6月24日(月) 曇りのち雨
早朝、すでにいつ雨が降り出してもおかしくないくらい曇り込んで
いる。雨が降ってもすぐ引き返せるように、一番手近なナキウサギ
撮影ポイントまでダメ元で行ってみる。
引き続き、静まり返ったまま、どうせ何も出てこないだろうと、
撮影機材も用意せずに佇んでいると、エゾシマリスがやってきた。
反省し、面倒がらず機材だけは一応出しておこうと思い直し、
首からカメラをぶら下げて待機した。しかし変わらず周囲は
静かなままで、雨に降られる前に撤退したほうが得策だろうと
思い始め、これで最後と周囲を探査すると、ナキちゃんがぽつんと
岩の上にいるのに気がついた。たまたま見つけはしたが、何の
リアクションも前触れもなしに保護色の岩の上でじっとしている
だけだと、普通見過ごしてしまってもおかしくない。
そのうち、イソツツジの花を食べ始めた。夏毛への生え変わり
時期で、毛並みは決してきれいな個体ではないが、贅沢言えず、
選り好み出来ない状況だ。何度も採食を繰り返してくれたので、
それなりに撮影でき、この条件では上々だと納得して下山した。
下山後、暴風が吹き荒れ、雨も降り始めた。この不安定な天候で、
兎にも角にもひと仕事できたのだから満足。しかし一歩間違えば、
撃沈、ずぶ濡れコースだったなあ…
この旅の日本酒のお供は、土井商店で仕入れた「磯自慢・本醸造/2530円」。
この価格で、十分すぎるほど旨い。
のち、本降りの雨がほぼ一日中降り続いた。
6月23日(日) 曇り時々晴れ(ところにより霧雨、夕方から雨)
曇りの予報にもいろいろある中、本日はフロントガラスに細かな雨粒が当たる
ことが多く、登山や写真撮影には不向きな「曇り」だと判断した。でも一応、
早めに昼食を済ませると、望岳台まで登ってみた。おそらく山上は下界より
もっと天気が悪く、その場合、本でも読んで過ごすしかないと、ほぼあきらめ
ムードではあった。
ところが到着するとすぐ青空の面積が大きくなり、強い日差しが照りつけた。
買い込んだ夕食用弁当の腐敗を心配しなければならないほどに。それでも、
雨の降る可能性が高いことを念頭におきつつ、春の続き、上部のナキウサギ
撮影ポイントまで登ってみた。
付近のエゾイソツツジが見頃を迎えつつあり、ロケーションとしては悪くない。
がしかし、これは春の状況の再来なのか、周囲、シ~ンと静まり返っている。
姿を見せずとも、(警戒する)鳴き声くらい聞こえるのが普通なのに、
まったく聞こえてこないのが不思議で、春よりもさらに状況が悪くなっている
気さえしてきた。病気の蔓延とか、オコジョなどの天敵のため、ナキちゃん、
全滅したのではなかろうなあ。
ようやく、春に見かけたのと同じ個体らしきナキウサギを二匹見かけたが、
あまり活発でなく、すぐに引っ込んでしまった。
陽が陰らず、暑くて参った。ザックにとまったチョウチョ。
このあと、下部の撮影ポイントをチェックしながら下山したが、鳴き声、姿を
一回たりとも見ることがなかった。一体どうしてしまったんだろう? 「出ない」
ことが知れ渡っているのか、撮影者はほかに男性二人組がいただけだった。
車に入ってしばらくすると雨が降り始めた、やはり油断はできない。天候のタイミング
としては、まずまず納得の山行だったと思いたい。
6月22日(土) くもり
船内かなり込み合ってはいたが、公共スペースにあまり人が出てこないこともあり、
思ったほどには息苦しさは感じなかった。
北に向かうにつれ、雲が厚みを増していった。予想外だったのは、風が弱く、
べたなぎに近いような海上模様で、その点快適な船旅だった。
日常が戻ってきたことを感じさせたのが、久々の洋上コンサートだ。
ギターにポルトガルギターを加えてのファドの演奏。これまで何度か見てきた
洋上ライブの中では出色の出来栄えで、午前、午後の部とも聴いてしまった。
明日の夜、小樽のホテルでコンサートを開くと言ってたなあ。プロ、あるいは
それに近いようなお二人なのかもしれない。
コンサートは良かったのだが、気になったのは、マスク姿の人が極端に
少なくなったこと。この点は、まったく以前のような生活に戻ったと、
手放しで喜んでいいのかどうかまだわからない。コロナ感染拡大の初期、
豪華客船で何が起こったのかを、皆すっかり忘れてしまっている気がする。
6月21日(金) 雨のち晴れ
近畿地方は本日梅雨入り、朝のうちまで激しい雨、のち急速に回復し、
さっそく梅雨の晴れ間となった。
第二阪和が事故渋滞でノロノロ運転。以降はスムーズに走れ、到着した
舞鶴港は雲がほとんどなく、強い日差しが照りつけ暑い暑い! 夏至を実感。
山泊まり装備を持たず向かう夏の北海道は近年なかったことで、それで今回
わざわざこの繁忙期にやってくる意味を見出せないようなら、夏の北行きは、
これが最後となるかもしれない。
バイク、車がメチャンコ多い。繁忙期に差し掛かっているのに、週三便の
間引き運転で、おまけに7月からは夏季繁料金で高くなるので、駆け込み
需要なのだろう。おかげで今回も二段ベッドの上段、またまた冗談じゃない!
