広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

コンビニのお好み焼き2

2024-02-28 23:15:33 | 各地お土産・食べ物
コンビニのお好み焼きの記事の続き。
小麦粉と甘いソースを欲して食べたくなるとしたけれど、前回の通り、入院していたのでその間の“反動”も小さくはない。食事制限はされず、院内のコンビニで買うか差し入れしてもらえば食べられなくはなかったけれど、大部屋の病室でソースの香りを漂わせるのは気まずいので(ソース味のスナック菓子は食べました)。退院したタイミングで、ローソンとファミリーマートが、好みに合いそうな商品を出してくれたので、飛び付いたのであった。

前回最後に触れた、2024年2月20日に北海道・東北限定でファミリーマートが発売した、焼きそばの入ったお好み焼き2商品も、さっそく食べた。反動はまだ冷めやらず。今年に入って4つもお好み焼きを食べるとは、自己最高記録。
今回の2つも、わかば食品岩手工場の製造。
みっちゃん総本店監修 広島流お好み焼 そば肉玉子 575kcal 税込み598円
「新発売」のシールが1月16日とは別デザイン。
公式ホームページでの商品名は「みっちゃん総本店監修広島流お好み焼そば肉玉子」だが、シールでは「そば肉玉子」がない。「広島流」は、監修した店の呼称。
2022年春や2023年夏にも発売されていたようだ。

前回の「鉄板仕立ての広島お好み焼 肉玉そば」は、「FamilyMartマヨネーズ」8g(味の素製56kcal)と「お好みソース」13g(オタフクソース製17kcal)が添付されていた。

本商品は、同じマヨネーズと、みっちゃんロゴ入りの「お好みソース」15gが添付。ソースは、販売者が「株式会社 ISE広島育ち」というみっちゃんの運営会社、製造者はオタフクソース。
前回の広島お好み焼に似ている
あらかじめソースがかかっているが、それだけでは物足りないのは、前回の広島お好み焼と同様。
てっぺんの生地の切れ込みの形が異なる。
中身も似ている
並べて比べたわけではないが、前回の広島お好み焼と比べて、上の生地(皮? 玉子が入っている)が薄く、焼きそばの量が少なく感じた。
味は、際立った個性はなさそう。前回とどこが違うかと問われれば、難しい。


新潟県産こがねもち入り もちチーズお好み焼&焼そば 480kcal 550円
「こがねもち」はもち米の品種名。チーズの60%はゴーダ。ソースやマヨネーズの添付なし。
まん丸
よく知らない者が連想する「お好み焼き」らしい見た目。
融けたチーズが分かる
卵も使われているが、生地は小麦粉っぽく、キャベツも練りこまれている。焼きそばは生地の下だが、生地と密着していて、広島風のように皮をめくるのは難しい。ということで、広島風でなく関西風のそば入りお好み焼き(モダン焼き)ってこと?
キャベツは千切りよりは荒いようで、芯の部分が分かる少し大きい断片もあった。生地の食感も広島風とは違って、より柔らかい。

焼きそばは、広島より色が濃く、味もしっかり付いている。チーズと餅の味がする部分もあり、意外に生地やソース味とマッチしている。どちらももう少し量が多くてもいいのでは。おろしにんにくも使われており、ソースに混ざってニンニクの味もして、これも意外で良かった。実は肉も魚介も使われていない(原料の一部には使用)のだが、物足りなさは感じなかった。


どれもおいしかったけれど、最後に食べたもちチーズがいちばん好みだったかな。他チェーンも含めて、次はどんなお好み焼きが出てくるか。
【次について追記】4月2日にファミリーマートが「広島風お好み焼 肉玉そば」と「【北海道・東北】大盛!お好み焼&焼そば」をいずれも税込み550円で発売。前者は「鉄板仕上げにこだわった」ソース別添で、この記事のみっちゃん監修と見た目は似ている。
同日にはローソンから「お好み焼 豚玉&焼そば」457kcal、497円も発売。小さめで四角い。さらに、いつの間にか「みっちゃん監修 広島流お好み焼 そば肉玉子」も出ていた。「みっちゃん専用ソース」添付で457kcal、630円。

【スーパーのお好み焼き】わかば食品では、スーパーマーケット向けのお好み焼きも製造していて、秋田市内のイオン・マックスバリュでは売られている。「お買得!お好み焼&焼そば(541kcal、462円)」など。
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入院していました

2024-02-26 19:47:53 | 入院
ブログ更新を休止している間(の一部期間)、病気で入院していました。
病状の詳細は記しませんが、全快ではないもののとりあえず退院でき、ブログ更新を始めそれなりの日常生活を再び送ることができるようになりました。

2022年以降、定期健康診断で要受診項目が複数でき(今回の入院とは無関係)、およそ15年ぶりに医者にかかるようになり年齢を実感していた矢先。入院も総合病院にかかるのも生まれて初めて。処方薬を飲むのはおよそ15年ぶり。
入院病棟にじっくりと足を踏み入れるのも、実質、1987(昭和62)年末にじいさんが入院(エリアなかいちの場所にあった、移転前の日赤)して以来。平成を飛び越えて、医学の進歩、ICT化などで時代が変わったと感じることもあれば、意外に前時代的なことをやっているんだと思ったことも。詳細はいずれ。

総括すれば、漠然と思い描いていた入院生活と比べて、ずっと快適だった。これは、激しい痛みや苦しい治療がなく、身動きできないとか食べ物が制限されることがなく、もともと酒もタバコもやらない者だったことが幸いしたこともあるし、病室でスマートフォン、インターネット、テレビが使えたおかげもある。詳細はいずれ。

話には聞いていた医療従事者のご苦労を垣間見ることができ、感謝するとともに、普通の体で普通の生活ができることのありがたみが身にしみて分かるなど、いろいろと貴重な経験ができました。
自分自身の記録と、入院案内には載っていない情報などが誰かの役に立つかもしれないので、「入院」カテゴリーを新設し、他カテゴリーと並行して少しずつ記事をアップしていくことにします。続きはこちら
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暖冬の雄物新橋

2024-02-24 20:20:23 | 秋田の季節・風景
2023年から2024年にかけての冬は、異様に穏やか。雪は積もる時は積もるがすぐ融け、晴天が例年より多く、気温は冷える時は冷えるが温かい時も多いという感じ。2月19日の秋田市の最高気温は20.1℃で、2月の観測史上最高(これまでは2010年2月25日の19.8℃)。暖冬ということになるのだろう。
過ごしやすいと喜ぶのもいいが、雪融け洪水や夏の水不足など、今後の生活に影響が出ないか不安になる。

雄物川(雄物川放水路)の河口から2番目の橋、県道65号の雄物新橋の右岸(北・勝平地区側)。
右方が河口
橋の下の河川敷は例年、秋田市による「大規模堆雪場」いわゆる雪捨て場となる。市内に複数設けられ、ここは店舗・事業者以外を対象(つまり一般家庭な向けどってこと?)に開放されているようだ。
少し多めに積もれば、トラックが列をなして搬入し、橋桁と同じ高さまで雪山ができ、それが4月になっても残ることもあった(2011年4月)。
それが今年はご覧の通り。誘導看板、プレハブ小屋、ならすための重機は置かれているので、現在もいちおう利用可能ではあるのだろう。
川岸にちょっとの雪山。搬入された雪?

