【以下の内容は2021年3月時点のものです。追記の通り
2024年から若干変更されています
(が大差なし)。】
3月23日、当ブログの
2013年の記事へのアクセスが増え、24日には収まった。
こういう突発的な過去記事へのアクセスは、テレビで取り上げられた話題だったりするものだが、今回は秋田県の教職員人事異動が発表が原因。
おそらく、自分や子の通う学校の先生、もしくはかつて世話になった先生の去就を知りたい、つまり異動名簿を見たくて、アクセスしたのだと思う。8年も前の記事だから、役に立つ内容はほぼないはずで、アクセスされた方々には申し訳ない。
今回も名簿内容ではなく、発表方法などについて。
秋田県の教職員異動の流れをまとめておく。一部推測です。
まず、修了式の日辺りに、各個人への異動内示。
その後、秋田県教育庁(教育委員会の事務局)から、名簿を報道発表。今年は23日だった。発表時刻は不明。
政令指定都市など独自に教職員を採用している自治体があれば別発表となるが、秋田県ではそれはないので、学校種を問わず(市町村立も含めて)一括発表。※ただし一部は重複して、かつフライングで発表される。後述。
昔は、発表当日の民放の昼前や夕方のローカルニュース(NHKではやらなかったはず)で、教育庁課長以上や県立学校長を中心に、顔写真と氏名が報道されていたが、近年はやらなくなった。
2008年までは、秋田魁新報に夕刊があったので、それにすべての学校・職階分が掲載された。夕刊廃止後は、翌日朝にならないと分からない。全国紙では、翌日朝に管理職は県版内、一般職は別刷りといった形で掲載。
そんなわけで、発表当日(23日)のうちに、早く異動を知りたい人が多いのは分かる。
でも、発表スケジュールまで知る一般人がそんなにいるのかとも思う。それは魁のサイトの影響かも。
23日の昼間のうちに、「県教職員異動、対象は3449人【名簿あり】」という見出しの記事がアップされた。

サイトより
関心がある人ならば、詳細を開きたくなるに違いない。
開いてみると、校名や名前で検索もできるそう。そこで【異動名簿はこちら】をクリックすれば、

「このコンテンツは「有料コンテンツ」です。」
紙の新聞定期購読者なら330円、それ以外は550円払わないと見られない。
著作権などない名簿。しかも今は、県教育庁はデータで名簿を出しているだろうから、ちょっと加工すればすぐアップできてしまうだろう。それからカネを取るって…
名簿見たさに契約する人がどれほどいるかは知らないけれど、他人のふんどしで相撲を取るというか、魁さんはいいご商売をされてますなと思わずにはいられない。思わせぶりな見出しまで使って。【2022年1月3日追記・名簿見たさに、未成年者が勝手に有料コースを契約してしまう可能性もあり得、問題ではないか。】
【25日追記】魁のネット名簿掲載は、2017年から始まったようだ。また、3月25日は県庁職員2次異動分の「県課長級以上の人事異動発表【名簿あり】」も、有料掲載。これは県の発表が25日で、同日「10時1分 掲載」。
【2022年3月23日追記】翌年度の教職員異動は3月23日発表。魁のサイトは前年同様の対応で、11時19分付で「県教委が教職員異動を発表【名簿あり】」。その後、16時48分に「秋田高校長に柘植氏 県教委が教職員異動を発表【名簿あり】」に更新。いずれにしても、名簿でない記事本文やリード文も含めて、有料会員以外には、それ以上は一切分からない。また、下記「senseijinji.jp」サイトには23日17時過ぎ時点で、すでに名簿(なぜか掲載されない学校種あり)が掲載。
【2024年3月22日追記】2024年は3月22日発表。引き続き県からのネット発表はなし。
魁電子版では2023年秋からコース区分が変更されていて、
紙購読者は追加料金なしで電子版の有料記事を閲覧できるようになった。異動名簿もその対象(検索も可)なので、以前よりは見られる人が増えたことになろう。22日付紙面では、全面広告で「お世話になったあおの先生は…?」「教職員異動のチェックはさきがけ電子版で」「きょう22日昼ごろ、紙面より一足先に掲載します。」と告知。
22日15時頃時点では「電子版ログイン画面へのアクセスが集中しているため、ログインできない状態となっております。ご不便をおかけし申し訳ございません。」となっている。やはり異動名簿の需要の高さがうかがえる。
ちなみに、各局の昼前後のテレビニュースのうち、秋田テレビだけが昔と同じく、いくつかの学校長や課長級の新任を顔写真とともに報道した。
【2024年3月22日さらに追記】上記追記後、18時台には「教職員異動ページを無料公開しています。電子版へのログインがしづらい状況が続いたことをおわびします。」とされ、
