広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

元こまち 現美新幹線乗車

2019-09-28 23:03:54 | 旅行記
新潟旅行記※前回の記事
今回の旅行の大きな目的が3つの乗り物に乗ること。GV-E400系電気式気動車、連節バス、そして「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」。

JR東日本が「のってたのしい列車」と称する、乗ることを楽しむ列車=ジョイフルトレインの1つだが、新幹線区間なのが珍しい。
しかも、その車両は、秋田新幹線「こまち」として使われていた初代(E6系の先代)E3系電車(のうち、比較的新しい1本「R19」編成)を改造したものなのも、秋田県民としては気になる。
2016年の運行開始間もない頃、長岡駅で向かい側のホームから見ることができた。今回はそれに乗る。


現時点では、現美新幹線は、土日祝日に越後湯沢-新潟間(つまり上越新幹線の新潟県内区間のみ。所要時間は50分ほど)を1日3往復する。※例外あり。利用の際は都度、確認願います。
「とき」451~456号で各駅停車。指定席が1両、残りは自由席扱いなので、通常の新幹線と同じ料金で乗車できる。びゅうプラザ経由の旅行商品もある。

さて、何号にどの区間で乗るか。乗車券部分は、新潟県内の上越新幹線全区間で有効な「えちごツーデーパス」だから問題ないけど、新幹線だけに特急料金はバカにならない。といって短距離ではせっかくのたのしい列車を楽しめないだろう。別段目的地もないだけに、かえって困ってしまった。
結局、長岡駅前のホテルが安く取れたのを理由に、下り始発451号(長岡8:50発)で新潟(9:14着)まで乗ることにした。30分以下に指定席ではもったいないから自由席で。
発車標

(再掲)
2016年は時計の下に「とけい」というご丁寧な説明があったのがなくなっていた。

発車標の列車名の欄では単に「とき451」の表示。
下のスクロール表示で「とき451号は「現美新幹線」車両で運転します。」と案内。いつも出ているわけではないし、下りは全列車新潟行きだから、知らずに乗ってびっくりする客がいそう。
指定席券では「現美新幹線とき451号」と表記されるようだ。

乗車位置案内。上から2番目が451号
とき451号に10分ほど先行して、東京始発の「Maxとき303号」が走っている。高崎は通過、越後湯沢以降各駅停車という、新潟県内行きに特化したダイヤで2階建て8両編成。
乗車位置案内では、ミニ新幹線車両のサイズ感がうまく出ている。停車位置は中央のやや新潟寄り、号車番号はこまち時代のまま11~16号車。上越新幹線では唯一のミニ新幹線車両として、存在感は放っている。


長岡の街は、イトーヨーカドー丸大が閉店するなど以前より少し寂しくなった感じもしたが、駅の中は人が多い。土曜の朝だから、東京や新潟にでも行くのか。
現美新幹線に乗る人は、10分前に定期列車が出た後だし、多くはないだろうと予想していたが、予想よりは多かった。旅行客ではなさそうな地元の人もいたから、定期が混雑するのか、あえて現美新幹線に乗りたいのか。
※車両先頭の外観などは、黒っぽくてつるんとしてうまく撮れないし、前回もアップしたので今回はなし。
来た列車の自由席部分は、ちらほら空きがあったのが、長岡から乗った人で埋まった感じ。
越後湯沢方面から乗っている人たちは、特に子ども連れの旅行客が多い。これは想定済み。
「土日きっぷ」が使えるし、新幹線の特急券は、列車を乗り継いでも改札を出なければ通しでいい。ダイヤ的には、東京から来て越後湯沢でこの列車に乗り継ぎ、新潟で乗り換えて新津まで行けば、「SLばんえつ物語号」に間に合う。現美新幹線&SL目当ての人がけっこういたようだ。「新潟で降りる? それとも新津でSL見る? SLは見るだけで乗るんじゃないよ」と、親に選ばされている子どもも(SLを選んだ模様)。
ちなみに、上り最終456号は新潟16時42分発で、SLからは接続しない。もしかしたら、この下り始発451号が、いちばん乗車が多い現美新幹線かも。

最後尾11号車が指定席。とりあえず先頭車の16号車に乗りこむ。こまち時代は青い座席(元自由席)で、秋田発時点で大曲側だった車両。
車内の銘板(シール)は「Kawasaki2016」「E322-702」
R19編成は2002年に新造されたそうだが、その表示は車内にはなくなっていたようだ。2016年に川崎重工で現美新幹線用に改造されたことだけ示している。
製造番号も-19から-702に改番。JR東日本では、リゾートしらかみのキハ40系などのように、ジョイフルトレイン向けに改造した車両に700番台を付けるのを好む。E3系の-701は、山形新幹線「とれいゆつばさ」。
編成番号はR19のまま。

いよいよ車内へ。
16号車
細長いから列車の中なのは分かるかもしれないけれど、片側に窓がなく、窓際はソファーという、およそ新幹線とは思えない光景。窓が半分ないこと、照明が暗めなことにより、朝にしては落ち着いた雰囲気が漂う。
これが元「こまち」だと思うと…
(再掲【29日追記・こまち時代の車内】)「金萬」なんかの広告があった車端の壁も

こうなった(この向こうはデッキではなく運転台なので、扉は元から別物)
通路扉の幅や上の文字情報装置は、こまち時代のままだと思われ、ちょっとだけ懐かしい。


さて、改めて「GENBI SHINKANSEN」とは。
「世界最速の芸術鑑賞」として、車両ごとに異なる注目のアーティストが、この列車のために作った現代アートを展示するもの。
13号車は半分ずつ、それに外観も作品なので、計8つの作品が鑑賞できる。

というわけで、乗ったら座りっぱなしではいけない列車ということになろう。写真のように乗ってすぐに、もしくはある程度見たら座ってしまうお客さんも多いけれど。
一般に、列車内でうろちょろするのは迷惑だけど、この列車では基本的には迷惑がるほうが迷惑がられるだろう。

自由席車として扱われる12、14~16号車は、作品展示と着席スペースを兼ねる構造。
窓を背にするソファが並ぶ、ある種のロングシートになっていて、そこに座る人たちの前を通りながら鑑賞することになる。
ソファに座った眺め
ソファーは革張り(?)で座り心地は悪くない。テーブルもあり、車両によって配置が若干違う。荷棚はない。各号車とも新潟に向かって左側が窓、右側が作品。
ソファーなのでリクライニングしないけれど、1時間弱程度なら座っていても疲れない。これを好んで現美新幹線に乗る人もいるようだ。

各号車を順に巡る。
15号車
15号車は作品に厚みがあるせいか、ソファーは凹凸がなく1列に並んでいる。まさにロングシート状態。

14号車

13号車
13号車は、おそらく定員外。
半分がカフェ、半分がキッズスペース。それぞれでデザイナーが違う。
カフェでは、地元のコーヒー、新潟県産品を使ったオリジナルスイーツ、グッズが買える。テーブル1つに椅子4つしかないから、席へ持ち帰るのが原則か。10月以降の消費税率は?
キッズスペースはプラレールを取り入れて、その周辺環境をデザインした感じ。
どちらもけっこうにぎわっていた。というか人が多く、通路も狭めで、ちょっと大変。

12号車

そして11号車が、指定席。
ここは「こまち」時代グリーン車だったわけだが、その座席はそのまま使って普通車扱い。グリーン車時代は、ミニ規格なのに1列に2席+2席で、必ずしも評判が良くなかったけれど、それが普通車なら、むしろ乗り得。だから指定券を買おうか、ちょっと迷ったのだった。
そして、この車内も作品の1つ。デッキの案内板に作者名が書いてあったし、指定券がない者は立ち入るなといった表示もなかったから、ここも自由に入って鑑賞していいと解釈できる。
でも、入室してみると、けっこう乗客がいて、その人たちに見られている気がして、早々に退出。そこで新潟到着後に車外から。
車体は長岡の花火のドアップで、ここは青系
こまち時代は、座席や床は黒系統だったのが、蛍光の黄色をメインにしたものに張り替えられてとても鮮やかに!
座席やロールカーテンは、ロールシャッハテストみたいな柄で、動物の顔らしきものが隠されているみたい。
床は黒と蛍光黄色のランダムなうろこ模様。ずっと乗ってると、座り心地はいいけど目が疲れるかも…
E3系客席の特徴(末期製造分を除く)である荷棚と天井をつなぐアーチ状の構造は、他の号車では撤去されているが、11号車は色も変わらずそのまま。


アートが分からない者の感想。※作者の制作意図などは調べていません。
まず、やっぱり人が座っている前、他の人も歩き回る走っている列車の中で、じっくり鑑賞するのは難しい。落ち着かない。
その意味では、動画や写真を展示した14、16号車は、この展示方法には合わないと感じた。
なお、2018年春に、14、16号車、カフェの展示(上映)内容がリニューアルされているようだ。

一方、15号車は気楽に見られて、眺めているだけでも楽しかった。
色鮮やかな花のようなものを何層にも重ねてぶら下げた作りで、列車の走行によって軽く揺れる。

それに12号車も、座ってぼーっ見ていたくなった。
壁際に、金属を凹凸や鏡面/くもり加工したものが張ってあり、車内と反対側の車窓が写る。
写りこんだ車内と車窓
狭いミニ新幹線の車両が広く感じられ、新幹線の大きくはない真四角な窓越しに新潟の水田が時速240km/hで流れていくのが、おもしろい。


車内をひと通り見て気づけば、ソファーは区画ごとに誰かが座っており、座りに行きづらい。新潟まで大した時間じゃないので、デッキに立って外を眺める。
普通に見てもきれいな水田

車内放送は、自動放送は他の列車と共通のチャイム(東北方面とは違う曲)&日・英のアナウンス。
新潟到着前には車掌による放送もあり「優雅な時間をお過ごしいただけたでしょうか」「ご来場ありがとうございました」と言っていた。
新潟駅に到着。
2020年度には全廃されるらしいE4系Maxと

乗車口案内
折り返し越後湯沢行きになる表示が出ているが、ミニ新幹線だけに表示機とドア位置が一致していない。

幅が狭いミニ新幹線車両では、フル規格のホームではすき間が大きく空く。
ミニ新幹線ならではのステップが出る
新潟駅ではホーム全面に柵があるわけではないから、車体の美しさに見とれたり、記念撮影したり、色が違うから感覚が狂ったりして、うっかり落ちてしまいそう。気をつけて。

降車が終わり、ドアが閉まっても、ホームに残って鑑賞や撮影する人たちもちらほら。特に15号車に集中していたので行ってみると…
これはきれい
花のようなものが吊り下げられた展示が、窓越しに外からもきれいに見えていた。万華鏡のような、顕微鏡でのぞいているような、そんな雰囲気。車体外観の赤系統の花火との組み合わせもきれい。
外から鑑賞するのもまたいい
反対側だったら、窓がないので見られないけれど。


現美新幹線の定員は6両で105名。おそらくうち23名が指定席で、残り82名がたぶんソファーの座席数。
この編成の「こまち」時代の定員は394名もあったから、現美新幹線は、とてもぜいたくな新幹線だ。

車内の座席を取り払って、展示スペースにするということでは、国鉄時代1980年代に在来線で全国を巡回した「サイエンストレインエキスポ号」や「アメリカントレイン」に通ずるものがある。(どちらも秋田駅にも来て、どちらも見に行った記憶がある)
これらは走行中は客を乗せず、停車中に内部を公開する方式だったから、乗りながら見るというのもまた楽しい。

最近、現代美術、現代アートが何かと注目されるけれど、素人にはなんだかよく分からない。秋田公立美術大学の先生も、魁のインタビューで「難しい」と認めていたはず。
現美新幹線に乗っても、結局はよく分からなかったけど、まあ楽しいものを見ることができた。まさに「のってたのしい列車」。
ついでがあって、時間が合えば、乗ってみてはいかがでしょうか。
あと、“里帰り”して秋田へ来てくれるのもいいのでは。

これで今回の旅行の大きな目的は達成。こまごまと続く

【2020年7月28日追記】現美新幹線は、2020年12月で運行を終えることになった。車両はその後、どうなるだろうか。
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工藤・たけや おはぎ

2019-09-26 00:08:42 | ランチパック等パン類
秋分の日23日は、北日本の日本海側を台風→温帯低気圧が通過した。風が強かったものの目立った被害はなく、何より。稲刈りは始まったばかり、果樹はこれから収穫が多き、しばらくは農家は気が休まらないことだろう。
23日午前は雨が降らず、我が家はその隙に彼岸の墓参を済ませた。前倒しもしくは延期したお宅も多く、お寺は空いていた。今年はお盆も猛暑で墓参に苦労したけど、それからまだ1か月ちょっとしか経っていないのが信じられない。

彼岸といえばぼたもち(おはぎとの違い等について)。
彼岸入りの20日にハッピー・ドラッグ秋田泉北店へ行ったら、こんなものが。
でっかいおはぎ3個

工藤の和菓子 あんかけおはぎ
1個284kcal。青森市油川製。税込み300円(ハピドラも税込み表示から税抜き表示に変更したらしく、値札を加工している)。

工藤パンのおはぎだった!
工藤パンでもおはぎを製造していることは知っていたものの、(意識にするようになってから)実物は初めて遭遇。さすがハッピー・ドラッグ。
レジ近くにちょっとだけコーナー(普段見切り品を置くコンテナ)を設けて、彼岸だんごみたいなのもあった。

商品名の「あんかけおはぎ」が特徴的。
「餡掛け」なのは分かる。あんかけといえば、とろみをつけた焼きそばとか丼ものとかを連想する(字も同じ餡掛け)。これは外観から「あんこ」をかけたのだと分かるが、言葉だけ聞くと戸惑うかも。

製パンメーカーなどが作ってパック入りで、スーパーで売られるおはぎは、2口で食べられるサイズのが多いけれど、これはだいぶ大きい。
表面のあんこの粒具合などと合わせて、スーパーが自前で作る惣菜、あるいは自家製のおはぎのよう。
分かりづらいけれど横から見たところ
あんこで包んだ一般的な粒あんおはぎの上に、改めて粒入りのあんこを載せているようだ。だから「あんかけ」か。

そういえば、青森県の某スーパーでは、惣菜のおはぎが人気だそうで、昨年食べたのを思い出した。
それは、個人的には甘さと餅らしさが足りなく感じられた。青森の人たちも甘いものを好むから、どうなんだろう…という感想だった。

工藤パンのは?
米粒は少しつぶした程度
餅(米)の具合は、おはぎとしてはみっちりと硬かった。あんこは甘さがしっかりあって、いい。手作り風の昔ながらのおはぎといった感じ。某スーパーのより、絶対受け入れられると思う。
見た目ほど重くはなかったかな。


一方、秋田のたけや製パン。いろいろ作っているけれど、当ブログではあまり紹介していなかった。以前、地元の豆屋とコラボしたのがあったけれど、最近は見ない。
わりとよく見かけるのが、
秋田県産もち米使用 三色おはぎ
「ごま・きなこ・こし」が各2個ずつ6個入り。400円前後?
小ぶりなサイズ
ごまときなこは、中にこしあんが入っている。
岩手の餅メーカー千葉恵食品などでも、似たような大きさ・見た目のものがあり、市販おはぎとしては標準的か。工藤パンでもこういうのもあるかな。

