広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

気がつけば紅葉

2012-10-31 23:28:22 | 秋田の季節・風景
気がつけば10月も終わり。
残暑が続いて季節の進みかたが遅かった今年の秋田も、気がつけば柿の実や木々の葉が色付き、朝晩はストーブが必要な気候になっていた。
南大通りのケヤキ
市街地でも日当たりのいい場所では、ケヤキ、イチョウなどの紅葉・黄葉が見頃。
 保戸野学園通り~千秋トンネル周辺

 千秋公園・中土橋付近

恒例のお堀のハスの片付けも今週から始まった


秋田駅東口から東方向の太平山を望むと、
赤く染まっていた
一昨年と同じく、太平山とその連山が色付いているのが、市街から見えた。
岩木山では上から徐々に赤い帯が下りてくるが、標高のせいかこちらは全山一斉に赤くなるようだ。
アルヴェ14階から
写真だとうまく伝わらないかもしれませんが。


 
1本1本微妙に色が違い、下のほうには常緑樹が多いことが分かる。

明日からは雨模様で気温の低い日が続く予報。
種苗交換会が始まった(今年は能代が会場)けれど、期間中は天気が荒れるというジンクスが、今年も当てはまりそう。
※続きはこちら
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こぐリやま/甘栗屋

2012-10-30 23:59:00 | 津軽のいろいろ
この記事の続きの弘前の話題。弘南鉄道大鰐線から。

「小栗山(こぐりやま)」駅の1つ隣の駅は「千年(ちとせ)」。
千年の駅名標に注目
左隣の「せいあいちゅうこうまえ(聖愛中高前)」は西弘前から変更された駅名なので、最近更新されたもの。
ローマ字表記は「TITOSE」は訓令式なのに、聖愛中高前は「CHU」とヘボン式。隣の県の某バス会社同様、ローマ字表記が統一されていないようだ。

それよりも気になったのが、「こぐりやま」の「り」の字。
拡大
なんかおかしくありません?
この書体の場合、平仮名の「り」ならひと筆書きだと思うが、これはつながっていない。
この裏面の「り」も同様だった。

では、当の小栗山の駅名標では?
ほら、つながっている
おそらく千年の駅名標では、片仮名の「リ」を貼ってしまったのだろう。「こぐリやま」と。
逆隣の松木平駅ではどうなっているだろうか。
【2020年10月20日追記】2020年時点でも変化なく、松木平駅では、ひらがなの「り」のようだ。また上↑の小栗山駅の隣「ちとせ」の「ち」だけ手書きになっているようだ。
そんな駅名標も、2020年秋以降順次、大鰐線全駅の駅名標のデザインが一新されることになり、いずれなくなる。弘南線のほうは変わらないらしい。(以上追記)



弘前市側の起終点駅「中央弘前」。
写真がないのですが、土手町から1本入った、入り組んだ小路と土淵川に面した、味のある駅舎。
駅内。正面が改札ですぐホーム(白飛びしているけど、奥に電車が停まっている)
上の写真、右奥にシャッターが写っている。
ここには、「甘栗屋」というたいやき屋さんが入っていたのだが、閉店していた。
シャッターには「閉店のご挨拶」という張り紙

「諸般の事情により」5月17日で閉店したそうだ
同じ張り紙が2枚あるが、その片方には、
客からの“寄せ書き”
「おいしかった」「店主の笑顔がうれしかった」「いつかまた」など、たくさんの感謝の言葉が綴られていた。内容や文字からして学生(高校生)が中心のようだが、親しまれたお店であったことが伺える。

それにしても、シャッターの凹凸があり、かつボールペンで垂直面に書くことはできないので、一旦剥がして書いて、またきれいに張り直したのだろうか。ちょっと気になってしまった。


そういえば、弘前市内にたい焼き屋や大判焼き屋さんって、あまりないような気がする(ないわけはないでしょうけど)。
弘前大学の生協のしか思い浮かばない。4年も住んでいたのに、ぜんぜん知らないものだ…

※次の記事(旅行記からちょっと逸れます)はこちら
※旅行記の続きはこちら
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車の色は空の色

2012-10-29 23:07:18 | 秋田のいろいろ
「これは、レモンのにおいですか。」
ほりばたで乗せたお客のしんしが、話しかけました。
「いいえ、夏みかんですよ。」
信号が赤なので、ブレーキをかけてから、運転手の松井さんは、にこにこして答えました。

昔、小学校で国語の時間に習った、あまんきみこ作「白いぼうし」の書き出しである。
秋田市立(合併前は雄和・河辺町立も含む)の学校では、国語の教科書に「光村図書出版」のものを採択しており、現在も続いている。(ちなみに、現在は秋大附小を含む秋田県内すべての小学校で同社の国語教科書を採択している模様)

光村図書出版のホームページを見ると、現在も、4年生上巻「かがやき(1冊ごとにタイトルが付いている)」の最初から2つ目の作品(単元としては最初)に「白いぼうし」が掲載されている。(少なくとも現在は)小4の春に習っていることになる。
僕たちの時も、小4の教科書が「かがやき」という名前だったので懐かしいけれど、「白いぼうし」がそれに載っていた記憶はなかった。もっと低い学年で習ったような気がしていたが…


ところで、「白いぼうし」はシリーズの中の1作品で、シリーズ名は「車のいろは空のいろ」。
タクシー運転手の「松井さん(下の名は五郎らしい)」が乗務するタクシー車内で起こる、ファンタスティックな出来事が綴られた作品。
ポプラ社刊行の本の挿絵によれば、「車のいろは空のいろ」というだけあって松井さんの勤務する「春野タクシー」は、青い車体。(ラインが入っていることが多いようだ)


さて、供給過剰気味と言われる、秋田市のタクシー。タクシー会社の統廃合や新規設立もあったが、最近は落ち着いたか。
秋田駅西口で待機するタクシー
秋田のタクシーは白っぽい車体のものが多い感じがするけれど、
青っぽいのはこれ!
秋田市では老舗であり大手の「あさひタクシー」は水色の車体だ。「空の色」とはちょっと違うが、秋田市内ではいちばん青いタクシーだろう。

あさひタクシーは、秋田駅前で客待ちをすることはないようだ(ホテルなどに専用の待機場があることが多い)。
あさひタクシーは、たしか他社より若干料金体系が安かった気がするから、その関係で遠慮しているのか。
また、あさひタクシーと同様に大手であるキングタクシーや国際タクシーも秋田駅ではあまり見ないから、その辺り(中小事業者への配慮)も関係しているのか。
あさひタクシー専用乗り場
【30日追記】必ずしも専用乗り場というわけでもないようだ。あさひが多い乗り場に他社のタクシーが1台だけ(複数の会社)混ざっているのを時々見るし、駅前にあさひタクシーがいるのも見かけた。


ここ最近、何週間かで、時々見るようになったタクシーがある。(もしかしたらもっと前からあったのかもしれない)
車のいろは空のいろ?!
屋根上の行灯の注目していただきたい。
「あさひ」とある。これもあさひタクシー!!
色が濃い車体のあさひタクシーが走るようになったのだ。
真っ青ではなく濃い水色にも見え、本の挿絵の色に近い。これはまさに「車のいろは空のいろ」。

従来の薄い色の車と同様、前のドアに「あさひ」と書いてあるのだが配色が違う上、若干小さい文字になったので、初めて見た時は行灯を確認するまで、これがあさひタクシーだとはにわかに信じられなかった。
新旧比較

新旧で色以外には車種が違う。※秋田のタクシーは「小型タクシー」と呼ばれるサイズが主流
今まであさひタクシーでは「日産クルー」のみを導入していたようだ。
タクシー専用車として1993年から発売されていた車種だが、2009年に生産終了となり、日産のタクシー用車種は基本的にはなくなった。
※クルー登場前はブルーバードやローレルがタクシー用として存在。クルーにはパトカーや教習車仕様もあった。

新しい色の濃い車は「トヨタコンフォート」。※「クラウンコンフォート」というタクシー用車種もあるが、それはやや大きい、中型タクシーサイズ。
クルーに追随して1995年に発売されたタクシー用車種(当時のマーク2がベース)で、最近まではクルーとコンフォートで、日本の小型タクシーのシェアを2分していた。
しかし、上のほうの秋田駅前に並ぶタクシーの写真を見て分かるように、現在の秋田では7割方がコンフォートになっていて、クルーが数を減らしているのが伺える。

クルー生産終了後の2009年から今まで、あさひタクシーで新車を入れなかったとは考えにくい。既に何台かコンフォートが導入されていたのかもしれない。
あさひタクシーのホームページを見ると、「小型タクシー(黒)」として黒いコンフォートの写真を掲載しているので、今までは水色でなく黒いボディでコンフォートを導入していたということだろうか?
【30日追記】従来の薄い水色のコンフォート(303号車)を見かけた。(そういえば前にも見たことがあった)
したがって、あさひタクシーの小型車は[クルーの薄い水色(最多数派)][コンフォートの薄い水色(少数)][コンフォートの黒(少数)][コンフォートの濃い水色(今後増える?)]の4タイプが存在するようだ。【12月11日追記】さらにバリエーションがあった。この記事末尾のリンク先へ。


新色タクシーは、車両番号「252」と「273」を見たので、通し番号だとすれば少なくとも20台ほどは存在していることになるのだろうか?
あさひタクシーの小型タクシーは95台あるそうだが、見た感じの割合としては新色は1割にも満たないのだけど…
【11月10日追記】濃い色の「222」と「211?」も確認。一方、200番代、300番代でも、クルー(もちろん薄い色)の車もある。付番の法則は単純ではないようだ。


今後、秋田市内では「車のいろは空のいろ」のタクシーが増えていくのかもしれない。
※続きはこちらこの記事後半も

【2014年2月23日追記】秋田市内でたまに見かけるようになった、ユニバーサルデザインタクシーについて。
2014年2月23日付秋田魁新報 総合面のコラム「こだま」で「知ってほしいUDタクシー」として、ユニバーサルデザインタクシーが増えていることを取り上げていた。
バリアフリー化を目的に国土交通省が2001年度から導入を推進しているそうだ。触れていはいないが、日産クルーの製造終了に伴い、タクシー専用車種が減っていることも増加の一因だろう。
2012年度末現在で全国で451台、秋田県内では秋田市の4社が計10台を運行しているとのこと。記者が乗車した運転手の話では、流している時、タクシー待ちをしているのにUDタクシーには手を挙げない人が多く、認知率の向上が課題のようだ。
※あさひタクシーにも導入され、また別の色になった
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弘前いろいろ

2012-10-28 20:56:41 | 津軽のいろいろ
この記事に続いて、弘前の話題をいくつか。

●相変わらずリンゴづくし
りんごの町・弘前のリンゴへのこだわりは、4年前にもアップした
巨大なリンゴのオブジェが、弘前駅の改札内や自由通路のどこかに置かれていて、駅に降り立った人を迎えてくれる。
今回は、改札口の真正面の自由通路に置かれていた。
改札を出ると巨大リンゴが目に飛び込む
今までは、「健康と美容に 弘前りんご」と文字が入っていたり、金魚ねぷたに変装させられたりしていた。
でも、現在は、
裏側にも何もない
文字や装飾が一切ない状態。だから、
よりリアル
さらによく見ると、裏面(改札口とは逆側)に、
分かりにくいですが矢印部分
40センチ四方ほどのネジ止めされた「フタ」のようなものがある。ここを開けると中に入れたりするのだろうか? ※関連した話題はこの記事後半