ところで、ここは突き当りになった橋詰の上を、市道が左右に横切っている。その高低差の斜面に変化。
左の枯れ草が茂っている部分
すっきりした?
以前は、数本の松とハリエンジュ(ニセアカシア)が生えていたのが、伐られた。新しそうな切り株があったし、ここより河口寄りの遊歩道部分で、松の伐採作業中の看板があったので、最近伐られたのだろうか。松くい虫の被害か何かだろうか。ただし、上の市道の向こう側(住宅との間)の松は、管轄が違うからかもしれないが、そのまま。


対岸・左岸。狭義の新屋地区側。
日陰の堤防斜面にはうっすらと雪
こちらの橋詰には、冬の間だけ置かれるものがあったのだけど…
ない(砂袋が入ったボックスは通年常設)
凍結抑制溶液自動散布装置『トケボー』」がない。
いくら暖冬でも、朝晩は氷点下になる日は少なくないのに、もう撤去してしまったのか。それとも今シーズンは最初から設置しなかったのか。
色あせた「この先路面凍結 走行注意」の看板は設置されているけれど

トケボーがオフシーズンを過ごす場所をたまたま見つけていた。
設置する枠は3台分あるが、トケボーは2台置かれるのが常だった。2台はセンサーか何かの部品の向きが異なっていて“個体識別”が可能だった。これまでは、雄物新橋には固定ではなくどちらか1台が設置され、残りの1台は、冬の間いなくなるシーズンとそのまま残るシーズンがあった。
現在は、
2台とも戻っている
久々に確認すると、2台の部品の向きが同じに変わっており、そこで識別はできなくなってしまった(配線の配置は違う)。が、テープが貼られて、そこに手書きで、
「No.1元町用」。もう1台は「No.2」
前よりはっきりと区別可能になり、設置場所が固定されたようだ。「元町」とは新屋元町のことか。雄物新橋の南詰は、新屋栗田町じゃないのと思ったが、ギリギリ新屋元町だった。
No.2はどこ用なのか書かれておらず、どこへ行っているのか不明なまま。

トケボーがここに戻れば、もう春。でも凍結防止のためには、まだ早いと思うけど。
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サティ入口 消えた横断歩道

2024-02-22 23:18:54 | 秋田のいろいろ
2022年にイオン秋田中央店前の県道28号の停止線を取り上げた
信号機のある交差点の停止線が、その交差点の直前にあるイオン敷地内への入口の分岐と重なる位置に引かれており、手前でイオンへ左折する車は、信号機に従うべきか否か、どちらにも解釈できる状態で長らく運用されていた。秋田県公安委員会・秋田県警察本部・秋田中央警察署の怠慢と言わざるを得ないだろう。
それが、2022年度に、左折車線のみ停止線が前方(交差点内寄り)へ引き直され、手前からイオンへ入る車は、信号に従う必要がないことが(交通法規を理解している者にとっては)明確に分かるように改善されていた。
(再掲)2022年・停止線移設後
2024年始時点でも停止線は変わっていないが、その場所のほかの白線が、いつの間にか変わっていた。2023年度内のどこかか?
2024年2月撮影
車道ではなく歩道のほう。
2022年の記事でも触れているが、県道の北進車線には、[信号に関わらず左折できる“第2の入口”]と[信号に従って左折する“第1の出入口”]が連続して存在する。2024年の写真で自転車が通っている手前が第2の入口。第2の入口は交差点外なので、横断歩行者、通行車両とも信号機に従う必要はない(ここへの影響で停止線が移設された)。
以前は、どちらもゼブラの横断歩道の白線(道路標示)で、第2の入口は県道の進行方向から見て横方向に5本の線だった。今はゼブラを消した跡があり、進行方向と平行・縦方向の両端に1本ずつの線が新たに引かれた。

この標示は何を意味するのか。自動車教習所や運転免許更新時講習で教わった記憶もない(と思う)。
同じようなものが、秋田市内のほかの場所にもある。
(再掲)2020年4月
県道28号・手形陸橋の東詰め(手形側)で、県道と小さな市道が交わる箇所の、県道の歩道が途切れた部分。以前は何もペイントされていなかったが、2019年の全面開通からしばらくした頃、縦の白線が2本引かれ(イオン前より細い)、間が緑色にカラー舗装された。
上の写真では、市道をまたぐ白線部分のみ緑色だが、この後、手形陸橋本体の歩行者通行部分も、ここに連続して緑色(自転車部分は赤茶色)にされている。
ほかに、泉外旭川駅の駅前広場には、線の間が歩道部分の舗装に合わせたピンク色や、駐輪場付近は水色で塗られたものがある。

ネットで調べても、あまり情報がない。例えば「路面表示一覧」などで検索しても、これを取り上げていないページばかり。ただ、法令に基づくものではある。「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」第五条別表第三に定める「歩行者横断指導線」なるもの。「区画線」に分類され、「横断指導線」と略されることもある。【23日補足・まれに「指導横断線」とする用例もある。】
別表第三において、設置場所は「歩行者の車道の横断を指導する必要がある場所」とされている。線の太さは0.15m~0.30m。
1992年までは、ゼブラの横断歩道でも横線と合わせて縦線が引かれていた。それを考えれば、昔の横断歩道からゼブラ模様を取ったのが、この横断指導線と見ることができそう。

実際の運用としては、横断歩道を設置する条件を満たさない箇所において、横断歩道に準ずるものとして設置されることが多い。最近は、通学路や生活道路の交通安全対策が重要視されて、カラーペイントとともに導入されることがあるようだ。
神奈川県秦野市のホームページ「通学路の安全対策(https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1659485774324/index.html)」では、「交通量が多く、児童生徒が横断するのが危険とされている箇所について、設置基準により横断歩道の設置が困難なため、代替案として、歩行者が横断する場所を明確に示す「歩行者横断指導線」(緑色の部分)を施工しました。」と紹介されている。

横断歩道ではないので、通過車両は横断しようとしている歩行者を優先させる義務は生じない。しかし、横断禁止箇所ではないわけで(指導線があろうとなかろうと)、すでに横断している歩行者を妨害するのは違反。


では、歩行者横断指導線を引く(管轄する)のは、警察か道路管理者か。
道路標識では、上記「~命令」において、どの標識はどちら(一部は両者)と明示されている。ところが、道路標示や区画線については言及がない。Wikipedia「日本の路面標示」には「路面標示は都道府県公安委員会が設置する道路標示と道路管理者が設置する区画線」とあり、個人サイトなどでも同様のものが見られる。
しかし、国土交通省サイト内にある昭和40年1月26日付の通達「道路交通安全施設の整備について」の「区画線の設定区分について」では、「区画線は、道路構造の補完的施設として、舗装整備に合せて効果的な設置をはかるべきものであるが、従来道路管理者の設置すべき区画線と公安委員会の設置すべき道路標示との間に明確な設置区分がないため、設置計画上問題が多かった事情にかんがみ、今回暫定的取扱いとして設置区分の原則を下記のように定めた」として、区画線のうち、どれを誰が設置するかが表で示されている。
「歩行者横断指導線」は、「道路管理者の設置すべきもの」欄は斜線で、「公安委員会の設置すべきもの」欄は「全箇所」となっている。秋田県では、横断指導線の設置工事は、たしか秋田県警から発注されている。実態としては、道路管理者と警察が共同で連携して設置することもあるだろう。ただし、泉外旭川駅前は、公道ではなさそうな場所なので警察の入る余地がなく、秋田市(建設部ではなく、駅前広場を所管する都市整備部)が独断で設置した可能性がある。
ネット上で、横断指導線が道路管理者管轄とされているのは、「停止指導線【23日訂正】指導停止線」と混同している可能性もあると思う。停止指導線【23日訂正】指導停止線とは、「止まれ」の白線に類似した、停止義務がないもの。長崎県警察本部のホームページで詳しく説明(https://www.police.pref.nagasaki.jp/police/kotsu-anzen/kotsu-kisei/teisisen/)されていて、それは道路管理者管轄とのこと【23日追記・秋田市内では「広小路西」交差点に1本あるのが指導停止線だと思われるが、信号機がある交差点なので意味合いは複雑そう。本来の用途と違う気もする】。


イオン秋田中央店入口では、長年横断歩道だったものが、歩行者横断指導線に“格下げ”されたことになる。警察が改めて調べてみたら、横断歩道の基準を満たしていないことが判明したのかもしれない。
近年は、運転者の横断歩道での歩行者保護意識が高まりつつある(それでもまだまだまだ不充分)が、横断指導線が何を意味するのか知らない人は(歩行者も含めて)多いだろう。仮に知っていたとしても、「横断歩道ではないから止まらなくていい」と都合良く解釈して傲慢な運転をする者もいなくはないかもしれない。
上記の通り、横断指導線とは、歩行者に対して横断位置を指導するものとされている。手形陸橋や泉外旭川駅駅前広場の場合、交通量の少なさと線形から、ショートカットなど危険な部分で渡ってしまう歩行者がいる可能性があり、指導線で示して誘導する意味はあると思う。でもここの場合、指導されるまでもなく、たいていの歩行者はその部分を通行するだろう。むしろ、運転者に対して歩行者が横断する場所であることを指導する意味合いのほうが強そうで、横断指導線の本来の用途とは違ってしまっている気もする。