たけやのおはぎは、あんこがおいしいと思う。なめらかで甘さが強くなく上品なお味【29日補足・「甘くない」のではなく、ちゃんと甘い】で。きなこやごまとの相性もいい。
餅はわりとよくつぶされていて、柔らか。
上がきなこ、下はこしあんの断面。粒が見えない程度までつぶされている
過去の経験では、たけやのおはぎ類はマックスバリュ茨島店が多く扱っている印象。彼岸の中日を過ぎると入荷しなくなる店もある中、24日でも売っていた。
マックスバリュでも泉店なんか、23日夕方にはなくなっていた(惣菜売り場には少しあり)。せめて彼岸明けまでは置いてもいいのに。
【26日追記】たけや製パンの本社・工場内にある直売所で、2018年の春彼岸に手作り風の大きなぼたもちを限定販売(毎日100個限定、1個100円)していたという話を思い出した。改めてたけやのツイッターを見たら、今年の秋彼岸では2個入りの「期間限定 ぼた餅」を直売所とドジャース食品館、秋田市内のデイリーヤマザキ3店舗(工業団地、柳田川崎、南バイパス)で売っていた。その味は知らないけれど粒あんのようなので…
個人的にはこのパック入りこそ、おいしい。スーパーで買えるおはぎの中ではマイベスト。


先祖代々おはぎ好きな「サザエさん」のアニメでは、今秋も22日放送「うれしたのしいお彼岸(No.7981、スギ タクミ脚本)」におはぎが登場。和菓子屋の店先でおはぎを売っているシーンがあった。
透明なパックに、大きめのが2個入っているようで、POPというか札も描かれ、珍しく価格も判読できた。「つぶあん300円 こしあん きなこ300円」。
つぶあん2個のパックと、こしあん・きなこ1個ずつのパックで、それぞれ300円ということか。
こしあんだけの2個は買えず、必ずきなことの抱き合せになるシステム。東京ではそういうもんなの?(たけやの3種組みもこしあんか。別につぶあんのセットもあるかもしれないけど)
東京の和菓子屋で1個150円というのは、安いのではないだろうか。青森のスーパーで2個260円、工藤パンで1個100円、秋田のスーパーの惣菜で1個108~140円程度。本高砂屋は税込み1個184円、虎屋は税込み1個281円とのこと。

2020年春彼岸の記事
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新潟の連節バス

2019-09-25 00:35:49 | 旅行記
新潟旅行記(食べ物カテゴリーの前回の記事)。
今回の旅行で、乗ってみたい乗り物が3つあった。1つはGV-E400系電気式気動車
2つ目に取り上げるのが、新潟市内で運行されている路線バスなのだが、
こんなの

「万代シテイ」バス停にて
タイヤが3軸で、長い車体の中央に蛇腹があるバス。
 
後部には「全長18m追い越し注意」。ちなみに日本で一般的な大型バスは長さ10.5メートル、秋田市に多い中型バスは9メートル。

車体が前後2つに分かれてくっついている「連節バス」というもの。【25日補足・トレーラーではないので、分割しても走行できるとかいうことではない。運転席は前だけにあり、連結部を客が行き来できる。】
日本では、終戦直後にいすゞ製のものが八戸市営バス→弘南バスで使われたのが、純国産の唯一の事例らしい(あの狭い弘前の街のどこをどう走っていたのか気になるけれど、史料は少なそう)。【2024年6月2日追記・2019年5月にいすゞ「エルガデュオ」と日野「ブルーリボン ハイブリッド連節バス」が「国産初の連節バス」として登場していた。納車は2020年の日野製が最初とのこと。】
1985年以降、ボルボのものを富士重工で組み立てた連節バスが何種類かあって、つくば万博などで走行。20年ほど前に幕張で走っていたのは実物を見たことがあった。

その後、新規導入はいったん途絶えたが、2010年代に入ると、全国各地にちらほらと連節バスを導入するところが出てきた。
規制緩和とか公共交通体系の見直しの影響だろうか。車両は完全な外国製(新潟も含めて、なぜか赤い車体が多い)。
制度上は大型免許で運転でき、牽引免許は不要であるものの、牽引免許も取得した(させた)ドライバーを乗務させているバス会社が多いとのこと。


その1つが新潟市で、2015年9月から、新潟駅と7キロほど離れた青山地区を結ぶ基幹路線「萬代橋ライン(路線名)」の快速便に、「ツインくる(連節バスの愛称)」として4台が投入されている。新潟市が車両を購入し、運行を新潟交通が行っている形。
新潟市の街やバス路線事情は、後日取り上げることにして、今回は連節バスそのものにしぼって紹介。
ナンバープレートは1~4
日本では今のところベンツ製の連節バスが多いようだが、新潟のはスウェーデン「スカニア」製シャーシを、オーストラリア「ボルグレン」が架装。車両後部に両者のロゴが出ている。前はSCANIAだけ【25日訂正・前にも両者のロゴがありました。】。この組み合わせでは、新潟が日本初導入のようだ。

萬代橋ラインは「BRT」と称しているが、専用道路を通る区間はない。昼間でも10分間隔程度で頻発しているが、多くは普通の大型バスが走る各停便。連節バスは「快速」便限定で、1時間に2本程度(普通のバスが代走することもあるようだ)。

新潟市街地探訪を兼ねて、乗り降りしながら青山まで行き来してみたが、連節バスには短い区間で3回しか乗れなかった。
新潟駅前の乗り場は、万代口を出てまっすぐ。他路線とは少し離れた0番乗り場。※駅周辺の整備によって、今後変更されるかもしれない。
新潟駅前で長時間待機することはなさそうで、青山から来て降車扱い後、すぐに(せいぜい5分程度待機して)折り返し青山行きになるのが原則のようだった。
新潟駅で乗車扱い中
このバスのドアは、前の箱に2つ、後ろに1つの計3つ。前から出口・入口・入口となっていて、つまり中(+後)乗り・前降り、運賃後払い方式。新潟の普通のバスと同じ。【25日補足・SuicaなどIC乗車券対応で、乗降時にそれぞれタッチ。運賃は駅~万代シテイ間は100円。それ以外は青山までどこでも210円均一】
後ろの箱に乗ってみた。
前方を見る。手前左がいちばん後ろのドア
もちろんノンステップバス。上の写真の床が白い部分が連結部。ターンテーブルのようになっているが、フルフラット。連結部は路面電車の連接車と同じ構造かな。
天井のオレンジ色の部分は、横転した時の非常脱出口だそう。

車内は国産車と似ているようで、違う点も多い。
座席は前向きとロングシート混在。降車合図ボタンは国産のレシップ製【25日補足・その他ワンマン機器もレシップ製か】。
側面には非常口がないようで、窓の上には、
緊急脱出ハンマー。外すとブザーが鳴るとか書いていたか
窓を割って脱出する。昔の国鉄の寝台車にもあったな。
窓の開き方、クーラーの吹き出し口(?)、スピーカーの位置なんかも、国産車とは違う。
上の写真では、オレンジ色のパイプから吊り手(つり革)がぶら下がっている。それが後方では、
天井から直接ぶら下がる
しかも、パイプから下がるものも含めて、つり革自体の作りが違う。
国産では三角か円形のプラスチックの握りがあるものだけど、これは三角形の上2辺はベルト。底辺の直接握る部分だけが、木のようなものでできている。


新潟駅前からはそれほど乗客はいなかったが、(快速便では)次の万代シテイやさらに次の繁華街の各バス停でたくさん乗ってきて、席がほぼ埋まった。普通便の大型バスでは立ち客が出ていることも多く、連節バスが収容力を発揮している。
ただ、長い車体だけに、後ろに乗っていて途中で降りる時は、少々大変。距離が長いだけでなく、2つの入口ドアから乗りこんでくる人の波をかわさないといけないから。

長くてくねくね動くバスでは、道路幅やカーブ角度に制約があるのは想像が付く。萬代橋ラインのルートは、基本的には広くてカーブが少ない道ではあるが、そうではない部分もあった。
途中の白山駅周辺では、幅はあるものの片側1車線で歩道がない道。白山駅のロータリーも、新しいものの旋回がきついかもしれない。
路上駐車とか、積雪時(新潟市はそれほど積もるわけではないそうだが、積もる)はどうなんだろう。
歩道橋から。下りが万代シテイを発車する時はこんなくねり具合
乗り心地は、至って普通。前でも後ろでも国産の大型バスと目立った違いはなかった。居住性としては座席がちょっと狭くてきゅうくつな気がしなくもない。
上と同じ状況を向かい側地上から

正面は真四角
正面のデザインには、かつての国産バスを彷彿させられた。フロントウインドウが1枚のいすゞLVキュービックとか、角張りながらもふっくらした富士重工7Eボディとか。
ヘッドライト部分下の線状に点灯しているのがデイライトで、ウインカーも兼ねている。


さて、我が秋田市でこんな連節バスが走ったら…
路線の距離的には、秋田駅から自衛隊入口や美術大学前辺りとほぼ同じ。幹線道路を選べ(大町経由新屋線では無理)ば、道幅やカーブも大丈夫そう。でも、秋田駅西口のバスのりばがダメかも。東口なら余裕でしょう。
だけど、新潟より積雪は多い。そして何よりも新潟より人口もバス利用者も少ない。中型バスが1時間に数本走れば間に合うのだから。

※旅行記の続きは3つ目の乗り物
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キャッシュレス還元マップに不安

2019-09-23 20:19:46 | その他もろもろ
9月もあと1週間。
10月には消費税率の引き上げとキャッシュレス決済時のポイント還元が始まる。※バス運賃などの記事

今回の増税は、軽減税率の導入と、キャッシュレス決済ポイント還元が特徴。中小事業者では、機材の準備や手続きが遅れて、10月1日に間に合わないところも確実に出る。消費者も分かりづらいことばかり。混乱するに違いない。
この記事は、そのうちキャッシュレス還元について。正式には「キャッシュレス・消費者還元事業」で、経済産業省から委託された「キャッシュレス推進協議会」が、事業を行っているらしい。

各小売店がポイント還元の対象になるには、申請して審査が通らないとならないし、キャッシュレス決済といってもクレジットカード、電子マネー、コード決済等々ある。
どの店で、どれで支払えば還元されるのか、とても分かりづらい。
店で聞くのが確実(店の人も分からなかったりして!)だけど、出かける前に知りたい。

今のネットの時代、当然、そこは考えてくれている。当初は、審査が通った事業者の一覧表を掲載してくれていた。
ただ、それが、PDF形式のファイルで、(北から順に都道府県順のリストではあるが)全国の全事業者分を1つのファイルにしたもので、上記、バス運賃の記事作成時点で6360ページもあった。
PDF閲覧ソフトで文字列検索もできるが、6360ページを検索するだけに、フリーズしたのではないかと思うほど時間がかかることもあった。こんなのPDFじゃなくてHTMLで充分だし、PDFだとしてもエリアや県別に分けるという発想ができないのだろうか…
そもそも、その時点で未審査の店も多かったようで、見つからないことも多かった。また、コンビニはチェーン一括でなく、フランチャイズの経営者ごとに申請・掲載がされるようで、リストに載っているほうが少なかった。
さらに、例えばガソリンスタンドがブランド名や給油所名でなく「○○商事」、「マルマル電機」が「株式会社丸丸電機」みたいに、店の屋号でなく運営企業名で掲載されることもあり、分かりにくかった。


9月中下旬には、アプリや地図で見られるようにするとのことだったが、中旬は過ぎた。
そして、9月20日、満を持して地図アプリ、ホームページでの地図検索が公表された。同時にPDFファイルは削除された。リストはリストで残してもいいのでは?

※以下、2019年9月23日時点において、パソコンからホームページで地図検索【24日補足・正式名称「対象店舗検索のためのホームページ上の地図機能」】した場合の内容です。ブログの性格上、秋田市と青森県弘前市を例としています。【その後、変更された点については、可能な範囲で末尾に追記しています。
Googleマップ上に、「このエリアを検索」ボタンがあり、クリックすると対応事業者の印(ピン、マーカー)が示され、印をクリックすると詳細が表示されるというもの。これは予想の範囲内で妥当なところ。
検索に若干時間がかかったり、広範囲で検索を実行すると、結果はその中央部だけに狭められてしまうのは、データの多さからしてやむを得ないだろう。「データが多すぎるので、一部のみ表示しています」とか表示してくれれば親切だけど。

使い慣れたGoogleマップだけど、ここでは使いやすいとは言い難い。拡大縮小、ドラッグは同じだけど、検索窓がない(表示されないよう設定されている)のだ。
「○○市」とか「○○駅」とか、もしくは「セブンイレブン○○店」とか文字で検索して絞り込めるのが、地図サイトの便利さなのに、それができない。
一方、地図の左側で、業種(カテゴリー)や決済手段を指定できる部分が表示されるのだが、その最上部に「現在地から探す」があって、そこをクリックすると、各種位置情報を基に、今いる場所付近へ地図がズームする。

だから、秋田市にいて、秋田市内の対象店を探すのは、そこそこ使える。だけど、秋田にいて弘前を調べたい時は、一度縮小して表示範囲を広げ、ドラッグして弘前まで移動して、ズームインしないといけない。
以上、使い勝手のまずさ。せめて検索窓を使えるようにして!


以下、検索結果・表示されるデータのまずさ。
相変わらず、表示可能な(=審査済みの)店舗は、実際に本事業の対象となり得る数と比較して、かなり少ないと考えられる。
コンビニが少なく秋田や弘前ではセブン-イレブンのごく一部しか出てこない感じだし、駅ビルやファッションビルのような、テナントが多い商業施設でも数店舗しか表示されない(たくさん表示されれば、それもまた見づらいけれど)といった具合。

秋田市大町の小さな交差点上に4店舗
秋田市大町は、東西の道路が丁目の境になっていて、ここは三丁目と四丁目。
ところが、表示されている4店は、五丁目に所在するものが3つ、1つはなんと一丁目。
まあ、マーカーが数十メートル程度ズレてしまうことはあるだろう。だけど1ブロック以上も違うのは、いただけない。

次は大町一丁目、通称・通町。
右下のマーカー
背景の地図の「旭川」や他のお店の名前(これらは現時点では非対応)から、間違いなく秋田市であることが分かる。
そこに表示されている店は、
「佐藤養助 湯沢店」
稲庭うどんの老舗で、秋田市内にもあるけれど、ここにはない。またズレた? でも「湯沢店」って、鈴木ビルって?? 所在地は地図と一致する「秋田市大町1丁目」??? 電話番号の市外局番は秋田市のものじゃない????

佐藤養助湯沢店の正しい所在地は「湯沢市大町1丁目2-26 鈴木ビル」。
「湯沢市」の部分が間違って「秋田市」にされてしまい、秋田市にもたまたま同じ町名番地が存在して(鈴木ビルは無視)、マーカーが立ってしまったのだった。

こういう位置の間違いは、なぜ起きてしまうのだろう。
各お店側が、間違えるとはあまり考えにくい。地図作成時のミスだとしても、コンピューターの自動処理のせいか、人の手作業でのせいか。
どっちにしても、せっかく申請してそれが通って、お客さんに来てほしくてやってるだろうに、見つけられにくい形で掲載されてしまっては…
だからこそ、文字入力での検索機能なり、リスト一覧なりもほしいのに。

弘前。
西弘こと弘前学院大前駅周辺
学生街で飲食店も多く、対応する店が多いかと思いきや、やはりまだ3つ。
上のマーカーがセブン-イレブン弘前西弘前店(これで正しい店名)、中央がコープあおもりのスーパー。
いちばん下が角の「三栄商会」。意識していなかったけれど、線路側の建物で事務所やガス器具などを扱い、向かいにあるENEOSのガソリンスタンドも同経営のようだ。【24日思い出追記・本社角の今は洗車機があるところに、昔は自販機があったはず(今は北寄りに移動)。ポカリスエット、ファンタグレープ、アクエリアスレモンなんかをよく買ったものだ。缶の。】
地図では、事務所のほうにマーカーが付いている。所在地の登録がそこになっているためだろう。しかし「小売業(ガソリンスタンド)」で登録されており、還元率も5%でなくチェーン店用の2%なのは、ガソリンスタンドとしての登録なんだろう。だけど「エネオス」の名前は出てこないのは分かりにくい。

セブンに話を戻して。
詳細情報の下「決済手段」のところに、nanacoのロゴが出ている。セブンの電子マネーがnanacoなのだから当然(セブンペイは大失敗だったし)。
だけどセブン-イレブンでは、他の電子マネーやクレジットカード、コード決済も使える。だったら、それらのロゴもないといけないのでは?
次に指摘したいのは、決済手段の表示方法のおかしさ。

1駅北隣に、同時期にオープンしたセブン-イレブン(どちらも元サンクスで、経営者が同じなのか)があり、掲載されていた。
セブン-イレブン弘前弘高下店
こちらはnanacoのロゴがなく、楽天Edyのロゴだけ。
セブンでnanacoが対象外ということはあり得ないから、明らかに間違い。
セブン-イレブン以外の店でも、ここにロゴが1つしか表示されないことが多い(クレジットや交通系電子マネーの時だけはズラッと並ぶようだけど)ので、何らかの不具合が生じている。

弘前市桔梗野
4つのマーカー。いちばん下のはセブン-イレブン(nanacoが表示)。
右側のマーカーの箇所には、Googleマップの元々の表示で「佐藤長 本社事務所」とある。地元スーパーマーケットである。そこをクリックすると、
「スーパーさとちょう桔梗野店」
ひとまず置いて。
いちばん左のマーカーはTSUTAYAの上。
左から2つめのマーカーは、地図に「スーパー佐藤長 樹木店」とある?

