ブッシュでお食事中
葉を引き抜いて
ゲットした
苔むす岩上で食す
ウコンウツギの萎れた花には事欠かない
フリーズして動かないちびうさを
狙いすましてノートリミング撮影
【わんぱく子ナキちゃん拾遺集⑧~十勝岳山麓にて 2023.07 撮影】
アガサ・クリスティ名作シリーズの第二弾、「そして誰もいなくなった」を読んだ。
ここ数日は、早朝ナキウサギ観察、午後は図書館で読書三昧が日課となっていた。
大雨が降っているなどならともかく、観光ができないほどの悪天候でもないのに
旅先で図書館に引きこもるってどういうこと? 一般の観光客からしたら到底理解不能
な行動様式だろう。このところ、私の北海道での旅行スタイルは、すっかりこんなのが
定着してしまっている。いいのか悪いのか… アクティブさからすると評価は最下級、
しかし今の体力からして、できるだけ省エネモードで長丁場を乗り切るしかないのが
実情だ。また、日差しの強い日中は、車内は耐えがたい高温で、車中泊旅行者は、
こうした公共の空調の効いた室内で、おとなしくやり過ごすのがひとつ手段であろう。
そして~は超有名作品、NHKBSで放映されたドラマ版(BBC制作?)を見た記憶も
あり、そのくせ詳細なストーリーや犯人はすっかり忘れていたので、まるっきり
新鮮な気持ちで読むことができた。ドラマ版は、登場人物の心象風景(恐怖心など)
を視覚化(具象化)して描かれていて、それでオカルト色が強まり、怖くなって、
もしかしたら途中で見るのをやめてしまった可能性もある。
これ以降現代にいたるまで書き続けられている孤島を舞台にしたサスペンスは、
いずれもこの作品の影響をなんらか受けていると言って過言でないし、童謡の
歌詞にそって連続殺人が繰り広げられる「見立て殺人」みたいな仕掛けは、
横溝さんも何度も挑戦している。
もちろん意識してではなかったが、こうした歴史的名作を、これまで読まずに
過ごしてきたことが、今となっては正解だったと思ったりする。結果的に、老後の
楽しみにとっておいたことになるからだ。細かな文字を読むのがだんだんつらく
なってはきたが、できる限り読書を、旅、人生終盤のお供にできたらと考えている。
7月5日(金) 晴れ時々曇り
昨日のリベンジとばかり、またまたクロちゃん現場へやってきた。
この時点で、ほぼ明日帰る方向へ気持ちが固まりつつあったので、
おそらくこれが最後のチャンスだ。
本日もまずオスが登場、嫌な予感しかしない。しかし珍しく、この日は
登場後少しうろついてくれたので、ちょっとだけ撮影機会があった。
このオス、鳴き始め第一声が「スカッ」と息を漏らすように空ぶるので、
そこは可愛げのあるところ。
二度目にオスが引っ込んだ後、20分くらいしてクロちゃん登場。
いつの間にか、ひょっこりと眼前の岩の上にいた。この日のクロちゃん
の行動はちょっと不思議で、同じ巣穴へ大量にくわえた草を何度か
運び込んでいた。しかも隠密行動というか、こちらを欺くかのように
草を採取する場所をあちこち変えるので、気づいた時にはすでに草を
くわえて巣穴めがけて走っている状況で、カメラが追いつけなかった
のが残念だった。巣穴に子供がいる? あるいは出産準備? 興味は
尽きないが、それをずっと見守る余裕は私にはない。
しばらくして、下で撮影していた釧路のOさん、岡山のAさんらが
上がってきたが、それからはオスもクロちゃんも雲隠れしてしまった。
私はもう一段下へ移動した。今回、ここで一度も撮影機会がなかった
からだ。しかし、ナキウサギはまるっきり登場せず、代わりに近くの
木にとまった喉の部分が赤いオスとメスの鳥のペアを撮影した。
ノゴマあるいはウソだろうか? 鳥の名前はほとんどわからない。
(どうやらウソのようだ。ウソのようなホントの話)
長~い葉っぱをゲット
むしゃむしゃ
もぐもぐ
くわえウツギ
ウコンウツギの萎れた花もいける!