それにしても、弘前駅は中高年の団体客(白神山地方面へ行く雰囲気)や欧米系外国人観光客が多かった。

自由通路から1階へ降りるエスカレーターのところにあった「毎月5日はりんごを食べる日」という表示はなくなったようだが、今は、
「弘前りんご博覧会」
弘前市が主体となって、今年10月と11月にリンゴにちなむイベント(従来から開催されているイベントも含む)を連続的に行なっている。「食、街並み、アート、イベントなど、あらゆる場面にりんごを散りばめ、私たちの「りんご」の素晴らしさを、広く内外にアピール」する、リンゴ収穫感謝祭みたいなものだろうか。

駅から外に出ると、壁(観光案内所向かい)に大きな表示
「りんごの街のアップルパイはいかが?」
たしか弘前商工会議所が言い出しっぺだったかと思うが、数年前から弘前は「アップルパイの町」として宣伝している。
上の表示と同じデザインの弘前観光コンベンション協会のガイドマップ(同協会のサイトにも掲載)には、45店舗のアップルパイが紹介(甘さ・酸味・シナモンの有無など特徴が掲載)されている。
迷うほど豊富
たしかに1つの街にこんなにアップルパイが存在するのは多いほうだと思う。さすがリンゴの街だ。


●彼岸花
大学病院の裏・弘前高校隣の「金剛山最勝院」。日本最北の五重塔(重要文化財)がある。
夜間・早朝は閉まっています
このお寺で、ヒガンバナが咲くという話を数年前に知った。

前から何度か言っているけれど、北東北では、ヒガンバナは珍しい部類の植物。「秋田県由利本荘市北部の松ヶ崎が分布の北限」という話を聞いたことがあるが、それより北の秋田市内でもたまに生えているけれど…
秋田市よりやや寒い弘前ではかなり珍しく、最勝院の住職が10年以上試行錯誤を重ねて咲くようになったとのこと。
境内の一角に咲いていた
思ったほど密ではなく、若干草丈が小さい感じもしたが、きれいに・たくさん咲いていた。


●土淵川
弘前市中心部を流れる「土淵川(つちぶちがわ)」。
秋田市の旭川のように護岸が固められて川岸に下りられず、あまり水がきれいでない感じもするものの、川沿いに自転車道があるなど親しまれている。
弘南鉄道大鰐線は、中央弘前駅からしばらく川沿いを走る。車窓から眺めていると、川の中で工事をしていた。
ちょうど最勝院の裏あたり
川のこちら側はすぐ線路、対岸の道路は通行止めになっているようで、車窓からしか工事の様子を見られないかもしれない。
せき止めている

太い管で水を迂回させていた
【2013年2月26日追記】土淵川では、2012年初めに、流雪溝から流れ込んだり、川に直接投棄された雪がたまって、流れがふさがって水位が上昇したことがあったそうだ。
2013年の初めにも川はふさがったものの、陸奥新報によれば「(弘前市が)詰まらないように解消策を講じており、雪の下を水が流れている状態」になっている。この時の工事が、その解消策なのかもしれない。


●校舎
以前、秋田市立学校の校舎には、デザインに共通性があることを紹介した。そういえば弘前市立の学校は?
土手町の真ん中に、市立第一大成(たいせい)小学校があった。児童数減少に伴い、2002年にすぐ近く(直線で400メートルほどしか離れていない)にある第二大成小学校に統合して、市立大成小学校となっていた。
空いた旧第一大成小校舎は、弘前市役所「土手町分庁舎」として使われている。
土手町分庁舎(近くのホテルから撮影)
今も外見は学校そのもので、鉄筋コンクリート造と思われる、古めの建物。
肌色っぽい外壁は、秋田市では珍しいが全国的には普通か。てっぺんに集合煙突が並ぶのは北国らしい。
秋田市民として違和感を感じるのは、最上部の構造。
平らな屋上ではない
てっぺんが、金属製の少し角度がついた「屋根」になっている。
おそらく、積雪対策で、雪が下に落ちるようにしているのだろう。
弘前では、他の市立学校のほか、県立高校や団地でも、同じような屋根がついているものがある。

丘(?)の上にもそっくりの建物。手前は弘前大学
たぶん市立南中学校。だとすれば1984年開校だからその当時の設計・建築か。
秋田市では箱型校舎からベランダ付き校舎への移行期だったが、その一世代前の校舎のようでちょっと古臭く感じる。

最近建設された弘前市立学校の校舎(大成小、第三中など)は、屋上が平らで今風のデザインに変わっている。

※弘前の校舎に関する記事はこちら


●看板
秋田ではなぜかほとんどが黄緑色の工事内容を表示する看板。以前見たように、青森ではそうではなかった
(前回の再掲)民間のものだけど、写真入りが流行り?

弘前市立図書館で、2つの設備関係の工事が行われていて、その看板。

秋田だったら、こういう工事(自治体発注の館内設備工事)でも黄緑色の看板が設置されるものだけど、ここは道路工事の看板のような形式。
一方で、秋田では見られない請負金額が表示されている。


最後に、ごみ収集場所にあった、町外からごみを持ち込ませないための看板。
弘前市が設置したもののようだ
スキップしているようで、罪悪感がなさそうな足取り。
※この手の看板の別の図柄について

※次の弘前の記事
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加賀谷書店と和民

2012-10-25 23:26:12 | 秋田のいろいろ
秋田市中心部に店を構える大きな書店といえば、昔は「加賀谷書店」と「三浦書店」。現在は三浦書店は廃業し、加賀谷書店だけが残っていた。
一方で、近年、秋田駅周辺にはジュンク堂書店秋田店(2007年。650坪)や宮脇書店秋田本店(2011年。750坪)という大型書店が進出していた。

そんな中、秋田駅前にある加賀谷書店の本店が、11月7日で閉店することになった。※駅前の店を閉めるだけであって、2つの他店舗や会社そのものは存続
広小路の向かい側から見た加賀谷書店本店(中央の建物)
青森では書店のことを「本店」という場合があるので、その感覚だと「書店本店」がおかしく感じてしまうかも。
ちなみに、右隣の「竹谷本店」は本屋じゃなく貴金属店。しかも「支店」に対する「本店」の意味でもなく、そういう企業名。この店は「竹谷本店広小路店」らしい。秋田には「竹屋◯◯」を名乗る貴金属店が複数ある(この記事後半)ので、その区別かと思われる。

加賀谷書店本店は秋田駅西口から300メートル弱の広小路に面している。
広小路側
L字型の店舗で、広小路側の間口は狭いが、こちらがいちおう正面らしい。
店舗東側のビューホテル搬入口と向き合う、細くてごちゃごちゃした市道側にも出入口がある。
青い柱の奥が出入口(手前の自販機付近のドアは使っていない)

10月17日付秋田魁新報4面・経済面によれば、加賀谷書店本店は「1955年ごろ現在地にオープン」「1、2階合わせ528平方メートルの売り場(注・約160坪)」。
大型書店の進出後の「2011年度の売り上げは20年ほど前の約4分の1程度になった」そうで、社長は「(前略)大手にはかなわなかった。チャンスがあれば新たな出店も考えたい」と話している。

広小路側に10月15日付で「店主」名の「閉店のお知らせ」が大きく出ていた(市道側は小さい張り紙)
通りがかってこのお知らせを目にして「おおっ!」と派手に驚いている人がいた。

加賀谷書店本店は、10年ほど前だったか、一時期仮店舗(金萬ボウルのビルの1階だったか)に移転して、その間に店をきれいにしたことがあった。
2階の窓は古そうだし全体的なデザインも昔と変わっていないようなので、解体・新築したのではなく、リフォームしただけだったのだろう。そういえばリニューアル開店後の店内は、建材によるものか独特の臭いが強く漂っていた。


加賀谷書店がなくなれば秋田駅西口周辺の書店は、上記大型2店舗のほかは駅ビルトピコの「ブックスささき」だけだろうか。
一定の品揃えがあり、地元書店であった加賀谷書店本店の閉店を惜しむ声も多い。

けれども、個人的には、こういう状況である以上はやむを得ないと思う。
地方都市の地元書店が生き残ることが厳しいのは、他都市を見て分かっていた。先日も書いたように、弘前市の「今泉本店(この“本店”は“書店”の意味ですよ)」は2000年に廃業している。
それに、一時期秋田市御所野にもあった「戸田書店」は静岡市清水が本拠地。清水では加賀谷書店のような位置づけの書店のようで、清水駅やさくらももこの生家から遠くない商店街に、本社と「清水本店」があった。
再掲)戸田書店清水本店
しかし、2011年1月に店舗としては閉店。本社機能だけが残った。(一方で、静岡の中心部には新しい大型店を出したりしているようだが)
全国的にそんな流れの中、大型書店が2つもできた秋田駅前なのだから、閉店するというのには驚かなかった。


それから、今となっては、店舗の立地で恵まれなかったのかもしれない。
木内など広小路の西側が賑やかで人の流れがあった時代であれば、秋田駅から広小路西側へ行く途中にある加賀谷書店は通りがかりに入りやすい立地だったはずだが、そちらが寂れてしまった今は、わざわざ足を向けて行かないとならない場所になってしまったのも、客が減った原因かもしれない。アーケードもなく、悪天候の時は面倒な場所でもある。
ジュンク堂も宮脇書店もビルの5階以上の高層階だが、距離的にはより駅に近く、駅からほとんど(あるいはまったく)屋外に出ずにたどり着けるのでその意味では行きやすいこともあるだろう。


さらに、加賀谷書店にとって、本店の売り上げがどの程度を占めていたのだろうか。
加賀谷書店の本社は手形陸橋の下にあって、外商部がある。大きな企業や役所を回っているので、けっこうな売り上げがありそうだし、高校の教科書などの販売もある。こうした外商のほうが、加賀谷書店の売り上げに貢献していそうな気がする。(新学期の高校の教科書販売って、アトリオンとか別会場でやるんだっけ? それなら、本店閉鎖の影響は少なそう)
不採算部門として本店を閉めてしまうのは、企業が生き残るにはやはり仕方ないのだろう。



では、加賀谷書店本店がなくなった後の建物はどうなるのかと思っていたら、24日の魁4面・経済面。
その「加賀谷書店本店ビル」(っていう名前なのね)に、秋田県初出店となる居酒屋「和民」が出店することを、23日に運営会社のワタミが発表したことが出ていた。
1階のみを使用する約260平方メートル、150席。
ワタミは現在44都道府県に出店していて、未出店は福井、高知、秋田。残り3県にも出店することになったようだ。

和民が秋田にできるという噂は前からあったので、これも驚きはしなかった。
でも、老舗書店だったところが居酒屋チェーンになると思うと、時代も変わったなと感じてしまう。
あと、どういう流れか知らないが、書店閉店→和民進出と、ずいぶんとスピーディに話が進んだものだ。


それにしても、ここ10年くらいだろうか、秋田駅前はずいぶんと居酒屋を始めとする飲食店が増えたものだ。
秋田駅方向を見る。右側2件目が加賀谷書店
加賀谷書店本店の斜め向かいの昔サークルKがあったビルもそうだし、向かい(ホテルハワイの東隣)に建設中のビル(=上の写真左側)も飲食店が入るらしい。そこから秋田駅に向かう途中にも、たくさんの新しい居酒屋ができた。
旅行客向けに秋田らしい飲食店があるならまだしも、全国チェーンの居酒屋ばかりが駅前に集結してもあまり意味がないし、やっていけるのだろうか。