格下げによって、危険な場所になってしまわないか、心配ではある。
繰り返すが、横断歩道でなくても、横断禁止箇所以外において、すでに横断している歩行者を妨げるのは違反。
それは、横断歩道も横断指導線もない、小さな交差点でも適用される。
さらに、沿道の店舗や駐車場など道路外へ、歩道を横切って出入りする時は、一時停止し、歩行者を妨害してはならない(道路交通法第十七条第2項)。イオン秋田中央店の第2の入口の場合、これに該当しそうな気もするが、横断指導線が引かれたということは、そうじゃないのだろうか。
とにかく、どんな場所でも歩行者も運転者も充分に注意して通行しましょう。

【5月3日追記・他の箇所でも同様の変更を確認】MEGAドン・キホーテ秋田店の北側、県道56号に面した、長崎屋バスターミナルの出入口も、同様に横断歩道から横断指導線に変更されていた。
イオンと比べると、こちらは路線バスと搬入車などの業務用車両しか出入りせず、幅が広い(横断歩道・指導線が長い)という違いはある。
【5月14日追記】一方で、同じような条件である、県道56号のイオンタウン茨島には、横断歩道も指導線もなし。
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コンビニのお好み焼き

2024-02-19 19:28:20 | 各地お土産・食べ物
時々、無性に食べたくなるのだけど、なかなかかなわない食べ物がある。
「お好み焼き」である。それも焼きそばが入った。

おそらく、小麦粉と甘いソースを欲するのだと思う。たこ焼きはちょっと違うし、焼きそばが入らないお好み焼きではもの足りない。そして、イカとか魚介類が入ったのは苦手。
また、秋田では、お好み焼き店はそんなにないし(あっても自分で焼く店は面倒だし)、そもそもお好み焼き自体になじみが薄い土地柄なので、お好み焼きがどういう食べ物なのか(具材やトッピング、○○風など地域による違い)よく分かっていないのだけど。

焼きそば入りのお好み焼きといえば、「広島風お好み焼き」という印象。昔、広島を訪れた時、駅ビルの店で食べたのは焼きそばが入っていた(なぜか味の記憶は薄い)。
関西風お好み焼きでも、そば入りはあるが、それは「モダン焼き」と呼ぶらしい。
その両者は麺と生地の関係が異なるそうだ。生地と麺が層に分かれていたり、麺が生地と混ざっていたりするようだが、地域や店による違いもあるようで、難しい。

要は中途半端なお好み焼きへの憧れで、こだわりのある方々、本場の方々には邪道と言われそうなのですが。
そんな環境なので、お好み焼きといえば、冷凍食品かスーパーやコンビニエンスストアの惣菜。
ただ、冷凍食品は焼きそばが入らないものが圧倒的に多い。惣菜は置いてある店のほうが珍しい。コンビニのホームページで発売中であることが紹介されていても、店には入荷していないことは何度もあった(コンビニ商品では珍しくないことではあるけれど)。

最近、ローソンやファミリーマートでは、以前よりもお好み焼き系の惣菜をよく売るようになった気がする。しょっちゅうリニューアルしていて、関西風やお好み焼きと焼きそばとのセットなどもあるが、焼きそば入りお好み焼きもあり、2024年始めに両社が相次いで新発売した。※2024年2月中旬時点では、発売終了済みの可能性が高いです。末尾の2月20日発売商品についても参照。
それぞれの発売後、秋田市内の店舗を回ってみたら、2社とも秋田駅周辺であっさりと入手できた。弁当やパスタと比べると1度の入荷数は多くなさそうなので、来店のタイミングもあるのだろうし、意識しないと見過ごしてしまいそうだけど。

ローソンは2024年1月9日発売。
屋台風お好み焼 418kcal 税込み497円
「広島風」とは謳っていない。
一方で「屋台風」と言われても、イメージがないので分からない。透明パックに入っているのは屋台っぽいかもしれないが。

製造は「わかば食品株式会社」という企業の岩手工場(北上市。本社は岡山県倉敷市)。
バーコード(JANコード)は、20で始まる店内限定コードとか、ローソンの事業者コードではなく、わかば食品の事業者コード(4977024)。同社は「フレッシュダイナー」のような、ローソン傘下の製造メーカーかと思ったら、そうではない一般の企業。パンやデザートを山崎製パンなどに委託するのと同じ関係。

わかば食品は、公式サイトによれば「お好み焼きと焼そばの製造メーカー」で「コンビニエンスストア業界のお好み焼きシェアNo.1」「お好み焼は、ベテランスタッフが専門店と同じプロセスで一枚一枚心を込めて調理しています」。デイリーヤマザキとファミリーマート向けの商品を製造していることが紹介されているが、今回のようにローソン向けも作っている。OEMメーカーということか。

思っていたコンビニのお好み焼きよりも、手作りっぽさがある。
ちょっと小さめかな
こんもりと厚さがあり、生地は皮のようにふわっと載っかっている感じ。
生地の下にキャベツや焼きそばがはみ出ている。マヨネーズが若干かかっているように見えるが、原材料からすれば「半固形状ドレッシング」か?
底から見ると、全面麺

皮をめくったところ
期待通りの味。これまで食べた、冷凍食品やスーパーの惣菜の焼きそばが入らないお好み焼きは、(当然だけど)規格品っぽくてどこか物足りなかったが、これは本格的なのでは。
豚肉は入ってはいるが多くない。キャベツが多いけれど、適度に柔らかくなっていてソースとともに無理なく食べられる。


その翌週1月16日にはファミリーマート(ファミマルKITCHENブランド)から。
鉄板仕立ての広島お好み焼 肉玉そば 531kcal 税込み598円
ローソンよりも大きく、「広島」を名乗る。「広島風」でなく「広島お好み焼」と言い切っているのは自信? なお、ファミマでは自社ブランドの惣菜や冷凍食品の商品名では、「焼き」の送り仮名がない「お好み焼」表記を用いる方針のようだ(ホームページでは一部に表記揺れあり)。
「FamilyMartマヨネーズ」8g(味の素製56kcal)と「お好みソース」13g(オタフクソース製17kcal)付き。

こちらのバーコードは店内限定。製造者はこれもわかば食品岩手工場。

生地は載っかるタイプだが、ローソンよりも厚くて玉子焼きのよう。
「肉玉そば」だから卵も入っている。一般的には目玉焼きや少し溶いた卵を流すようだ。本品は卵の存在感はなかったので、生地に混ぜてあるの?? 中央に十字に切れ込みが入るが、広島のお好み焼きが必ずこうなっているわけではない。

ローソンとは生地の下の層の順番が異なる。下から豚肉、キャベツ、焼きそば、生地。

ソースは塗ってあるものの少なく、添付ソースをかけないと足りない。
味の傾向はローソンと大差ないと思った。豚肉はたっぷり。ローソンより大きいし、100円高いのは納得。

2社の、というかわかば食品のお好み焼きのおかげで、ほぼ初めてお好み焼きを食べたい欲求が満たされた。これまで年に2回もお好み焼きを食べたことなどなかったのに、1月中に2回も食べてしまった。
と思っていたら、ファミリーマートの2月20日新発売商品に、「【北海道・東北】みっちゃん総本店監修広島流お好み焼そば肉玉子(598円)」と「【北海道・東北】もちチーズお好み焼&焼そば(550円)」が。これらもわかば食品製造だろうか。
北海道、東北(と新潟県の一部)というエリア限定でお好み焼きが売られること自体珍しい。それに、本場の店監修(「広島流」というのが独特だが、この店で用いている)というのはひかれるし、もう1つは餅とチーズ、噂には聞いていたものの食べたことがなく興味があった組み合わせ。気になる。→この記事へ続く
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帰ってきた秋田いすゞ

2024-02-16 20:24:25 | 秋田のいろいろ
秋田市大町二丁目3番27号には、月ぎめ駐車場と「大町イベント広場」という名のあまり使われることがないアスファルト舗装された土地がある。
かつてダイエー秋田店を核とする商業ビル「秋田ニューシティ」が建っていた、いわゆる「ニューシティ跡地」。※1981年オープン、2002年ダイエー撤退、2010年ビル閉館、2011年更地化。この記事参照
北東角
1月下旬(早くても1月24日以降?)だと思う。
イベント広場である、大町通りに面した敷地東側の、車両が出入りできる(縁石の段差が低くなっている)所に、
日本銀行秋田支店側から南東角

