※この旅行全体の目次はこちら
北海道最北端の稚内は動物の角のように、2つの岬が突き出ている。
右(東)側がみんなのうたでもおなじみの「宗谷岬」。こちらの方が長いので、真の“最果て”。稚内駅からバスで1時間ほどかかり、運行本数は1日4往復。夏に運行される定期観光バスを利用した方がいいらしい。きっと最北端へ来たという感動に浸れそうだけど、今回は大雪のため、行っても大変だろうと行かなかった。
左(西)側は野寒布岬。地名は「稚内市ノシャップ」であり、「ノシャップ岬」とカタカナ表記されることが多いようだ。なお、北海道には納沙布(ノサップ)岬もあるが、これは最東端、根室にあり、美川憲一の歌になっている。
ノシャップ岬は、宗谷岬より短く、駅から4~5kmでバスで15分くらいで運行本数も多い。ゴマフアザラシもいる水族館があるらしいので、“準最北端”へ行ってみた。
稚内駅の斜め向かいにオレンジ色の建物の宗谷バスターミナルがある。コインロッカーもあり、駅より100円安い。宗谷岬へ行く場合は、ここの窓口で往復割引きっぷを買うといい。
ノシャップへ行くバスでターミナルを通過するのは1時間に1本程度、タイミングよく市内循環線とかいうのが来た。岬を海沿いにぐるっと回って、市街地に戻る路線らしい。
実はノシャップへはここでなく、駅からまっすぐ200メートルほど先、稚内郵便局前の停留所の方が便利。市街地を縦断してノシャップで折り返すバスが、昼間は毎時平日5本、土日4本も運行されている。
時刻表はノシャップから市街へのもの
北海道は道が広いためか、大型バスが使用されるのが一般的。広大な土地のためか、人口密度の割りに乗客が多い気もする。この区間も同様だった。しかも小さな街でこの運行本数。中型バスが多く、毎時4本も運行される路線などほとんどなくなってしまった秋田市のバスは負けていると言わざるを得ない。
運行は宗谷バスという会社で、利尻・礼文島内も運行しているが、東急グループで、バスターミナルのガラスなどに東急のロゴがある。このサービスの良さの原因かもしれない。東北のバス各社も大手の傘下になるのもひとつの生きる道かもしれない。「寄らば大樹の影」だ。
【5月20日追記】東急が宗谷バスなど地方関連会社を投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)へ売却することを発表した。東急傘下では収益改善が難しいと判断し、バス会社再建のノウハウを持つJWPの力を借りることにしたようだ。
ノシャップまでの運賃は210円と聞いていたが、乗車時点で「210円」と表示されている。市内均一運賃のようで、岬の次辺りで運賃が上がり始めるようだ。地元の人にとってはどうか分からないが、準最北端へ210円で行けるとは安い!
ちなみに秋田駅からだと、旭川小学校や旭南の川口までが210円、天徳寺前までが220円、市立病院までが230円だけど、それよりやや距離があるような気がした。
○○何丁目という停留所が多く、住宅が並ぶほぼまっすぐな道を進む。乗客はお年寄りが多いが、立ち客までいる。片側1車線で広い道路だが、除雪された雪山がふさいでいて、どちらかが退避しないと、バスとはすれ違えない。対向車は雪捨て場へ向かうトラックが多かった。
相変わらず住宅地が続くが、緩くカーブすると、先に赤と白の横縞の灯台が見えて近づいてくる。車内は普通の住宅街を進む路線バスだが、岬は近い。
たしか1つ手前の停留所で「観光のお客様は次の『ノシャップ』でお降りください」と放送が入るのは親切。
ノシャップで降りたのは僕一人。地元の乗客はさらに先まで乗るようだ。住宅街が途切れ、何もない原野で雪交じりの風が強い。内陸の小高い丘に建物見えるのが「ノシャップ公園」のようだ。市街へ向かうバスは、回転地に入ってお客を乗せるらしく小さな待合所もある。
市街地方向
ノシャップ公園
吹雪の中3~4人の付近の住民が折り返し便に乗っていた。
雰囲気としては、秋田市の旧空港跡地、運転免許センターの次の「南浜町回転地」に周囲の感じや海との距離が似ている。でも川尻割山線は1時間に3本程度だから、ノシャップの方が便がいい。
道路は大きくカーブしている。海までは距離があるが岬の形に沿っているのだろう。押しボタン信号を渡る。車から見通しが利かない線形だから、注意。
信号機のひさしの向きがおかしい? 横長の信号をそのまま縦につけたような向きだから雪がたまって見えない。それから地点名表示が「ノシヤップ」とヤが大きくなっている。こういう表記もあるのだろうか?