佐藤長樹木店やTSUTAYAがあるところは、2017年にできたショッピングモール。
すぐ近くにあった佐藤長桔梗野店を閉店・移転して、佐藤長樹木店を新規開店させた形。やめた桔梗野店の跡に、本社が移転してきたようだ。
となると、2019年に始まったこの事業で、2017年になくなった店を申請するということ自体があり得ない。これは佐藤長側の手続きミス?

佐藤長樹木店のマーカーをクリックすると。
「佐藤長樹木店」表記揺れは別として予想通り
電話番号が旧桔梗野店と樹木店で同じなのは、経緯を踏まえれば納得。
決済手段は、桔梗野店がJ-Debitだったのに、これは各種クレジット/デビット。

では左のマーカーはTSUTAYAかと思いきや、
またもや佐藤長樹木店?!
こちらは決済手段がiD。決済手段ごとに複数登録して(されて)しまったのか?【24日追記】どうもこれが正しい挙動らしく、複数の決済手段に対応した店では、1つの店にたくさんのマーカーが立つらしい。決済手段で絞り込んで使えということかもしれないが、なんだかなあ…

さらに別の場所の佐藤長松森町店は、
決済手段WAON?????
イオングループとは一切関係がなく、どこのチェーンとも無関係の独立したスーパーであるはずの佐藤長で、同業他社であるWAONが使えるの?
昨年の時点では、佐藤長でクレジットは使えたけれど、電子マネーは何も使えなかったはず。その後、対応したにしてもWAONまでは…
【25日追記】コメント欄でも教えていただいたように、店舗の系列に関わらず、多用な電子マネーを一括で使えるようにするシステムがあるらしい。秋田市のスーパー「マルダイ」でも、WAONとnanacoを含む多くの電子マネーが使えるとの張り紙が出ていた。衝撃的なような複雑な心境のような… ということで、佐藤長にWAONロゴが表示されること自体はおかしくはないのかもしれない。でも、WAON1種だけ、チェーン内の他店舗と統一されていない点では、おかしいし理解しにくい、というか理解できない。

あと、佐藤長でも弘前駅東西の城東店とヒロロ店は、地図上に表示されない。
コンビニとは違って、本社で全店舗一括申請しているだろうに。位置が大きくズレているのかもしれないけれど。


以上、ともかく分かりづらい、使いづらい、間違いもある、キャッシュレス還元検索地図である。
ネット上では6000ページのPDFという強烈なものが解消されたとして、地図を歓迎する向きもあるようだが、こんな状況では、むしろ6000ページのほうがマシかもしれない。探し出しさえすれば、その1行にすべての情報があるのだから。

本事業の問い合わせは、事業者、消費者それぞれ向けにコールセンターがあるが、平日のみ対応。メール等はなさそう(経産省に送ればいいか)。
20日に公開して、翌日から3連休だったから、明日はどうなるだろう。ひとごとながら気が重くなる。
個人的には東北観光博の自動翻訳による誤訳騒動の二の舞になりそうな予感がしてしまう。

【10月5日追記】税率が上がった直後では、マップ以前に軽減税率そのもの、あるいはキャッシュレス決済そのものが、慣れなくて分かりづらいということが取り沙汰された。一方、増税直後1週間の時点で、この記事に常にアクセスが多く、マップについて気になる人が多いことを意味するだろう。
4日には経済産業省キャッシュレス推進室から「キャッシュレス・ポイント還元事業に関する今後の対応について」が出され、マスコミでも多少取り上げられた。この記事で指摘したことのいくつかは、経産省側もおかしいと認識はしているようで、「(位置など)店舗情報が誤って表示 ・登録される例」は10月中旬、「同一店舗であるにもかかわらず 複数のピンが表示 される例」は11月中旬をそれぞれめどに修正するとのこと。位置の誤りは「決済事業者による入力ミスにより」だそうで、各決済手段の運営会社(カード会社等)の間違いということらしい。

【10月23日追記・画像追加】その後、基本的には変化なし。佐藤養助湯沢店は、まだ秋田市大町にある。弘前市では、
紀伊國屋書店弘前店(ピン・支払手段としては2つ表示される)
今年5月6日で閉店したのに、なぜかキャッシュレス還元対象。(紀伊國屋書店は資本金3600万円なので対象ではある。)
佐藤長の閉鎖店舗と同じく、申請時点で既にない店が、どうして対象となってしまうのだろう。まったく理解できないし、さらに分かりづらくさせている。

【12月4日追記】久々に12月4日に地図を見ると、ついに画面左上に「MAP移動」という検索窓が装備された。「郵便番号・住所を入力」と表示されるが、通常のGoogleマップ検索と同じく、ランドマークや店舗名を入れても、おおむね正確に検索する。この点はどうしてこんなに時間がかかったのか理解し難いが、やっと普通並みになったと言える。
佐藤養助湯沢店や紀伊國屋書店弘前店は相変わらずそのままだし、1つの店に複数のピンが立つ問題もまだまだ多い。続きはこちら
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秋田駅に自動精算機

2019-09-21 20:05:21 | 秋田のいろいろ
今月、JR東日本秋田支社(仙台支社や新潟支社でも同様らしい)では、一部無人駅に設置していた簡易式自動精算機を、駅員のいる駅と同型に更新するか、廃止してその機械をそのまま乗車駅証明書発行機に転用するか、どちらの対応を進めている。
消費税率引き上げの準備が理由の1つなのは分かるが、どちらも驚いた。後者については、ただの駅名や発券日時を記しただけの紙を出すのに、磁気情報を記録できるきっぷ用紙を使うなど無駄が多いのではないかと、疑問を感じていた。
今度は秋田駅に、驚くべきものが登場した。

秋田駅の在来線改札内・中央改札口を入ってすぐの左への曲がり角にあった、駅弁の「橋上売店」が、今年春に閉店した。
その後しばらく、店だった「箱」は残っていた(この記事後半)が、お盆明け頃には撤去されて、壁が姿を現したが、ベニヤ板やシートで覆われていた。現在の秋田杉材の壁面装飾は後付けで、その設置時に売店も新しくなっていたので、撤去後の壁の再装飾が必要なのかなとと思っていた。
9月7日
今になってよく見れば、駅弁屋よりも改札口寄り、前から装飾壁だった部分も、白くなっている。
なお、関係ないと思うが、この向かいの5・6番ホームから上ってくるエスカレーターの交換工事も、同時期に行われていた。

今週中頃までには、既にこうなっていたようだが、今日時点では、
全面が杉材で覆われた
新しい部分は杉材の色合いが違い、既存部分と凹凸がずれている。

その中に、縦長にへこんだ部分があり、黄色いものが収まっていた。
これって!!!(上にやけに余白があるような…)
まだ「調整中」だけど、
「のりこし精算機」が1台設置された!
「のりこし精算機」または「自動精算機」とは、所持している乗車券類の区間を越えて、その駅で下車しようとする時、そのきっぷを挿入すると不足額が表示され、その額を投入すると「精算済み」の券が出てきて、それを自動改札機に入れれば出られるという仕組み。(←やけに「その」が多い説明)
精算窓口(有人通路)を通らずに済み、車内で車掌に頼まなくてもいい。

これまで地方の駅では、自動改札機が増えても、自動精算機は広まっていなかったと思う。僕も首都圏で2~3度しか使ったことがなく、なじみがない機械であった。
地方では、途中で気が変わって秋田駅までに変更しようなどと思う人も少なそうで、目的地まできっぷを買うことがほとんどだろう。だから、地方にはそぐわないものかと思っていた。

一方、秋田駅や弘前駅のような大きな駅に普通列車が到着した直後は、有人通路に行列ができることがある。
これは、青春18きっぷや車掌から買ったペラペラのきっぷなど、自動改札機を通れない乗車券を持つ人が降りるためもあるが、特にワンマン列車では、券売機のない無人駅から乗った人が精算(この場合は運賃全額の支払い)をするため。
おつりのやり取りだけでなく、入金をレジスターに打ち込まないといけない決まりらしく、自動改札機ですいすい抜けていく人を横目に、数分も待たされることがある。

でも、このことは、自動精算機では解決しないか…と思ったら、たぶんそうじゃない。以下、推測です。
簡易型券売機を転用した発券機から出てくる乗車駅証明書には、乗車駅の磁気データが書き込まれているのではないだろうか。
その証明書をこの精算機に入れれば、精算を済ませることが可能ではないだろうか。

行列はできてしまうにしても、多少はスムーズになるだろう。JR東日本側としては、接客も現金管理も機械任せで、とても楽になるし。
そうだとすれば、新型に更新せずに券売機を廃止した駅が複数あり、そこでは無駄に見えた大げさな乗車駅証明書発行機になったことも、筋が通りそう。「大人/こども」の区分があったのも説明が付く。
仙台支社・新潟支社の大きい駅では、既に精算機があるから、その設備投資はいらないし。


そうだとしても、元券売機の乗車駅証明書発行機のある駅はいいけれど、以前から使われる白い感熱紙の乗車駅証明書やワンマン列車内の整理券を取った人は、精算機の恩恵にあずかれない。
それらも機器更新するのか? 磁気情報を書き込める整理券なんてあるだろうか。だったらSuica導入のほうが手っ取り早い?

また、のりこし精算機導入で業務の効率化になったとしても、秋田駅では中央改札口だけの話。
中央改札以外の駅ビルの2つの改札口は、下車客の動線として精算機は使えないから、引き続き人手による精算だろう。この改札口は、自動改札機がなく、業務は子会社委託。子会社の人たちは楽にならない。JR本体だけ楽してるようにも感じてしまう。


秋田駅に設置された自動精算機は、透明フィルムがかかっていたようなので、中古品などでなく新品。
右上の使用できるカード類の表示は、「オレンジカード」のみでICカードマークはなし。
ただ、Suicaエリアと機種は同じようだし、調整すればICカードに対応させられるだろう。エリア内ではこの機械でICカードへのチャージもできる。
Suica導入へ向けて、着々と準備が進んでいるということではないかと、期待しておきたい。
くぼんでいて目立たないけど、後で看板が付くかな
まずは、長らく有人通路での支払いに慣れた乗客を、うまく精算機に誘導してほしい。

※その後、10月5日には精算機が稼働しているのを確認。「精算機」の表示が付いたが、学校の教室のクラス名表示板のような小さいもの。10月14日に見ると、表示版がピクトグラム・多言語表示のものに変わっていたが、まだ目立つとは言い難い。また、本文の通りボディにはオレンジカードが使えるマークがあるが、稼働後の画面には「現在オレンジカードは使えません」と表示。この記事参照。
2023年秋頃に、新しい精算機に更新された
コメント (8)
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2019.10バスダイヤ改正

2019-09-19 20:53:34 | 秋田のいろいろ
今年も10月1日に、秋田中央交通の秋田市内の路線バスダイヤ改正が実施される。9月18日付で変更点を朱書きしたダイヤが公式サイトに掲載されたので、ざっと見てみた。※昨2018年改正
最初に簡単にまとめておくと、多くの路線で時刻移動や少数の減便が生じる。最終便の繰り上げもあるので、要確認。
神田方面で変更が多そうな予感がしたが、秋田駅~外旭川の間では思ったほどではない。その他、臨海営業所担当路線では大きな変更は少ない。
一方、秋田営業所(大川反)担当路線の中には、大規模な変更もある。土日の寺内の旧国道を通る3路線(通町将軍野、県庁土崎、県庁サンパーク)や手形山団地線では、大幅減便と全面改訂を実施。東口発の日赤・御所野方面も土日の時刻が全部移動(本数は微減)する。

今年は、消費税増税に伴う運賃変更も同日実施。初乗り170円から260円区間はすえおきで、それ以上の区間が値上げ。
また、詳しく取り上げず、直接の関係もないが、秋田市の北側の市町村での路線バス再編も行われる。八郎潟町・五城目町・大潟村では、3町村共同のコミュニティーバスが運行開始され、中央交通直営の八郎潟駅-五城目バスターミナル間の路線も一体的に再編。別に潟上市でも一部試験運行などコミュニティーバスが変わる。

ダイヤの前に、それ以外の変更点。
柳原(卸センター入口・国道13号)経由路線の秋田駅西口乗り場変更【2020年3月28日訂正・変更前後の乗り場を逆に表記してしまっていた箇所があったので、訂正します。】
柳原経由御野場団地線と大住みなみ野団地線が、913番から1本隣の列の同じ位置、いちばん隅の139番へ。
牛島方面各路線は、現在はほぼすべて9番。13番は、桜ガ丘線、南大通り経由日赤病院線(元は牛島経由の1つ)、楢山大回り線、さらに春に廃止された雄和線と、本数の少ない路線の寄せ集めのような乗り場だった。
待ち客が分散されるし、現状では旧道と13号経由で区別するというのも、ひとつの方法だろう。。
ただし、牛島経由・柳原経由どちらでもいい人は、両方を見極めないとならないし、引き続き、柳原経由でも新屋線は7番。

市営バスがなくなり、中央交通でも本数が激減した今、13も乗り場あるのは多すぎる。乗り場を減らし、ゆとりある分かりやすい乗り場にすることもできると思う。
【2020年3月28日追記】改正後の13番は、牛島の旧道を通る全路線となった。ほかには、平日1本だけの茨島(卸町)回り茨島環状線が入る。環状線は旧道には入らず、途中まで柳原経由と同経路なのだから、これも9番へ移すべきだと思う。


「上北手保育園入口」バス停廃止
遊学舎前と日赤病院前の間のバス停。西口発着南大通り経由日赤病院線と東口発広面御所野線が停まる。
上北手小学校方面の集落を抜ける旧道との分岐付近にあるバス停で、そちら方面の乗客には便利なバス停だと思っていた。
前後のバス停との間隔は狭すぎるというほどでもなく、遊学舎だとちょっと歩くし、日赤だと病院の敷地内に入ってしまうし。


12月30日も年末年始特別ダイヤ適用(明確に告知されていない)
年末年始のバスダイヤは、土日祝日ダイヤを適用する日と、土日祝の中に「□」印を付けた便を運休してさらに減らす特別ダイヤで運休する日があった。
特別ダイヤは、当初は12月31日から1月2日まで、後に1月3日までに拡大されていた。※過去の記事

今年からは、12月30日も特別ダイヤになり、12月30日から1月3日となる。12月29日だけが□も運行する土日祝ダイヤということか?
今年(昨年のダイヤ改正時にひっそりと表記変更)からお盆の土日祝ダイヤ適用も8月16日に1日拡大されている。