※続きはこちら
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なかいち等にコンビニ

2012-10-24 23:54:01 | 秋田のいろいろ
セブンイレブンの秋田市進出を間近に控え(具体的な話は聞こえてこないけれど)、他の既存コンビニチェーンは新規店舗開店を進めているようだ。
ファミリーマートは6月に「秋田南通り店」、ローソンは5月に「秋田新屋日吉町店」、9月に「秋田山王けやき通店」が開店している。
なお、けやき通り店のすぐ近くにある、既存の「ローソン秋田山王一丁目店」も営業を続けている模様。

さらに2店舗がもうすぐ開店する。
まずは、中通一丁目の、再開発「エリアなかいち」の中央通り側の住居棟(高層マンション)。
再掲)7月にはまだ建設中
工事が進んで、
まもなく完成しそう
今の時代ありふれたマンションの外見で、こんなもんなんだろうか。もうちょっと個性的な外観になるかと思っていたのに…

で、その1階の南西角に、
ファミリーマート!
「10月30日(火)OPEN」という紙が出ていた。店名は不明。【29日追記】店名は「秋田中通一丁目店」。
中央通り側から
店舗出入口は西側(広小路へ至る市道沿い)にしかなく、マンションの正面玄関となる中央通り側にはない模様。

エリアなかいち周辺のコンビニは、秋田キャッスルホテルの1階にローソンがあるだけ。前は中央通り側にもローソンがあったのだが、なくなった。
以前コメントで、なかいちにコンビニがあっても悪くはないという話が出ていたが、それが実現することになった。
ファミリーマートととしては、大町五丁目店、上記南通り店に続く秋田市中心部3店舗目となる。

ファミリーマートは2015年7月末で閉店してしまった
2013年12月には、この1ブロック隣にローソンが開店しており、キャッスルホテルのローソンとはさみ撃ちにされて競争に負けたのか。



場所は変わって、保戸野(ほどの)と泉の境である「泉ななかまど通り」。
東側から西方向。左が保戸野、右が泉。左手前が生鮮市場の敷地。左奥のピンクのは秋田大附属小
30年以上前は田んぼだったそうだが、徐々に家が増え、昭和末に広い道路ができた。今はすっかり住宅地で、通り沿いにドラッグストアなどもできている。(そのわりにスーパーは少ない)
逆方向から
上の写真に高いタイプの看板が写っているように、ローソンができる。
保戸野原の町側のJR系列のスーパー「秋田生鮮市場 保戸野店」の並び(いちおう隣か)・ツルハドラッグの向かい。たしか以前はわりと大きな民家があった場所かと思う。
後ろのほうに生鮮市場が見える
公式サイト「新店情報」によれば、「秋田泉ななかまど通り店」として11月2日(金)オープン。(所在地は「保戸野原の町708‐1」と住居表示ではなく地番を表示してしまっているようだ)【11月2日追記】所在地は「16番33号」。
現地には「近日オープン予定」としか表示がない
この通りにはサンクスがあるし、徒歩5分程度の周辺にはサークルKと別のサンクスの店舗が1つずつある。(昔からサークルKサンクスが多い一帯で、昔はすぐそばにもあったが閉店や新規開店があって現在の配置になった)
そして、保戸野原の町といえば「ローソン秋田保戸野原の町店」。1997年に秋田県内で最初に開店したローソンの1つ。
保戸野原の町店は、保戸野原の町の南西端に位置し、北端である新店付近からは徒歩で5分ほどの距離。
これほどコンビニが必要か自体は疑問だが、立地としては他チェーン店舗ともローソン原の町店とも、さほど客の奪い合いにはならない場所の気はする。
【12月8日追記】この後も、ローソンの新規開店が続く。12月7日には「秋田将軍野南三丁目店」「秋田仁井田栄町店」がいずれも秋田市の幹線道路沿いに開店。

さて、セブンイレブンはどこを狙って進出してくるのやら。
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弘前市中心部

2012-10-23 22:50:00 | 津軽のいろいろ
この記事に続いて青森の話題。弘前市中心部の商業関係について、弘前駅から弘前公園方向に進みながら紹介します。

●JoppaL
弘前駅前の商業ビル「JoppaL(ジョッパル)」。
1994年にダイエー弘前店を核テナントとしてできた比較的新しい商業施設。ダイエー撤退後も営業していたが、2009年10月に経営する第3セクターが経営破綻。同年中に営業停止・閉鎖となった。
2010年秋に行ったら、出入口にベニヤ板が張られて閉鎖されていた。

その後、出資者である弘前市も関わって、営業再開を目指して動いてはいるようだ。
現地はどうなっているか?
北西角。「宮脇書店」の看板の下が出入口だった
2010年とほとんど変わらない状態。まだ古くはないビルがもったいない。
 
ドムドムバーガーとか閉鎖直前の各店舗の看板類もそのまま残る。前も書いたけれど「夜逃げ」したみたいでいかがなものか。撤去できないのだろうか。

営業再開は、来年7月を目指しているという。
当初計画していたシネマコンプレックスは流れて、食料品(地元スーパー?)や県内初出店のファッションブランド、そして弘前市役所の行政・子育て・市民活動等を行う「駅前分庁舎(仮称)」が入居する計画。
秋田駅前のフォンテ(旧・イトーヨーカドー秋田店)みたいな感じになるのだろうか。

これらを伝える報道では、このビルのことを「旧ジョッパル」と称するところがある(東奥日報など)。ということは、再開時には「ジョッパル」じゃなくなるかもしれないということか?
※その後、名前が変わることになった。続きの記事にて。


●イトーヨーカドー
ジョッパルのすぐ北側に位置するのが、イトーヨーカドー弘前店。弘前駅から見ると、左方向がジョッパル、右方向がヨーカドー(どちらも駅の真ん前ではなく、少し歩く)。
東北地方の同社店舗の中でも売上成績が良好だそうで、たしかに若者からお年寄りまで多くの人でいつも賑わっている。そのお陰で、
開業36周年セール開催中

秋田市と大して違わないはずなのに、どうして弘前がこうなのか、毎度のことながら不思議に思ってしまう。


●ドラッグストア
イトーヨーカドーの北側の通りの向かい側には、古くからの小さなビルや店が並ぶ。(一部で区画整理が行われる模様)
秋田駅でいえば、広小路北側のフォーラス~現・コンフォートホテル~ホテルハワイ辺りの何年か前のような雰囲気か。

その1つ、イトーヨーカドー北西角の交差点の所に、ドラッグストアがある。僕が弘前に住んでいた頃から変わらないはず。
東北地方のドラッグストアといえば、幹線道路に面した駐車場がある、新しい平屋建ての大きな建物が一般的。
この店は、駐車場がなく、入ったことはないけれど間口は狭くて奥行きもなさそうで、商品が所狭しと並んでいるように見ていた。個人経営の薬局か何かが、ドラッグストア風の店構えにしているのだと思い込んでいた。
ところが、今回、店名の看板に気づいた。
駐車車両が邪魔ですが「スーパードラッグアサヒ」
スーパードラッグアサヒといえば、東北ではそれなりに知られたドラッグストアチェーン。秋田市には泉、広面、寺内(八橋)、勝平に店があるが、上記のような道路沿いの新しい店。外壁は紫がかったピンク色かな。
ここがそのスーパードラッグアサヒだとは知らなかったし、こんな形態のスーパードラッグアサヒがある(首都圏の駅前にはこんなドラッグストアがありそうだけど、地方都市では…)とは知らなかった。店舗名は「弘前店」。

スーパードラッグアサヒは「横浜ファーマシー」という企業が経営し北海道から山形県に展開。その本社は弘前の隣の北津軽郡板柳町にある。(マツモトキヨシグループに加盟しているようだ。)
そういうわけで、弘前は地元であり、弘前市内に複数の店舗があるのに「弘前店」を名乗っているからには、ここは由緒ある店なのだろう。

※その後の関連記事


●中土手町商店街
商店街の土手町へ進む。
そのうち「中土手町」では、街路整備事業が行われた2010年春に、各店舗で扱う商品などをモチーフにした木製の看板が軒先に設置された。凝った作りで統一感があり、素敵な街に見えた。
それから2年。多くの看板はこうなっていた。
ボロボロ
表面の塗装やニス(?)が剥がれかけてボロボロ。色も変わっている。
わずか2年でこうなってしまうとは、耐久性に考慮していなかったのだろうか。残念。
【2021年4月10日追記】設置から11年経った2021年に看板が新しくなった。2021年4月7日アップ陸奥新報サイトより。
・(近くに新しくできた)弘前れんが倉庫美術館を象徴する「シードルゴールド」の屋根をイメージした真ちゅう製に変更。
・大きさが縦約45センチ、横約30センチの統一規格。
・何を扱っている店か見て分かる(デザイン)
・リニューアルに賛同した22店舗
(以上追記)


中土手町の北端・土淵川に架かる蓬莱橋から
川沿いに空き地ができていた。
庇だけが残る
ここは以前、「蓬莱堂」という帽子屋さんがあったようで、最近(9月?)に解体された模様。

※その後はこの記事末尾


●中三
下土手町に入ると、すぐ「中三弘前店」。
地元百貨店「中三(なかさん)」は、震災直後の2011年3月に民事再生手続きに入り、(弘前と青森で)営業を続けながら、再建を進めている。
1階と地階をちょっと見てみたが、以前と変わらない感じでお客も多かった。とりあえずは安心だろうか。
【2024年8月30日追記・その後の中三について】
2011年以降、経営再建が続けられ、2019年以降は弘前店のみが営業を継続していた。
ところが2024年8月29日、破産手続き開始。負債総額約9億円で、全従業員を解雇。土手町の衰退や、弘前店の建物の今後(解体する方針との報道も)を不安視する声が出ている。(以上追記)
蓬莱広場から
若干の変化もあった。
まず、上の写真に看板が出ているが、今年5月に6・7階にジュンク堂書店がオープンした。丸善の文具コーナーを併設し、約800坪。

土手町の通りでは、500メートル離れた中土手町南端に、古くから紀伊國屋書店がある。【2013年9月22日追記】紀伊國屋書店弘前店は、2013年9月22日で開店30年を迎えたそうなので、1983年に開店したことになる。
そういえば、昔は中三の少し先に、地元の「今泉本店(=“本店”とは“書店”の意味)」のわりと大きな店があったが、10年以上前に自己破産して廃業している。
再び、土手町に大きな書店が2つ共存することになったわけだけど、どうなっていくか。

なお、秋田市では2007年に、駅前のフォーラスの6・7階に650坪でジュンク堂がオープンしている(丸善コーナーはないのかな)。その後、宮脇書店もでき、地元の加賀谷書店は駅前の店を11月に閉じることになった。※加賀谷書店の駅前以外の店舗は営業継続