「ISUZU/秋田いすゞ」?!
看板が立った!
ここを所有する、秋田経済界の重鎮である辻家(辻兵=つじひょう などを経営)は、秋田いすゞ自動車株式会社(過去の記事)も経営していて、過去にはここが新車の仮置き場として使われたことがあったが、期間限定ということのようで特に表示はなかった。
2月10日過ぎ時点では、除雪された雪山の状態から判断して、イベント広場のうち南側半分(=ニューシティ跡地全体で見ると、およそ4分の1)をいすゞが使っている雰囲気で、トラックが数台置かれている。そして、奥のほう、月ぎめ駐車場際&日本銀行秋田支店の塀際にはプレハブ小屋が置かれていた。
【3月1日追記・3月1日には、雪山があった場所に、道路のセンターラインのような白線が引かれていた(2月末時点ではなかったはず)。いすゞの敷地を明示するものだろう。】
そこにも「ISUZU」
肉眼では分かりづらいが「秋田いすゞ中古車センター」とも。平日は人がいる気配。

ということは、ここがそういう用途になったの?
公式サイトを見ると、目立つ告知はされていないが、ひっそりと情報があった。中古車センターは2024年1月5日から大町へ移転しているという【17日追記・上記の通り、看板が設置されたのは下旬以降のはず。その間は開店休業だったのか?】。所在地は「大町二丁目3番31号」で、ニューシティとは少し違う。
昨年までは寺内蛭根一丁目16-16にあった。臨海バイパス沿いながら本社(寺内字蛭根85−7)とは少し離れた、ダイユーエイト秋田寺内店とアウディ秋田の間。
中古車センターは2005年に開設され(おそらく、当初は本社内にあったのかもしれないが、その時点では高陽幸町。この後、2006年に本社が寺内へ移転)、2008年に寺内蛭根一丁目へ移転していた。

上記の過去の記事でも触れているが、秋田いすゞはかつて、ここの向かい、現在イーホテルなどが建つ土地にあった(工場部門1958年、本社1961年まで。その後高陽幸町を経て寺内蛭根へ)そうだから、部分的ながら秋田いすゞが大町へ帰ってきたことになる。


小田急中古のいすゞエルガが通る。電柱には「辻兵」の広告看板
今後は、県外事業者から来た中古バスが置かれることもあるのかもと期待してしまうが、仮にも秋田市中心市街地の一角で、秋田経済界を代表する人が所有する土地に、こんなものがあるのって…
この記事などの繰り返しになるが、あきた芸術劇場ミルハスの計画段階で、ニューシティ跡地も候補とされた時、辻氏は「民間での利用計画に充てたい」「今すぐ進める具体的な計画があるわけではないが、(略)民間で活用するのが望ましいと判断した」として、それを断った(2016年)。
その後も、活用とは言い難い使われかたが続き、新たな使い道がやっとできたと思ったら、プレハブ小屋の中古車センターという名の中古車置き場とは。辻さんは、ここがこれでいいと思っているのか、秋田市街地を活性化させるつもりがないのか。

差し当たっての問題としては、大町イベント広場の今後について。
いすゞはイベント広場の南半分だけを使うのだとすれば、残る北側はイベント広場として存続するのだろうか。近隣ホテルの団体客や、ミルハスの行事参加者などの駐車場として使う時、竿燈まつりの屋台村として使う時、半分では足りなくなるかもしれない。それに、車の出入りはISUZU看板の所からしかできない。
まあプレハブ小屋以外はジャマなものはないから、中古車を隅やほかの場所へ動かせば、従来並みに広く使うことはできるか。なお、16日時点では、従来同様、観光バスが北側に駐車していた。

【2024年6月24日追記】毎年6月下旬の「ヤートセ秋田祭」では、通町の道路と、大町イベント広場が会場となるのが通例だった。2024年は、通町のみを会場とし、イベント広場は関係者駐車場として使用。変更された事情は不明だが、イベント広場が手狭になったことが理由かもしれない。どちらにしても、辻家には借用料は入るだろうから、痛くもかゆくもないのでしょうかね。
竿燈まつりのご当地グルメフェスティバルの対応
2024年秋の状況
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危うい交差点名 その後

2024-02-14 23:08:13 | 秋田のいろいろ
秋田市の県道56号(新国道)の「主要地点」案内標識、いわゆる「交差点名」看板がボロボロで判読できないものもあることを2023年1月に記事にした。あわせて、関係機関へも伝えておいた。
※この標識は信号機のアームに取り付けられているが、警察(公安委員会)ではなく、道路管理者の管轄。ここの場合は秋田県庁の出先機関、秋田地域振興局建設部の所管。
(再掲)「新川向」の北行き車線向き(南向き)

(再掲)同上。「-|‖」?

昨年暮れ頃~1月中旬の間だろうか、変化。


くっきりと「新川向」!
表示を新しくしてくれた! 反射材の横線の入りの板で。
新しくなったのは、南向き側だけ。判読可能な北向き側はそのまま。
関係機関への伝達時に、更新するならローマ字を併記してはどうかとも要望したのだが、それはかなわず。反対面との整合性もあるのだろうけれど。
こういう場合、古い表示に上張りして済ませることもあるが、今回はそうではない。裏面を見ると、
ピカピカ
表示板自体(と取り付け金具)を新しくしている。そもそも表示板の長さ(縦方向)が、交換前よりも短くなっている。文字数に合わせて短くしたのだろう。ケチというか、問題はないから節約か。

(再掲)「 木於丶口」?
「八橋鯲沼町」の南向きも、
更新
こちらは文字数が多いので、従来と同じサイズ。

他の交差点は未確認だが、いっしょに新しくしてくれたと思われる。必要最低限の原状復帰レベルではあるが、交差点が無名化せずに済んだ。
ところで、「八橋鯲沼町」の北向き側。
(再掲)
1年前は、枠線の右上が欠けた程度で、文字は無傷だった。それが今は、
現在
枠線の左から上が欠け、「八」の2画目と「鯲」もところどころ脱落。1年でこうでは、いずれこっちも読めなくなりそう。
秋田県さん、適切な維持管理をお願いしますよ。

※交差点名に関する次の記事は、能代市の国道
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絶妙? な組み合わせの食品@伊徳

2024-02-12 23:34:58 | 各地お土産・食べ物
秋田県大館市に本社があり、青森県津軽地方から秋田市にかけて店舗展開するスーパーマーケット「いとく」(昔の記事)。
※運営企業名は「株式会社伊徳」、店舗のブランドは「いとく」を用いているが、看板などでは「ITOKU」表記。たまに「イトク」とする人もいるが、公式にはカタカナ表記はしていないと思う。

我が家の生活圏から、いとくの店舗は遠くないものの、あまり利用していない。たまに行くと、お惣菜など地元スーパーならではのもの・良いものがあるのだけど。※昔ながらの甘寿司
最近は、以前より若干、行くことが増えた。(支払いのみのセミでない)セルフレジが設置されて、少量でも気軽に購入できるようになったことと、2022年12月から楽天ポイントカードが導入(自社ポイントと併用可)され、時々ポイント使用で10%還元キャンペーン(要エントリー・還元上限500ポイント/月)をやるため【14日補足・2023年11月、2024年2月、7月に実施】。
ちなみに、持株会社ユナイトホールディングス傘下のもう1社、タカヤナギ(本社秋田県大仙市、店舗ブランド「グランマート」)では、フルセルフレジは同様に導入したものの、楽天ポイントカードは未導入。