ここから本題。
※以下、減便されるものを中心に具体的に変更点を示します。そのほかにも、数分~15分程度の時刻の移動、あるいは数十分単位での最終便の繰り上げが、多くの路線で実施されます。
※以下の路線名やバス停名は、略したり公式発表とは異なる呼称を用いたりするものがあります。「土日祝」ダイヤについては「土日」と表記します。
※見落とし、見間違い、勘違いがあるかもしれません。利用する際は、各自公式な情報で確認をお願いします。

●廃止路線系統
今春の時点で明らかになっていたので、ここでは簡単に。
神田線の外旭川市営住宅~県庁~臨海営業所の系統は、廃止でなく経路変更に変わったという話も最近になって出てきた(案内所で配布した紙において)が、結局は廃止のようだ。まぎらわしい。
主要なところでは、下北手線の廃止・大学病院起点のマイタウンバス化、神田線の外旭川地区旧道(笹岡入口・神田)経由の全廃・全便天徳寺バイパス経由化など。


●その他各路線の変更点
○新国道・土崎方面
・五城目線
平日・土日とも 秋田駅始発とその折返し1往復を減便。平日11往復、土日6往復。秋田発始発は平日8:45、土日9:20に。
減便は、
平日 秋田駅西口6:50(五城目8:05)→五城目バスターミナル(始発から4本目)9:20(秋田駅10:36)
土日 秋田駅6:50→五城目(2本目)8:47(秋田駅10:03)
→五城目線は原則として五城目営業所が担当しているが、平日2往復、土日1往復だけは臨海営業所担当。減便されるのが臨海担当なので、今後は平日昼の1往復だけが臨海持ち。

・追分線(天王グリーンランド着発)
秋田西高校前経由グリーンランド着発の102系統を廃止、経由しない天王グリーンランド着発に振り替え。
西高経由は、平日・土日とも7時台(始発)下り1本、16時台上り1本だった。

・新国道(飯田街道・秋田高専前)経由秋田厚生医療センター線
平日下り西口18:20(最終)を減便。平日6往復、土日5往復に。

・新国道経由土崎線(飯島北着発)
平日 西口16:00土崎駅止まり、16:35飯島北行き/飯島北12:30、17:35、土崎駅16:45 を減便。
7時台1本を飯島北から土崎駅始発に短縮、北部市民サービスセンター経由のうち2本を経由なし。
→高校生などの帰宅が多そうな駅発16時台は、現行5本(+新港線1本)から2本減ってしまう。
土日 西口13:40土崎駅止まり、19:50飯島北行き/土崎駅19:35 を減便。

・新国道経由セリオン線 平日 セリオン10:52発減便。

○寺内・土崎方面
県庁・寺内経由土崎線(飯島北着発)
平日 西口9、14時台とその折返し飯島北10、15時台を減便。1時間ごとでなくなる。
土日 全面改訂
現行は7時から18時まで、下りは西口毎時05分発12本(うち4本土崎駅止まり)、上りは13本(土崎駅始発4本)。
改正後は8往復(うち土崎駅止まり1往復)に。西口発8、11、15、18時台を減。ほぼ1時間半に1本。

通町・寺内経由将軍野線(市民生協入口着発)
平日 西口19:55(最終の1本前)、市民生協入口19:20(最終)減便。上り最終は18:30に。
土日 全面改訂
現行は西口毎時40分(朝は45分)発で13本、市民生協入口が毎時35分発で12本。
改正後は下り8本、上り7本に。西口発7、9、12、14、17時台を減。ほぼ1時間半に1本。

県庁・寺内経由将軍野サンパーク線(秋田厚生医療センター着発)
平日 西口20:20、医療センター19:45の上下最終を減便。改正後は19:50、18:40が最終。
土日 全面改訂
現行は西口毎時20分発で14本、医療センターは毎時10分発で13本。
改正後は下り9本、上り8本に。7、10、13、16、20時台を減。ほぼ1時間半に1本。

上記、旧国道3路線の土日は、これまでは各路線毎時1本ずつ・合わせて毎時3本だった。
それが、それぞれで3割強減便され、(1時間半間隔ということもあり)時刻も不統一。
ただし、3路線とも通る、寺内地区の面影橋-秋田城跡歴史資料館前では、駅発は土崎線→サンパーク→通町の順で、ほぼ30分に1本の間隔で設定されているようだ。
7:30土、8:00サ、8:30通、9:00土、9:30サ、10:00通、10:30土、11:10サ、11:40通、12:05土、…のように。

○土崎・秋田厚生医療センター線(旧・神田土崎線の土崎駅-医療センター系統)
平日 土崎駅11:35→医療センター11:47の1往復減。
これまでは神田土崎線の1系統という扱いだったが、秋田駅西口発着系統(201系統・元祖神田線)がなくなったためか、もう「神田」とは呼ばなくなったみたい。でも系統番号は神田線系統でトップの200なんだよね…

○泉ハイタウン線 土日 西口17:15→泉北二丁目17:30の1往復減。

○添川線
土日 西口18:00、蓬田上丁16:50の上下最終1往復減。最終は下り17:20、上り16:25。5往復に。
平日・土日とも 上りは全便で時刻移動。蓬田上丁→天徳寺前の所要時間+2分(その他の時刻変更もあり)。

○神田旭野団地線
平日 西口発8:00、13:30、19:40、外旭川市営住宅始発6:57を減。【朝の上りは翌2020年改正で復活を遂げた。末尾のリンク先参照】
土日 西口14:40、19:30、医療センター8:56、15:29を減。
→現在の駅発着旧道経由は平日(土崎駅系統1往復を含む)下り9本、上り7本、土日下り7本、上り5本。それと比べると減便は少なく済んで、バイパスへ振り替えられた。

○手形・大学病院方面
・太平線(車庫-秋田駅西口-大学病院-岩見三内)
平日 下り12、18(最終)時台、上り14時台減便。上り最終は17時台。6往復に。
→16時前後の下りは40分繰り上がる。帰宅への影響は?
土日 上下最終17時台1往復減。最終は西口16:10、岩見三内14:33。下り4本、上り3本に。
下り始発1本、上りの2本(2本目・最終)を県庁経由から長崎屋バスターミナル経由に。これで全便長崎屋経由に統一。

・松崎団地線
平日 上り最終18:30減、上り松崎発9:00を新設。最終は16:00に。

・赤沼線(車庫-秋田駅西口-手形山崎-大学病院-秋田駅東口)
平日 車庫発10:23、東口13:25を減。
土日 車庫発5本、東口発4本を減。車庫発10本、東口発9本に。最終は上下とも20時台から19時台に。

手形山団地線(手形山崎・秋田大学前経由大学病院着発)
平日 13~16時台と上り最終19:20の下り3本、上り4本減。上り最終は19:00、下りも21:30から21:05に移動。
大川反車庫発県庁・西口経由のうち2本を西口発に短縮。車庫発着は下り6本、上り4本に。
土日 全面改訂
現行は、下り7:30~20:10に21本(うち手形山西町経由8本)。上り6:50~19:00に20本(西町5本)と毎時ほぼ2本。
改正後は、下り7:25~19:40・13本(西町3本)、上り6:50~18:00・12本(西町3本)。
大川反車庫発着県庁・西口経由が6往復あったのが、すべて西口発着に短縮。
→旧国道同様、こちらも3割強の削減。それでも毎時ほぼ1本で、「多い」とするべきか。

○手形からみでん・秋田温泉方面
・仁別リゾート公園線
平日・土日とも 朝の上り始発から2本、夜の下り最終1本を、中島橋-クアドーム・ザ・ブーン間を短縮し、中島橋着発に。
→以前は12月1日から3月31日まで、同様に中島橋便があったようで、その復活?
中島橋止まりでも系統番号は変わらないの?

また、今回から、12月から3月まで旧道「釣りセンター前」を通らず、バイパス経由として臨時停留所を設けるようだ。

・秋田温泉線
平日 下り始発に加え、その次の便も、(東中学校前・手形田中【22日訂正・バス停名は「田中入口」】経由でなく)秋田大学前・秋田高校入口経由に。
秋田高校入口経由は西口発7:25と8:00の2本となり、東中経由は8:40から。
→秋高入口経由は、市営バス時代はもっと本数が多かった。秋田高校への通学用ということだと思うが、近くの野球場のところに手形山団地線・大松沢停留所があり、そっちで充分な感じも(そもそも帰宅用の秋高入口経由駅行きはない)するのだが、増便するだけの需要があるのだろうか。
上り 蓬田上丁7:20発直通(=駅西口経由せず)県庁・臨海営業所行きを、7:15発西口経由臨海行きに。直通便は7:40発(現・7:45)のみに。
8:00発西口経由臨海行きは西口止まりに。これにより、臨海行きは2本、臨海発は1本(17:15)。

○秋田駅東口発着
・広面御所野線(日赤病院経由) 時刻移動多し
土日 東口発が毎時00分原則だったのが15分に。中央シルバーエリア発も55分から15分に。
1時間に2本あった下り17時台、上り8時台を1本ずつ減便。15往復に。

・桜ガ丘線(横森経由)
平日 下り東口14、16、19時台、上り15、16時台を減。10往復(うち1往復は秋田駅を通らない県庁経由車庫行き)に。
→下り14、16時台は毎時2本あった片方の廃止だが、19時台は1本だけだった。18:30の次が20:00(最終)と間隔が開く。
土日 下り19:15、上り7:00(始発)、16:50を減。8往復に、上り始発は7:30。

○有楽町・牛島方面
・牛島(旧道)経由御野場団地線
土日 下り9時台、上り6:30(始発)、12:50を減。下り7本、上り8本に。
→上り始発は御野場発7:00になり、これが牛島経由全路線でいちばん早い便。

・柳原(国道13号)経由御野場団地線
土日 西口13:30→御野場14:00を減。12時前後、16時前後の2往復に。

・大住・みなみ野団地線 今年春にも短縮・減便を実施
平日 上り15:14減・11:30新設
その他上りで30分程度の時刻移動数本。→回送の都合?
土日 上り始発19:30減。最終は17:30に。

・仁井田・御所野線(車庫発着西口・牛島・御野場経由)
土日 下り車庫6:35(始発・西口7:00)、上り8:05(始発)を減。14往復に。始発は車庫7:33、御所野8:50。
→車庫6:35(西口7:00)は、牛島方面全体での始発だった。今後は車庫7:03(西口7:30)の牛島経由御野場が始発に。
【29日追記】コメントで教えていただいたように、土日の下り最終便(路線だけでなく有楽町・牛島方面全体の最終)が20分遅くなり、秋田駅西口で21:30分発(なお平日は21:35)。臨海営業所の新屋方面などは軒並み、10分前後の幅で繰り上げられるのと対照的。

○新屋・割山方面
・川尻・割山線
平日 上り南浜町7:15発船場町経由、8:40発県庁経由を減。
→上りの県庁経由は7:35発だけ(下りは3本)に。
現行は、南浜町発8:20船場町経由、8:30商業経由、8:40県庁経由、8:55船場町経由と各経由がかわりばんこに出ていた。通勤通学が終わったこの時間の県庁経由に需要はあったのだろうか、市立病院も通らないし。
土日 上り16:10船場町経由、18:15商業経由、下り17:05船場町経由を減。

・新屋線
平日 西口発10~15時の毎時00分発を5分繰り上げ。駅発は55分と25分が多くなる(例外もある)。
土日 西口発9:00、19:40、新屋発18:40を減。

・県庁経由新屋西線 土日 西口19:50を減。

○県立プール線
土日 上り始発10:00を減。始発は11:00に。

○泉・八橋環状線
平日のみ運行 八橋回り10:40、泉回り11:25を減便。
残るのは八橋回り14:20、17:15、泉回り7:15、13:40の2本ずつに。
→泉山王環状線などを再編して、2016年に運行が始まったこの路線。
当初は八橋回り夕、泉回り朝の1本ずつで運行が始まり、翌2017年には2本ずつ増便されて3本体制になっていた。その増便されたうちの1本ずつが減らされることになる。
旧・泉山王環状線では、本数が多かった市営バス時代のからの“伝統”なのか、午前は泉回りのみ、午後は山王回りのみと、時間帯によって方向が偏っていた。
それが泉八橋環状線でも受け継がれたが、2017年の増便時に、それを打ち破るかのように午前の八橋回り・午後の泉回りが1本ずつ登場していた。2019年で午前の八橋回りは消えてしまう。
逆に言えば、午後の泉回りは、設定した意義があるということかな? この便を、たまに見かけることがあるけれど、乗客はゼロ~5人程度じゃないだろうか(既存路線と重複区間での乗降かもしれない)。【午後の泉回りも2020年で廃止されてしまった。末尾のリンク先参照】
ついでに八橋回りの17:15。8月に泉地区で乗る機会があった。山王・八橋方面からの乗客であろう10人程度の人が泉地区で降車しており、なかなかの利用。でも相変わらず10分以上遅れるのは、何とかするべきではないでしょうか(今改正でも変わらず)。


以上。
今回の改正では、秋田駅と土崎駅を結ぶ“元祖”神田線である神田土崎線の廃止と、神田線の由来である旧道の「神田」を通る神田線がなくなるのが、個人的には大きなできごとだと思っていた。※神田線の変化については続きます。
(再掲)市営バス時代の神田下り神田バス停。移管後に美短入口のお古になった
中央交通では、太平線にも「神田」バス停が存在する。現在のサイトの時刻検索では「神田(外旭川)」「神田(太平)」と区別されている。
外旭川の神田も、秋田市運行のマイタウン・バス北部線 笹岡コース(キングタクシーが運行)用としては存続する。神田線との乗り継ぎ利用はとても少ないようで、バイパスへ移らないようだ。

しかし、詳細を知ると、心づもりがあったせいと減便がさほどでもなかった神田線よりも、土日だけとはいえ旧国道の大幅減のほうが、唐突で衝撃だった。
昔は寺内経由土崎線だけでも、毎時3本もあったのを思えば…
ただ、一般的に平日ダイヤより土日ダイヤのほうが便数が少ないものだが、今の旧国道ではほぼ同数(平日が大幅に減らされたのだけど)。寺内地区は坂も多いし、高齢者も多く、バス需要は多そうなものだけど、実際のところ土日の昼間などガラガラで走っていることが多かった。減らされて当然なのかもしれない。【22日補足・ショッピングモールのある旧国道の「帝石前」での乗降は、寺内方面の高齢者を中心に一定数あるが、旧国道区間対秋田駅方向との利用は思ったより少ない。】

次のダイヤ改正では、どの路線がどうなる(減らされる)か、ちょっと怖い。
2021年春には泉・外旭川新駅が開業し、バスも乗り入れることになっている。次のバスのダイヤ改正は、実施時期など変則的になるかもしれない。
※結局、2020年も10月に改正が行われた
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上飯島駅・更新されなかった券売機

2019-09-18 00:21:38 | 秋田のいろいろ
JR東日本秋田支社管内の無人駅の券売機が新しくされた続き。今回は、更新されなかったほうについて。

上飯島駅は、複線の線路上にあるので、上りと下りでホームが分かれている。
それはいいとして、その上下のホームが(車も通る)公道の踏切を挟んだあっち側とこっち側に離れて、互い違い(?)に存在するという、少々変わった構造。だから、自動券売機がそれぞれに設置されていた。
前回の券売機が更新されたのは、秋田方面上り側。

ここで券売機のことから離れて、上下ホームの位置関係・アクセスを紹介。
国道7号と奥羽本線が南北方向に並行していて、そこから東へ向かう黒川街道踏切があるという配置。踏切の北・国道側が下り。上りは踏切の南、狭い道側。
上り側ホームは、アクセスが分かりづらい。踏切からホームは見えるのだが、線路沿いの道はないので、どこから行けばいいのか、初めての人には分からないことだろう。
踏切から上りホーム(赤い↓)を見る

国道側から踏切を渡ると、道は左右に分かれる。右側の道へ入ったところに、
 擬木の標柱がある
「上飯島駅入口 上り方面」という標柱のみが目印。「JR」とはひとこともないから、秋田市とか(あるいは地域の有志とか?)が昔に設置したのだろうか。
【11月3日補足・標柱には表示面が3面あり、道路向きの2面は写真の駅を示すもの。線路向きの面には「ご利用ありがとうございました」と書かれてあったが、文字の色は抜けかけていた。】

そこから線路に向かって通路が延びているが、ホームは直接見えない。標柱がなければ、民家敷地へ続く行き止まり通路かと思ってしまう。
通路は線路の柵に突き当たって左へ折れると、
上りホーム
すぐにはホームへ上がれず、しばらくホームと並行に進んで、階段でホームにたどりつく。ホームは長いが、2両編成の列車だとこの階段より秋田寄りに停まる【20日補足・ワンマンの乗車口は、待合室のすぐ秋田寄りの屋根が深くなっているところ。ワンマンではこのドアからしか乗車できないので注意】。

踏切と上りホームの間は、見かけより距離がある。国道側から上りに乗車しようと列車到着ギリギリに来て、踏切で引っかかってしまうと、その列車には乗れない可能性が高い。


青森・男鹿方面下り側。
左が国道でガソリンスタンドがある
踏切のすぐ横・ガソリンスタンドと線路の間に、やはり狭い通路があり、そこが下りホーム入口。表示はないけれど、感覚的・方向的には分かりやすいかな。
通路を進むと、
ファミマの案内の先に、下りホームが見える
ガソリンスタンドの隣はファミリーマートで、その駐車場からも下りホームにアクセスできる。
下りホーム
上りと同じく、少し進んで階段でホームに上がる。階段のすぐ横がファミマ。

上飯島駅にはトイレがないが、実質的にはファミマが代用になるだろう。
秋田地区では、小さい駅でもわりと積極的に設置されている、JR東日本系列の飲料自販機「acure」がないのは珍しい。上り側なんて、あればけっこう売れると思うけど…
それと「上り/下りホームは、踏切を渡った右側です」みたいな、反対側のホームを案内する表示があってもいいだろう。立地上、不慣れな乗客というのがほとんどいない駅ではあるけれど、一見さんには分かりづらい構造なのだから。

下りホームにも、上りと同じように電話ボックス風の構造物の中に、簡易券売機が設置されていた。
あれ? 今も稼働してる??
「きっぷうりば」の文字が消されていないし、中に機械が置いてあるし…
これは何???