中三の建物本体と蓬莱橋の間に、小さな建物がある。デザイン的に統一されているようなので、関連があるのだろうか。
(再掲)手前の黄色い建物
この建物にはずっと、眼鏡店と「ミスタードーナツ弘前土手町ショップ」が入っていた。
ところが、ミスドがなくなって跡がピザ屋(宅配じゃなくレストラン)になっていた。
昔は手前がミスドだったはず
ナポリピッツァ専門店「pizzeria DA SASINO」が2010年8月26日にオープンしたそうなので、だいぶ前にミスドがなくなっていたことになる。

ミスタードーナツでは各店舗に通し番号(ショップNo.)を振っている
弘前土手町ショップは「0475」だったそうだ。1980年代初めにできた秋田市のニューシティ隣にあった「秋田大町ショップ」が「0360」だったので、1980年代にできたのだろう。
現在「0475」は、弘前市樋の口のイオンタウンの中にある「イオンタウン弘前樋之口ショップ」に引き継がれている。(なぜか「の」が「之」になっている)


●土手町コミュニティパーク
中三を過ぎた向かい側で、建築工事が行われていた。
足場やシートはかかっているが、もうすぐできそう
昨年夏に明らかになった、複合施設「土手町コミュニティパーク」。昔は秋田の「協働社」の弘前店がここにあったらしい。
※昨年の記事では「「したどてスカイパーク」の向かいというから、百貨店「中三」の並びか」としていましたが、スカイパーク自体が中三の並びなのだから、その向かい側にあるのに「並びか」は間違いでした。
 
予定通り、10月20日に向かって右の「ごちそうプラザ」が先行オープン(この記事の写真はその1週間前撮影)、12月22日に「コミュニケーションプラザ」を含めてグランドオープンとのこと。


●ハイローザ跡地
さらに少し進んで、スクランブル交差点。
この角に1998年まであった商業施設「ハイローザ」が更地になり、「ドテヒロ」というイベント会場などどして使われていた。(秋田でいう産業会館やニューシティ跡地みたいなもの。一般的には「ハイローザ跡地」と呼ばれる)

そこにマンションが建つような話が出ていた。※2011年3月の記事(後半)
工事が始まっていた
15階建て・56戸が入る「ポレスター弘前」で、来年9月末竣工・11月末入居開始。

秋田市で言えば、広小路西の協働社跡→ベルドゥムールランドマーク秋田みたいな状況だけど、賑わっていた商業施設が単なるマンションになってしまうのは、ある種の寂しさを感じてしまう。


スクランブル交差点から夕暮れの中三方向を振り返る。この直後、街灯が点灯した
※土手町も、秋田市の広小路のように複数車線の一方通行です

弘前にしても秋田にしても、街は少しずつ姿を変えていく。
※次はこちら
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ノンステップ台数の調査と報道

2012-10-22 23:51:36 | 秋田のいろいろ
20日付秋田魁新報の社会面・33面に「本県の導入率1.1% ノンステップバス/各社は慎重姿勢」という5段組み記事が出た。
国土交通省がまとめた3月末現在のノンステップバス導入率が、全国平均29.9%、県別では愛知62.5%、東京62.0%の順で高く、最下位は青森の0.8%、秋田は下から2番目の1.1%だった。
導入率の低さについて、秋田県内で路線バスを運行する3社では、雪道に適さないこと、購入費捻出が困難であることを理由に挙げている。
という内容。
毎年発表されるデータで、傾向は変わらないし、今年の話もどこかで既に知っていたので特に目新しい話題ではない。


新たな情報としては、
「(秋田県内のバス運行)各社によると、ノンステップの中古は安いもので100万円以下だが、年式が新しいものは新車並みの2千万円近く。」「新車購入には国、県で上限1500万円の補助がある」
といった程度。
中古でもずいぶんと価格に幅があり、場合によっては補助金で新車を買ったほうが安くなるのか。(記事中にもあるように、補助金購入車は運用する路線が制限されるという制約はある)


で、この魁の記事では、ある点について一切触れていない。
それは「秋田中央交通では、(小田急バスの)中古ノンステップバスを大量に導入している」ということ。

記事中では、「秋田中央交通(秋田市)が定員55人の中型3台を運行する」とあり、3台しかノンステップバスがないと受け取れる。
※この3台とは新国道経由追分方面の路線で使われる「818」「819」「904」を指していると考えられる。
また、見出しにもあるように記事全体として、秋田中央交通を含む秋田のバス会社は、どこも中古を含めたノンステップバス導入に消極的と取れる内容。

ところが、当ブログで以前から取り上げているように、秋田中央交通では小田急の中古のノンステップバスを、おそらく13台(中型12、大型1)も導入しているのだ。
国交省の統計の調査日である昨年度末の時点でも、5台(865、866、870、871、896)の導入を確認しているのに、どうしてそれを無視してしまっているのだろう。


さらに、新聞記事には写真が出ている。
秋田中央交通臨海営業所で撮影した、ノンステップバスの中ドアが開いている写真。(中ドア付近のアップなので、ナンバーは確認不可能)
この写真のバスは、「座席が無地でエメラルドグリーンであること」と「車内の握り棒が黄色と茶色であること」から、新車の3台ではなく小田急バスの中古車の1台だ。
※余談ですが、さらに「ドアが引き戸(ぐるんと開くのでなく)」で「臨海営業所所属」から判断すれば今年5月上旬に初めて見た「915」の可能性が高い。(改めて見ると、中古中型12台のうち865、866、915以外は全部秋田営業所所属であり、偏っているのに気づいた)

新車ノンステップ3台は臨海営業所に所属しているため、本社に問い合わせるなどしてそのことを知った魁の記者が営業所へ撮影しに行ったら、3台とも出払っていて、やむなく中古ノンステップを撮影したのだろうか?
ともかく、写真を撮ったのだから魁側でも中古ノンステップの存在は目に入っていたことになる。なぜ、そのことに記事で触れなかったのだろう。

 いずれも再掲
新車(左)と中古(右)のノンステップバスに外見上の違いは少ない。

小田急中古のノンステップバスのことは抹殺したいかのようにも取れる魁の記事。
その理由というか原因は、国土交通省の10月5日付リリース「平成23年度末 自動車交通関係移動等円滑化実績等について(http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000127.html)」を見ると、分かってきた。
簡単にまとめると、国土交通省の調査は単なる「ノンステップバスの台数(およびその割合)」ではなく、「移動円滑化基準(バリアフリー新法)適合車両の導入状況」の調査なのだった。

バリアフリー新法は2006年末施行で、ノンステップバスはそれ以前から存在しており、中央交通に来た小田急中古も以前のもの。
そのような基準に適合しないノンステップバスは、今回の調査においてノンステップバスのカウントから外れていたことになる。

一方で、「ノンステップバスではないけれどバリアフリー新法適合」という車両(=主にリフトやスロープの付いたワンステップ車か)もあり、実は今回の調査では、その数も調査されていた(ノンステップバス台数はその内数として掲載)。
それによれば、秋田県内ではバス総数615台のうち117台、秋田中央交通(子会社のトランスポート分を除く)では234台中51台が適合となっている。このことについても、魁では触れておらず、あたかもノンステップバスだけの調査かのように見えてしまう。
ちなみに青森市営バスは174台中40台(ノンステップ2)、弘南バスは269台中34台(ノンステップバス0)。


したがって、
国土交通省の調査は「ノンステップバス以外も含む基準適合車の数」だったのに、
魁の記事はノンステップバスだけに着目しているから実質的に「基準適合車のノンステップバスの数だけ」について書いていて、
さらに書き方(基準適合うんぬんには触れていない)からすれば読者には「基準適合外も含むノンステップバスの数」かのように読み取れるものだった。

基準に適合していないからといって、大きな問題があるようには見えない(相違点は座席や棒の配置程度)のだから、多少なりともバリアフリーに貢献していることは間違いない。その存在を完全に無視してしまうのはいかがなものか。
国の調査結果はそのまま掲載するにしても、ただし書き程度でも「この調査は基準に適合した車両数だけを対象にしたもの。秋田県内の一部では基準制定前製造の中古ノンステップバスを導入する動きもある」ことに触れるべきだったのではないだろうか。


こんな記事になったのは、記者が何も(深く)考えなくて表面的なものになってしまったのか、あるいは何らかの意図があってこんな記事になったのか。
最近は一部新聞社・通信社が妄想癖の激しい研究者に踊らされたし、以前からのエネルギー政策や政治などの報道を見せられると、報道を鵜呑みにすることがあってはならないし、それを見極める能力が試されているように思えてしまう。
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SLあきた路号

2012-10-21 23:25:12 | 秋田の季節・風景
5回の試運転を経て、蒸気機関車「C61 20」による「SLあきた路号」が昨日・今日と運転された。
昨夜から今朝にかけては、風と雨が強く荒れ模様だったものの、運行時間は秋田市内では降ることはなかった。

停車駅各駅ではイベントが行われた。
JR東日本秋田支社のリリースによれば、20日に秋田駅では発車ホーム2番線のすぐ外の秋田支社の駐車場で「秋田市役所竿燈会による竿燈演技」が行われたそうだ。※竿燈参加者の取りまとめ組織である「秋田市竿燈会」ではなく、秋田市役所の職場竿燈「秋田市役所竿燈会」
東能代駅前では両日ともJR竿燈会よる竿燈演技があった。
つまり、JRの自分の竿燈は東能代まで出張し、秋田駅は市役所にお願いしてやってもらったのだろう。
それにしても、各町内竿燈ではなく秋田市役所が出張演技するのって、珍しいような気がする。
【26日追記】他のブログ等で画像を拝見すると、秋田支社前では各町内の提灯・衣装で竿燈演技を行なっていた。やはり通常通り、秋田市竿燈会を通して依頼された各町内が出竿したのであり、資料の「秋田市役所竿燈会」表記は間違いの可能性もある。

また、2日間限定で、釜めし風(?)の運行記念駅弁が秋田駅と東能代駅で発売されたそうだ。


では、写真を少々。
秋田総合車両センター(旧称・土崎工場)横では貨物列車にかぶられてしまったので、ほかに秋田市内で見やすそう・撮影しやすそうな場所といえば、車が入ってこない場所で広々とした工業高校グラウンドの南側・旭川の橋周辺。以前のSL運行の時も、多くの人が詰めかけていた。

そこは朝は逆光になるので、夕方の上りの試運転を見に行った。
試運転にしてはけっこうなギャラリー。近くにJRの社宅があるので、そのツテで試運転の情報を得て見に来たような話をする人がいた。
警察も来ていたが、撮影の邪魔にならないかといったん駐車したパトカーを移動しようとする(これはカメラを持った人が恐縮して固辞していた)など殺伐とはしていなかった。
以前、川の下流側から見ると、黒いSLの側面に夕日が当たって美しかったのだが、今回はなんとなく上流側から。すると、
ここでも反対方向から!
青森行き普通列車と橋の上ですれ違ってしまった。普通列車は短いから、微妙なタイミングで避けられる可能性もあるが、下流側から狙うのはリスキーだったかもしれない。

秋田駅が間近の地点だが、思いのほか煙は出していた。その煙が夕日に照らされてきれい。
「紫煙」

D51よりも若干大型なだけあって、C61は長い

サイドビュー

冒頭の写真のように本運転時は、例によってヘッドマークが取り付けられた。
秋田駅に入線する上り。窓からたくさんの手が振られる
今まで秋田で運転されたSLでは、どれも取ってつけたようなデザインのヘッドマークで浮いて見え、いっそないほうがいいと感じてしまうものだった。
今回は、黒地に金色と白で文字が入ったもの。プレディスティネーションキャンペーンのキャッチコピー「あきたにしました。」も入る。SLの車体に違和感なく溶け込んでおり、かなりいいデザインだと思った。