しかし、天井が迫っているので立ったままの着替えがしにくい以外は隔離感
があり、対面に人がいるよりかは気を使わなくて、かえっていいかもしれない。
これで下段より1000円くらい安い料金設定なら、逆に人気が出るかもなあ。
このところ立て続けにトラブルが相次いで、続けざまに修理や買い替えなどがあるので
散財し、少々へこんでいます。基本的には何事も長~いお付き合いをしたいほうなので、
気持ち的にもつらいです。
四年ほど前に購入したソニーのブルーレイレコーダー・BDZ‐FBW1000が突然の乱調、
HDMIの信号を読み取れなくなりました。リセットしたり、電源ケーブルを抜いたり、
ケーブルを換えたり、別の端子へ差し替えたりと、できる範囲で復活を試みましたが
ダメ、ついにあきらめました。このソニー機は今一番メイン機なので、この春から
放映されているシードクラスのシリーズもの(鬼滅の刃、響け!ユーフォニアム、
ゆるキャン△等々)の録画データが呼び出せなくなりましたが、幸い、そのような
ブルーレイソフトにダビングして残す可能性の高い最上位番組は、並行して予備機
(4Kパナソニック製)でも録画しておいたので、被害は最小限にとどまりました。
それで急きょ買い換えを検討、物色しました。「一か月前から新番組を予約可能」
な機能は、長期不在の多い私には必需品なので、メーカーはソニー一択。しかし、
ハードディスク容量が1TBの機種は現在品ぞろえがなく、次回発売時を待つ
余裕もないので、仕方なく2TBのBDZ-FBW2200を購入することになりました。
おかげで、高くつきましたよ。ハードディスク容量が大きいにこしたことはない
のですが、今回のように突如壊れたりすると衝撃(被害)が大きいし、あまりに
番組をため込んでしまうと収拾がつかなくなり、視聴が追いつかなくなります。
外箱から取り出すと、外観は前機種BDZ‐FBW1000とほぼ同じ、リモコンに至っては、
まったく同じ型番のものがついていました、4年くらい経過しているのにねえ…
今時のAV機器の新規開発ってこんな調子のスローペースなのでしょう。おそらく
中身もさほど進歩はないでしょうし、おかげで取説を読まずともほとんど違和感なく
使えて、楽と言えば楽なのですが。
FBW1000をラックから取り除き、代わりにFBW2200を備え付け、配線をつないで、
さあ初期設定…ん?画面が表示されません。他の端子へケーブルをつなぎかえても
信号を読み取れず、最後の最後、パナソニック機のケーブルを外し、その端子へ
HDMIを差し込んだら、うそでしょ?ようやく画面が表示されました。結論としては、
異常があったのはAVアンプのほうで、パナ機をつないでいた端子以外軒並み
フリーズしていたのでした。すべて表示がエラーならアンプを疑ったでしょうが、
なぜかパナ機の端子だけ生きていたので、すっかりだまされたのです。アンプの
電源プラグを抜き差ししたら、すぐにすべての端子が正常に動作するように
なりました、なんじゃそら。
結局、トラブルは解消したし、いずれどれかのレコーダーが壊れるのは間違いないことで、
そのための予備の予備でもう一台増やせたのだ、めでたしめでたしと、自分自身を納得
させるしかなく、それにしても勇み足極まりないドタバタ一人喜劇を演じてしまいました。
でもまあ、不安定な動作ながら、アンプが復旧してくれて助かりましたよ。これで
アンプがオジャンなら、目も当てられないような惨事でしたからねえ。
LDプレーヤーを外して、そこへ新型機を据え置きました。アンテナのタコ足配線は
できたらやりたくない(信号が減衰するので)のですが、使わずに、箱に入れたまま
来るべき日を待つってのも、それはそれで好ましくないですしね。
この冬、久々にAV機器ラックを整理整頓しようと考えていました。このパイオニア製の