見た時、この機械の正体が理解できなかった。なにか作りが不自然にも見える。
目に入ったのが、上部の地図式運賃表。簡易式券売機の時もこれが出ていたはずだし、機械の形状(シルエット)も以前と同じような気がする。
じゃあこっち側は、引き続き簡易式を使うの???

次に目に入ったのが、地図の下の「大人/こども」の大きな文字。前はずらりと並んでいた、運賃の押しボタンはなくなっている。
大昔の国鉄時代の券売機は、「こども」と書かれたちょうつがいの付いたフタをめくり上げると、中にボタンが隠れているという構造だったのを連想してしまった。
これはめくる構造にはなっていなそうだが、おとな/こどもの横に押しボタンがある。
つい、条件反射のように大人側を押してしまった。(上の写真は押した後)
すると、下からきっぷのようなものが出てしまった。お金を入れてないのに。
無駄なことをしてしまいました
出てきたのはエドモンソン券(近距離きっぷ)サイズ・用紙の「乗車駅証明書」。
同じような勘違いをしてしまったのか、防犯フックのところに3枚ほど、証明書が放置されていた。

乗車駅証明書は、きっぷを買わず/買えずに乗車する時に、乗った駅を示すもの。車内や駅で提出して、運賃を支払うことになる。※ワンマン列車の場合は、車内の整理券でも代用できる。
秋田地区では、乗車駅証明書をそれほど重要視していないようで、口頭で乗車駅を申告しても対応してくれるはずだし、あらかじめきっぷ類を所持している客は証明書を取っても意味がない。

この機械は、乗車駅証明書発行機だったのだ。よく見れば地図の上にそう書いてある。
ちょっと待って。
これまで秋田支社管内で見られた乗車証明書発行機は、もっとずっとコンパクトでオレンジ色のボディ。出てくる証明書も、白い無地の感熱紙に印字される。列車やバスの車内にある整理券発行機と酷似した装置。

ところが、これはやたらと巨大なボディで、きっぷと同じ地紋入りで裏面に磁気情報を記録できる用紙に印字、それにあたかも現金を扱うかのような厳重な防犯装置も装備されている(下に「防犯装置付」と書いている)。ここで運賃を支払わないのに運賃表があるのは、親切とも言えるが、券売機かと誤解を招く。
これって…
以前の簡易券売機を改造、というよりもボタンや紙幣硬貨投入口や釣り銭放出口を隠して&表示を変えて、乗車駅証明書発行専用機に改装したものだ。

券売機時代から、お金を入れなくてもボタンを押すだけで証明書が出てくる機能はあったはずだし、今2つだけ見えているボタンは券売機時代のボタンそのものだ。
ただし、以前の証明書発券ボタンは、いちばん右下だったはずだし、そもそも1つしかなかったはずで、ボタンの位置(割り当て)は変更されている。
券売機の機能をしぼりこんだわけだが、有効活用というより、贅沢というか無駄に思う。
本来の整理券タイプの証明書発行機と比べて、用紙は高いのは確実だし、消費電力も多そう(ボックスの照明代もかかる)。ランニングコストは悪いに違いない。

あと、よく分からないのが、乗車駅証明書におとな/こどもの区別があること。これまでの証明書では区別なかったのに。
車内や駅で精算する時、その証明書を持っている人がおとなかこどもか、見て判断するなり本人が申告するなりすればいい話なのでは?(トラブル回避にはなるか)
これがまぎらわしさを助長している。

上飯島駅から下り列車に乗車する人は、上り列車よりずっと少ない。だから下りホームに新しい券売機を置くには割りが合わないし、券売機能を廃止すれば現金の管理が不要になって、維持管理が楽になるというメリットだけのことだと思う。
ちょっと期待すれば、Suica導入が近く、券売機の利用がさらに減ることを見越しているのかも。
【21日追記】上記は全体像を知らない者の邪推だったようだ。秋田駅にとある機械が設置されたことで、磁気データ付き用紙であること、大人こどもの区別があることの説明が付きそうだ。上飯島駅下りホームの場合、秋田駅とは逆方向になってしまうけど、全体的に考えれば。

上りホーム券売機付近から踏切越しに下りホームを見る。701系が停車中。標準レンズの写真ではかなり遠く見える
なお、上りホーム側の券売機で乗車券を購入して、それで下り列車に乗ることは可能だろう。上りホームの券売機から出てくるきっぷは、上り方面専用ということではないはずだから。【20日補足・掲出された地図式運賃表も、上下両方向を示している。】
ただ、上記の通り、離れていて間に踏切もあるので、時間には余裕を持って。


前回も少し触れたが、JR東日本の簡易型券売機は「高見沢サイバネティックス」というメーカーのものが多いらしい。富士電機・富士通と資本関係がある企業。
形状からして上飯島駅下りホームのは「ULCV-7000」シリーズっぽい。
ネット上の情報では、出戸浜駅のは「ULCV-7011」という機種で、試験設置だったとか。さらにそれも、同じように乗車駅証明書専用に改装された。
仙台支社や新潟支社管内でも、同一の改造が行われているようだ。ただし、運賃表は掲出していない。
【18日補足】更新された四ツ小屋駅の旧券売機は、前面が完全に平らで、ボタンの並びも違い、よりコンパクトに見える別の機種。メーカーも違うかもしれない(ワンマン機器でおなじみのレシップ製との情報もある)。

【18日追記】改装された乗車駅証明書発行機では、英語もきちんと表示している。乗車駅証明書の英訳は「BOARDING TICKET」。
昨夏気が付いた、JR東日本仙台支社の車内に設置された整理券発行機では「Boarding Vouchers」となっていた。整理券と乗車駅証明書、日本語としては違うが、目的は同一だから英訳は同じでいいはず。ところが、整理券は製造元のレシップによる表示かと思うが、JR東日本の中で微妙に違っている。
「BOARDING TICKET」には、航空機などの「搭乗券」という意味が一般的なようだ。「着駅で払え」との英語も書かれていはいるが、日本語や日本の習慣を知らない人は悩むかもしれない。


消費税増税を控え、JR東日本以外でも自動券売機が更新されているようだ。
青森県の青い森鉄道では、企画乗車券も発券できる高機能なのものに交換。
弘南鉄道では、古い壁埋めこみタイプから、「芝浦自販機」製の食券券売機タイプに交換。以前はピンク色で「PJRてつどう」の地紋(私鉄共通)が入った紙だったが、更新後は地紋なしで、まさに「食券」のようなきっぷになってしまったそうだ。
【20日追記】弘南鉄道の更新前の券売機は、日本信号製だったらしい。更新後の券売機では、フリー乗車券も発券できるようになった。ツイッターの写真投稿によれば、弘南線・弘前駅(JRと同じ場所)には、従来どおり2台が設置。埋めこみ式を撤去した跡にはめこんだように見える。また、硬貨・紙幣投入口の位置が高すぎるように見える。

※2023年5月のSuica導入の準備ため、2023年3月頃に上飯島駅下りホームの証明書発行機はボックスごと撤去され、感熱紙式の証明書発行機が設置された。
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無人駅券売機更新

2019-09-16 19:32:30 | 秋田のいろいろ
今月初め、JR東日本秋田支社管内の無人駅・簡易委託駅の一部に設置されている、乗車券の自動券売機に、まとまって変化があった。
更新もしくは廃止である。

ネット上の情報も参考にさせてもらってまとめると、
更新:上飯島上りホーム(9月5日以前)、四ツ小屋(9月6日以前)、船越(9月3日頃)
廃止:上飯島下りホーム、道川(9月4日と掲示)、撫牛子(9月9日)
といった状況。
ほかにも下浜、石川、出戸浜、上二田、天王の各駅にも、少なくとも2013年頃には設置されていたが、現在は変化が生じている可能性もある。

今回は更新された券売機そのものを中心に見てみる。
紹介するのは秋田市北部・奥羽本線の上飯島駅上り側のものだが、四ツ小屋、船越も同タイプ。
でーんと鎮座
以前の券売機を知る人、もしくは無人駅の券売機事情に詳しい人からすれば、びっくりだろう。“場違い感”がある。

全国的にそうかと思うが、無人駅に設置される券売機は、駅員がいる駅のそれとは違う。
鉄道用券売機にしては小型のほぼ凹凸のない箱で、液晶ディスプレイなどなく(JR西日本用はあるらしい)、磁気式プリペイドカード「オレンジカード」も対応せず(挿入口がない)、お金を入れてから(タッチパネルでない)押しボタンを押して買う方式。待合室の片隅などにちょこんと置かれていることが多い(大きい駅用のように壁に埋めこむ仕様ではない)。
正式な呼び名かは知らないけれど、鉄道愛好家は「簡易型」とか「食券券売機タイプ」などと呼ぶことが多い。
秋田地区の場合、簡易型券売機から出てくるきっぷは、駅員のいる駅の券売機のものと遜色ない。すなわちオレンジ色の地紋で、小さい「エドモンソン券」サイズ、印字内容や書体もぱっと見は同じ(書体などは違う)、磁気情報も記録されて自動改札機から出られる。
そんな性能からすれば、食券券売機をそのまま転用したものでもなさそう。JR東日本では「高見沢サイバネティックス」という鉄道用機器メーカーのものが多いようだ。

それが交換され、新しい券売機は、なんとなんと駅員のいる駅と同じ機種。
秋田駅中央改札口で2018年10月に更新されたのと同じ、最新の「EV20」型のようだ。
秋田駅の駅ビル改札口側の券売機は、まだ更新されていないが、それより先に無人駅に置かれるとは。【17日追記・しかも中古でなく新品が】

細部を観察。

秋田駅のものと同様、「複数枚まとめ買い」の押しボタン(これは簡易型にもあったようだ)、タッチパネル上に「買いまちがい払いもどし」と「駅名検索」のタッチボタンがある。4か国語にも対応。
購入できる券種は、100キロ(1660円)までの乗車券のみ。回数券や(秋田駅で乗り継ぐ)特急券などはボタンが表示されないので非対応【26日補足・最近は首都圏の一部や秋田駅でも、近距離券売機での回数券の発売を取りやめた駅があるが、それらの駅では指定席券売機で購入できる】。「駅名検索」でも100キロ以内の駅しか検索しない。なお、(無人駅では基本的に)入場券はなし。

視覚障害者用テンキーや硬貨紙幣投入口周りも、ほぼ変わらず。「とりけし」の左隣にあるべき「よびだし」ボタンは、プラスチックで覆われている(ちなみに上飯島駅の管理駅は、隣の土崎駅)。
「カード・定期」挿入口もある。Suicaエリアでは、ここにICカードを入れてチャージやきっぷ購入ができるが、エリア外では秋田駅でも今のところ非対応。発売終了して使う人がどのくらいいるか分からない、オレンジカードは使えるのでしょう。あと「定期」というのは定期券の乗り越しとかできるの??
また、画面上では二千円札以上の紙幣は取り扱い中止となっている。他の駅の新券売機も同様で、たまたま釣り銭切れなのでなく、意図的に止めて千円札までしか対応させない(旧券売機と同じ)方針のようだ。

結論としては、機能は一部向上したものの、買えるきっぷは従来の簡易型券売機と同じ。
ただ、ソフトウェア(もしくは一部ハードウェア)をいじれば、Suica対応など今後の機能向上が期待できるはず。
従来の簡易型券売機では、お金を入れなくても、押せば乗車駅証明書が出てくるボタンがあったはずだが、その機能はなくなった。

新しい券売機で買った乗車券
下に「○ム」と印字されているのは、無人駅もしくは発売できる距離が制限される駅で発売されたきっぷであることを示す印。
無人駅から乗って遠方へ行きたい人は、そこまでの乗車券を買えないから、後で精算することになるが、その際不利にならないための「買替」という制度のためのものだそうだけど、今は形骸化しているかな。


これまでの(素人目の)感覚では、管理する人がいない無人駅にこんな“立派な”券売機を置くなど考えられなかった。
(素人目には)理由としては、内部が精密で維持管理に手間がかかりそうであり、コンピューターや大型カラー液晶を使った価格が高そうなものを、目が届きにくい無人駅に置くのは、危なっかしいから。

実際には、簡易式よりも信頼性が高くトラブルは少ないのかもしれないし、コンピューターや液晶は安くなったし、JR東日本メカトロニクスで自社製造できるから高くもないのかもしれない。
巡回する社員の業務効率化、防犯対策の充実といった事情もあるかもしれない。
また、特に近年、券売機に釣り銭用硬貨を間違って充填して、間違った額の釣り銭を出してしまうトラブルが、全国的に散見されるような気がする。EV20ではその対策もされているようで、社員の負担軽減になろう。
新券売機で対応できる回数券や高額紙幣を、無人駅設置分で扱わないのは、用紙切れや釣り銭切れの頻度を減らすためだろう。

そして何よりも、2019年9月に更新された理由。
消費税増税の対応(準備)に違いない。
簡易式券売機では、ボタンの金額表示はシール貼りか紙を入れてあるようだから、運賃改定時には手作業が必要。機器の設定も大変そう。下手したら間違える。
それが、タッチパネル式なら、運賃データを入れれば自動で書き換えてくれるはず。事前にデータを入れて10月1日から適用、と設定もできそう。楽だし間違いも少ない。
増税を機に、かつ増税前に、交換に踏み切ったのではないだろうか。
ネット上の情報では、JR東日本新潟支社管内でも、簡易型からEV20へ交換された駅があるようだ。


上飯島駅では、これまではホームに入ってすぐにある、電話ボックスのようなのの中に簡易型券売機が置かれていた。
階段の上のボックス
ボックスの「きっぷうりば」の文字が隠され、土崎駅長による待合室の中に移設した旨の掲示。
ホーム中央の待合室は、2016年度頃に建て替えられていて、その中。
奥が待合室。手前の物置(除雪用具入れ?)も新しくなった?