昨日の上り列車では、なぜか
最後尾の窓にもヘッドマークが?!
今日の上りでは、
出ていない模様
車内にあったのは、どうも乗客の記念撮影用のプレートらしい。


昨日・今日も、老若男女多くの人が沿線でSLを迎えた。
上記、旭川の橋には本運転時には行かなかったが、聞いた話では100人以上(数百人?)いたとか。
【11月7日追記】旭川近くの県立秋田工業高校グラウンドでは、生徒(野球部員?)が整列して列車に手を振ったとのこと。
【22日追記】線路沿いのお宅では、2階の窓から1階の屋根に出て見物する人も。
それに応えるべく、列車の乗務員も乗客も、ずっと窓から手を振ってくれていた。おつかれさまでした。
運転台の運転士(国鉄式の言い方では「機関士」)さんたちも、手が空いていると前方を注視しつつ、手を振ってくれる。
秋田駅ホームに入るところ。後ろの炭水車の石炭はけっこう残っているようだ
秋田には蒸気機関車を運転できる人はいないようで、機関車とともに高崎から来た運転士が運転や投炭し、秋田の(電車や気動車の)運転士が添乗して信号や安全確認を行なって運行していると思われる。蒸気機関車の運転には、その資格のほか、ボイラー技士の資格も必要だそうだ。
C61は動輪(=3つの大きな車輪)がとても大きく、直径175センチもある(D51は140センチ)
10年ぶりに秋田をSLが走り、41年ぶりに秋田に“里帰り”したC6120。町中に汽笛が響き渡り、多くの人が心をときめかせた。
また秋田を走ることはあるだろうけれど、差し当たって来年のデスティネーションキャンペーン本番は何からやらないの? ということになってきますが…
できれば、秋田着がもっと明るい時間だとうれしい。日の長い季節に運行するとか。

今回、SLあきた路号が運行された名目は、プレDCのほか、秋田・土崎・追分・大久保・八郎潟・鹿渡・森岳の7駅が今年開業110周年を迎える記念イベントでもある。しかも、その開業記念日が、今日10月21日。
秋田駅中央改札口には横断幕
ちなみに、臨時列車などで珍妙な表示が見受けられる中央改札上のLED発車標において「SLあきた路号」は、「快速SL  9:09 東能代 2」「あきた路 9:09 Higashi-Noshiro 2」だったようだ。列車名を英語にしたり、1度に全部表示する気はないのね。



最後に、最近の東北のJR東日本の話題から3つ。
・JR東日本4両目のSL復活。「C58 239」を2013年冬以降から釜石線を中心に東北地方で運行する計画
釜石線の勾配での補助兼客車として、JR北海道から中古の気動車(ディーゼルカー)を購入して、改造して使うというのも珍しい。(その気動車自体、客車から改造されたという珍車)
秋田を走ることもあるかもしれない。

・11月に秋田車両センターでE6系の見学会(事前申込み・抽選制)実施。“送迎”付きコースも
見学会には2コースあり、1つは現地集合・現地解散。
もう1コースは、秋田駅集合・解散で、センターまでは電車で移動(「体験乗車」という名目)するのが目新しい。アクセスが悪いので、その対策か。
田沢湖線の普通列車用車両「701系5000番台」を使用するそうだが、通常の一般公開の時にも、ぜひやってほしい。

・583系電車による臨時寝台特急「あけぼの」が上野-弘前間で運行
年末年始に1往復だけの運行。下り81号が12月29日、上り82号が1月3日始発駅発。
つまり、従来運行されていた「ふるさとゴロンと号(寝台はセットするが寝具類の提供がないので、寝台でない特急指定席扱いで運行)」を、そのまま特急化【22日訂正】寝台化したものと考えてよさそう。
再掲
別の見方をすれば、JR化直後の昭和末期からしばらく、同じような583系による「あけぼの81・82号」が運行されていた(当時は山形経由。やっぱり弘前止まりだったか?)ことがあり、その復活とも考えられる。
JRにしてみれば、指定席特急料金のゴロンとで運転するよりも、寝台料金がかかるあけぼので運行したほうが収入増にはなるけれど、今になって突然3段式寝台特急を走らせることになったのが唐突な感じ。

583系電車の寿命、寝台特急あけぼのの列車自体の行く末を考えると、「さよなら列車」的なものになってしまいそうな気もしてしまう。

583系の小さなヘッドマークに、あけぼののイラストマークが表示されるのは見てみたい。
でも、時間的に秋田は上下とも暗い時間の通過になるし、年末年始は寒波による運休もあり得るし…
運転時の話題
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由利橋工事進む

2012-10-20 19:06:33 | 
架け替えが行われている、秋田県由利本荘市中心部(旧本荘市)の子吉川の「由利橋(正式には“ゆりはし”、通称“ゆりきょう”)」を先週末に見たので、久しぶり(2年ぶりですね)に。
今年3月頃の秋田魁新報に、ケーブルを支える「主塔(高さ50メートル)」が姿を現したという記事が出て、その後も工事が進んでいるらしかった。最近、橋桁が両岸でつながったという話も聞いていた。
※過去の記事は概要2009年5月の渡り納め2009年10月の解体中2010年10月の状況


羽後本荘駅が近づく羽越本線の車窓から見ると、
田んぼと家並みの向こうに主塔が見えた(川口地区付近か)
さらに進んで、
もちろん子吉川を渡っていても見える(手前は国道105号線の飛鳥大橋)

羽後本荘駅を出て、新しくできた「カダーレ(後日紹介します)」を眺めて裏尾崎町へ直進(県道165号線)。建物が多く、この辺りからは主塔は見えない。
大門街(って言うんだっけ?)で右折して由利橋の通りへ。すると、
真正面に塔がそびえる!
日曜の朝なのに、車がたくさん駐まって賑わっている有名なそば屋を過ぎて、由利橋へ進む。
すると、
「この先通行止め。飛鳥大橋・石脇へは右折」という看板が
由利橋南詰の交差点が、こちら側からは完全に通行止め(封鎖)されているらしい。川の対岸の石脇地区や川沿い上流の飛鳥大橋へ行くには、中横町と桶屋町の境、かつて文化会館があった所を過ぎ、グランドホテルの脇へ抜けるように誘導される。飛鳥大橋方面へは堤防に突き当たって右折、石脇方面へは左折して由利橋の仮橋を渡ることになる。
通行止めは8月から新橋の供用開始までとのこと。

右折看板の地点からさらに直進。
全面通行止め
通行止めにより、南詰の交差点は、仮橋の東のグランドホテル側への一本道になっているので、信号機はカバーが掛けられて使用停止。
歩行者も仮橋側・グランドホテル側へ行くことはできなくなっている。
真正面から見ると、なんだかよく分からない

橋直下の堤防の歩行者道も通行止めになっているが、鍛冶町の脇道からギリギリまで接近。
下流側から見る(いくつか見える茶色い橋脚は仮橋のもの)
左右非対称の斜張橋(厳密には“吊り橋”ではない)。
主塔は白い色になるが、まだ足場やシートがかかっているので、青く見える。ケーブルは黒いが、これはこのままのようだ。

上流側に隣接して架かる仮橋から

迫力がある

ケーブルが短い石脇地区側から

逆光ですが石脇側から
よく見ると、
いちばん石脇側のケーブルはまだつながっていないようだ

由利本荘市民の皆さんにしてみれば、いろいろ意見があるでしょうけれど、よそ者の勝手な意見としては、なかなか美しい橋になりそうで、足場が取れ白い塔が姿を現し、やがて完成するのが楽しみ。

ところで、3月の魁新聞では新しい由利橋は「12月にも完成」となっていた。
現地には、「◯◯を××しています(由利橋を架け替えています)」の類の看板などはなく、よく分からない。
帰ってから由利本荘市の公式サイトを見ると、ちょうど今週月曜付けで「由利橋「主塔(タワー)およびケーブル」愛称募集について」というページがアップされていた。
「新しい橋が市民はもとより県内外の方々に親しまれ、新たな観光スポットとしての魅力を高めるため、本市のランドマークにふさわしい愛称を募集します。」橋の名は引き続き「由利橋(ゆりはし)」だけど「由利橋の特徴である「斜張橋」について、主塔(タワー)およびケーブルを対象」にして募集するとのこと。橋じゃなく、塔とケーブルの名前を募集ってこと?
なお、夜間にはライトアップされるようだ。

それによれば、「いよいよ来年1月末に供用開始を予定しています。」だそうです。(その後、仮橋の撤去が行われると考えられるので、上流側から橋をきれいに眺められるのは春頃だろうか)
真冬(寒中)の渡り初めになるようで、寒そう…

【12月5日追記】12月5日付 秋田魁新報県央地域面より。
愛称は「由利タワー」に決定。(上記の通り、橋ではなくタワーの愛称を募集していたはずだが、新聞記事では橋の愛称かのように取れる言い回し)
応募129件の中から選ばれた、市内の小学校4年生の女の子の作品。市内から92件、東京、大阪、長崎など県外から37件の応募があり、「子吉川ウイング」「鳥海ツインタワー」「ボートタワー」「アクアツリー」などもあった。
長さ190.5メートル、全幅19メートル、橋面から主塔頂点までの高さ約50メートル。接続道路や旧橋解体等を含む総事業費44億円。
1月20日に完成し、29日(火)に渡り初め式を行なって供用開始
新聞の写真では、主塔にはまだ足場がかかっている。

【2013年9月29日追記】2013年9月に秋田県内のGoogleストリートビューが公開された。ちょうどこの記事と同じ頃に撮影されたため、仮橋を渡ったり、通行止め区間は未撮影だったりするが、由利橋工事中の姿を見ることができる。

続き・完成後はこちら
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工藤パンから続々と

2012-10-18 23:39:38 | ランチパック
昨日までに引き続き青森の話題ですが、今回は工藤パン。
今までにもちらちら書いてきたように、最近「イギリストースト」を始めとする工藤パンの製品バリエーションが拡充している。一部は秋田県内でも流通するものの、そうでないものも多い。
今回は、弘前市内の4つのスーパーを巡って(フリーきっぷのおかげで交通費はほとんどかからず)、秋田では見たことがない5種類をゲット!

