昨日(29日)放送のフジテレビ系アニメ「サザエさん」は開始を30分繰り上げた(18時から)、1時間の拡大版だった。
日本テレビ系の24時間テレビに対抗して、「ちびまる子ちゃん」をつぶしてサザエさん特番で勝負に出たということだろうか。
新聞のテレビ欄には「一家揃って富山へ&ねぶた祭りに参加!!」などとあった。
昔は頻繁に磯野家・フグ田(←ATOKがちゃんと変換した!)家全員で旅行に行く「サザエさん夏の東北の旅 前編/後編」といった話が、通常の番組の中であったものだが、ここ数年(もっと前か?)は、そういう話がまったくなかったので、久しぶりの復活だ。
数週間前から流れていた予告で富山旅行編があることは知っていたが、予告では触れなかった、「ねぶた」があるということは青森にも行くのかと、期待して見た。
放送は、通常のお話はなく、1時間ぶっ通しの「虹色かがやく夏休み(作品ナンバー6371)」のみの放送。いつもの10分弱の話の感覚で見ていたので、集中力が続かなかった。
ブログを始める前、僕自身もほぼ同じルートを旅したことがあり、懐かしく見た。
※以下、その時の画像です。一眼レフの撮影ではありません
ストーリーとしては、時間に余裕があったこともあるだろうが、昔の旅行編に比べて、観光ガイド的内容でなく、人とのふれあい・人情に比重を置いていた印象を受けた。
カツオくんが泊まった五箇山・菅沼集落
今回の話は、以前も紹介したベテラン脚本家・雪室俊一さんの作。
話が逸れるが、その雪室さんは「キテレツ大百科(フジテレビ)」の脚本の大部分を手がけていて、僕は好きだった。インタビュー(http://homepage.mac.com/wayang_gamelan/interview/yukimuro/)では、子どもたちの家族をテーマにした作品を意識して書かれていたことと、「個人的に旅行が好きなので」あちこちに出掛ける作品が多かったことなどを話されている。
たしかにキテレツでは、登場人物の家族の物語や花の万博(花博)や北海道、山形、新潟など出掛ける話が多く、開業したばかりの山形新幹線や寝台特急「北斗星」も登場していた。
サザエさんでも、花沢さん家の不動産業の話やワカメちゃんの引っ越した友達との思い出、中島くんが北海道に行く話など、通じるものがある気がするし、今回の特番も、そう考えれば「雪室脚本らしいサザエさん」だったかもしれない。
また話が変わるが、サザエさんのオープニングでは、サザエさんが全国各地を観光するアニメが流れている。
2000年以降は1つの地域を半年間扱う方式で、舞台になることを希望する自治体からおカネを出してもらっているそうだ。800万円前後だそうだが、同じ条件のCMを流せば9600万円以上かかるそうで、費用対効果はとても高く、注目されているのだそうだ。(参考:Wikipedia)
オープニングには、2007年に富山市が出ていたが、それに続いて、今度は作中で富山(富山市を含む富山県)が出たことになる。
今回はおカネがかかったかどうかは分からないが、富山県にとってはすごい宣伝効果だったんじゃないだろうか。
僕もまた行きたくなってしまった。
秋田でもやったらどうだろう。
【31日追記】そういえば、秋田県では、韓国ドラマ「アイリス」のロケをバックアップしていたから、似たようなもんか。一定の経済効果も出ているようだし。
でも、サザエさんは国民的人気アニメだから効果は多大だろうし、なんてったってアニメはロケがいらない(取材だけで済む)から安くあがるはず。
※その後、2014年に実現
さて、富山市は公共交通を大事にしており、路面電車が2系統ある。古くからある「富山地方鉄道(地鉄)」とJR路線を転換した「富山ライトレール」。
最近はライトレールの方が注目されていたが、昨年末、公設民営方式で地鉄に新路線が開業し、新型車両による環状運転が行われるようになった。
今回のサザエさんでも、地鉄の新路線が出てくるのかと期待していたが、登場したのはライトレールの方だった。
(エンドロールの「取材協力」には、ライトレール、JR西日本、富山空港ターミナルビルなどがあったが、地鉄の名は出なかった)
富山ライトレールには、7本の電車があり、白い車体に1本ずつ違う色がアクセントでついている。
カツオくんが言うには「(7本のうち1本の)赤い色の電車は“幸運の電車”。乗ると幸せになれる」そうで、サザエさんたちを他の電車で先に行かせて、自分は赤い電車が来るのを待っていた。(その後、赤い電車が来たのだが、いろいろあって結局乗らなかったのだけど)
赤い電車。クリスマスだったのでリースの装飾付き
ライトレールの赤い電車が幸運の電車だとは初耳。
雪室さんの創作かと思ったら、実際に富山ではそういう話があるらしく、新聞記事になったこともあるようだ。
検索して見つけた「財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団)」のサイト内「まちなか再生井戸端会議」には(http://www.machinakasaisei.jp/cgi-bin/user/i_reply_df.cgi?id=1)、2007年11月の時点で「「赤いライトレールに乗ると恋が芽生える!!」って女子高生の間で噂になって、わざわざ赤い電車を待って乗る若い子もいる」という書き込みがある。
開業(2006年4月)1年半後には、すでにそういう話があったことになる。
僕が富山に行ったのは2007年12月。しかもその時、行き帰りとも「幸運の電車」である赤い車両に乗っていたのだった!