ベンチ3席が撤去されたはず。券売機左右に微妙な余白
待合室はガラス張り。訪れた時は西陽が差しこみ、ドアが開けっ放しなのに蒸し風呂状態であった。
そんな場所に置かれた新しい券売機からは、ファンが回る音。一般的なパソコンと同じような軽い回転音で、新品のパソコンと同じにおいも放っていた。

夕方になれば冷えるけれど、虫が入ってくるだろう。冬になれば氷点下(暖房はないはず)。
パソコンとさほど違わない機器だと考えれば、こんな場所で使っていては、冷却ファンのほこりによる性能低下や虫の侵入、高温・低音で故障しないか心配になってくる。
あと、秋田支社の場合、一定数の利用がある無人駅にしぼって設置しているようだけど、消費電力とかランニングコストとかを踏まえた費用対効果はどんなもんだろうか。
【16日21時補足】四ツ小屋と船越では、券売機更新前後で設置場所の移動はなかった模様。四ツ小屋はホーム上の待合室内、船越は駅舎内。


ところで、上飯島駅の新券売機の写真を見て、あるべきものが存在しないのにお気づきだろうか。
運賃表がない!
「駅名検索」ができるとはいえ、ないのは困るよ。
券売機上部の、今はグレーの横長の板の部分に掲出するのだと思うが…

左後方を振り返ると、待合室の壁に、時刻表や各種お知らせとともに、地図式運賃表が養生テープで貼られていた。旧券売機にあったものをはがして、とりあえず移した感じ。ドアから入って真正面ではあるが、小さく目立たないし、場合によっては座っている人の頭の上を見ることになる。
早く券売機そばに設置するか、せめて新券売機周りに「運賃表は左後方の壁をご覧ください」と書いてほしい。

【11月3日追記】その後、11月3日に行ってみると、券売機左側の壁に運賃表が掲出されていた(この記事後半に写真)。暑いとは感じない状態だったが、それでもファンの音がしていた。
左端の緑のテープで貼られたのが運賃表。遠い!
券売機を横や裏から見るのはあまりできない体験。
有人駅では裏側が駅事務室なので、むき出しですぐ内部に触れられるはずだが、ここでは安全と防犯のためカバーがされているようだ。簡易型券売機では、前面に堂々と見えていた、銀色の防犯用大型フックみたいなのが、この券売機では裏にあった。
裏面右上には、直径4センチほどのドーム状のものがあり、黄緑色にゆっくり点滅していた。おそらく、異常発生時【17日補足・もしくはボタンで呼び出された時】には違う色になり、事務室の駅員に知らせるためのランプなのだろうけど、ここではどうしようもない。


一方で、新型に交換されず、簡易型券売機が廃止された駅もある。
券売機ごとそっくり撤去されたかと思いきや、上飯島駅下りホームではそうではなかった。上飯島駅の構造なども含めて、後日

※Suica対応のために、2023年春に変化が生じた。リンク先後半参照。
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うさぎケーキ月見だんご/りんごシュー

2019-09-15 23:23:04 | ランチパック等パン類
最近食べ物続きで恐縮ですが、今回で一段落のつもり。秋田で買った工藤パン商品2つ。
秋には毎月、月見をする「名月」があり、それぞれお供えをする風習がある地域も多い(秋田でも)が、スーパーの月見関連商品販売は、いちばん最初の中秋の名月がいちばん大々的なようだ。9月13日が2019年の中秋の名月であった。

全国的には、月見のお供えに真っ白いまん丸の団子を積み上げるのが標準的。しかし昔の秋田では、たけや製パンの平べったい月見まんじゅうがよく見られた気がする。
その後、中にあんこが入った団子や大福が増え、たけやのほか秋田県外メーカーも参入。ここ最近は、むしろたけやが控えめで、岩手の白石食品工業(シライシパン)、岩手の餅が主力の千葉恵製菓、北海道のヤマザキ系列日糧製パンが目立つ。※2014年のたけやの一例

山崎製パン(系列のたけやや日糧でなく本家)でも製造しているそうだが、秋田には入ってこないのか、見たことがない。
それに、モンテールのようなチルドデザートメーカーでは、節分に「恵方巻ロールケーキ」なんかを出していたから、その月見版があっても良さそうだけど、あまりなさそう。カンパーニュというメーカーでは、表面に餅つきするウサギを描いたティラミスを出していた。

今年、秋田で初めて見る月見用のお菓子が売られていた。
月見だんごと、ウサギ?
うさぎケーキ・月見だんご 詰め合わせ
製造は、青森の工藤パン(青森市油川の工場製造)。
工藤パンでも月見用のお菓子を作っていることは分かっていたが、秋田県内では初遭遇。しかもだんごにケーキのユニークな組み合わせ。
秋田の店にとって、普通のだんご類は、あえて工藤パンに発注する余地はないということか。

名称欄は「和洋菓子」。内容量欄は「9個(うさぎケーキ1個、だんご8個)」。1個あたりの熱量はケーキ366kcal、だんご52kcal。常温保存。消費期限は9月14日。

秋田市内ではイオンリテール各店舗(チラシにも掲載。税込み429.84円)やマックスバリュ東北 泉店で売っていた。
マックスバリュ泉店では、冷蔵ケースで販売し、隣に別の商品もあった。だんごの代わりにモンブランを入れた、うさぎとモンブランの組み合わせ。
青森のメガ・ベニーマートのチラシでは「うさきケーキ モンブラン」として税込み387円で販売(他に、ウサギの焼印を入れた大小7個の大福、栗あんと粒あん3個ずつのおはぎも掲載)。
なんでモンブランかよく分からない。「栗名月」というのがあるけれど、地域差もあるが、いずれも10月以降を指すようで(冒頭の過去記事参照)、今回は芋名月(一部地域では豆名月)であるはず。じゃあ、てっぺんの栗を月に見立てたということかな。

月といえばウサギではあるが、やや奇妙な取り合わせにも見える…
だんごのほうは、見た目どおり。普通においしい。小さくて食べやすい。うるち米粉が多く、もち米粉も使用。中につぶあん。

一方、ケーキ。
真上から
店頭で気になったのが、ウサギの顔。ケーキ本体の上に小さいドーム形のものがくっついていて、そこにピンク色で目と口が描かれているわけだが、1個1個、かなり違った。かわいらしいのもあれば、ブサイクなのもあるというか。
そもそもウサギの口はこういう1本線じゃなく、鼻から左右2本に分かれた線のほうが適切な感じがする。
写真の購入したウサギケーキは、向かって右の目の辺りが、もう1つ出っ張って盛り上がっている。鼻なのかと思ってしまうが、そうではないようだ。店に6個ほど並んでいたうち、これだけにその出っ張りがあり、他にはなかった。
製造時に間違って出っ張ってしまったと思われる。それで売れ残ってはかわいそうだからあえて選んで買った。
耳は、左右がくっついたホワイトチョコを、本体に差しこんでいる。
断面
本体はスポンジを2つ重ね、間に何か(ジャムとか?)をはさんである。顔の出っ張りは、マカロンかのようにも見えるが、全部クリーム。そうした全体を、ホワイトチョココーティング。

昔、どこかで食べたに違いないけれど思い出せないような、懐かしいケーキの味だった。あっさりめ。
ウサギ形じゃなくていいから、いつも売ってくれてもいいかも。
【追記】2020年10月1日の中秋の名月でも、少なくとも前日には秋田市内のイオンで売られていた。その後、少し姿が変わった2024年版



もう1つは、月見と同じイオンリテールのチラシに載っていた。チラシに製造者の名前はないが、商品の性格からしてもしやと思ったら、やはり工藤パン(同じく油川製)であった。
チラシによれば「9/13より数量限定販売」15日まで税込み149.04円。後述のようにイオングループ限定販売のはず。
にぎわい東北スイーツセレクション 青森県産りんごの入った もちもちシュー 187kcal
「にぎわい東北」というのは、イオングループが関わって、東北各地で生産または製造された食品の統一ブランドみたいなもの。ということかな? 加工食品が多く、生鮮食品もある。例えば、はごろもフーズ「シーチキンファンシー気仙沼港水揚げ」、工藤パン「あんたっぷりどら焼き(これはにぎわい東北ブランドでないのが以前あった?)」など。
製造者名は、裏面には必ず表記されるので、完全なプライベートブランドとは違うものの、おもて面にはあったりなかったり。これには「KUDOPAN」ロゴがない(月見セットもだけど)。
全般にマックスバリュ東北ではあまり見かけず、イオンリテールはよく扱っている感じ。ホームページがあるが、それに掲載されていない商品もあり、入れ替わりもあるようで全貌は不明。

「青森県産りんご」が目立ってしまうが、小さい説明を見ると「青天の霹靂 米粉使用もちもちシュー生地」とあり、米も使っている。
リンゴは「青森県産りんごダイス入りホイップクリーム」と「青森県産りんご使用ジャム」。りんごダイスはシロップ漬け。
少しつぶれてしまいました
この手のシュークリームとしては小さめだけど、中身は詰まっていそうな重量感。表面が油っぽくて、持つと手につく。
割ると、
やはりたっぷり
シュー生地はたしかにもちもちだけど、シュー生地としてはちょっとおもしろいか。「もちぷに」だか「ぷにたま」だか、ヤマザキとかセブン-イレブンなどコンビニで売られているお菓子に似ている。
リンゴダイスのシャキシャキ、リンゴジャムの甘さが楽しめるのはいい。青森ならではのシュークリーム。
翌年の工藤パン製にぎわい東北商品
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新津駅と三色だんご

2019-09-13 00:20:40 | 各地お土産・食べ物
旅行記の続き。行程順ではなく順不同ですが、今回も食べ物で恐縮です。

GV-E400系気動車に乗るため新津駅へ行ったので、ちょっとだけ途中下車。4方向の路線が集まり、JR東日本の車両製造工場もある鉄道の町。資料館もあるのだけど割愛。
新津は2005年まで新津市、現在は新潟市秋葉区。新潟駅からは信越本線の普通列車で20分で、1時間に3本と運転本数も多い(新津より先は毎時1本)。
新津駅東側
新津駅は2003年にできた橋上駅舎。外観は大きく感じ、駅前広場も広いけれど、駅舎の中はそれほどでもなく、地方都市の駅によくある雰囲気。
東口の正面。わりと最近まで歩道にアーケードがかかっていたそうだ
↑丁字路だが、軽車両用に道がない向きにも車両用信号機が設置されている。青森県でも見られるが、秋田県民には珍しい。
東側が昔からの市街。街もこじんまりに見えた。
駅周辺にスーパーマーケットはなさそう。数百メートル進むと、アーケード商店街があるそうだ。【13日補足】商店・商業施設は駅からやや離れたところに多いようで、元長崎屋だった建物に入るスーパーなどがある。
東口から右方向
奥に「三新軒」の大きな看板。本家三新軒に加え、今は新発田三新軒の駅弁も、ここで作っているようだ。その向こうに「新潟市新津地域交流センター」という、新しめのコミュニティーセンター・公民館的な施設。
右手前・駅と隣接する位置にデイリーヤマザキ新津駅前店。JR東日本新潟支社では、駅の建物内や敷地内にデイリーヤマザキをいくつか出させていて(秋田支社では、秋田駅近くの元購買部の跡に1店だけあるけど)、ここは駅舎整備直後2004年にできた。店内でパンを焼く「デイリーホット」、手作り弁当やATMもある、本格的なデイリー。
一方、改札口の脇(改札外)には、NewDaysミニもあり、どちらもJR東日本が関わっているはずなのに、ある程度競合してしまっている。

駅の中に戻るが、新津駅は2017年に環境に配慮した「エコステ」としてリニューアルされた。改札内にきれいで、わりと広い待合室があった。
木材が多用されている
窓・壁向きの席はコンセントも設置。


さて、新津名物のお菓子の話を耳にしており、買えたらいいなと思っていた。
製造元「羽入(はにゅう)」は、駅前(三新軒の裏側)に店を構えるが、新津駅のデイリーヤマザキでもNewDaysミニでも、レジ周りに数個積み上げて売っていた。さらに、新津まで来なくても新潟駅万代口改札外のNewDaysでも、3箱ほど置いていた。
名物 三色だんご NewDaysで税込み648円
1916年(大正5年)から売られている、折り詰めのだんごである。餅好きとしては食べてみたかった。

秋田では(駅では売っていないが)「しんこ餅」「だんし」などあんこの中に一口大の餅を入れたものが食べられるし、北海道の「大沼だんご」というのもある。大沼だんごは、容器が2区画に分かれていて、4対6ほどの配分でみたらしとこしあん。団子が小粒なのが予想外だった。
新津の三色だんごは?

掛け紙を取る。
つまようじ2本付き

ほぼ3等分
こしあん・白あん・ゴマ。
写真ではこしあんが若干多く、厳密に3等分ではなさそう。ネット上の写真でもその傾向が見られ、そういう配分なのかも。

上の写真の特に白あん部分が分かりやすいが、あんこの中に真っ白い団子1つ1つが透けて見えており、規則的に並んでいる。
掛け紙の内容量欄に「290g(24ケ)」とあり、だんごの個数まで指定してあるのにびっくりしたけど、各区画4個×2列が3色で24個と偽りなし。

つまようじで、だんごを1粒持ち上げる。
まっ白
だんご部分にはあんこが混ざっておらず、もち肌に粉をまぶしてあるのが見える。
つまり、24個のだんごを先に容器に敷き詰め、そこに3色のあんを塗りこめるという製法だと考えられる。
秋田のしんこ餅は、だんごとあんが渾然一体となっており、先に両者が混ざったものを容器にすくって入れているだろうから、粒数が一定でないのが普通。だんごを食べ終わってもあんこが残ってしまうこともある。

だんごは、大沼だんごよりは大きいが、やや小さめ。「上新粉」でできているようで、柔らかい。あん3色それぞれは好き好きだけど、あっさり傾向。こしあん好きだからこしあんがいいけど、白あんも悪くなかった。総合的にも、あっさりして食べやすかった。


日持ちは製造日とその翌日のようで(季節によって違う可能性もある)、短いのが難点だけど、食べやすいから1人で食べ切れると思う(餅好きならば)。
「冷蔵庫に入れても固くならないので、冷暗所に保存して」というシールが貼られる場合もあるようで、冷やして食べるのもいいみたい。

販売場所は、製造元、コンビニのほか、新津駅創業である駅弁業者2社(神尾商事神尾弁当部と三新軒)でも、駅弁といっしょに売っているとのこと。【13日補足・訪れた時は新津駅内での駅弁販売は確認できなかった。SLばんえつ物語号が運行される日などは、立ち売りが出ることもあるらしい。】
実は、三色だんごは、元々は神尾弁当が製造販売していて、後に羽入として独立したもの。その名残で、神尾弁当で販売する三色だんごの掛け紙は、その名が入った別仕様だそうだ。【13日補足・こうした歴史・販売形態のためか、三色だんごを駅弁の一種として紹介するサイトも見られる。】
さらに、季節によっては、桜とかハロウィンとか違う色(違う味)の3色のものも売られるとのこと(直営店舗のみ?)。

掛け紙といえば、
こんな絵が
ドームの上にアンテナが載ったようなのは「平和塔」と書いてある。秋田市の平和公園にあるのと同様の仏舎利塔が新津にもあるそうで、それだろう。
周辺にあるやぐらのようなものは、油田のやぐらか。秋田と同じく新潟も産油地。


昔は、駅弁でなくお菓子の立ち売りも各地にあったようで、秋田の東雲羊羹(東能代)やあけがらす(大館)も、昔はそうだったと聞く。
まして昔の新津駅は、4方向の列車が行き交い長めに停車し、乗り換え客も多かったはず。その合間に三色だんごを買い求め、車内で食べたりお土産にしたりしたことだろう。鉄道の町だからこそ、三色だんごができたのかもしれない。