横断すると海(灯台)の方にまっすぐ向かう道があり、途切れていた住宅街がまた始まる。
強風対策が大変そう。秋田市の旧空港の風力発電の辺りに住んでいるようなモノだから。
200~300メートルほど進むと、右に「稚内市青少年科学館」と「稚内市立ノシャップ寒流水族館」がある。灯台はその奥のようだ。左に短い道があり、ピンク色の土産物屋、公衆トイレとモニュメントなどがある広場、漁港がある。住宅地が突如、岬に変わった感じ。男鹿半島の入道崎の方が「岬感」は強い。
広場
広場は1人分の幅で道をつけてくれていた。波も高いが、とにかく風が強くて寒い。この先は日本ではないんだと思うとちょっと不思議。天気が良ければ、利尻島や夕日がきれいに見えるそうだが、早々に退散して水族館へ入る。風と雪が強くて、灯台などまでいく余裕はなかった。
バスの便がよく、手軽に戻ってこられるので、稚内で時間があれば訪れてみてもいい場所だと思う。
別記事で水族館を紹介します。
北海道最北端の稚内は動物の角のように、2つの岬が突き出ている。
右(東)側がみんなのうたでもおなじみの「宗谷岬」。こちらの方が長いので、真の“最果て”。稚内駅からバスで1時間ほどかかり、運行本数は1日4往復。夏に運行される定期観光バスを利用した方がいいらしい。きっと最北端へ来たという感動に浸れそうだけど、今回は大雪のため、行っても大変だろうと行かなかった。
左(西)側は野寒布岬。地名は「稚内市ノシャップ」であり、「ノシャップ岬」とカタカナ表記されることが多いようだ。なお、北海道には納沙布(ノサップ)岬もあるが、これは最東端、根室にあり、美川憲一の歌になっている。
ノシャップ岬は、宗谷岬より短く、駅から4~5kmでバスで15分くらいで運行本数も多い。ゴマフアザラシもいる水族館があるらしいので、“準最北端”へ行ってみた。
稚内駅の斜め向かいにオレンジ色の建物の宗谷バスターミナルがある。コインロッカーもあり、駅より100円安い。宗谷岬へ行く場合は、ここの窓口で往復割引きっぷを買うといい。
ノシャップへ行くバスでターミナルを通過するのは1時間に1本程度、タイミングよく市内循環線とかいうのが来た。岬を海沿いにぐるっと回って、市街地に戻る路線らしい。
実はノシャップへはここでなく、駅からまっすぐ200メートルほど先、稚内郵便局前の停留所の方が便利。市街地を縦断してノシャップで折り返すバスが、昼間は毎時平日5本、土日4本も運行されている。
時刻表はノシャップから市街へのもの
北海道は道が広いためか、大型バスが使用されるのが一般的。広大な土地のためか、人口密度の割りに乗客が多い気もする。この区間も同様だった。しかも小さな街でこの運行本数。中型バスが多く、毎時4本も運行される路線などほとんどなくなってしまった秋田市のバスは負けていると言わざるを得ない。
運行は宗谷バスという会社で、利尻・礼文島内も運行しているが、東急グループで、バスターミナルのガラスなどに東急のロゴがある。このサービスの良さの原因かもしれない。東北のバス各社も大手の傘下になるのもひとつの生きる道かもしれない。「寄らば大樹の影」だ。
【5月20日追記】東急が宗谷バスなど地方関連会社を投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)へ売却することを発表した。東急傘下では収益改善が難しいと判断し、バス会社再建のノウハウを持つJWPの力を借りることにしたようだ。
ノシャップまでの運賃は210円と聞いていたが、乗車時点で「210円」と表示されている。市内均一運賃のようで、岬の次辺りで運賃が上がり始めるようだ。地元の人にとってはどうか分からないが、準最北端へ210円で行けるとは安い!
ちなみに秋田駅からだと、旭川小学校や旭南の川口までが210円、天徳寺前までが220円、市立病院までが230円だけど、それよりやや距離があるような気がした。
○○何丁目という停留所が多く、住宅が並ぶほぼまっすぐな道を進む。乗客はお年寄りが多いが、立ち客までいる。片側1車線で広い道路だが、除雪された雪山がふさいでいて、どちらかが退避しないと、バスとはすれ違えない。対向車は雪捨て場へ向かうトラックが多かった。
相変わらず住宅地が続くが、緩くカーブすると、先に赤と白の横縞の灯台が見えて近づいてくる。車内は普通の住宅街を進む路線バスだが、岬は近い。
たしか1つ手前の停留所で「観光のお客様は次の『ノシャップ』でお降りください」と放送が入るのは親切。
ノシャップで降りたのは僕一人。地元の乗客はさらに先まで乗るようだ。住宅街が途切れ、何もない原野で雪交じりの風が強い。内陸の小高い丘に建物見えるのが「ノシャップ公園」のようだ。市街へ向かうバスは、回転地に入ってお客を乗せるらしく小さな待合所もある。
市街地方向
ノシャップ公園
吹雪の中3~4人の付近の住民が折り返し便に乗っていた。
雰囲気としては、秋田市の旧空港跡地、運転免許センターの次の「南浜町回転地」に周囲の感じや海との距離が似ている。でも川尻割山線は1時間に3本程度だから、ノシャップの方が便がいい。
道路は大きくカーブしている。海までは距離があるが岬の形に沿っているのだろう。押しボタン信号を渡る。車から見通しが利かない線形だから、注意。
信号機のひさしの向きがおかしい? 横長の信号をそのまま縦につけたような向きだから雪がたまって見えない。それから地点名表示が「ノシヤップ」とヤが大きくなっている。こういう表記もあるのだろうか?
横断すると海(灯台)の方にまっすぐ向かう道があり、途切れていた住宅街がまた始まる。
強風対策が大変そう。秋田市の旧空港の風力発電の辺りに住んでいるようなモノだから。
200~300メートルほど進むと、右に「稚内市青少年科学館」と「稚内市立ノシャップ寒流水族館」がある。灯台はその奥のようだ。左に短い道があり、ピンク色の土産物屋、公衆トイレとモニュメントなどがある広場、漁港がある。住宅地が突如、岬に変わった感じ。男鹿半島の入道崎の方が「岬感」は強い。
広場
広場は1人分の幅で道をつけてくれていた。波も高いが、とにかく風が強くて寒い。この先は日本ではないんだと思うとちょっと不思議。天気が良ければ、利尻島や夕日がきれいに見えるそうだが、早々に退散して水族館へ入る。風と雪が強くて、灯台などまでいく余裕はなかった。
バスの便がよく、手軽に戻ってこられるので、稚内で時間があれば訪れてみてもいい場所だと思う。
別記事で水族館を紹介します。