「最後のLDプレーヤー」は、おそらくラック内に復活するはずで、ただし、配線は
しない可能性が高いです。そうなると、こうしたピンケーブルを用いて接続する
AV機器は、ついにすべて姿を消すことになります。
昨日の和歌山市、風雨強まる時間帯がありましたが、停滞せず足早に雨雲が通り過ぎた
のが幸いし、大きな被害はなかったようです。このところ、「降れば大雨」みたいな
降り方なので物騒ですよねえ。線状降水帯とか竜巻注意情報とか、お近づきになりたく
ありません。
本日は一転安定した晴天で、強い日差しが降り注ぎました。フダンソウ(うまい菜)の
収穫です。まだまだ生育旺盛ながら、軸が硬くなってきたし、そろそろとりおさめに
してもいい頃合いでしょう。今期は、ナメクジ、アブラムシなどの病害虫の影響が
なかったので、いまだ株自体は元気なんですがね。
ボウル2杯分の収穫量の半分ほどを湯がいてお浸しにしました。これで2回分食べられ
ますから、計4回いただけます。夕食は、「クリームシチュー(昨日の残り)」
「豚バラ肉と野菜の炒め物」それにフダンソウのお浸しがメニューになります。3品も
食卓にのぼる機会はめったにない我が家なので、大御馳走(おおごっそう)ですね。
一昨日、込み合った箇所を間引いて、均等に植え直したミニひまわりの苗のこちらは
夏物語。間引くと言っても、メインの株(の根)を傷つけないよう株元から引っ張り抜いた
だけなので根が切れてしまいあまりついておらず、うまく根付くかどうかは微妙です。
こちらはビッグスマイル。夏物語に比べ背丈が大きくなるのか、苗が早や立派です。
丘の起伏をなぞるように切られた畝に植えられたビート
丘(土)好きにはたまらないシチュエーションだが
こんな急斜面でトラクターなどの重機を操るのは大変な作業だろう
望遠ズームに×1.4エクステンダーを装着して撮影
【丘を越えて行こうよ~美瑛町にて 2023.05.14 撮影】
ナスカの地上絵を描いた人々とは
なぜか共感しあえるような気がする
【川の流れのように~東神楽町にて 2023.05.19 撮影】
予約順が回ってきて、図書館でお借りできたのが、「「悪霊」ふたたび~
乱歩殺人事件/芦辺拓・江戸川乱歩著」です。乱歩の未完作である悪霊を
芦辺さんが引き継いで物語を完結させました。
元来乱歩は長編が苦手らしく、その理由のひとつには、筋書きが定まらない
まま書き始めてしまうので、途中でにっちもさっちもいかなくなることが
挙げられましょう。この元ネタの悪霊も、出だし三回だけで休筆し、結局
そのまま頓挫し、筆を折ってしまいます。直近、通俗っぽい大衆向け小説で
お茶を濁していた乱歩が、久々に本格ものを書くということで、勢い込んで
執筆を始めたものの、すぐに行き詰ってしまったようでした。それにしても、
当初気合が入っていただけに、完成されている部分はとても魅力的で面白い
んですよね。あっと驚くような展開、トリック、動機、真犯人を用意しよう
と風呂敷を広げすぎて、収拾がつかなくなったのでしょうか。
乱歩好きなら未完ながらそれまでの筋書きは知っていて、期待値の高い悪霊を
完結させ、しかもなぜ乱歩が挫折し、作品を完結させられなかったのかの謎に
まで迫る二重構造にして発表したのが芦辺拓さんです。新旧文体が入り乱れ、
途中語り手が入れ替わるなどやや難解な構成は、けっして読みやすく馴染み
やすい作品として仕上げられてはいないけれど、熱心なファンを納得させる
ような形でまとめ上げてくれたことには感謝しかありません。今となっては
不適切きわまる言葉の羅列(追加記述された箇所では微妙に言い換えるなど
して軟着陸させ)、両性具有などいかにも乱歩好みの淫靡な世界観等々は
引き継がれて、新旧作者の融合は、かなり高いレベルで行われています。
密室の土蔵で全裸で殺害された未亡人、死体には細かな傷が多数つけられ、
脱ぎ捨てられた着物には謎の記号が記された紙が残されていた… 乱歩は