旅行記の次の記事
新津駅の隣の駅の話
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コシヒカリ弁当+思い出

2019-09-11 00:17:15 | 各地お土産・食べ物
えび千両ちらしに続き、新潟駅弁をもう1つ。今回は地味な存在のもの。
帰りの車内で食べる駅弁は、幕の内系がいいかな。新潟の各社の駅弁はどれもおいしいのは分かっているが、えび千両ちらしほど個性が強いものはなく、迷う。時間と改札出入り自由のフリーきっぷがあるのをいいことに、改札内外の複数店舗を物色。

万代口改札外・NewDays隣の駅弁店「たび御膳」に、1つだけ残っていた弁当が気になった。中身の写真が並べられているが、その駅弁だけ写真がなかったはず。でも名前である程度想像が付くし、名前こそ選んだ理由(後述)。
新潟コシヒカリ弁当 1000円
「新潟県産コシヒカリ米使用」「幕の内弁当」と書いてある。本家新津や新発田でなく、新潟三新軒の商品。

そう言えば三新軒系列各社の駅弁は、「掛け紙」でなく、ボール紙製の箱のフタに印刷する方式のものが多い気がする。えび千両ちらしは、手がこんでいるものの、似た感じだった。鮭の焼漬弁当は掛け紙か。
仕出し弁当っぽい雰囲気もするけれど、製造時も車内で食べる時も、楽かも。

フタを開けると、
おしぼり付き
箱の中にプラスチックトレイが収まっていて、割り箸を入れるべきスペースも確保されているが、そこでなく透明フィルムの上に乗っかっていた。
箸袋には「一口食べてほっこり笑顔に」のフレーズとQRコードも。

この時初めて、おかずのラインナップを知ることになった。フタにも中にも「おしながき」は見当たらない。
原材料名欄を見れば見当がつくものの、箱の底に印刷してあって、持ち上げて見上げないとならない。
袋入りソース添付
すじこがあるのは新潟らしいかな。赤カブの漬物は庄内地方を連想するけど新潟でもそうなのかも。あとは玉子焼き、鮭、コロッケ?(後述)、煮物等、いかにも幕の内弁当の構成。左下赤カブの隣は、肉のようなさつま揚げのような物体?
中央には大きめのエビが鎮座。食べる時、手で殻を取るのが面倒だし、僕は大きいエビは好きじゃない(サクラエビは好き)。
“典型的すぎる”幕の内弁当で、買って失敗したかなと思いつつ食べ進めると、否、買って良かった。

まず商品名に偽りなし。コシヒカリのごはんがとてもおいしい。冷めているからこそのおいしさもある。米にはうるさい秋田県民として(だからこそ)認めざるを得ないおいしさ。
※秋田駅の「あきたこまち弁当」もおいしいですよ。
【11日補足】すじこの上は「小なすかす漬け」、エビとコンニャクの間の煮物は「魚団子」。昆布巻が「鮭巻昆布」なのも新潟ならでは
おかず。エビを最初にいただいてしまうことにしたが、殻ごと頭も食べてしまえた。これならまあいいかな。
鮭。そこそこしょっぱいが、脂が乗っている。鮭の焼漬とも塩鮭とも違って、これもいい。
コロッケのように見えたのは、豚メンチカツ。からっと揚がっていて、中はジューシー。
左下の謎の物体は「麩」の煮付けみたいなの。庄内地方もだけど、新潟も産地。柔らかく、味がしみている。もっと目立つ場所に、もっと多くてもいい。

どれもおいしかった。その土地の食べ物が使われたいろんなおかずを少しずつつまみながら、ごはんを食べていく幕の内こそ、駅弁だ。
次に新潟に行った時は、鮭の焼漬弁当にえび千両ちらしにコシヒカリ弁当【11日補足・この3商品で三新軒3社コンプリート】と、また食べたい駅弁もあれば、試したい未知の駅弁【11日補足・神尾弁当の商品は未食だし】もあるだろう。大いに迷うこと間違いなし。

以上、2019年8月の新潟コシヒカリ弁当でした。
旅行記の続き
以下、コシヒカリ弁当の思い出。

さて、今回、コシヒカリ弁当を選んだ理由。以前同名の弁当を食べたことがあり、名前を見て懐かしかったから。
1993年秋の高校の修学旅行。※その修学旅行での比叡山のレストランの話
帰りに乗った、下り特急「白鳥」車内での夕食として、新潟駅から積みこんで配られたのが、「コシヒカリ弁当」という名前だった。製造業者やおかずは記憶がないが、「三新軒」という名前に接し、由来を不思議に感じた気がしなくもない。
とにかくごはんがおいしくて、これがコシヒカリなのかと感動したのははっきりと覚えている【11日補足・当時の秋田ではあきたこまちやササニシキがメインで、コシヒカリはあまり流通していなかったはず】。ごはんは一口大の俵型に盛られていた気がしなくもない。
ちなみに1993年は大冷害で、タイ米が輸入・抱き合わせ販売されるなどした「平成の米騒動」であった。

今回、26年ぶりに再会したとしたいところだが…
ネット上には、少し以前の新潟三新軒のコシヒカリ弁当の情報がある。2005年時点では、現在とは箱のデザインも、白身魚のフライがあるなどおかずも異なっていた。
また、2006年には新津の三新軒で「幕の内風弁当こしひかりデラックス弁当」という、鮭、エビフライ、(焼漬弁当と共通の)煮豆やメンマやパインが入ったものも存在。どちらもごはんは俵型ではなく、平らに盛り付け。
ということで、1993年と製造業者は同じ可能性はあるが、中身はだいぶ違っていることになる。でも、おいしかったから良かった。【11日追記】コシヒカリのおいしさは、26年前も今も変わらなかった。


さらに余談で、半日かけて京都から秋田へ帰る「白鳥」では、昼食も車内で駅弁。
福井駅で積みこんだ「番匠本店」の「越前かにめし」。
カニの形の容器に入った、カニのたきこみごはんにズワイガニの身を散らしたもの。今も駅弁大会で売られる人気商品だが、1300円もするのか(えび千両ちらしとほぼ同額)。

ちなみに僕は中学校の修学旅行では、初日の夕食がかにめしであった。フェリーで函館に着き、バスで宿泊地のルスツリゾートへ向かう途中、長万部の「ドライブインかなや」で、長万部駅の駅弁を器に盛った形で食べた(「器が上げ底だった」と後で語る先生がいた)。僕のかにめし初体験が長万部、次が福井。

当時の秋田の公立高校では、関西への修学旅行で白鳥に半日乗ることは珍しくなかったが、我々がかにめしを食べることができたのは、こんないきさつがあった。
その前年、高校1年生だった1992年度にさかのぼる。我々の学年主任だった先生が、1つ上の人たちの修学旅行に同行し、帰ってから授業の中で、報告してくれた。
学年主任が、担当学年でない学年の修学旅行に同行するというのは、引率というよりも、次年度の参考とするためのオブザーバー的立場だったそうだ。
その時は、帰りの白鳥での駅弁が、昼も夜も幕の内弁当で、「同じようなものを続けて食べさせられてかわいそうだった」とのこと。

代理店は我々の時はJTB(1年前の段階で決まっていた)で、その前年は他社。「来年はJTBさんだから、そういう点(の配慮)は大丈夫だと思うけど、わたしからも要望しておきます」とおっしゃっていたのを覚えている。
で、その結果が、福井のかにめしだったのだなと、思いながら食べた。

実は、その1年の時の学年主任の先生は、翌年度2年の学年主任とはならず、我々の修学旅行に同行しなかった。1993年春の異動で他校へ栄転の形で転出されてしまったから。

あと、行きも上り「白鳥」に同じ時間だけ乗ったわけだが、食事の記憶はおぼろげ。
昼は各自持参した弁当だろうか。夜は京都で近鉄に乗り換えて、奈良の宿に入ってから食べたんだろうな。
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上原アナ転身

2019-09-10 00:34:37 | その他もろもろ
秋田ケーブルテレビでIBC岩手放送を見ていて、びっくりした。
9月8日22時前。ローカルニュースで同日投開票の岩手県知事選挙で、達増(たっそ)氏が再任されたことを知った。岩手知事選のことは知っていた。
22時になって「林先生が驚く初耳学!」が始まった。最近は、パリコレモデル養成みたいな「林先生」でも「雑学」でもないものに時間を割くようになり、おもしろくなくなった。テレビを止めようかと画面に目を移すと、上にテロップが出ていた。
選挙速報のようだ。IBCのニュース速報は、JNN各局共通の「ビッビッ!」と音が鳴るが、こういう場合は鳴らないようだ。
消える直前だったが2つの単語を読み取った。

「県議会」と「上原康樹」
えっ?

知事選と同日に岩手県議会議員選挙が行われたことを知らなかったが、それはそういうもんだと思える。
もう1つの上原康樹って、あの上原さん???

すぐにネットで調べると間違いなかった。
NHK盛岡放送局のアナウンサーで、独特の表現の原稿を作って、渋い声読んでいた、あとの上原さん。

岩手県外では、東北6県向けの朝の気象情報内の天気カメラリレーで時々、その文章と声に接することができていた。ところが、2019年春に各局アナウンサーによる読み上げが廃止されてしまっていた。
NHKの人事異動がある7月末前後だと思うが、ふと思い出して、上原さんがどうしているか気になり、盛岡局ホームページを見てみたら、まだお名前があった。

その後、7月末でNHKを退職していたそうだ。
不確かな情報だが、NHKでは定年後、嘱託職員でいられるのは65歳までで、以降はシニアスタッフという契約になるらしい。
上原さんは9月で65歳になるから、そういうタイミングもあったのだろうか。

マスコミから政治に転向するのは珍しくないが、あの上原さんがと思うと、ちょっと意外かな。いきなり首長や国会議員に出て落ちる人なんかもいるけど、県議というのは岩手を愛する上原さんらしいかも。
出馬したのは盛岡選挙区。定数10に13人が立候補。
無所属で、奥様と2人で、自ら運転しながらの選挙運動だったそうだ。

結果は、なんとトップ当選!
2万6千票を獲得し、2位当選の人は1万票だったからダブルスコアってやつ。いやはや。

岩手県外にも上原ファンは少なくないようだが、上記のように県外向け放送がなくなった今、NHKを辞めたことすら知らないファンも多いと思われる。立候補→当選もなおさら。

【10日追記】選挙結果を伝える9日アップのテレビ岩手のニュースサイトでは「上原さんは、元NHK盛岡放送局のアナウンサーで、情緒たっぷりのナレーションで天気予報を伝えるなど名物アナウンサーだった。」と伝えた。当選証書交付を伝えるNHK盛岡のサイトでは「最多得票で初当選した元NHKアナウンサーの上原康樹さん」として、他の当選者2名とともに短いインタビューが流れた。


話がそれます。この話で連想したのが、今年4月の秋田市議会議員選挙。
定数36に46名が出たが、トップ当選したのが、無所属の新人でローカルタレントとして活動していた後藤 良氏(上原氏より20歳若い)であった。2位との差は600票ほどではあったが、これも、立候補したこととトップ当選したこと両方に驚いた。

(首長や国会議員でなく)市町村や都道府県の議員選挙では、立候補者が多く誰が誰だか、どんなことを言っているのか、分かりづらいことが多い。
そんな中では、とりあえず名前と顔を知られている候補は強いのだろう。
それだけ、地方議会(いや政治全体か)が、有権者から縁遠く感じられていることになると思う。とりあえず投票した有権者はまだしも、投票に行かない人の多さでも示されている。
当選した議員の方々には、有名でもそうでなくても、住民と政治の距離が縮まるよう尽力していただきたい。
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10%増税後の運賃は?

2019-09-08 22:24:49 | 秋田のいろいろ
10月からついに、消費税率が8%から10%に上がる。
1989(平成元)年4月の3%での導入、1997年4月の5%、2014年4月の8%と変遷した消費税。10%にすることが決まるまで、あるいは2019年10月に上げると決まるまで、いろいろあって、決まったと思ったら(多くの国民はここで腹を決めたはず)、今年夏の参議院選挙の頃にはまた延期するとかいう話も出てきたものの、結局実施。なんだかな…

さらに酒や外食以外の食料品を8%にすえおく軽減税率導入、キャッシュレス決済推進を名目とした2%または5%のポイント還元制度(と言いつつ現金値引き【10日訂正・その場で付与ポイント相当額を支払額から値引き】も認めるとか?)など、ややこしい。ポイント還元は該当店舗でのレジの準備や登録手続きが遅れているというし、メチャクチャ。
あと、増税前に買いだめしようとして、うっかり食料品も買ってしまいそうになる。
前も書いたけれど、食料品以外で生活に必要なもの(ライフライン料金、短距離の交通費など)は軽減税率でなくていいのかとか、同じような効能でもサプリメントなら8%で薬なら10%なのが腑に落ちなかったり、例えば「一律9%」にしたほうが(国も国民も)総合的に楽ではないかとか、考えてしまう。


さて、公共交通機関の運賃の増税対応について。※利用の際は公式な情報で、各自確認してください。
9月5日、国土交通省(各地方の運輸局含む)が、全国の鉄道とバスの増税にともなう値上げを認可したと発表、報道された。
JR北海道では、消費税分以外にも(つまり“本体価格”というか税抜分の)値上げ分があるとされた。青森県の八戸周辺のバスも値上げ。それ以外の各事業者は、元の運賃の2%相当分が上がるだけということになろう。
ちなみに、川崎市交通局(川崎市営バス)が、運賃本体の値上げを同時に申請したら、認めてもらえなかったそうだ。

これを受けて、多くの事業者は公式ホームページで運賃改定を告知した。JR東日本のように、申請の段階で計画を発表してくれたところもある。
青森・秋田では、青森市企業局交通部(青森市営バス)が9月5日、弘南バス、秋北バス、羽後交通が6日に、それぞれホームページにアップ済み。
鉄道事業者でも、津軽鉄道、弘南鉄道、由利高原鉄道が6日付アップ。秋田内陸縦貫鉄道は未掲載。

我らが秋田中央交通は…
6日に新宿-秋田の夜行高速バス「フローラ号」の値上げの告知をアップしただけ。一般路線バスについては情報なし。【12日付で、やっとホームページに掲載された】

共同運行や申請先の都合で、フローラ号だけ発表が別になるのは分かる。でも、6日付で高速の値上げをアップできていて、マスコミからも発表され、他社はアップしているのに、中央交通の一般路線バス分をアップしないのは理由が見当たらない。申請は以前にしていて、それが認可されるのも確定同然なのだから、時間的余裕はあるはず。
まさか中央交通だけ値上げをしないでくれるとか、値上げを申請したけど却下されたとか???