ログインなしで誰でも、名簿を見たり検索できたりするようになった。どういう風の吹き回しで、しかもこのタイミングでの無料化なのか知らないが、理想の形にはなった。本来は県・県教育庁が行うべきことではあるが。
【2024年3月23日追記】2024年3月23日付1面に「おわび」が掲載。ログインできない状態が続いた対応として、22日夕方から無料公開したとのこと。無料公開は3月末まで。
【2025年3月22日追記】2025年3月21日発表分も、県からのネット公開はなく、魁は購読者のみに公開し、アクセス障害は起きなかった模様。
また、県教委が次長・課長・室長や県立学校長等の就任者について、県政記者会に対して公表していた、出身地、年齢、学歴を非公表とした。職員をトラブルから守るためで、前年から同様の対応をした県知事部局を参考。下記の顔写真は引き続き公表しているようだ。(以上追記)
あるいは、県と魁の癒着、という見方もできるか。
個人が教育庁などへ出向いて「異動名簿を見せてください」と言えば、見せてくれるものだろうか。それが不可(※)であれば、発表当日中に名簿の内容を見られる、唯一の手段が魁の有料サイトということになってしまい、問題があるのではないか。
※例えば愛知県では、情報公開部門で名簿を閲覧できるとしているので、他県でもできるのだとは思う。
そもそも、県のサイトで名簿を公開すればいいのでは。
個人情報というレベルのものではないし、有料ながら魁のサイトに、翌朝には新聞にも載るのだから。
例えば新潟県では、「教職員人事異動名簿を3月24日11時頃公開します」と予告し、実際に公開されている。
県分のほか、独自の発表をする政令指定都市・新潟市分はリンクを張り、いずれも学校種・職名ごとのPDFファイルをアップしている。
しかも一般的な新聞掲載名簿より項目が多く、「異動区分」欄には、退職に「定年退職」「勧奨退職」「普通退職」「割愛退職」と区分がある。新聞なら全部「退職」コーナーに入るのだろう。
勧奨は(優遇措置のある)早期退職、普通は優遇のない自己都合退職ということだろうか。割愛は、国立大学附属学校や市町村←→県の間での異動。採用のほうも、ほんとうの新人を「新採用」、よそを割愛退職されて来た人は「採用」としている。
そんな細かい点はいらないから、新旧所属と名前を、秋田県教育委員会でも公表すればいいのに。何か問題があるのなら、例えば4月早々には削除してもいい。
実は、ネットで秋田県教職員の異動名簿を見られないわけでもない。秋田県以外も含めて。
その名も「教職員人事異動 全国教育委員会発表の公立学校人事異動名簿」というサイトというかブログ形式のがあった(https://senseijinji.jp/)。フリーワードで検索もできる。異体字の配慮もある。
誰がどういう目的で運営しているのかは不明。目障りでない多少の広告は出る。
2009年の大阪市の名簿から始まっていて、今は全国を網羅している。対応も早く、ここ数日は更新ラッシュ。秋田県も23日のうちにアップされている。内容もおそらく間違ってはいない。
2009年の大阪の名簿などは新聞掲載名簿のような形式(区切りの記号など)だし、秋田県を23日中にアップするには魁にカネを払うしかないだろうから、そういう出典(コピペ)なんだろうか。
著作権が発生する新聞記事本文でそんなことをしたら、新聞社に削除を求められるか訴えられるが、こういう名簿ではどうなるんだろう。
【2022年3月23日追記・senseijinji.jpに掲載される区分について】このサイトでは、学校種・職名ごとに投稿を分けて名簿をアップしている。小学校校長、中学校教諭など。
2022年3月は、発表当日23日の夕方には名簿がアップされたが、その時点では、小学校、中学校は全職名が掲載されたものの、県立学校(高等学校、特別支援学校、一貫校も?)や県教育庁は未掲載。2021年はすべてが同じ日付でアップされていたのに。運営者が何者か分からないから、そもそも信用できないが、やはり正確な情報が公開されるべきだ。
【2025年3月29日追記】senseijinji.jpでは、秋田県分は2024年までは掲載。2025年は、秋田県以外は続々とアップされているのに、どういうわけか秋田県は1週間経っても掲載されない。
※
翌2022年は、全国紙の異動名簿に大きな変化があった。
その他、異動関連いろいろ。
●1日早く異動が分かる
上記の市町村との重複。
市町村教育委員会管轄の部署や学校と、県教委管轄のところ(小中学校は市町村立でもこちら)の間を異動する人は、県教委の名簿にも、市町村の名簿(役場の人事異動として)にも載る。
その両者の異動発表は同日とは限らない。今年の秋田市の場合、22日発表(23日新聞掲載)と1日早い。