まずは、ランチパックのローカル版「フレッシュランチ」。
秋田のたけやと同名・同コンセプトの商品ではあるが、双方に“互換性”はなく、混乱を招くので県を越えて販売されることはないと思われる。
昨今の秋田と同じく、青森でもヤマザキランチパックの流通量が増え、フレッシュランチはやや少なくった印象。そんな中、今月発売のこれはいかにも青森らしい。
フレッシュランチ りんごカスタークリーム 1個177kcal
ご当地アイドルの中でも知名度や人気が高い、弘前を中心に活動する「りんご娘」とのコラボ商品の第一弾で、「りんご娘監修商品」となっている。
包装には、メンバーの写真や「なんぼめじゃ!」=「とてもおいしいよ!(で合ってるよね?)」の文字。
中身は、青森県産リンゴを使ったカスタークリーム(ヤマザキ系列では「カスター“ド”クリーム」とは呼ばないことが多い)と、青森らしく、りんご娘らしい。
中身
リンゴの果肉は入っていないが、しっかりとリンゴ味がする。
パン生地の味が、ヤマザキランチパックやたけやフレッシュランチとは、少し違うような気がしなくもないような気がしたような…

工藤パンのホームページによれば、「第二弾は、11月1日から順次発売予定です。」とのことで、期待。



以下は、「イギリストースト」の派生商品。ラインナップがとても充実しているが、店によっては仕入れていないものもある。
イギリストースト チーズホイップクリーム 398kcal
9月から発売。ホームページによれば「口溶けがよく、濃厚なチーズ風味のチーズホイップクリームをサンド」。
中に塗られているものは1種類
イギリストーストならではの、砂糖の粒は確認できない。
思ったほどチーズ風味ではない感じだけど、まろやかでいい味。

イギリストースト 山ぶどう&マーガリン 365kcal
10月発売。岩手県産山ぶどうゼリーとマーガリンをサンド。
マーガリンは砂糖っぽくない、山ぶどうはジャムっぽくも見える
2010年9月には、秋田のたけやフレッシュランチで「山ぶどう(のジャム)」やその前のヤマザキランチパックでは、岩手県山ぶどうゼリーを使っていた。ヤマザキ系列では岩手県から山ぶどうを大量に入手できるルートがあるのか?!

袋を開くと、山ぶどうの香りが漂った。かなりおいしいと思う。山ぶどうの味もいいが、パンとマーガリンとのバランスも絶妙に感じた。これはランチパックではできない、イギリストーストだからこそ実現できるものだろう。

イギリスレーズントースト 400kcal
10月発売。
包装デザインも商品名も、元祖イギリストーストや上の山ぶどうと紛らわしい。
中を見ると違いが分かりやすい
最大の特徴が、パンにカリフォルニアレーズンが入っていること。通常品より厚いパンが1枚だけ入っている。
表面(片面)には、イギリストーストらしくシュガーマーガリンが塗られている。ホームページには「シュガーマーガリンをサンドしました。」とあるが、パンが1枚だけだからサンドは不可能。
価格は通常のイギリストーストと同じ。

僕はレーズンがあまり好きではないのだが、まあこんなもんかという感想。もうちょっとシュガーマーガリンが多いと、イギリストーストらしくなる気もするが、レーズンの甘さもあるから甘ったるくなってしまうだろうか。


工藤パンでは、イギリストーストに使用しているトーストパン(山型食パン)自体に、自信を持っているようだ。たしかに、柔らかくておいしいパンだと思う。
そのためか、以前からイギリストースト用の食パンを6枚切りにしたものを販売している。
さらに先月からは、レーズン入りのトーストパンも発売されていて、その個包装・マーガリン入りが1月遅れで登場したことになる。

さらにさらに、9月からはこんな商品まで出た。
イギリストーストラスク 100g当たり518kcal
「イギリストーストは発売以来40有余年。皆様に愛され続けてきました。人気のイギリストーストの味をそのままラスクに仕上げました。」と包装裏面にある。

ホームページで見た時、工藤パンやたけやブランドでも売られている中田製菓製「ニューラスク」のような小さなものかと思ってしまった。包装の色使いもどことなく似ている。【23日追記】赤と青の小さな星がデザインされているなど、かなり共通している(意識している)ようにも見える。製造者名は工藤パンだったので、自社で作っているのだろうか。
ところが、実物を見たら、
生の(?)イギリストーストと同じサイズ!
イギリストースト用の食パンをそのままラスクにしたということのようだ。
薄いプラスチックのお皿に入ってはいるけれど、案の定、運ぶ途中で割れてしまった。
本物と同じくらいの厚さのパンが2枚入っている
生のイギリストーストは2枚1組なので内容量表示は「1個」になるが、これはバラバラなので「2枚」。
間にシュガーマーガリンがサンドされているわけではないが、表面(片面)に砂糖がまぶされている。
裏面。形はイギリストーストの食パンそのもの
さすがにこのサイズのラスクは持て余してしまった。それほどイギリストーストならではの特徴が現れているというわけでもないと思う。発想は楽しいと思うけれど…

なお、マックスバリュ東北では、イギリストーストラスクにWAONボーナスポイントが10ポイントついた。
4県にまたがって店舗展開する同社において、青森県だけのローカル商品をボーナスポイント対象にするのが、珍しいと思った。
価格は生より若干高い118円だったかな。賞味期間は生より2日くらい長いようだ。



やっと派生商品が1つ出ただけのたけやアベックトーストに対して、イギリストーストはこんなに種類が豊富(他に以前からあるものも2種類ほど見かけた)。
しかも100円程度で買えるのだから、楽しい。
工藤さんのこれからの展開がとても楽しみだし、たけやさんにはもっともっとがんばってほしい。


以前、たけやの「番重(ばんじゅう)」に旧ロゴのものがあることを取り上げたが、工藤パンにも、
「ユ藤パン」に見える旧ロゴの番重があった!

「おかえし下さい」の書体も独特

※青森の話題の続きはこちら
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6000系が走った

2012-10-17 23:56:39 | 津軽のいろいろ
昨日の続きで、弘南鉄道について。
10月14日の鉄道の日に合わせて、最近(たぶん3年前から)は弘南鉄道でも、「ふれあい感謝祭」というイベントを開催している。弘南線、大鰐線それぞれの車両基地で日程をずらして1日ずつ行われる。
イベントとしては、14日に弘南線平賀駅で行われるほうが大々的なようだが、僕は弘南線にはなじみがなく、あえて行く気にはならない。
13日の大鰐線津軽大沢駅のほうは、実は昨年からぜひ行きたかったのだ。(昨年は都合により行かれなかったし、雨が降ったはず)


会場の弘前市南部にある「津軽大沢駅」には、車両、運行管理、電気、保線などの拠点があり、大鰐線の列車運行の中枢となっている。
駅自体は、市街地から外れた農村集落の中にあり、駅としての規模は大きくない。比較的近くにJR奥羽本線が走る。降りたのは初めて。

駅付近ではほぼ東西に線路が伸び、北西に岩木山がそびえる。線路の北は老人ホームや変電所、県道「アップルロード」があり、その先はずっとリンゴ畑や田んぼ。線路の南には、駅舎と車両基地(「検修所」と呼ぶらしい)など変電所以外の鉄道施設と集落が続く。
現在、大鰐線は昼間は1時間に1本の運行で、大鰐、中央弘前両駅を毎時30分に発車し、約30分かけて終点に向かう。その両列車がすれ違うのが、津軽大沢駅。
いつもはそう利用者が多い駅ではないはずだが、この日は上下両列車からイベント参加者がぞろぞろと降りた。
右がホーム。赤いコーンから左が車両基地であり会場
会場へ向かう人には、スタッフが「入場パス」という、カラーコピーした定期券サイズの紙をくれた。特に効力のある紙切れではないが、来場記念と来場者数把握のため、かと思っていたが、入場パスには「電車利用者以外は入場料150円が必要」という旨が記載されていた。無料イベントじゃなかったのか!(150円は弘南鉄道の駅の入場券と同額だから、入場券代わりということになる)
でも、入場者の区別や、確実に入場料を徴収できたのかは、疑問。

会場にはいくつかテントが張られ、大鰐町の「鰐come」の飲食物などの販売、弘南鉄道と鉄道が廃止になった十和田観光電鉄のグッズ販売、なぜか「ラジ4駆(ミニ四駆みたいなの?)」コース設置、それに休憩用のテーブルがある程度。あとは車両展示。
まずは、ラッセル車と1926(大正15)年製の電気機関車「ED22 1」。
キャラクター「ラッセル君」のモデルでもある。ラッセル君は着ぐるみがいたけどすぐにいなくなった
どちらも近くで見るのは初めてで、ラッセル車は内部の見学もできたようだが、これが僕が来た目的じゃない。
右手前がED22
奥の方に並んでいる電車が、今回の目的。
この3編成
右端が7000系電車、中央と左が6000系電車。
以前も紹介したが、現在の弘南鉄道の旅客車両はすべて1960年代に製造された東急電鉄の中古が1988年頃に譲渡されたもの。弘南線はすべてが7000系、大鰐線も現在走っているのはすべて7000系。※東急としては「“先代(初代)の”7000系」
ほかに大鰐線に2両編成×2本=計4両だけ、6000系電車というのも同時に東急から来ている。元々製造数が少ない形式だったが、日本中で現存するのは弘南鉄道だけ。
1つの台車につき1台のモーターで駆動(通常は2台)するという珍しい方式で走り、車体構造もボディはステンレスなのに骨組みは鉄という黎明期のもの、しかもデザインや走行音が独特であり、異彩を放つ車両。

2006年までは朝(もっと前は夕方も)に快速が運転されていて、6000系はそれがメインの活躍の場。
僕が弘前にいた頃は、乗る機会は一度もなかったものの、何度も走る姿を目にして、走行音を耳にしていて、なじみがある車両であり、大鰐線を象徴する車両と捉えていた。

快速廃止後は、7000系検査時の代走など予備車両として走ることもあったが、大鰐線の減便と6000系自身の老朽化によりその機会さえ減った。
2008年には「さよなら運転」が行われたものの、以降も定期点検は行われて走行可能な状態であり、時たま愛好家団体が貸し切って運行することがあるようだ。

そして、昨年のふれあい感謝祭では、大鰐線で特別に運行され、乗車することもできた。
その時は「走行する機会はこれが最後ではないか」という話もあり、ぜひ行って乗りたかったのだが、上記の通りかなわなかった。
しかし、幸いにも今年の感謝祭でも展示され、さらに乗車できないデモンストレーションながら走行することになり、訪れたのだった。

上の写真の通り、7000系も含めて、展示されている車両は、普段の弘南鉄道での姿とは若干違い、赤や青の帯(警戒色)がない。
これは、東急でのデビュー当時の姿に戻したもの。右の7000系は、さらに違う。
お花やヘッドマークなど装飾付き
ヘッドマークには「祝 弘南鉄道85周年 オールステンレス車両50周年」とある。
「オールステンレス車両」とは、骨組みも含めた全身ステンレス製の車両ができて50周年ということだが、その日本発のオールステンレス車両が、この7000系。
この装飾は、1964年の東急東横線の地下鉄日比谷線乗り入れ開始の祝賀電車のものを模したのだそうだ(「railf.jp鉄道ニュース」http://railf.jp/news/2012/10/16/120000.html より)。
考えてみれば、元々の東急線内のみならず、乗り入れ先の地下鉄日比谷線から譲渡先の弘南鉄道大鰐線まで、7000系の活躍の場は広い。

行き先表示も通常とは異なる。(通常は「大鰐-中央弘前」固定)時々、東急の駅名表示を模したものが表示されていた。


そして、
2編成の6000系
6000系も、東急時代の行き先表示や「急行」表示板付き。
右が6007-6008、左が6005-6006。
6000系の片方はもう走ることができない状態という話を聞いたことがあったが、どちらもパンタグラフが上がっていて、前照灯が点灯していた。

反対側にも回りこんで見ることができた。
こちらはどれも装飾なしだが、行き先は東急のもので、前照灯が点灯

ギラギラ光るステンレス、丸っこい先頭部、側面全部に入る筋(コルゲート)に注目
久しぶりに見た6000系はやっぱりインパクトがある。
前照灯の形、ものすごく控え目な車両番号表示も特徴的