そうじゃなかった。国土交通省東北運輸局のホームページには、6日付で値上げを認可した事業者の一覧が掲載されており、それにはちゃんと秋田中央交通も出ている。
それから、秋田市が複数の民間バス・タクシー会社に委託している、郊外部のマイタウンバスも、増税分値上げすることが関係者の会議で承認されたはずだけど、秋田市ホームページには未掲載。運輸局の告知の対象外でもあるようだ。

まあ、2%上がるは覚悟の上で、まだ3週間もあるけれど、こういう小さなことが不安・不信につながらないとも言えないのですよ。お客あっての商売。周辺他事業者はみんなやっているのだし。
※ちなみに前回8%の時は、羽後交通が早く、中央交通と弘南バスはその1週間近く後の告知だった。


中央交通以外のバス会社と東北運輸局の情報をまとめ、中央交通の値上げを推測してみる。
値上げのやり方は、前回8%化の時と基本は同じ。
各事業者内で平均して110/108の増収、1.852%の値上げ(改定率)に調整して、それを越えないことが求められるらしい。←これら数値は平均、しかも定期券外と定期券の改定率の平均ということらしく、自分がいつも乗るxxx円区間がいくらになるのかの参考には、ほぼならないはず。
実際には、(特にIC乗車券のない地方では)10円刻みの値上げになるから、乗客個々には必ずしも公平にはならない。

前回5%→8%の時は、
中央交通 160円:+10円 170円:据え置き  ~520円:+10円 ~870円:+20円
羽後交通 150~520円:+10円 ~870円:+20円
弘南バス 160~520円:+10円 ~870円:+20円
といった具合。
低額区間の利用が多い者としては、10円の値上げでひと安心した。
ちょっと不思議だったのが、中央交通の170円区間だけが値上げされなかった(=8%時代に180円区間が存在しない)こと。初乗り160円区間は10円上がって170円になったので、実質的に、8%化と同時に初乗り区間が延長された形(例:秋田駅西口から通町までだったのが、先の大町五丁目/通町二区/すわ町までになった)。
個人的にはありがたい(それまでケチって160円区間ギリギリで降りていたを、少し先まで乗れる場合がけっこうあるから)ことだったけれど、10%になる時、この扱いがどうなるか気がかりだった。

今回8%→10%は、現時点では中央交通の新運賃が分かっていないから、まだ分からない。運輸局の発表では同社の改定率は1.801%。
【公式情報が更新されたら追記します】9月10日高速バス秋田・湯沢線(羽後交通と共同運行)の新運賃の告知がアップ。高速能代線と一般路線はまだ。
12日にやっと掲載。
初乗り170円~260円区間(180円区間は存在せず):据え置き
8%時270円~800円区間
(540円区間は存在せず):+10円
8%時810円~980円区間
(900円区間は存在せず):+20円

空港リムジンバスの秋田空港と秋田市街地間(北都銀行前~秋田駅西口~県庁市役所前、秋田駅東口)の運賃は、8%時930円→950円に。
で、高速能代線はまだ?(以上追記)

他社を見てみる。パーセンテージは改定率。
羽後交通 1.770% 160~260円:据え置き 270~800円:+10円 以降省略・最大+40円
秋北バス 1.850% 160~260円:据え置き 270~800円:+10円 以降省略・最大+40円
弘南バス 1.812% 170~230円:据え置き 240~800円:+10円 以降省略・最大+30円
青森市営 1.468% 130~170円:+10円 190~310円:据え置き 320~520円:+10円 以降省略・最大+20円

弘南鉄道 1.812% 210~300円:据え置き 320円~460円:+10円

改定率が低めの青森市営バスは、200円台近辺だけすえおきで、その前後は10~20円の値上げが小刻みに繰り返されるのがおもしろい。それと中央交通と同じく、現行8%では180円区分が存在しないようだ。
示した他社は、前回と同じく、高額区間ほど値上がり額が大きくなるものの、初乗りからしばらくの区間が「すえおき」。初乗り運賃と同額の券片が多い弘南バスのセット回数券も、今回は変更なしかな。
2%値上げだとそうなるのか。逆に言えば現在は本来より高く取られているとも言えるが。
中央交通もこんな感じになるか??【上記追記の通り、そんな感じになった】


特殊な運賃ではすえおきされるものも多そう。
弘南バスでは、土手町循環など弘前市内の100円バス、五所川原の120円等。
秋田市の中心市街地循環バスや高齢者100円均一のコインバスは不明だけど、おそらくそのままだろう。【すえおきされる】
これら多くは、8%どころか5%時代から100円のままのものも多い。両替とか支払いの手間を考えてくれていることもあるだろうけど、バス会社が身銭を切ってくれているものもあれば、秋田市の両事業のように税金から補填されているものもある。そして、(特に並行する一般路線に乗るなどで)値上げされる正規料金を支払っている乗客からすれば、格差(差額)が拡大することにもなる。このことも、ちょっと気になる。

キャッシュレス決済によるポイント還元について。一般路線バス乗車ではまず関係ないはずだけど、多少関係する。
今のところは「キャッシュレス・消費者還元事業 事務局審査を通過した加盟店一覧」として、6360ページにおよぶPDFファイルで、全国の実施店舗のリストが見られる(せめて東北とかエリアごとに分割して!)。9月中旬か下旬には地図やアプリで検索できるようになるとか。
秋田県には現時点で3738店あり、その中に「秋田中央交通高速バス予約センター(※)」と「秋田駅東口乗車券発売所」が5%還元とある。※前者は長崎屋バスターミナルの窓口のこと。
定期券と県外高速バス乗車券購入時にクレジットカードと電子マネーが使える、中央交通の2つの窓口が還元の対象となるらしい。
【9日補足】弘南バス関係の乗車券発売所は、キャッシュレス非対応であるのか今のところ還元対象店リストには載っていない。


JR東日本の幹線の普通運賃(紙のきっぷ)は、初乗り(3キロまで。秋田-羽後牛島、土崎-上飯島 等)は140円から150円に。消費税導入前・国鉄末期の1985(昭和60)年に140円になったらしいので、分割民営化・2つの改元・度重なる消費税率アップを経て、34年ぶりの値上げ?
秋田駅から市内の他の駅までの運賃である、190、200、240円区間はすえおき。




1990年代中盤から10年間ほど、NHK教育テレビ(現・Eテレ)で放送されていた、子ども番組(いちおう幼稚園・保育所向け学校放送か)に「むしむしQ」「あにまるQ」「むしまるQ」シリーズがあった。番組内容はほぼ同じで、テーマや放送時間により番組名が複数あった。
【9日補足・虫や動物をテーマにしたクイズがメインの番組ながら、生き物が登場するコミカルなようで考えさせられることもある】オリジナルの歌のコーナーもあり、「カブトムシは840えん(里乃塚玲央 作詞、堀井勝美 作曲、三石琴乃 歌)」という曲があった。

昆虫がカネになることを知った「ゴンベ」が、村の虫を全部捕まえて売ってしまったが、失ったものに気付き、【9日補足・5%の消費税を支払って】買い戻すというストーリー。
タイトルや歌詞では「カブトムシは840円、クワガタムシは1000と50円」と消費税率5%を意識したもので、最後には魂ならぬ「一寸の虫にも五分の“消費税”!」というさけび声があった。
5%に増税された1997年の作だと思う。
この番組は、当時弘前大学農学部(~農学生命科学部)の教官だった城田先生という方が、構成または監修を担当していた。1997年にご本人のお話を聞く機会があって、「今放送している歌は…」とこの曲のことを少しだけ話されていたのを覚えている。
【10月17日追記】話が少々それますが「一寸の虫にも五分の魂」の「五分」について。
この場合は、長さの単位「寸」の10分の1を示す「分」なのだそうだ。だから長さ1寸の虫の魂が「割合としての5分=1寸の5%」ではなく「長さが5分=1寸の50%」あるということなのだった。

五分、八分、そして一割へ。「一割」と表記すると、10%より重みが増す気がする。

キャッシュレス決済のポイント還元について
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2019-09-06 00:23:27 | 秋田のいろいろ
最近のポストの話題をもう1つ。
秋田中央郵便局管内の
この13号ポスト
なかなかきれいな赤でそこそこツヤツヤ。
ただ、ひさしが左右で分割された初期タイプだし、扉下には、
銘板が赤で塗りつぶされている
「松下電器産業株式会社 平成14年3月」と読めた。
現パナソニックでも、ポストを製造しているのだ。関連会社でなく松下電器産業本体が作るというのもおもしろい(例えば信号機なんかは関連会社の管轄)。ブランドとしてはNationalかPanasonicかは知らないけど。
地の金属が凸凹している部分もあるし、表示が薄れているし

今年8月初め、このポストの近くに岩手ナンバーだか盛岡ナンバーの軽トラックが駐まっていて、養生など何やら作業しているのを見かけた(人は1人だったと思う)。
再塗装されたのだ。

ポストを塗り直すということは、以前からたまに行われていた。
でも、3年ほど前の時点では、登場から20年経つかどうかのポストが、同型の新品に交換されていたのに、これは製造から17年で再塗装ということになる。
このポストは交換するほど状態が悪くないということなのか、日本郵便の経営状態が悪くなって交換する余裕がなくなったということなのか…

このポストでは、赤だけでなく、投函口周辺の銀色の部分も塗り直されているようだ。
そのためか、以前はそこに取集時刻変更のお知らせが貼られていて、取集時刻表示を兼ねていたのだが、上の写真のように、塗装後はなくなってしまった。
右側投函口直下の本来の取集時刻表示部分は、削減前のものが残って薄れている状態。これではそれが現行の時刻だと誤解されてしまう。
おっせかいながら郵便会社へ指摘したら、迅速に時刻表示やポスト番号などちゃんとした表示を銀色の部分に貼ってくれた。

塗り直された赤色は、新品と比べると、やや「紅」がかっているかな。
新品の赤といえば、
(再掲)ひさしが左右一体、銘板なしの13号現行タイプ
上の写真は、2016年頃に交換されたと思われるポストの交換間もない姿。そのポストの現在。
設置から3年ほど経過?
赤い色が「くすんだ」感じがする。色あせたのだろう。ツヤもない。
正面が道路に面し東側を向いているせいか、他の面より色あせが少し進んでいるか。塗装の剥離やサビなどはまだ生じていなそう。
そして取集時刻変更のお知らせがまだ貼られたまま。

秋田では、アルミ製信号機の塗装が剥がれて、見た目がボロボロになってしまったのもよく見られる。ポストも同じく、秋田は雪や融雪剤、海風といった金属には厳しい環境だろう。
ポスト愛護週間に本局前のポストを子どもにから拭きさせるよりも、市中のポストをワックスがけとまでいかなくても水洗いすれば、多少は長持ちしないかな。

【7日追記】秋田市内には、このほかにも最近再塗装されたと思われるポストがある。イオン秋田中央店前のものもそんな気がするが、ひさし一体型・銘板なしの比較的新しいタイプ。一方で、紹介したポストのすぐ近くにあり、けっこう色あせているのに再塗装されないものもある。【26日追記・秋田駅東口のポストも再塗装された感じ】
銘板がなくても台帳で管理しているのかもしれないが、再塗装するか、交換するかの基準はけっこうあいまいなのかもしれない。(信号機や道路標識、バス停表示板も同様。数が多いから完全に公平にするのは難しそう。)
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えび千両ちらし

2019-09-04 22:46:52 | 各地お土産・食べ物
旅行記の続き(前回の記事)。新潟でのこまごまとした目的の1つが、ある駅弁を食べることであった。
JR東日本の駅弁コンテスト「駅弁味の陣2017」で最上位になった「えび千両ちらし」なる弁当。ネットの評判もかなり良く気になっていた。
※以下、えび千両ちらしについて特に目新しい情報はありません。ご存知のかたは読まなくてもいいと思います。

新潟の駅弁であっても人気商品だから、首都圏では駅弁屋「祭」などで、輸送されたものをスケジュールに合わせればほぼ確実に入手できる。もしかしたら仙台駅の「旨囲門」にもあるかもしれない(ないかもしれない)。
だけど、秋田にいて入手するのは至難の業。スーパーの駅弁大会でもしかしたらあるかもしれないが、そもそもいつどこでやるか把握が難しい。
だから現地へ行くしかなく(駅弁とは本来そういうものですが)、今回行くからには忘れずに買って食べたかった。


ここで新潟駅の駅弁全般について。
仙台駅は駅弁の種類が豊富と言われるが、新潟駅も負けていない。その駅弁業者は少々複雑。いちおう「4社」なのだろうけど「2グループ」と呼ぶべきか。
具体的には神尾商事神尾弁当部、新潟三新軒、三新軒、新発田三新軒(順不同)。「三新軒」が少々複雑なのです。

新潟周辺の路線図を見ると、新潟、新津、新発田と、「新」を頭文字にした3駅を頂点とする三角形が形成されている。
新津で創業した業者が、戦後まもなく新潟と新発田に支店を出し三新軒となり、後に分社化。その後、(おそらく上越新幹線の開業などがあり)新津や新発田の会社も新潟駅へ進出。一方で新発田駅や新津駅での駅売りはやめてしまった。
新津創業で3駅に散らばってすみわけていた3者が、新潟へ再集結してしまった形。
現在も、新津の三新軒の工場は新津駅前にあり、出向けば売ってくれるとのこと。また、新発田三新軒も、新津の三新軒の場所に移転しているそうで、もしかしたらそれも買えるかも。

商品開発は、3つの三新軒それぞれやっているのだろうだけど、いずれもおいしくかつ個性的な商品を生み出している。定番としては新津の「鮭の焼漬弁当」、同じく新津の雪だるま形容器の「雪だるま弁当」などがある。
これまで何種類か食べたことがあるけれど、どれもおいしかった。さすが新潟だけにごはんもおいしい(同じく米どころの秋田県民の味覚でも)。
えび千両ちらしは新発田三新軒。ネーミングがユニークで、駅弁大会でも見かける「まさかいくらなんでも寿司」も新発田の商品。

新潟駅には、駅弁会社ごとでなくどの業者のも扱う売店が複数あり、選びやすく買いやすい。
改札内のNewDays、万代口改札外・NewDays隣の「たび御膳」という駅弁店(Suicaのポイントが付かないようだ)、南口側改札外の「駅弁屋」というシンプルな駅弁屋(NRE経営)などで、えび千両ちらしは、さすがにどの店でも多めに置いてあった。夜遅くでなければ確実に買えるだろう。

えび千両ちらし 8%税込み1380円
予想していたのより若干小さな箱。
容器を厚紙でぐるりと巻いてゴムひもでおさえた構造。商品名やイラストのある白い紙は取り外すことができる。裏面には郵便番号欄などが印刷されていて、ハガキとして使えるというシロモノ。

一部開封
内側の厚紙に「おしながき」が印字(取り外せない)されている。昔は別紙だったようだ。
さらに開封
濡れおてふき付き。箸袋に「新発田駅構内・新潟駅構内」とあるが、上記の通り新発田ではもう売っていない。

念願の中身。
えび千両ちらし
一面の玉子焼き(出汁入り厚焼たまご)。何も知らないと驚く。
ピンク色のものが載っているのは、むき海老のおぼろ(味はよく分からなかった)。

玉子焼きは厚めで細長いのが4枚並んでいる。動かしてみると、
下にネタとごはんが隠れている
右上から時計回りに、塩いかの一夜干し、蒸し海老 酢通し醤油からめ、うなぎ 蒲焼きのたれ仕込み、こはだ 薄切り〆わさび醤油からめ。

ごはんとネタの間にはとろろ昆布が敷いてある。
ごはんはすし飯で「新潟米の精進合わせ」。鰹節など使わず、昆布でだしをとったということ? 新潟米だけで品種名や詳しい産地は不明。くるみとかんぴょうも細かくして混ぜこまれている。

どうやって食べるべきなのか迷う。ごはん、ネタ、玉子を一度に食べるとすれば、ちょっと大変。まあ、いろいろと食べてみた。
どうやって食べても、どれもおいしい。

まず玉子焼きがおいしい。こんなにたくさんあるのに飽きない。寿司屋の腕は玉子焼きで分かるとか言うけれど、寿司屋の味だ。
海老は酸っぱめで好き。こはだのわさび醤油もなかなか。(最近は食べることに罪悪感もあるけど)うなぎもいい味、玉子と合わせるとうなたま。
あまり意識しなかったけれど、縁の下の力持ちでごはんのおいしさもあるはず。
見た目は小さく感じたものの食べごたえもあって満足。

約1400円が高いとは感じない内容で、人気なのも納得。魚や酸っぱいものが苦手でないかたには、ぜひおすすめ。
個人的には、駅弁は幕の内系のおかずがいろいろ入ったものこそ駅弁であると考えている。でもこれは別格。ぜひまた食べたい。→2021年には秋田駅で販売された。

別の新潟駅弁を旅行記の次の記事にて。
コメント (2)
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