る雲海。下界天気がすっきりしなかったのはこのせいだ。


    

現場到着。逆にここでは雪解けが進み、残雪はガレ場の下部に残っているだけなのに
がっかりした。これだと、無積雪期と代り映えしないシチュエーションだからだ。

それにも増して不気味なのは、野鳥の鳴き声以外何も聞こえず、シ~ンとしている
ことだ(のち、下界で自衛隊の大演習が始まり、静けさを破られたが)。途中登山道
沿いでも無音、ここでもナキちゃんの鳴き声は皆無だ。この大きなガレ場以外にも、
周辺何か所かナキちゃんの生息地があり、普段そこからも鳴き交わす声が響いてくる
のに、まったくそれも聞こえてこない。やはり、野良猫騒動はガセネタでなく本当
だったのか、ナキウサギは壊滅的な被害を被ったみたいだ。

さすがにこれではいくら待ってもラチが明かない。一時間ほどでタイムリミット、
早々に下山しようと考えていたら、ガレ場の左端で警戒音の鳴き声が聞こえ、
続いて中ほどで警戒音、そしてしばらくして、右端の草地でエサを食む様子を
ようやく目視できた。ただし、どれも同じ個体が移動してきただけだと思われ、
このあと彼が鳴き叫ぶ姿を何度か目撃したが、ガレ場内はもちろん、周辺から
いっさい鳴き交わす声が聞こえてこなかった(むなしすぎる…)。


    

さらに、これは完全に思い過ごしだろうが、彼のほうからこちらにすり寄ってきている
ようにさえ思えるほど、警戒心うすく姿をさらけ出していた。これなどは、すぐ近くの
岩の上で動かなくなったので、コンデジでも写したもの。ピントがずれてるけど…


    

最近私もひとりになって、君の気持はよくわかるよ、まあ仲良くしよか、と
親近感を覚えたのは私だけらしく、このあとすぐに引っ込んじゃった。


結局この日ガレ場にいたのは私一人きりだった。季節が中途半端なのと、ナキウサギが
あまり出なくなったという情報が行き渡ったためだと思われる。

ところが、山頂まで引き返すとここに一人登山者がいた。彼は登山口とは逆側
(士幌高原ヌプカの里方面)から道なき道を薮漕ぎして直登してきたのだそうで、
ダニがひどかったので参ったと聞くや、私は躊躇することなく一歩後ずさった、
「うつさんといてや!」。彼は先週正規のルートから登ろうとしたが雪がやわらかく、
スノーシューでないと登れそうにないと、途中で断念したのだそうだ。そう聞くと、
本日のコンディションは、雪慣れしていない私がどうにかなったのだから、
恵まれていたのだと再認識した。


    

朝よりさらに雪が緩くなり、アイスバーンもかなり解消、これだと何とかアイゼンなし
でも降りられそうだ。注意していても、それでも少なくとも2度滑りこけ、尻もちを
ついた。その大きな音に驚いて、ナキちゃんの警戒音が響く。二匹目の生存を確認。


    

無事下山。朝よりもずいぶん雲が多くなった。


    

じろう食堂で「大ぶりザンギ定食・840円」。

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20240422 北海道晩春編⑥ 残雪の東ヌプカウシヌプリ登山・前編 鹿追町

2024-04-22 04:22:01 | 旅鴉の唄



4月22日(月) 晴れのち時々曇り

昨年6月以来の東ヌプカウシヌプリへの登山だ。その後、野良猫による被害でナキウサギ
の生息数が激減したと聞いているのが気掛かりなのと、さすがに4月中はまだ雪が多く
残っていて、雪慣れしない私に登り切れるのかが不安材料だ。ひとまず、行ける
ところまで行こうと思った。

登山口入り口からすでに雪で、このあと、登山道の半分ほどは雪の上を歩くことになる。


    

このあたりはまだ勾配緩やかで、普段ならまだそれほどきつくないところだが、
雪に足をとられなかなか前に進めない。


         

いよいよ急斜面。登山道は北西斜面に設けられているので日当たりあまり良くなく、
ある程度雪が残っていることは想像できた。この前いったん夏日前後まで気温が
急上昇した北海道、その際解けた雪がその後再氷結し、アイスバーン化していて
テカっていて、そこに足を乗せると踏ん張りがきかず怖い。

岩に多数アイゼンの爪痕らしき傷がついていて、装着し登った人もいたのだろう。
そのほうが雪上では有効でも、雪が解け岩が露出している箇所も多く、その判断は
難しい。結局、迷いながらも私は軽アイゼンをつけなかったが、帰路、雪の状況が
同じようだと、装着を検討したほうがよさそうに思いながら登った。


    

尾根筋に出ると歩きやすくなるのかと期待していた。日当たり良く、風に吹き飛ばされ、
雪があまり残っていないだろうと予想したのだ。ところが思いのほか雪が深く、
しかも柔らかく踏み抜いてしまい足をとられるので、ここでも思わぬ時間がかかった。


    

雪庇のような残雪。


    

残雪のウペペサンケがきれいだ。

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