いとくで売っていた、季節ものの店内製造の食べ物から、なかなか攻めている(?)のを2つ。
秋田市内の各店舗にはインストアベーカリーがある。「フレッシュベーカリーいとく○○店」という名称のようだが、経営母体などは不明【15日付追記参照】。※イオン秋田中央店のベーカリーはフジパン系列企業が運営しているように、スーパー直営とは限らないこともある。
どこのスーパーでも、ベーカリーのパンは高いけど、おいしそうに見えるもの。いとくのもそうだけど、種類が豊富で充実している印象。
新商品
黒いからチョコパン?
表面にパン粉をまぶして揚げてある
じゃあドーナツ?
いやいや。
もんこさん監修 ショコラビーフカレーパン」 243kcal 税込み214円
情報量と疑問点が多い。
まず、「もんこさん」って誰?
実はいとくのベーカリーでは、ほかにも、もんこさん監修のカレーパンを売っている(ない時もある)。揚げていないのもあって【14日補足・野菜カレーの焼きカレーパンとかいうのだった】、それは食べやすいし、カレーがまろやかで良かった。ちなみに、もんこさん監修ではない、揚げたカレーパンも(2種類?)売っている。
もんこさんについて、店頭や公式サイトなどに説明はなさそう。ネットで調べたところ「一条もんこ」さんという「スパイス料理研究家」がいらした。僕と同世代で新潟の人。秋田とは関係なさそうなので、インストアベーカリー向けのレシピでも売っているのか。

そして、「ショコラビーフカレー」って。
いくらバレンタインデーが近いからって…
だけどカレーの隠し味にチョコレートを入れるか。でも、このパンの黒さからすれば、隠し味で済まない量では…
割ってみた
具材がごろごろしたカレーがけっこう入っている。
揚げてあるものの、軽く揚げたのか、中のパン生地はベチャッとしていない。

感想は、パンはチョコの味はするけれど、見た目ほど濃厚ではなかった。カレーは辛さ控えめ。したがって、チョコもカレーも主張が強くなく、それなりにうまくやっている。これはこれでアリだと思うけど、この組み合わせを考えつくのがすごい。
【15日追記・グランマートのインストアベーカリーについてグランマートでも、同じ見た目のショコラビーフカレーパンが同価格で売られていた。値札には「もんこさん」が控えめに表記されていて、他の商品(全部ではない)とともに「ベルナール」の文字も。タカヤナギのベーカリーは「BERNARD(ベルナール)」の名称で展開しているようだ。いとくのベーカリーとは、全部が同じ商品ではないと思うし、いとくのほうが種類豊富【6月11日訂正・むしろグランマートのほうが豊富か? 店舗によっても違いそう】。
さらに調べると、イオン秋田中央店「パン工場」と同じ、フジパン系列「フジパンストアー株式会社」がベルナールブランドのベーカリーもやっていた。公式サイトによれば、中部北陸地方のユニーやドン・キホーテに店舗が多く、秋田にはないことになっている。紹介されているメニューも違いそう。違うベルナールなのか。(以上追記)


もう1つ。惣菜売り場の一角で、いつもおはぎを売っているのだけど、2月上旬、そこに見慣れぬおはぎっぽいものがあった。
パック越しに見た感じ、表面はあんこのおはぎなのだけど、その下が茶色い。
パックの中で転んでしまいました
ラベルには「伊徳特製おはぎいなり」。栄養成分表示なし。1個入り162円と2個入り324円。
商品名に「伊徳」表記を使うのが珍しいけれど、それよりも「おはぎいなり」とは、見た目通りおはぎ+稲荷寿司のようではあるが、初めて知る存在。
上の丸いシールには「和食文化国民会議」「伝えよう、和食文化を。」「初午 ―はつうま―」。

初午で思い出した。
(年ではなく)日に十二支を当てはめることがあるが、2月(または旧暦2月)の最初の午の日が初午。稲荷神社の祭の日であり、「初午いなり」としてゆかりが深いいなり寿司を供えたり食べたりする風習がある。2024年は2月12日。
2017~2019年頃には、ローソンが初午いなりキャンペーンをやっていて(ただし普通のいなり寿司)、それでその風習を知った。近年は、ローソンストア100では宣伝しているが、普通のローソンでは特に展開していない。

でも、秋田では初午祭は、誰もが知る行事ではない。地域によって、地元の神社で祭礼が催される程度で。
そして、「おはぎいなり」なるものが、初午いなりの伝統的な食べ物だとか、どこかの名物だとかでもないようだ。レシピサイトに誰かが考案したのが少々出ているくらいで。

さらに、シールにある一般社団法人 和食文化国民会議のサイトを見ても、初午いなりの記述はほぼない。2016年12月に「一般社団法人日本惣菜協会よりイベント協力のお願い」として「一般社団法人日本惣菜協会は、古くより稲荷神の使いである狐を祀るために供えられてきた「いなり」と「初午の日」の普及に取り組んでいます。」「関連する食品・商材等を扱われている企業様におかれましては、初午の日に合わせた「初午いなり」販売イベントの開催ご協力をお願い申し上げます。」という文書がアップされている程度。
日本惣菜協会のサイトを見ると、2013年から「「いなり」と「初午の日」の普及推進を呼びかけてまいりました」ものの、2019年をもって「当協会の一定の役割が終了したと判断致しましたので、協会事業としての取り組みは終了」していた。2020年からは、油揚げなどのメーカーが「推進事業者」として、共通のポスター・シールを配るとのこと。今年・2024年についての情報はない。

初午いなりは日本の食文化の1つには違いなく、否定するつもりはないが、なじみがない土地にいる者としては、スーパーが便乗しただけに思えてしまう。
節分の恵方巻は、東日本では1990年代より前にはなかった風習だし、本来はただの太巻き寿司(を丸かぶりする)だったのが、今は丸かじりするには気が引ける、海鮮を使った豪華な巻きずしが台頭した。初午いなりはそこまでのムーブメントにもなっていない。

では見て、食べてみましょう。
頭でっかちで起こせないので倒れたまま


油揚げの中におはぎを押しこんで、上下をひっくり返したのか?
油揚げをはがしてみた
そうではない。上下をひっくり返して、油揚げの袋が開いた側を上にして、ごはんの上に具材を載せたいなり寿司がある。それと同じ構造。
油揚げの中には、ごはんしか入っていない。そして、上のあんこの中にはごはんはない。つまり、ごはんを詰めて逆さにしたいなり寿司の上に、あんこの塊を載せたことになる。
米は「もち米」だけで、酢飯でもないようなので、そこはおはぎに準じていることになる。おはぎのようにつぶして半殺しにはしていない。なお、秋田や津軽では、太巻きやいなり寿司にもち米を使う場合もある。

あんこはつぶあんで甘さ控えめ。ごはんは、もち米ならではみっちりした食感。
油揚げは、甘さもあって、だしの味もするような味付け。スーパーの惣菜のいなり寿司でよくある味で、いとくの通常のいなり寿司と同じかもしれない。
それらを同時に味わうと、意外にもそんなにミスマッチではないような。でも、おはぎと味付け油揚げを同時に食べているに過ぎないというか、あえてくっつける意味があるのか。この組み合わせを考えつくのがすごい。

そういえば、おはぎトッツォなんてのもあったけど、最近はご無沙汰。2022年のことだった。この後、どんな組み合わせの食べ物が出てくるのかしら。
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秋田空港リムジンに路線車

2024-02-09 20:01:03 | 秋田のいろいろ
秋田市街地(県庁市役所前、秋田駅西口など)と秋田空港を結ぶ、秋田中央交通の空港リムジンバス。
その車両は、同社の貸切バスと同じ車種・外観(塗装)の大型バスを用いて、秋田県内完結の高速バスと共通運用使用されている(2011年の記事)。それらだけでやり繰りがつかないこともあるのか、仙台行き高速バス・仙秋号用の車両(いわゆる緑こけし塗装【3月3日追記・青こけし塗装も】)が充当されることも、それなりにある。

当ブログのコメントで、2023年10月1日に、一般路線用の中型バス(緑色塗装)が、「秋田空港」という行き先表示を出して、秋田駅東口で待機していたという目撃情報をいただいていた。何らかの事情で路線車が駆り出されたのか、あるいは東口を発着するリムジンは今はないので誤表示かと思っていた。いずれにしてもレア表示で、そういうコマが用意されていることを初めて知った。
その後、注意深く見ていたわけではないが、自分で見る機会はなかった。


今年2月6日。中央交通公式サイトに「秋田空港リムジンバスをご利用のお客様へ」が掲載された【25日補足・各バス停にも同内容の掲示がある】。
通常の「座席定員制の専用車両」でなく、「運用の都合上、一般路線バス(緑色車両)で運行する場合がございます。」とのこと。トランクがないので荷物は車内持ちこみで、立席になることもあるとしている。

確かめてみると…
秋田駅西口
空港へ行くバスと、空港から来たバスが1台ずつ入線。どちらも従来通りの車両。
羽田便に接続する空港行きは、数十人が乗車しており、路線車だったら座れない。