来るべき世界
警戒警報発令中
【わんぱく子ナキちゃん拾遺集⑦~十勝岳山麓にて 2023.07 撮影】
7月4日(木) 曇り時々晴れ
連日のクロちゃん詣で。昨日はクロちゃんとイソツツジの共演がなかったのと、
最後大きな葉っぱをくわえたのを撮れなかったので(目では見ていたのに)、
そのリベンジと意気込んだ。
ところが、代わりに出てきたのがオスのナキウサギだ。このオスとクロちゃん
との関係性がよくわからない、パートナーなの? このオスが出始めると
クロちゃんが登場しないことが関連あるとしたら、春先にクロちゃんがまったく
活動しなかったことが理由づけられるのだが、これは私の完全な当てずっぽうだ。
何も出ないよりかはいいとして、このオス、愛嬌がなさすぎるのだ。岩の上で
鳴いた後、しばらくするとすっこんでしまう、これは春とまったく一緒で、
採食行動するわけでもポーズを決めるわけでもなく、サービス精神なさすぎだ
(クロちゃんとは正反対、似た者同士でないカップル?)。
風も弱く、暑くも寒くもなく、ほかに誰もいないのどかな現場を離れるのは
心許ないが、これではらちがあきそうになく、リュックを背負い、歩き始めて
すぐの登山道の真ん中に別の個体がいた。昨日は驚いて逃げてしまったが、
この子は飄々としてそのまま採食を始めたので、首からぶら下げたカメラで
すぐ間近で撮影した。本来、カメラを首に掛けたまま歩きたくはないのだが、
このあたりは何があるかわからない。バックからカメラを出そうとする動作、
音に気取られ、手元に用意していなければ、このシチュエーションでは間違い
なく写せなかっただろう。草を咀嚼する、その音まで聞こえてくるくらい
すぐ間近での撮影となった。
一番下部で岡山のAさんと合流したが、本日ここも開店休業状態、ほどなくあきらめ
下山した。
イワブクロ(タルマエソウ)が花盛り。ナキウサギが活発に動かず、ここまで
食べに出てこないので、花が残ったままなのだ。
ウコンウツギの落花を尻目に
葉っぱならなんとか届きそう
ウコンウツギの葉も大好物
イワブクロはまだつぼみ
かい~の
エゾイソツツジには目もくれず、苔を食べる
エゾイソツツジは愛でるだけ
【わんぱく子ナキちゃん拾遺集⑥~十勝岳山麓にて 2023.07 撮影】
7月3日(水) 晴れ時々曇り
♪ 死んだはずだよ おクロちゃん~
クロちゃん健在を岡山のAさんに聞いた時にはまさかと思った。春先全然
姿を見せず、私のような素人は無論のこと、常連のベテラン勢まで、
「クロちゃんご臨終」を信じて疑わなかったからだ。
それでさっそく、今回スルーしていたクロちゃん現場へ行ってみた。到着後
小一時間ほどしてクロちゃん登場。彼女が人気なのは、体色が独特なことも
さることながら、そのお茶目なサービス精神ぶりも多分にあるだろう。この日も
「これから食べ始めますよ!」とお知らせするようにちゃんとふた鳴きしてから
採食を始めてくれたので、撮影者にとっては本当にありがたい。
残念だったのは、エゾイソツツジ咲く場所へ近寄ってくれなかったのと、
最後巣穴に入る直前に大きな葉っぱをくわえ込んで引き込んだのに
それを写せなかったこと。明日再挑戦が必要だろう。
下部撮影地点へ向かう。岩場斜面の歩道沿い、足元のナキちゃんに気付かず、
危うく踏みそうになった。ナキちゃん驚いて巣穴へ逃げ込んでしまった。
もう少し早く気づいていたら、カメラを首からぶら下げていたので、
それなりに撮影できたかもしれないのに、惜しかった。
下部には岡山のAさんら四名、今日はまったく出ないらしい。そうすると、
クロちゃんが登場してくれたことはラッキーだったし、足元のナキちゃんも
もったいないことしたかもなあ。
眠い
眠い
眠い……
眠気も吹っ飛ぶ急なガレ場
エゾイソツツジに背を向けて 興味ないそぶり
でも、やっぱりお花見気分
【わんぱく子ナキちゃん拾遺集⑤~十勝岳山麓にて 2023.07 撮影】
7月2日(火) くもり
山上部どんよりと曇り込んでいて、今にも雨が零れ落ちてきそう、すでに日は昇って
いるいるはずなのに薄暗い。風もやや強めに吹いて、寒さが身に染みる。
上部ナキウサギ撮影ポイント、ほぼ音沙汰なしで、いよいよ凍えそう。これはどうしようも
ないと思い始めたら一匹登場、彼女(たぶんだがメス)が活発に採食活動をしてくれたのに
救われた。しかしその行動がとても不思議だった。採食→別々の巣穴に貯食→向かって左に
数メートル移動、を何度も繰り返し、最終的に30~50メートルくらい横移動した。
元来この移動範囲がすべて彼女のテリトリーでないと思われ、どのような意図の行動内容
だったのか図りかねた。テリトリーを変える(移動させる)ための準備だったのだろうか?
彼女のしばしの活躍に満足したので場所移動、一番下の撮影ポイントへ行ってみた。
昨年ここでご一緒した岡山のAさん、旭川のNさんら数名の顔見知りとの再会だ。
たまたまなのか、ここへギャラリー7,8名が溜まってしまい、そろそろお暇しようと
しかけたら、一匹が採食活動を始めた。今日は、このところのていたらくの中で一番
撮影が楽しめた一日となった。
ごはん屋ことさん休み? 定休日は土、日のはずなのに(結局、今週ずっとお休み
だった、理由は不明。貼り紙くらいしておいてほしいところだ)。
笹一で「ザンギ定食・1000円」。
午後雲がとれ、日差しが照りつける中、再び山に入ってみた。
まずはキタキツネ巣穴(跡)へ。変化なし。子育てしているのか、していないのか?
仮に子供がいるとしても、そんなしょっちゅう子ぎつねが周囲をうろついている
わけではなかろう。
上部ナキウサギ撮影ポイントへ。ここで札幌のYさんと一緒になった。この日彼は
自宅を出て東ヌプカへ登山(強風下、けっこう出たそうだ)、移動して望岳台まで
やってきて、その日のうちに札幌まで帰るという。私から言わせると、驚くべき
バイタリティー、体力の持ち主で、ナキウサギ撮影にかける熱量が半端ないなあ。
私だったら、長い車中、五回くらい居眠り運転しそうだ。
上部はまったく音なしで、最下部へ移動。ここも静まり返っていたが、最後に
一匹登場し、長時間採食行動してくれた。今日は結果オーライ、まずは
ついていたほうだろう。
夕方、十勝連峰を覆うガスが怪しい色に染まった。
夕日が沈む。
目がかゆい
手がかゆい
やっぱり目がかゆい
それより手がかゆい
浅香唯より、豊昇龍関似
【わんぱく子ナキちゃん拾遺集④~十勝岳山麓にて 2023.07 撮影】