今思えばラッキーだったのかも?!
カツオくんは「待っていれば今日中には(赤い電車が)来るさ」とかのんきに言っていたが、終日車庫で待機していたり、点検整備の日に当たっていれば、いつまで待っても来ないのであしからず。
【31日追記】実写の旅番組やサスペンスドラマでも言えることだが、テレビ番組の扱い方は、現地の地理を把握していない人には、出てくる場所の位置関係を誤解されそうな場合も少なくない。(例えば秋田駅と男鹿半島入道崎がすぐそばにあるとか)
今回は、富山市と高岡市がそうだった。両市は隣り合っているとはいえ、富山駅と高岡駅は20キロほど離れている。
作中では、カツオくんが富山で会った地元の人と、すぐ後に高岡で再開する場面があり、両市がすぐ近くのように感じてしまう視聴者がいたかもしれない。
また、高岡市にも「万葉線」という第3セクターの路面電車があり、その車両は真っ赤な車体で、しかも富山ライトレールとほぼ同型の車両。
「ライトレールに1台だけある赤い電車」と「万葉線の赤い電車」を混同されてしまう恐れもないとはいえない。
この部分の設定や話の流れはやや強引だった気がする。
あとは、マスオさんが列車内で食べた「マスの押し寿司がうまかった~」と言っていたのは、“共食い”みたいでおかしかった。
そして最後のねぶた。
立体的なねぶたが運行され、サザエさん一家や花沢さん父娘、マスオさんの同僚の穴子さんまでが「ハネト」として「ラッセラー」と言いながら跳ねていた。ここまでは青森市のねぶたの形式。
だが、弘前の「ね“ぷ”た」と同じ形の扇形のものにサザエさんのキャラクターが描かれたものも運行されていたが、青森でも扇形のってあるんだっけ?
東京でねぶた祭りとは、ストーリーとも関連が薄く、ずいぶん飛躍したアイデアだな、と思っていたが、エンディングで
「東京の桜新町サザエさん通りで、『桜新町ねぶた祭り』が9月11日に行われます。サザエさんのねぶたも出ますので、来てください」
と、お知らせが流れ、アニメと同じサザエさんの扇形ねぶた(ねぷた)の写真が出た。
世田谷区桜新町は、作者の故・長谷川町子氏が居住していて、「長谷川町子美術館」がある“サザエさんの町”。
架空でなく、実際のお祭りの舞台をあさひが丘に置き換えたものだったのだ。
アニメの背景なども、実物に忠実に描かれていたようで、なかなかためになるお話だった。
それにしても、一家7人で旅行に行くとは、サザエさん一家はお金持ちなんですなー!
