広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

大内の笹巻き ほか

2024-06-16 23:12:14 | 各地お土産・食べ物
2024年は6月10日が、旧暦5月5日であった。秋田では、端午の節句を旧暦で行う場合がある。
羽後岩谷駅へ行った時、隣接する道の駅おおうちの産直(大内地域農産物直売所ひまわり)で、節句にちなんだお菓子がないかのぞいてみた。2018年には、かしわ餅ならぬ「かしわ大福」があった。

節句直前の日曜の昼前。野菜類は少なかった(ズッキーニは多かった)が、お菓子や惣菜類の加工食品は比較的そろっていた。例によって、売場内のあちこちに分散して陳列されているので、よく見ないと。
でも残念ながら、かしわ餅やかしわ大福はなかった。

以前は、ラベルに製造者の住所まで記されていたが、現在は「秋田県由利本荘市」で統一されていた。実際には由利本荘市大内地域だと思われる。
左上は「おはぎ」。2021年に紹介し、マツコ・デラックスの番組でも取り上げられたという、握らないおはぎ。
複数の製造者がいるらしく、今回は2021年とは製造者が異なっていて、質感やカラメル色素を使っていないなど違いがある。内容量は前回は350gとされていたが、今回は「6個」で、あんこの下の餅部分が6つに区切られていた。餅米は秋田県産、小豆は北海道産。
めくった分が1区間
ほとんどつぶしていないようなもち米に、素朴なこしあんが載る。今、売っているということは、通年で出ているのだろうか。ほかに、丸めたごまおはぎもあったか。

右上は「よもぎ大福」。
見た目以上にずっしりと食べごたえあり。ヨモギはちょっと少ないのか色が薄い。中はこしあんなのが、草大福好きかつこしあん好きとしては、珍しくてうれしい。餅米は秋田県産、小豆は北海道産、ヨモギは産地記載なし。
白とピンクの大福もあった。

下は「しそおこわ」。
原材料は「もち米(秋田県由利本荘市産)、しそ、砂糖、食塩」のみ。
ラップ越しで恐縮です
押し寿司のようにぎっちりと押し固められているようで、これも食べごたえあり。しその風味がさわやかで、けっこう甘い。食事よりも、おやつ向けかも。
ほかに、一般的な炊き込みご飯や、食紅で着色した赤飯(過去の記事)もあった。


唯一あった、端午の節句に関係するもの。
笹巻 5個入り・きなこ付き。日持ちは3日だが、硬くなるかも
全国的に、柏餅と並ぶ端午の節句の食べ物といえば…
「ちまき」でしょう。童謡「背くらべ」にも出てくる。

秋田では、ちまきとはあまり呼ばず、「笹巻き」が一般的。端午の節句のほか、田植えの後の「さなぶり」の行事食でもあったそうで、春から初夏にかけては、スーパーでも販売する店がある(タカヤナギでは6月いっぱいは全国発送も)。秋田市の諏訪愛宕神社(関連記事)では、笹巻きが出てくる言い伝えがある。
これまで漠然と、「ちまき」の方言が「笹巻き」かと思っていた。

調べると、ちまきは、「粽」とも「茅巻き」とも書くそうで、後者はチガヤの葉で巻いたことに由来する。竹の葉や藁で巻くこともある。
包むものも団子だったり、灰汁(あく)を使ったり、いわゆる笹団子のことをちまきと呼んだり、うるち米/もち米だったり、さまざま。

ちまきの中で、新潟や東北地方などの笹で巻いたものを、笹巻きと呼ぶ感じ。新潟では「三角ちまき」と言ったり、新潟や山形では灰汁を使うこともあるようだ。
秋田では、もち米を巻いて蒸したタイプが一般的で、味付けされていないので、きなこをかけて食べる。僕はきなこなしでそのまま食べるのも、笹の香りがして好き。

新潟の三角ちまきの名の通り、笹巻きは三角錐(四面体)で、1個につき笹の葉を2枚使うのが一般的。
ところが、この大内を始め、本荘地域というか由利地域というか由利本荘市周辺(旧・鳥海町でも同様のようで、わりと広範囲)の笹巻きは、若干違って特徴的。

円錐のような形状で、長い。笹の葉3枚を使う。
また、事前に米を水に浸さないのも特徴らしいが、大内のがそうなのか不明。そうだとしても味や食感が違うかは、分からない。

農林水産省ホームページ「うちの郷土料理(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_3_akita.html)」には「3枚使うと長(なが)巻き、2枚使うと短(みじか)巻きなどと呼ばれる。」とある。本荘にゆかりがある我が家の者は、このタイプを「本荘巻き」と呼ぶが、広く通じるのかは不明。
同ページによれば「三種町では大きな笹1枚で小ぶりな三角」「仙北市ではぺたんこの三角」の笹巻きを作るとのこと。特定非営利活動法人秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ホームページ「特集 初夏の田舎スイーツ(https://www.akita-gt.org/461/inakasweets.html)」には、それらの写真が出ている。


道の駅は今月以降、指定管理者が交代するため、一時休業する。産直部分はこのまま継続するとのことで、今後も楽しませてくれそう。
コメント (2)
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