 7000系と6000系
行き先表示の「二子玉川園」は、現在の二子玉川駅の2000年までの名称。

「6005」は昭和36年製と表示があり、履いている台車も同年製。
窓から車中を覗いてみた
座席は7000系よりも古そうなデザインだが、端のカーブを描いた仕切りが素敵。
吊り手は7000系と同じく、東急系列の広告があるようだ。
運賃箱などワンマン運転機器は、6005-6006の編成にはなく、6007-6008のほうには設置されている模様。


いよいよ6000系が走行する時間になった。
上記の通り乗車はできず、津軽大沢13:00→千年13:07、折り返して千年13:12→石川13:23、再度折り返して石川13:28→津軽大沢13:32というダイヤ。(列車番号551~550~553)
定期列車が走らない空白時間帯を利用して一部区間(市街地ではなく農村部側の)だけを走る形だが、駅間の所要時間は7000系による各駅停車と変わらない。

12時44分の上下定期列車が到着した頃、展示車両の真ん中の6007-6008の編成が動き出した。
右2編成が定期列車、左に6000系
ちなみにこの時点では、大鰐駅に留置されている7000系1編成を除く全車両が、津軽大沢に集結していることになるはず。
定期列車がいなくなると大鰐方の踏切まで出てきて、
下りホームに入線
定刻になり、独特の走行音を響かせて6000系は走って行った。
折り返して上りホームに到着
見た感じでは、まったく不安を感じさせない安定した走行をしているように見えた。
車で来るなどして、沿線で撮影する人も少なくなかったようだ。でも、車がない人には、追いかけることはまず不可能。津軽大沢駅周辺で見たり撮ったりするしかない。
石川に向かって発車。上部両端の四角いランプは急行であることを示す「通過標識灯」。弘南鉄道では通常使わないが点灯するように整備されているようだ
石川から戻って来る最後は、津軽大沢駅近くのリンゴ畑と線路に挟まれた道で撮影する人が多く、僕も行ってみた。
最後の力走。ぐんぐん接近

ススキを揺らしてステンレスが光る

岩木山と6000系
到着後、再び踏切を閉じて元の展示位置に戻って、無事に運転を終了した。
僕はここで津軽大沢を後にしたが、この後、今度は装飾された7000系を使って、乗車できる特別列車が運行され、大鰐線でのふれあい感謝祭の最後を飾った。(感謝祭は15時終了)
津軽大沢→大鰐、折り返し大鰐→中央弘前(全線通し)と各駅停車で運行し、最後は中央弘前14:50→弘前学院大前14:54→津軽大沢15:03という快速運転。
会場のすぐ外はリンゴ畑
天気も晴れ時々曇りで思ったより良く、走る6000系を見られてとても有意義だった。
6000系がいつまで走ることができるか、先が見えている気もするが、きれいな外観と走行できる状態を保っている弘南鉄道の努力に敬意を表したい。
片隅には6000系の中間車両を転用した倉庫が

【18日追記】東急7000系は、扱いやすさが好まれて今では全国の中小私鉄に譲渡されているが、その第一号が弘南鉄道だったとのこと。
時間つぶしに弘前市立図書館に入ったら、ネコ・パブリッシングから2010年に刊行された「RML弘南鉄道・上下」が置いてあった。それによれば、東急でも異端で少数派だった6000系が弘南鉄道に来た理由について、「当時の東急としては、扱いやすくて重宝な7000系をできるだけ手放したくなかったのではないか」といった推測をしていた。
持て余していた6000系を押し付けたというか抱き合わせで売りつけたというか、そういうことか…
そういえば、廃止になった十和田観光電鉄の冷房付き車両(7000系を改造したもの)はどうしているだろう。弘南鉄道にも冷房車がほしいところだけど…


津軽大沢での注意点としては、トイレと時間つぶし。
駅のそばに小さなトイレというか「便所」がある。まあまあきれいだけど、古い汲み取り式。
駅周辺には、民家(や設計事務所、美容室など)ばかりでコンビニはおろか店もなく、たぶん自動販売機もほとんどない模様。集落をもう少し歩けば多少はあるかもしれないけれど。
バス路線もなく、列車が1時間に1本だけなので、時間つぶしに苦労した。
歩けばJR奥羽本線の石川駅(弘南鉄道の義塾高校前駅のそば)にも行かれる距離だけど、道が遠回りだったりアップダウンがあったり、狭い道を車が通ったりするところもあるので、大変かもしれない。

【21日追記】秋田でこのようなイベントがあれば、どこかから情報を聞きつけた「ババヘラアイス(またはその類似業者)」がやって来るもの。(10月中だったらまだオンシーズン)
しかし、青森だから当然、いなかった。
弘前には、青い小さな屋台で似たようなアイス(黄色一色で、量が少なくて安い)を売る屋台が弘前公園にいるが、あれは公園内だけなのかな?

※青森の話題の続きはこちら

【2013年10月25日追記】翌2013年の感謝祭でも6000系は走った。
定員40名・特別料金徴収の快速列車として中央弘前→津軽大沢(3000円)、津軽大沢→大鰐(4500円)で運行。(津軽大沢の車庫への出入りは「撮影用」として回送扱いだが、申込状況によっては乗車できるようにするとのことだったが、どうなっただろう)ほかに除雪用の電気機関車ED221も運行された。

【2015年2月21日追記】
2014年秋から津軽大沢周辺で工事が行われ、その影響なのか、この時動かなかった6005-6006が解体されたとのこと。車体部分は台車から外されただけで、壊されずに原型を保っているようだ。
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久々の弘南鉄道

2012-10-16 22:32:29 | 津軽のいろいろ
1年ぶりに弘前へ行って来ました。当分の間はその話題を織りまぜてアップします。まずは弘南鉄道。
弘前市と周辺市町村を結ぶ2路線を運行する「弘南鉄道」。※「弘南バス」とルーツは同じだが、現在は資本関係はない。
個人的には住んでいた時に沿線住民だった「大鰐線」が身近。JR奥羽本線・大鰐温泉と同じ場所にある「大鰐」駅と弘前市中心部の「中央弘前」駅(JR弘前駅とは別)を結ぶ。※以前の記事

今回は、秋田と弘前の往復に「秋田・津軽由遊パス」を使ったので、そのきっぷで弘南鉄道全線も乗り放題だったのでありがたく利用させてもらった。(弘南鉄道の売上により貢献するなら、弘南鉄道独自のフリーきっぷを買ったほうが収入は増えるのでしょうけど…)
中央弘前駅にて元東急電鉄7000系電車。この時期恒例の鉄道の日ヘッドマーク付き
考えてみれば、僕が弘南鉄道に乗るのって、かなり久々。2010年から最近まで「トレインキャスト(最近よくあるアテンダントの類)」が乗っていたことがあったが、その間には1度も乗らなかったはずだから。
そのトレインキャストさんたちが残したアイデアなのか、久々の大鰐線には以前と変わっていた点があった。
半自動ドアボタンに岩木山と「ラッセル君」シール
以前は、単なる線で駅名を結んだだけだったドア上の路線図は、駅ごとの名物などのイラスト入りに替わっていた。
 
五重塔や弘前学院の宣教師館などは有名。
松木平駅に弘前市清水森地区で栽培される在来種トウガラシ「清水森ナンバ」があるのが意外だったが、松木平駅のすぐそばが清水森地区の南端だと知って納得。
義塾高校のパイプオルガンや堂ヶ平桂清水(津軽大沢駅)、鯖石には石材店が多いことなど、知らなかったものも多く、なかなかためになる。
赤い吊り手(つり革)と中吊りポスター
アニメ風の少女のポスターは、タカラトミー系列のトミーテックの「鉄道むすめ」。全国の鉄道会社をモチーフにしたキャラクター群。
そのシリーズから今年2月に、青森県が関わって青森県内の私鉄・第3セクター鉄道5事業者(廃止された南部縦貫鉄道も含む)それぞれのキャラクターがデビューしたそうだ。
弘南鉄道のはトレインキャストの「平賀ひろこ」さん。「大人しいと言われますが、りんごと弘前城の桜のことは、よく喋るみたいです、私。」とのこと。

吊り手は、リンゴをイメージして赤いものに替えられ、小さな緑色の三角形のフェルトは葉っぱかと思ったら、岩木山をモチーフにしたそうだ。
通路側の広告部分に解説がある
吊り手の紐部分は従来のものをそのまま使っていて、窓側は、従来通り東急系列の広告が残る。
「109」と「東横のれん街」。109は緑のフエルトが取れてしまっている
赤い吊り手は、以前は1車両に1つだけハート型のものがあり、毎日その場所が変わるはずだったが、今回は見つけられなかった。トレインキャストがいなくなって、やめたのだろうか。フエルトが取れたり、赤い塗装が剥げて下の白い色が見えたりしてしまった輪もあった。

トレインキャストの代わりなのか、「弘南鉄道」の腕章をつけて蛍光色のジャンパーを着たオジサンが各列車に乗っていた。(自転車を乗せられるのでその積み下ろし補助・安全確認要員かもしれない)
床には「K列車で行こう!」というロゴ
「K列車で行こう!」は車内での音楽イベントだったかな。

以上、いろいろと変わったようにも見えるが、大部分は以前と変わらず。
そして上の写真の通り、後部車両は極めて客が少なく、前に集中。これは途中駅がすべて無人駅になり、前のドアから降りないといけないためだろう。僕は後ろの車両を“貸し切って”悠々と過ごしました。
遠ざかる弘前市街を後部から眺める
ちょうど弘前大学の裏付近で最高速度とはいえ55km/hしか出ていないのに、ぐわんぐわん揺れるのもそのまま。心地よくさえ感じてしまう。
今の電車に比べると柔らかい座り心地で、地味なエンジ色の座席も懐かしく、なんとなく落ち着く空間。

それにしても、乗客が少ない。
今回は、もう一方の黒石市とを結ぶ「弘南線」にもちょっと乗った。そちらは大鰐線のおよそ倍の列車本数があるのに、1列車当たりの乗客は2両にまんべんなく乗っていた(それでも「多い」というほどの人数ではないけれど)。
なお、弘南線ではトレインキャストがいたことはなく、吊り手などの変更、自転車積み込みなどもなく、従来そのまま。

大鰐線はJRと競合しているからか、沿線人口が少ないからなのか、理由はともかく大鰐線の経営状態が心配になった。



大鰐線では、2008年に突如、2つの駅名を近くの学校名(どちらも同じ学校法人経営の大学と高校)に改称し、沿線住民などに混乱を招いたことがあった。
「弘前学院大前」に変わった「にしひろ」こと「西弘前」は、どうなっているか。2011年5月以来の再訪。
駅隣接の生協は「西弘店」のまま
結論から言うと、目立ったは変化はなかった。弘南バスのバス停も「西弘前駅前」のままだった。
この駅は、2009年4月から無人化されている。駅の中は、
こんな状況
ちなみに2009年のほぼ同じアングルの写真。
(再掲)
変わったところといえば、ベンチの座布団がなくなったことと、ポスターが増えたくらいか。写真には写っていないが、手書きの案内などの掲示もそのままだった。
まるで時が止まったかのような西弘、いや弘前学院大前駅だった。
※この後、2014年7月時点でもほとんど変化なし。


今回の主な目的は、大鰐線のちょうど真ん中の「津軽大沢駅」。

津軽大沢駅は最後まで駅員がいた途中駅だったが、昨年12月から無人化された。
窓口が封鎖された

この駅には車庫があり、それが公開される「第3回ふれあい感謝祭」が13日に開催されたのだった。
右がホームで乗ってきた大鰐行きが停車中。左奥が車庫でぞろぞろと見学者が向かう

長くなったので続きは後日
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秋田市にフラット型!