アニメ「サザエさん」は、すべての都道府県で放送されているという。
ただし、フジテレビ系列局のない、青森・山梨・徳島・山口の各県では、放送時間が異なる。
青森県では、TBS系列の青森テレビで翌週土曜日の17時から、6日遅れで放送されている。
そして残念ながら、青森では今回の1時間特番は放送されないようだ。
さらに、フジテレビでは、9月5日は昨日とは逆に、「サザエさん」を休止し、「ちびまる子ちゃん」の1時間特番を放送する。
したがって、青森では9月4日と11日の2週連続して、サザエさんの放送がない。その2週は別の単発番組で埋めるようだ。
日本テレビ系の24時間テレビに対抗して、「ちびまる子ちゃん」をつぶしてサザエさん特番で勝負に出たということだろうか。
新聞のテレビ欄には「一家揃って富山へ&ねぶた祭りに参加!!」などとあった。
昔は頻繁に磯野家・フグ田(←ATOKがちゃんと変換した!)家全員で旅行に行く「サザエさん夏の東北の旅 前編/後編」といった話が、通常の番組の中であったものだが、ここ数年(もっと前か?)は、そういう話がまったくなかったので、久しぶりの復活だ。
数週間前から流れていた予告で富山旅行編があることは知っていたが、予告では触れなかった、「ねぶた」があるということは青森にも行くのかと、期待して見た。
放送は、通常のお話はなく、1時間ぶっ通しの「虹色かがやく夏休み(作品ナンバー6371)」のみの放送。いつもの10分弱の話の感覚で見ていたので、集中力が続かなかった。
一家で富山県を訪れ、高岡の大仏やコロッケ、五箇山の合掌造り集落、「おわら風の盆」の富山市八尾などで地元の人と交流を深める。(行程の一部は波野(ノリスケさん)一家が同行した)といった内容。青森に行ったわけではなかった。
そして、サザエさん一家が住む、東京あさひが丘で「ねぶた祭り」が開催され、八尾で会った親子とサザエたちが再会する。
ブログを始める前、僕自身もほぼ同じルートを旅したことがあり、懐かしく見た。
※以下、その時の画像です。一眼レフの撮影ではありません
ストーリーとしては、時間に余裕があったこともあるだろうが、昔の旅行編に比べて、観光ガイド的内容でなく、人とのふれあい・人情に比重を置いていた印象を受けた。
カツオくんが泊まった五箇山・菅沼集落
今回の話は、以前も紹介したベテラン脚本家・雪室俊一さんの作。
話が逸れるが、その雪室さんは「キテレツ大百科(フジテレビ)」の脚本の大部分を手がけていて、僕は好きだった。インタビュー(http://homepage.mac.com/wayang_gamelan/interview/yukimuro/)では、子どもたちの家族をテーマにした作品を意識して書かれていたことと、「個人的に旅行が好きなので」あちこちに出掛ける作品が多かったことなどを話されている。
たしかにキテレツでは、登場人物の家族の物語や花の万博(花博)や北海道、山形、新潟など出掛ける話が多く、開業したばかりの山形新幹線や寝台特急「北斗星」も登場していた。
サザエさんでも、花沢さん家の不動産業の話やワカメちゃんの引っ越した友達との思い出、中島くんが北海道に行く話など、通じるものがある気がするし、今回の特番も、そう考えれば「雪室脚本らしいサザエさん」だったかもしれない。
また話が変わるが、サザエさんのオープニングでは、サザエさんが全国各地を観光するアニメが流れている。
2000年以降は1つの地域を半年間扱う方式で、舞台になることを希望する自治体からおカネを出してもらっているそうだ。800万円前後だそうだが、同じ条件のCMを流せば9600万円以上かかるそうで、費用対効果はとても高く、注目されているのだそうだ。(参考:Wikipedia)
オープニングには、2007年に富山市が出ていたが、それに続いて、今度は作中で富山(富山市を含む富山県)が出たことになる。
今回はおカネがかかったかどうかは分からないが、富山県にとってはすごい宣伝効果だったんじゃないだろうか。
僕もまた行きたくなってしまった。
秋田でもやったらどうだろう。
【31日追記】そういえば、秋田県では、韓国ドラマ「アイリス」のロケをバックアップしていたから、似たようなもんか。一定の経済効果も出ているようだし。
でも、サザエさんは国民的人気アニメだから効果は多大だろうし、なんてったってアニメはロケがいらない(取材だけで済む)から安くあがるはず。
※その後、2014年に実現
さて、富山市は公共交通を大事にしており、路面電車が2系統ある。古くからある「富山地方鉄道(地鉄)」とJR路線を転換した「富山ライトレール」。
最近はライトレールの方が注目されていたが、昨年末、公設民営方式で地鉄に新路線が開業し、新型車両による環状運転が行われるようになった。
今回のサザエさんでも、地鉄の新路線が出てくるのかと期待していたが、登場したのはライトレールの方だった。
(エンドロールの「取材協力」には、ライトレール、JR西日本、富山空港ターミナルビルなどがあったが、地鉄の名は出なかった)
富山ライトレールには、7本の電車があり、白い車体に1本ずつ違う色がアクセントでついている。
カツオくんが言うには「(7本のうち1本の)赤い色の電車は“幸運の電車”。乗ると幸せになれる」そうで、サザエさんたちを他の電車で先に行かせて、自分は赤い電車が来るのを待っていた。(その後、赤い電車が来たのだが、いろいろあって結局乗らなかったのだけど)
赤い電車。クリスマスだったのでリースの装飾付き
ライトレールの赤い電車が幸運の電車だとは初耳。
雪室さんの創作かと思ったら、実際に富山ではそういう話があるらしく、新聞記事になったこともあるようだ。
検索して見つけた「財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団)」のサイト内「まちなか再生井戸端会議」には(http://www.machinakasaisei.jp/cgi-bin/user/i_reply_df.cgi?id=1)、2007年11月の時点で「「赤いライトレールに乗ると恋が芽生える!!」って女子高生の間で噂になって、わざわざ赤い電車を待って乗る若い子もいる」という書き込みがある。
開業(2006年4月)1年半後には、すでにそういう話があったことになる。
僕が富山に行ったのは2007年12月。しかもその時、行き帰りとも「幸運の電車」である赤い車両に乗っていたのだった!