ほかの便は、
!!!
小田急中古、大型ノンステップ・いすゞエルガ。秋田営業所1004号車。
正面と後部の行き先表示は、系統番号なし「秋田空港 AKITA AIRPORT」。側面には経由地も表示されていた(昨秋の記事のコメントも参照)。
「空港リムジン」「路線バス」の紙を掲出しているが、これは従来の車両でも実施している。どちらの車にしても、貸切・高速/一般路線との誤乗防止対策だろう。

さらに別の便。
空港発秋田市内行き
中型ノンステップ・日野レインボー。秋田営業所1640号車。
2023年11月頃に導入されたばかりの、新車も登板。
ちなみに、同時に臨海営業所には1639号車が導入されたが、そちらはいすゞエルガミオ。
1639号車
共通車種なので、エンブレムやメーカーシール以外は見分けがつかない。

空港発の行き先表示は社名。空港行きはあるクセに「秋田駅西口・秋田市内」のコマは用意していなかったのか(だとすればこの会社らしい)、あるいはそれを用意してはいるが表示してしまうと、一般路線バスとまぎらわしいため、あえて使っていないか(だとすればこの会社にしては親切)、どちらかだろう。【14日追記・路線車の表示器にも「秋田駅西口・秋田市内(英字あり)」の表示が用意されており、秋田空港出発時点では表示しているようだ。上の写真では、それを使わずに社名表示にしていたか、運行途中で社名表示に切り替えていたか、どちらかになる。】

ということで、従来の車両とともに、一部の便では大型・中型問わず、一般路線車も使われていた。
2日にわたって確認した限りでは、同じ便であっても、2日とも従来車、2日とも路線車、1日は従来車・もう1日は路線車と、まちまちであった。
ただし、羽田便に接続するバスは従来車が充当され、路線車が充当されるのは、伊丹・中部国際・札幌といった定員100人に満たない小型機(DHC-8やエンブラエル170)就航路線に接続するバスなのかも、という感じがした。※推測であり、確証はありません。また、小型機接続でも従来車が充当されることもありました。【末尾の追記の通り、羽田便接続便で従来車と路線車が1台ずつ充当され、乗客は全員が従来車に収まるというケースもあった。】
そんなわけで、見た限りでは立ち客はいなかった。【9日補足・従来車両は前にしかドアがないので前乗り・前降り方式だが、路線車両では一般路線と同じく中ドアから乗車させていたようだ。整理券・ICカードタッチの都合もあるので。】


どういう事情で、路線車がリムジンに入ることになったのだろう。昨今の運転士不足はあまり関係なさそうだし、「運用の都合上」としているし…と思っていたら、2月9日付で公式サイトに「高速 湯沢秋田線 一部運休のお知らせ【緊急】」がアップされた。
秋田市と横手・湯沢を結ぶ、羽後交通と共同運行する高速バスのうち、現在は土日祝1往復だけを中央交通が担当している。それが2月17日から運休するとのこと(羽後交通担当2往復は継続)。その理由は「当社におきまして故障車両の修理のめどが立たないことから」。

上記の通り、県内高速とリムジンは車両が共通運用だから、リムジンの車両変更もこれが理由だろう。
これらの車両は、中古車を中心に、新車がちらほらというラインナップ。空港リムジンバスのほうが必要台数は多いし、空港利用者のアクセスを欠くわけにはいかないので、湯沢線を運休することにしたのだろうか。


考えてみれば、秋田空港リムジンバスを運行するのは、なかなか大変だと思う。
多くの地方空港同様、航空機1便に対して、バス1便が対応したダイヤになっている(何分間隔で運行というダイヤではなく、航空ダイヤに連動して毎月バスダイヤも変わる)。
そして、大型機だろうが小型機だろうが、飛行機が1機発着すれば、その分だけバスを走らせないとならない。ただし、複数の航空機が同時刻~15分程度の間隔で発着する時は、バスは1本にまとめるようだ(20分空くと、バスは2本になる)。
さらに、航空機利用客のうちどれだけがバスに乗るかは予想が難しく、1本に対してバスは2台以上必要になることもある。実際には、必ずバス2台を割り当てているようで、乗客が多くない時は、空港行きでは1台が秋田駅に立ち寄らず木内前からの運行(=木内前以降から乗るとガラガラのバスに乗れることが多い)、空港発では1台は回送で車庫に戻るという運用になっているようだ。※今回の路線車充当では1便につき1台しか入っていないかもしれない。
航空ダイヤの時間の偏りもあるし、最近は航空機材が小型化して便数が増えている感じもする、運転士も車両も、確保とローテーションに苦労するのではないかとは考えていた。


利用者としては、快適性で難があることになってしまう。札幌駅から定山渓温泉まで1時間以上、一般路線バスに乗るような事例もあるけれど。
秋田空港に一般路線バス車両が乗り入れるのは初めてではない。1990年代までは、リムジンとは別に(航空便と接続しない)、牛島旧道経由で秋田駅と空港を結ぶ路線があった。今は、国際教養大学と空港を結ぶ路線(空港線?)が、ごくごく限られた日に運行されている。

ちなみに、弘南バスの弘前市と青森空港を結ぶリムジンバス(「空港バス」と呼ぶようだ)も、貸切・高速車が使われるが、新型コロナウイルス感染症流行当初の緊急事態宣言中に、「弘前⇔青森空港」表示の中型路線バスで運行されたことがあった。


【27日追記】午後のボーイング767の羽田行きに接続する空港行き便で、専用車と大型路線車が1台ずつ充当されるケースがあった。乗客は全員が専用車に乗り、路線車が「回送」表示(「空港リムジン」の紙は掲出)で追随するという、おそらくこれまではなかった形。
【3月7日追記】高速湯沢線は、3月9日から運行を再開。車両不足が解消されたのか。
一方で、「深刻な乗務員不足」を理由に、2024年4月から当面の間、全便運休(休止とも表記)することになった。
※この直後、絵入りご当地ナンバープレートの車両が登場した。

【3月27日追記】3月下旬の平日午後の羽田行き・ボーイング767便に接続する空港行きは、路線用の中型1台、大型1台で運行されていた。先行の中型の乗車率は見られなかったが、後続の大型は数人が乗る程度だった。

【5月28日追記】5月20日付で、公式サイトに「秋田空港リムジンバスをご利用のお客様へ(2024/5/20現在)」が掲載。「一般路線バス(緑色車両)で運行する場合、一部運行経路を変更いたします。(秋田市内~国道13号線~わだ方面~秋田空港) ※あきたびラインを運行しません。」とのこと。
途中バス停はないので、大きな影響はないと思われるが、5月20日以前はどうしていたのだろう。
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一六シュークリーム/松山あげ

2024-02-07 22:49:17 | 各地お土産・食べ物
イオン東北各店の愛媛フェアの続き。
まずは、前回少し触れた、フェア終了後購入した、売れ残りの見切り品。
一六本舗の自家製餡シュークリーム 1個95g 295kcal
2個入り645.84円→624.24円。

一六タルトの製造元として、もちろん知っていたけれど、こういう洋生菓子も作っているのか。
調べると、株式会社一六は、松山市内はじめ愛媛県内に直営店を多く持ち、大福、焼き菓子、ケーキなど和洋菓子全般を製造販売しているのだった。なお、本品など今回のフェアで売られた商品は、公式サイトには出ていない。
さらに、系列企業・団体により、スーパーマーケット(1+6=7で「セブンスター」)、ネッツトヨタ愛媛、伊丹十三記念館なども運営しているとのこと。

左右で高さが違いますが
たっぷりのつぶあんの上に、たっぷりの生クリーム? ホイップクリーム?
愛媛らしさはないけれど、おいしかった。こしあん好きとしては、一六タルトの柚子味のこしあんなんかだとよりうれしい。

この時点ではタルトも少し残っていたが、日持ちするので値引きなし。もう少し待ったら…と考えているうちにインフルエンザにかかって、買いそびれた。いつも売っているあわしま堂のタルトを食べることにします。


松山あげ きざみ 45g 15g当たり116kcal
213.84円。
チラシに載っていたのは本品だけだったが、売り場では、同じデザインの若干大きい袋に入った、刻んでいないもの3枚入りが300円台で売られていた。