2012-10-15 20:22:55 | 秋田のいろいろ
あの超薄型の信号機が、ついに秋田市に、しかも中心部に登場!

コイト電工(2011年までの社名「小糸工業」)が2010年頃から製造している「フラット型LED式車両用交通信号灯器」。※この記事後半など参照
厚さ6センチと薄い上、フード(庇)がない。そのため、うつむき加減に設置されるのが基本のようで、従来の信号機のイメージをくつがえされる。
強風や着雪対策として、一部の県が試験的に採用し始め、現在では本格的に設置されているところもある。青森県警では縦型にしたものを、昨年度からおそらく試験的に設置していた。
【2014年12月9日念押しの追記】この信号機は、着雪対策だけでなく強風対策の目的もあり、積雪地以外でも設置されている。(積雪地以外では、従来の信号機と同様、原則として横型設置)結果的には、各都道府県公安委員会(各県警)の方針・判断・好みということになりますが。


秋田県警では、他のメーカー・タイプの信号機で雪対策を行いたいようにも見受けられたし、秋田市内にはコイト製信号機が最近あまり設置されない傾向もあって、フラット型採用に乗り気でないかと思っていた。
しかし、最近になって由利本荘市には設置されたとの情報をコメントでいただいてはいた。
そして…

秋田市中心部、川反の1本西の「大町通り」とか「赤れんが館通り」と呼ばれるバス通りと、新国道から四丁目へ至る一方通行路(竿燈大通りから2本南)が交わる交差点が今回の舞台。角にかつて北都銀行秋田支店だったビル(現在は飲食店)があり、NTTドコモやアルバートホテルのそば。
以前、秋田では交差点名(主要地点名)を表示したがらないことを取り上げた「幻の交差点」で例として示したように、この交差点は昔は「大町四丁目」という名称だった。いつの間にか、表示板が撤去されてしまい、「無名交差点」に成り下がってしまっている。
少し前の大町通り側
その交差点の信号機は、歩行者用がなく、車両用のみ。
大町通り側は横型のものが両面設置、一方通行側は縦型のものが片面(歩行者や軽車両用に車が進入できない側にも設置)で設置されていた。つまり計6台。
縦型のほうが少し新しいはずだが、横型のものはかつて「大町四丁目」の表示板が付けられていたそのもの。
ちなみに、横型の信号機は小糸工業製のもの。当時の小糸の車両用信号機は点灯色の色合いが他社と違って(例えば青灯は緑ではなくブルーに近い)いて、子どもの頃はここを通る度に、なんとなく心を惹かれる信号機だった。

数か月前、ここを含む信号機更新工事の入札が行われ、子どもの頃から見慣れた信号機が役目を終えることを知った。
入札の資料を見ても、LEDの薄型(超薄型でなく)で更新する旨は記載されていたが、特に注記などはなかったはずで、秋田市内の他所同様、ありふれた信号機が設置されるのかと思っていた。(最近、新国道の自衛隊入口などでも更新されているが、本体はほぼ従来通りの仕様)

たしか先週の初め頃に通った時は、まだ更新されておらず、ちょっと遅いような気がしていた。それが今日、久しぶりに通ると、
 こうなっていた!

 
交差点内6台全部が、フラット型に更新された。
最近の秋田県警は、同じ交差点内の同じ古さの信号機でも、その一部だけをちまちまと更新することが多かったが、交差点内全部を一斉に、秋田市内では設置例の少ないメーカーの、しかも初めて設置する製品で更新するとは、だいぶ思い切ったものだ。

今年から始めた、年とメーカーを識別するシールは、
「KO12」

アームも新品になって、そのアームから延長するような金具を用いて角度をつけ、うつむいて設置されている。
 
ここの交差点の場合、歩行者もこの信号機を見て横断しなければならない。車とは角度が違う歩行者からの視認性が気になるが、今日のところは特に問題はなさそう。(うつむいている分、むしろ見やすくなったかも)

ということで、秋田の信号機はこれからはどういう方針で設置されていくのか、ますます分からなくなってきた。

【26日追記】中通小学校正面・東北森林管理局前の押しボタン信号にも、フラット型が設置されていた。
※その後、2013年末の秋田のフラット型についてはこちら
※フラット型信号機には、ある種の欠点があった!



ところで、先日、弘前へ行きました。
弘前市内の藤田記念庭園角の「追手門通り西」交差点から城西大橋入口のローソン茂森町店前を経て茂森町へ至る市道で、道路整備がされていた。

2か所(ローソンの1つ南ともう1つ南=禅林街の入口)では信号機も更新されるところで、新しい茶色の信号機がカバーをかぶってスタンバイしていた。
「工事中」と横書き
これって…
フラット型を横向き設置?!

まず、弘前市内にフラット型が設置されるのは初めてではないだろうか。
そして、連続する交差点内のすべてがフラット型だったので、本格設置だと考えられる。

でも、上記の通り、青森県では縦型で試験設置を行なっていた。
それを横にして本設置ということは、青森県警がそのほうがふさわしいと判断したからだろう。
(試験設置された青森市も弘前市も、雪の降り方・積もり方としては設置方法を変えるほど差はないと考えられる)
同時期の秋田県は縦設置なのに。

各県警の判断の根拠とか方針とか、違いが興味深い。

【2014年12月4日追記】2014年初冬にツイッター経由で多くの方にご覧いただいているようなので、その後の状況を追記。
秋田ではこの後、フラット型が縦設置で増備されている。
並行して、別のタイプの着雪対策も取られている。(2013年度はそちらのタイプが多く設置され、2014年度設置はフラット型が多い傾向があるように感じる)
こうした着雪対策の信号機の価格は秋田魁新報によれば「1基当たり従来型より1万円ほど高い17万円程度になる見込み」という。
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SL試運転

2012-10-14 20:53:29 | 秋田の季節・風景
「C61 20」による「SLあきた路号」の運転を20・21日に控え、10日夜に車両が秋田へ到着、12日の火入れ式を経て、試運転が13日・14日と行われた。

今日、秋田駅6番線9時10分発の「いなほ8号」に乗る機会があったので、同時間帯のSL試運転を駅の中で見ることができた。
試運転は本番と同じ時刻、ホーム等を使って行われるので、2番線9時09分発。いなほのホームとは間に1本挟むし、1分差で発車する。
早めにホームに出て、隣の3番線から見ることにした。

SLは楢山の車両基地(秋田車両センター)から2番線に8時47分頃に入線。
5番線から「つがる1号」が発車した直後。通常なら「いなほ8号」が入線するのがこのタイミングのはずだが、SLに譲ったようだ。(今日は「いなほ」はその後入線)
煙と水蒸気を高く上げて2番線へ
JR社員や警察官がホームで警戒にあたっていたが、この時点ではギャラリーはそう多くなかった。僕がいた3番線にはもっと少なかった。
停まる時もけっこう煙を吐く
2番線に停まる通常の列車は、先頭車(土崎・青森方向)が昼間でも暗い自由通路の下に入ってしまう。
しかし、今回は、自由通路より南側にSL専用の停止位置が設けられたので、陽の光の下でSLが見られる。【15日追記】位置をずらしたのは、出発式を行うスペース確保の目的もあるのだろう。
「SL」専用の停止位置目標が設置された。仮設とはいえ反射材を使ったちゃんとした物(写真は土崎駅上り3番線)

秋田駅2番線には乗車口案内も設置。これはパソコンで作ったもの

といっても、
素人には真っ黒いSLの写真は難しい
久々に間近で見る動くSLは、やはり重厚な生き物のよう。
そして初めて見るC61形機関車は、D51ほど無骨でないというかスマートな印象か。
SLとLoft
そうこうしているうちに、2番線にギャラリーが増えてきて、賑やかになったようだ。
なお、SL入線後、3番線に新屋発の6両編成の普通電車が到着するので、入線時は注意。(停車位置はずれているのでSLを隠すことはない)
また今日は、2番線と3番線の間の通過線(貨物列車が通る)の微妙な位置に「ED75 777」が停まっていた。


SLは東能代で折り返して、夕方に秋田へ戻って来る。僕も秋田へ戻って来たので、土崎駅近くへ見に行ってみた。
土崎駅南方の秋田総合車両センター(旧土崎工場)付近は線路が大きくカーブしており、鉄道写真の撮影地として有名。今日も何人か集まっていた。
そこからさらに南へ向かって、線路沿い(工場の向かい)に歩行者用通路がある。ここはきれいなストレートで、ここでもいい写真が撮れるはず。
こちらはご近所の皆さんがちらほら出ている程度で、ゆったり撮影できそうなので、僕はここで迎えることにした。
試しにSLに先行する「つがる6号」は
こんな感じに撮れた
いいんじゃない? と思いながらSLを待つ。

SLは土崎駅16時25分発。時間になって、遠くからSLの汽笛が聞こえ、背後の将軍野踏切の警報機が鳴り出した。
撮影地のカーブを過ぎて接近!
その時、後方から、なんと
下り貨物列車が来て、SLとすれ違い!!
貨物列車に遮られてしまうのだ。いわゆる「被る」というやつ。

貨物列車のコンテナはほぼ満載で、すき間がほとんどない。
わずかなすき間からちらりと
貨物列車が通り過ぎた時には、
SLも通り過ぎた
ということで土崎のカーブはギリギリ大丈夫かもしれないが、直線区間での見物や撮影は難しそう。

沿線の踏切などには、JR社員、警備員、警察官が出ていた。
SLが通り過ぎると、ギャラリーも警備陣も蜘蛛の子を散らすように解散。僕も土崎駅から列車で秋田駅に向かった。


SLは16時39分に秋田駅2番線に到着する。
僕が秋田駅に着いた時はまだ停まっていて、思いのほか多くのギャラリー(子ども連れが多かった)に囲まれていた。でも、それほど多くもなく、和気あいあいとした雰囲気。
そして17時00分頃。「ぽーっ」と汽笛を一声鳴らして、車両基地へ戻って行った。
でも、その「ぽーっ」がかなりデカイ音で、
警察官も駅社員も耳を塞ぐ
煙はほとんど出さずに、水蒸気は大量に出し、乗っている社員(客車部分にも数人乗っていた)が手を振って、薄暗くなりかけた楢山方面へ消えていった。


さて、上りSLに先行する「つがる6号」だが、昨日・今日、次の土日は、運転時刻が変更されている。SLを追い抜く都合上と考えられる。
さらに、今週の火水木曜日も同様の時刻変更が設定されている。うち、木曜日(18日)にはSLの試乗会が予定されている。
したがって、おそらくあと3回、試運転(試乗会を含めて)が行われると思われる。(推測です)
【16日追記】16日に秋田テレビのニュースで試運転の模様が報道された。その中で「17・18日も試運転が行われる」旨が伝えられたので、上記“憶測”がいちおう公式に確定したと捉えていただいてよろしいかと存じます。(もちろん天候や不具合等で中止になる場合もあり得ます)

本運転の模様
コメント (4)
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