今思えばラッキーだったのかも?!
カツオくんは「待っていれば今日中には(赤い電車が)来るさ」とかのんきに言っていたが、終日車庫で待機していたり、点検整備の日に当たっていれば、いつまで待っても来ないのであしからず。
【31日追記】実写の旅番組やサスペンスドラマでも言えることだが、テレビ番組の扱い方は、現地の地理を把握していない人には、出てくる場所の位置関係を誤解されそうな場合も少なくない。(例えば秋田駅と男鹿半島入道崎がすぐそばにあるとか)
今回は、富山市と高岡市がそうだった。両市は隣り合っているとはいえ、富山駅と高岡駅は20キロほど離れている。
作中では、カツオくんが富山で会った地元の人と、すぐ後に高岡で再開する場面があり、両市がすぐ近くのように感じてしまう視聴者がいたかもしれない。
また、高岡市にも「万葉線」という第3セクターの路面電車があり、その車両は真っ赤な車体で、しかも富山ライトレールとほぼ同型の車両。
「ライトレールに1台だけある赤い電車」と「万葉線の赤い電車」を混同されてしまう恐れもないとはいえない。
この部分の設定や話の流れはやや強引だった気がする。
あとは、マスオさんが列車内で食べた「マスの押し寿司がうまかった~」と言っていたのは、“共食い”みたいでおかしかった。
そして最後のねぶた。
立体的なねぶたが運行され、サザエさん一家や花沢さん父娘、マスオさんの同僚の穴子さんまでが「ハネト」として「ラッセラー」と言いながら跳ねていた。ここまでは青森市のねぶたの形式。
だが、弘前の「ね“ぷ”た」と同じ形の扇形のものにサザエさんのキャラクターが描かれたものも運行されていたが、青森でも扇形のってあるんだっけ?
東京でねぶた祭りとは、ストーリーとも関連が薄く、ずいぶん飛躍したアイデアだな、と思っていたが、エンディングで
「東京の桜新町サザエさん通りで、『桜新町ねぶた祭り』が9月11日に行われます。サザエさんのねぶたも出ますので、来てください」
と、お知らせが流れ、アニメと同じサザエさんの扇形ねぶた(ねぷた)の写真が出た。
世田谷区桜新町は、作者の故・長谷川町子氏が居住していて、「長谷川町子美術館」がある“サザエさんの町”。
架空でなく、実際のお祭りの舞台をあさひが丘に置き換えたものだったのだ。
アニメの背景なども、実物に忠実に描かれていたようで、なかなかためになるお話だった。
それにしても、一家7人で旅行に行くとは、サザエさん一家はお金持ちなんですなー!
アニメ「サザエさん」は、すべての都道府県で放送されているという。
ただし、フジテレビ系列局のない、青森・山梨・徳島・山口の各県では、放送時間が異なる。
青森県では、TBS系列の青森テレビで翌週土曜日の17時から、6日遅れで放送されている。
そして残念ながら、青森では今回の1時間特番は放送されないようだ。
さらに、フジテレビでは、9月5日は昨日とは逆に、「サザエさん」を休止し、「ちびまる子ちゃん」の1時間特番を放送する。
したがって、青森では9月4日と11日の2週連続して、サザエさんの放送がない。その2週は別の単発番組で埋めるようだ。