袋には「伊豫名産」「ひと味ちがう油揚」とあるが、松山あげとは初めて知る食べ物。
油揚げには違いないが、水分を極力抜いてあるため保存性が高く(常温で90日)、「独特のサクフワ感」があり、油抜き不要でそのまま使える、という特長がある。
みそ汁で食べると、たしかに軽い食感。油揚げのバリエーションの1つとして、悪くない。西日本各地ではスーパーでも売っているそうで、関東にも広がりつつあるようだが、東北ではなかなか買えないようだ。【8日追記・秋田市のスーパー「いとく(本社・秋田県大館市)」新国道店や「ナイス(本部・秋田市)」フォンテAKITA店で、きざみ45gが売られていた。いずれもフェアなどでなく常時販売のようで、ある店にはあるのだった。】

松山あげに、ちょっとした親近感を抱いた。
製造元のお名前。
松山あげは、地域ブランドのように製造業者が複数あるわけではなく、明治15年に創業し、製法を開発して、松山あげと命名して営業に努めた、1社単独の登録商標・商品名ということのようだ。
その名は、
「程野商店」
程野は「ほどの」と読み、創業者~現経営者の姓。

ほどのといえば、秋田市中央地域の地名「保戸野」である。
漢字は違うが、人名で「ほどの」さんがいらっしゃることを初めて知った。
そして、秋田市の保戸野も、かつては「程野」と表記したそうだ。

学習させていないまっさらなかな漢字変換システムで「ほどの」を変換すると、最初の候補に「程野」が出てくる。余談だが、地名辞書が非搭載の昔のワープロ専用機では、「保戸野」と変換させるには苦労した。
「程野」という地名が、どこかにあるのだろう。あっても不思議な名前ではないし…と漠然と思っていた。
今、ざっと調べると、青森県十和田市、宮城県栗原市、長野県飯田市、愛知県新城市、愛知県豊川市、山口県岩国市などに程野がある。

だけど、「程野」さんがいらっしゃるとは、思いもしなかった。
日本の姓の大部分(8割?)は地名由来だそうだし、おかしくはないけれど。
地名の程野は、上記のように東日本にも西日本にも存在する。ネットの情報によれば、姓の程野は西日本に多め。大阪や徳島に多いという。多いといっても、大阪府でも100人に満たないけれど。
また余談だが、地名の保戸野・程野は、地形に由来するという説がある。横浜市の保土ケ谷や、各地にある程島なども同じく。

秋田県知事のじゃこ天失言をきっかけに、愛媛フェアに興味を持ち、さらに松山あげと程野姓を知ることができた。次回開催、さらに愛媛以外の四国各県フェアにも期待。
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水銀体温計

2024-02-03 23:11:50 | 昔のこと
A型インフルエンザにかかってしまった。
せき、鼻水などのほか、熱は39度手前まで上がったものの、それほど苦しくはなかった。食欲が落ちなかったのも幸い。
でも、別の疾患で治療中。相談したところ受診するよう指示され、タミフルが処方された。発熱2日目から服用して、その日の夜には(タミフルのおかげかは分からないが)ほぼ平熱に。4日目時点では、だるいようなふらつくような感覚が、若干残っている。
感染経路は同居家族で間違いない。こちらがいくら用心しても、狭い家の中に、しかも衛生観念が低い者(こっちは病気だから配慮してと言っているのに)がいては、どうしようもない。

さて、今は医療用語では「バイタルサイン(の1項目)」と呼ばれるそうだが、体調把握の指標の1つである体温。その計測に使う体温計の話。
新型コロナウイルス感染症以降、非接触式の体温計が広まった(医療機器として認証されていない、温度計のこともあるけれど)。これは、お店とか医療機器の玄関先とか、以前は体温を測らなかった場面で使われることが多いだろう。
昔から体温を測っていた、家庭や医療機関の中では、脇の下にはさむ(舌下やお尻でもできるようだけど)体温計が一般的。

ところで、これってご存知ですか?
細長い物体。この状態ではフタ付きケースに入っています
中身を出すと、
棒状のガラスの中に目盛り
ご存知ないかたは温度計? と思ってしまうかな。広い意味では正解。
正体は「体温計」。
体温計といえば電子体温計を指すようになった今の感覚では「昔の体温計」。正確もしくは誤解のないように表記すれば「水銀体温計」である。
「アナログ体温計」でも通じそうだが、Googleでダブルクォーテーションで囲って検索すると、水銀体温計約36万件に対して約5080件と多くない。電子体温計をデジタル体温計ともあまり言わないと思うし、体温計に関してはアナログ/デジタルとは表現しないのかな。

壁掛け寒暖計や理科実験用の棒状温度計は、ガラスの中にアルコールが入っていて、温度変化に応じて上下する。
水銀体温計では、水銀が入っているわけだが、温度(体温)が上がったらその位置で止まって、自然に下がることはないのが、寒暖計との大きな違い。
電源不要のメリットはあるが、ガラスだし、中の水銀は有毒なので、割れた時には危険。最近は、不要な水銀体温計類の回収も積極的に行われている。

我が家では水銀体温計がまだある。ほんとうは回収に出すべきなのかもしれないが。長年使い続けているのが1本(写真下)、最近発掘されたのが1本(写真上)。
電子体温計では、メーカーや機種によって、本体形状はさまざま。電池サイズや表示部を大きくしたい意図もあるのだろう。
水銀体温計は、三角柱など一部違うものもあったが、大部分はメーカーが違っても同じ(ような)形だった。この2本のように、円柱を押しつぶして平べったくしたような。どちらも目盛りは35、6、37、8、9、40、1、42と表記され、「37」だけ赤文字(下のは経年で退色)。
2本はメーカーが異なる。目盛りの色やサイズが異なるのはすぐ分かる。並べて比較してみるとサイズや、ガラスのカーブによる形状、それらによる触り心地も、微妙に違った。

目盛りは厚紙もしくはプラスチック板のようなものに印刷されて封入され、その前に水銀の管が配置されている。では、その裏側はどうなっているか。
裏面
検温には必要ない内容(電子体温計でも同じだけど)。
上は「TOSHIBA 東芝体温計A」と、メーカー、機種が表示されている。当時は「体温計」=水銀体温計だったことを示す名称だ。
下は「開業十周年記念」として秋田市内の医院の名(親戚宅のかかりつけ医)。その後に「柏木」とメーカー名らしきもの。
どちらにも右側に「C」とあるのは何かの義務付けられた表示だろうか(摂氏のC?)。下はさらに右に「人」みたいなマークも。

メーカーや製造時期について。
下の「柏木」は、明治時代に日本で初めて国産体温計を製造販売し、戦前は独占状態だったという同名メーカーが存在した。そこは1959年に製造をやめたとの情報があった。
だけど、この体温計はそれよりは新しい。体温計をくれた医院(代替わりして今も存在)は1967年開院だそうなので、1977年頃に製造されたことになる。医療機関がノベルティに使うくらいだから、信頼の置けるメーカーなのだと思うが、国産初の柏木との関係は不明。
現在、柏木という体温計メーカーはなさそう。

上の東芝は、もちろんあの東芝。
何でも作る東芝だけど、体温計まで作るとはと驚かれるかもしれないが、そういえばと感じられるかもしれない。かつては「サザエさん」などでテレビCMが流れていたので。
東芝体温計は箱や取扱説明書(兼 記録表)も残っている。
薄いダンボール箱
「特納用」とあり、健康保険組合が加入者に配布や販売するための製品だったようだ。
製造年などは記されていないが、説明書の活字に写研・ナールが使われているし、雰囲気としては昭和50~60年代かなという気がする。

箱には、企業名の表示があった。製造元なのか販売元なのか。
東芝硝子株式会社
東芝本体(東京芝浦電気→東芝)ではなく関連会社。大井川の河口、静岡県榛原郡吉田町に本社があるらしい。

調べると、東芝硝子は1999年に旭硝子(AGC)グループへ吸収。現在は「AGCテクノグラス」となって、本社は引き続き吉田町。体温計を製造している気配はないが、電子、工学、理化学分野のガラス製品を作っている。※東芝の体温計については、この記事後半も参照。