秋田市教育委員会事務局、秋田商業高校、御所野学院高校、秋田公立美術大学附属高等学院を出入りする先生は、1日早く公表されてしまった。
市から県へ行く(戻る)先生たちは、上記新潟県の「割愛退職」になるが、「退職(秋田県教育委員会へ)」というコーナーにまとめられている。いなくなることは分かるが、どこへ行くのかは翌日の県の発表まで分からない。
一方、県から市へ来る先生たち。形式上は「採用」のはずだが、秋田市では(新規)採用者の名簿は公表しないようで、新聞に欄がない。だから、全員がカッコの旧所属を「秋田県教育委員会」とした、通常の「異動」の書式の名簿。このほうが一般人には違和感はないが、逆方向の「退職(秋田県教育委員会へ)」との整合性がない。「秋田県教育委員会からの異動」としてまとめればいいのでは。
●魁紙面・県教委へ
県教委の名簿なのに、「県教委へ」というコーナーがあった。
学校の現場から、県教委事務局(教育庁)へ異動するという意味。「県教委」を広義か狭義か、範囲が違っていることになるがややこしい。「教育庁へ」のほうがいいのでは。
●魁紙面・顔写真
教育庁課長以上と県立学校長は、昇任でない横滑り異動者も含めて、全員の略歴と顔写真が載る。
小中学校長は略歴なし。顔写真は一部の人だけ載るのだが、その掲載基準が分からない。
今年は、中学校長が御所野学院、潟西、大館東、横手明峰、美郷、能代東、西目、鷹巣、湯沢北の各中学校。小学校長は柴平、東成瀬、金岡、十文字、清鷹、泉、中通、鳥海、清水の各小学校。
いずれも9名ずつで、上段5名、下段4名の配置。下段が1人分空白で、どうせならもう1人加えて10人にしたら?
にしても、どうしてこれらの学校、あるいはこれらの方々を選んだのか。
例えば秋田市では、学校番号1番の保戸野小、4番の旭北小の校長も代わるのに、5番の中通小を掲載(学校番号が小さい=中心部にあって歴史が古いだけのことではあるが、そのほうが格上という風潮があるようだ。公立かつ義務教育学校では大した違いではないと思うけど)。
同じく1番の秋田東中と2番の秋田南中は、市教委と県教委の偉い人【26日補足・事務職員などではなく、もともとは教員として採用され、教員経験がある人のはず】が校長となって異動するのに、載ってない(だからといって載せる必要もないとは思うけど)。【25日補足・写真が出た御所野学院中校長は、他校教頭からの昇任。同様の人は複数いる】
【2023年3月23日追記・上記秋田東中、秋田南中の校長おふたりそろって、2023年度末で退職。同い年で偉い人の最後の配属先だったことになろう。】
【2025年3月22日追記】上記の通り、2025年から略歴等の公表は取りやめとなったが、顔写真公表は続いているようで、相変わらず魁には謎の基準で掲載。数が減ったようで、中学校は能代第二(能代第一を差し置いて)、土崎(秋田東、秋田南、山王を差し置いて)、天王南、太田、東成瀬。小学校は有浦、仁井田(市内10校を差し置いて)、船越、象潟、角館。(以上追記)
●テレビ報道
上記の通り、なぜかテレビでは報道されなくなった。
でも、秋田県警の異動は、今年も報道されていたと思う。かつての学校と同じように、県警本部の課長以上や警察署長が。
校長が誰になってもニュース性は低いのであれば、同じように署長が誰でもニュース性は低いのではないか。
【2022年3月23日追記】翌年度は、発表当日昼のニュースでは、秋田テレビのみが報道。昔同様、県教育庁や県立学校の管理職の一部を顔写真付きで伝えた。
●青森県は「発表」しない?
ちなみに青森県の教職員異動。23日に明らかにされ、やはりテレビでは扱わず、新聞社サイトに概要が出ている。県サイト、有料無料問わず新聞社サイトいずれでも、名簿はないが、例のサイトには載っている(情報源は?)。
異動概要の記事では、複数社が23日に「内示」したとしている。
内示段階で、人数や少なくとも管理職の異動内容が決定事項として報道されているというのも変な話。それじゃ「外示」だ。秋田県教育委員会の(というか日本語としての)内示とは違い、公式発表レベルらしい。青森県教育委員会では「発表」はしないということなのか。
なんやかんや言われても、学校の先生というのは、多くの人の心に残る存在だからこそ、異動が注目される(+名簿を有料公開する新聞社もいる)のでしょう。いい意味で心に残ってほしいものです。
【27日追記】学校卒業後、教職員人事異動を見ていると、年々、自分が知っている先生の定年退職が増え、自分が習った頃は若手だった先生が管理職になり、と時の流れと自分自身の年齢をも感じさせられるもの。
コメント欄でも触れたように、今回の異動では、自分が小学生の時に新採用された(ことを明確に記憶している、同学年他クラスの担任だった)先生が定年退職された。記憶にある限りでは初めてのケース。また一段階、歳を取ってしまったようだ。