どんなトリック、犯人、結末を考えていたのでしょうか。いや、それらが
用意できなかったからこそ中断したのでしょうけど、万が一、今後未完
部分の構想メモなどが発見されたとしたら、読み比べてみたいですよねえ。
かせっとコンロを買い足しました。購入したのは、「イワタニ カセットフー 達人スリムIII」
および専用ケースです。購入理由としては、まず、現在自宅で使っているコンロが購入後
20年以上(もしかしたら30年近くかも?)経過した古いものなのでその予備として
もう一台あってもいいと思ったのと、できたら車中泊時の湯沸かしに用に使いたいと考えた
からでした。
現在車中泊用として、登山で使っていたコンパクトなガスバーナーを積み込んではいるの
ですが、これがいちいち組み立てる→分解するを繰り返すのが面倒なのでつい使うのを
ためらった挙句、結局冷え込んだ朝でも震えながらアイスコーヒーを口にしているのが
実情です。このところよくお会いする車中泊組の方々は、皆さんこういうコンロを積んで
お湯を沸かしているので、私もちょっと試してみたくなったのです。「スリム」とは
いえかさばり、はたしてうまく積み込んで使えるかどうか半信半疑なのですが。
ゴールド基調のなかなかしゃれたデザインです。ボンベの大きさ(規格)が決まっている
ので、燃料収納部がこれ以上薄くならないのが残念です。
今回同時購入したのがこの専用ケースです。皆さん、購入時の外箱(梱包用段ボール)
に入れて持ち運んでいるようですが、いずれボロボロになりますよねえ。
専用だけあって、見事にすっきりと収まります。ただし、これに入れたからって、
たとえば放り投げるなど手荒に扱えるわけでないし、車載時には、できたら縦置きに
しないほうが製品保護(ゴトクの部分など)のためにはいいような気もします。また、
取説通りに扱うと、ボンベをつけたまま収納できないし(車内では、場所をとるので、
たぶん皆さんボンベは装着したままだと思われますが…いちいち外してるのかな?)、
ケースの上にコンロをおいて使わないようになどと但し書きがあります。指示書通り
に扱うとなると、けっして使い勝手のいいシロモノではなさそうなので、臨機応変、
工夫するしかありません。
写真集「神々の遊ぶ庭 天空の園 大雪山/両瀬いさお著」を購入しました。両瀬さんは
旭川市在住で、これまで何度か大雪山系でお会いし、一緒に行動したり、隣で写真を撮影
したこともあった方です。近年何度か催された写真展には折り合わず出席できずじまい、
このたびまとめられた写真集をようやく手にすることができた次第です。
私とは15歳ほど年齢差があるにもかかわらず、いまだ現役で山岳写真に挑まれている
ことに頭が下がります。顧みるに、若輩なのに早や山泊まり登山からは距離を置きつつある
我が身とはかけ離れた体力、健脚さを羨み、自身の不甲斐なさを嘆くばかりです。両瀬さん
は、山岳写真を始められたのはけっして早かったわけでなく、その分、のめり込み方、熱の
入れようは半端なく、ついには、大判カメラを担ぎ上げて撮影に臨まれるほどでした。
約80ページに及ぶ写真集には、作品解説などは最小限にとどめられ、十勝連峰~
大雪山~トムラウシ山の写真がこれでもかと羅列され、とても見ごたえがあります。
興味のある方は、ネット通販で取り寄せることもできますよ。
同じような写真撮影を志した私からは、このような決定的な場面に遭遇するために
惜しみなく費やした労力、時間の膨大さにまず敬意を表します。日帰り登山では
こうした絶景に出会えることは稀なので、山小屋(避難小屋)やテントでの宿泊が
大前提、それを写真に収めるためには、カメラ、交換レンズ、三脚などの重装備の
機材を担ぎ上げる必要もあります。こうした世界に戻りたい気持ちはあれど、
体が言うこと聞かないのがもどかしいのです。