説明書には、現代のそれのように「各部の名称」の説明はないが、文面から読み取れるものとして、
・水銀槽:脇や舌下にはさむ測定部分であり、水銀が貯まっている部分。
・水銀糸:水銀が動いて体温を示す部分(うまく表現できない)。
・留点:水銀槽と目盛り左端の間にある、水銀が戻らないようにするための仕掛け。管が細くなっているようだ。


新型コロナ流行前は、平常時に体温を測る習慣がなく、流行後は、新たに購入した電子体温計をもっぱら使っていたので、水銀体温計はご無沙汰。インフルエンザ療養中の検温の一環として、久々に使ってみることにした。
水銀体温計は5分で、おおむね正確に測定できると記憶していた。東芝の説明書にも「わきの下での検温時間は、ほぼ5分間です。」とあった。
なお、同時に使用した電子体温計は、予測式ではなく実測式で、温度上昇が緩やかになればブザーが鳴り、10分間測定することで正確な値が出ることになっている。

3本を同時にはさむのは無理があるので、連続して1本ずつ、それぞれ5分間測定してみた。電子体温計では、ブザーが鳴った時と10分後の値も計測。
結果。電子体温計は10分経過時。水銀体温計は反射で見づらいですが
見事に3本とも、ほぼ36.4℃!
電子体温計は、2分05秒でブザーが鳴って36.3℃、5分経過時でも36.3℃だった。

自分の平熱は、長年36.5℃だと思っていた。また、少し前に、医療機関用のオムロン製予測式電子体温計で複数回検温した時は、いつも36℃台後半だった。
それらより少し低いのは、タミフルのせいなのか、外気温や室温のせいなのか、よく分からないけれど、3本がそろってそう言うのならそうなのでしょう。

久々に水銀体温計を使った感想。
1.パリンとやっちゃいそうで怖い
電子体温計と比べると、細く、ツルツルしているし、ガラス&水銀だから取扱い注意という意識もあって、少々緊張した。

2.値が読みづらい
自分の目が老眼になったとかではなく。壁掛け寒暖計と同じような感覚かと思っていたが、水銀の線がはっきり見える角度が狭くて、本体を微妙に回転させて、ベストな位置を探すのに苦労した。
どちらも、目盛りに対して真正面ではよく見えず、東芝はやや下、柏木はやや上からが判読しやすかった。


↑掲載した写真は、目盛りに対して左右方向にズレた位置から撮影しているため、正確な値として読み取れない状態です。目盛りの見やすさ(見にくさ)を示す写真です。

水銀体温計の目盛りは、黒いような銀色のような線がくっきりと出ていたと記憶していた。だけど今回の2本は、いちばんはっきり読み取れる位置でも、薄いグレーのようなもので、くっきりとは言えなかった。昔からこうだったっけ?

本体の長さがほぼ同じ2本を比べた時、東芝体温計のほうが目盛りが長く、目盛りの(範囲は両者同じなので)間隔が広い。また、水銀の管の、水銀が達していない部分が黄色い。判読しやすいような配慮がされているようだ(がそれほどでもなかった)。
東芝には、さらに見やすい体温計があった。テレビCMされていたのがそれで、「東芝ネオブルー」。水銀が青く見えて、読み取りやすさを売りにした製品であった。
ネットからは「ネオブルーA」という製品があったことが分かる。我が家にある「東芝体温計A」と同時期の品なのか? 「ネオブルーC」という記載も見られるが、それは今回の2本にもあったような「C」表記をいっしょに読んでしまっている可能性もある(ネオブルーBはなさそうだし)。ネオブルーでは目盛りの背景は黄色ではなく、無着色だったそうだ。

3.使用後が疲れる!
電子体温計は電源を切るか、放っておいてもオートパワーオフされるが、値が保持される水銀体温計ではそうはいかない。水銀体温計を知らない人はどうすればいいか、想像もできないかもしれない。

体温計を「振る」ことで、水銀が下がるのです。
記憶では、体温計を5本の指で握り、肘から先を上から下へ、けっこう力を入れて5回くらい振り下ろさないといけなかった。握りつぶしたり落としたり、周りの壁や机にぶつけたりして壊さないよう注意するのも重要。測定前には、下がっていることを確認することも大事。

久々に振ってみたら、柏木はそんな感じだったが、東芝が手ごわかった。
柏木より落ちかたが鈍く、いくら振っても35.9℃より下がらず、あきらめた(測定前もそうでした)。説明書には、使用後は35℃以下まで振り下げ、使用前は35℃になっていることを確認するように書かれていたけれど無理。

説明書では「水銀の簡単な振り下げ方法」が絵入りで紹介されている。
容器(ケース)に体温計をしまって、「ヒモの両端を指先にかけ、よりをかけて強く両方へ引き、回転させると遠心力で水銀は下がります。」。

そうそう。この説明書を見ていないと思われる人からも、そうやって下げることができると聞いたことがあったので、それなりに知られた方法だったのだろうか。これはこれで面倒そうだけど…


電子体温計が水銀体温計に取って代わったのはいつ頃だったのか。オムロンとテルモの公式サイトを見てみた。
オムロンは、1972年に医療機関向けとして電子体温計を発売しているが、最初の携帯電話みたいな大きな本体が別にあるタイプ。1980年に現在と見た目があまり変わらない、家庭用1号機を発売。1983年には小型化して、現在に続く「けんおんくん」となった。
テルモでは、「1983年11月病院向けに、1984年2月家庭向けに、日本で初めての「平衡温予測方式」の電子体温計を発売」し、「約1分で予測検温できるものとして市場に広く受け入れられました。」としている。

僕も、1980年代後半=昭和末=バブル期が交代時期だったと記憶している。
1980年代半ば頃に電子体温計なるものが存在するのをテレビか何かで知った。画期的な新商品というとらえかただったと思う。
行きつけだった小児科医院では、遅くとも1983年頃までは水銀体温計だったのが、1988年にはテルモ製の電子体温計(HOSPITAL USEとあったので医療用)に代わっていたか。
我が家でも、同じ頃に電子体温計をもらって、使い始めた。それも残っている。電池が切れているけれど。
下がそれ。日焼けしています
本体が厚く(太く)、表示部が小さいものの、現行とそんなに違和感はない。見づらいが、これもTOSHIBAロゴがある。
裏面表示
水銀体温計にはなかった、昔からの「東芝傘マーク(参考記事)」も記される。
「EMT-1」という機種。1というからには、電子体温計初代機種なのだろうか? 「株式会社東芝」とともに「製造 東芝硝子株式会社」も記され、水銀から電子へ製造が引き継がれていた。

上記の通り、東芝硝子を継承したAGCでは体温計は作っていなそう。
東芝としては、2000年11月の情報として「EMT-7」という製品が存在した(その時点で製造終了済みの可能性も)。
さらに婦人用体温計「HT-201」というのが2016年時点で株式会社東芝から発売されていた。その他ライフサイエンス事業を一括して、同年5月31日をもってTDK株式会社へ譲渡されている。2024年時点では、HT-301がTDKから出ている。

このEMT-1がいまいち。予測式だったのだと思うが、誰が測っても平熱が35℃台と表示され、こんなモン信用ならんと、水銀体温計に戻ってしまい、それが今も残っているのだった。だから、その数年後に接した医療機関の電子体温計が、信頼性の高そうな値を表示するのには驚いた。

ちなみに、東芝同様何でも作るパナソニック(旧・松下電器産業)グループでは、体温計を製造していた(いる)とは見聞きしたことがない。
調べると、現在はなさそうだが、かつては松下電工(現・パナソニック電工)から、ナショナル(National)ブランドの体温計が発売されていた。一般的な電子体温計(EW237P)と女性用が「はいなんど」、耳で測る「ミミタッチ」もあり、型番はいずれも「EW」で始まる。EW237Pは2003年頃の製品のようだ。【4日補足・松下グループで水銀体温計を作っていたという情報は見当たらなかった。】


若い人たちは黒電話のダイヤルの使いかたを知らないそうだ。現在の普及率を踏まえて考えれば当然。水銀体温計も同じことだと予想される。
以前、OHPの話題で、OHPを知る/知らない世代の境目は、昭和生まれ/平成生まれと重なるのではないかと予測していた。
体温計の場合は、遅くまで水銀体温計が残っていた家庭もあるだろうから、OHPほどはっきりとは分かれないと考えられる。昭和末生まれでも知らない人がいるかもしれないし、平成生まれで知っている人もいそう。
コメント (6)
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